"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
秋を探しに [探虫行]
10月31日。朝から天気も良く、意気揚々とベニシジミ号に乗って出発しました。
ところが、最寄のICに向かう途中のオーバーパスを越えようとした時。
エンジンの回転が上がらず、坂の途中で失速。
あれ?ギアを間違えたか、それともカブッたかと思いましたが、なんとか登ることはできました。
しかしその後、高速道路に乗ると異常がはっきりしました。
フルスロットルでもなんと70キロしか出ないのです。
これはまずいと判断し、すぐ次のICで降りました。
そのまま行きつけのバイク屋さんに行こうかと思いましたが開店時間までかなりある。
仕方なく、一旦帰還することに。
家に帰って冷静になって考えてみましたが、原因が思いつかない。
虫たちの世話をしていると開店時間が近づいたので、装備はそのままにバイク屋さんへ向かいました。
超安全運転で走り、お店に着いてみると入口に張り紙が。
「10月31日まで休業」
今日は土曜日なのに・・・想定外の展開。
ちょっと悩みましたが、ここまで走行できたし、スピードが出ないこと以外は問題ないので決行。
下道をトコトコと走る分には他の車両の走行に影響を与えることもありません。
(道が空いていると周りの車がスピードを上げますが左車線を法定速度で走ります)
たまに煽られ気味になることもありますが、それはしょうがない。
さて、今回どこを目指しているかというと、もちろん房総。ミッションは2つあります。
一つは前記事で訪れた原っぱでシカ糞にオオセンチが来ていたので、トラップをかけてみること。
もう一つは、先日、知り合いから、とあるチョウが沸いているという情報を得たので確認すること。
つまり、前週に続いて、トラップを設置するためにがんばって朝早く出たというのに・・。
ところで、ゆっくり走っていると流れていく景色が少し違って見えます。
道路沿いの空き地や中央分離帯に繁茂していたセイタカアワダチソウの花はすっかり色あせて。
まるでその色素と活力を吸い上げたように、街路のイチョウが鮮やかに黄葉しています。
道路の左右に生命の満ち欠けの対比のような景色が続くとバイクの調子が悪いことも気になりません。
出発が遅れたことで、かえって道路が混むこともなく、お昼前に房総半島の”胃”の辺りに到着。
さあ、急いで原っぱにトラップを仕掛けます。
ターゲットがターゲットなのでベイトはいつもの乗馬クラブでもらってきておいた新鮮なエサ。
少し平たく土を掘った穴に、深皿のようなプラスチック容器を埋め、その中にベイトを投入するだけ。
10メートルくらいの間隔で3か所設置して、道具を片付けていると・・ブーンという羽音。
もう来た。
貴重な生態写真なので、慌てないようにはしたけれど、天気が良すぎてうまく撮れませんでした。
間もなく藪の方へ飛び去ってしまいましたが、おそらく後でまた戻って来てくれるでしょう。
シカ糞チェックでは本命は見当たらず。その代わりなぜかこの子が。
齧りついているように見えるけど、まさかね。
ちょっと間を空けるために付近を散策しました。
以前も掲載しましたが、このフィールドにも素掘り隧道があるので紹介します。
これは川と散策路の二つ穴。
もう一つ、その先にあるのが房総らしい隧道。
斜めに掘削しているのではなくて、傾斜した地層が出現しているのです。
何か他の虫がいないかという期待は裏切られ、粘ることはせず、原っぱへ戻りました。
すると・・
やっぱり戻って来ていた。(同一個体かは断定できませんが)
写真のとおり、また飛び立ってしまいましたが、旋回して着地してくれたので逮捕。
トラップにも。
設置してから30分くらいで3頭回収できました。
うはうは気分で、もう一つのミッションを果たすべく一旦離脱。さらに南を目指します。
そのエリアは何度か訪れたことがあるのですが、ポイントへの最短アプローチルートは不明。
スマホでGoogleMapを表示して、国道からの侵入地点を調べ、ここかなという所を右折。
そしたらなんと、以前もはまった行き止まりの道だったのであえなくUターン。
侵入地点はもう少し先ということになりますが、それは農道ともいえないような細いあぜ道でした。
半信半疑で道なりに進み、二股になったので勘で左に曲がったら農家の庭。
またUターンして坂を下ると、目の前に圃場が開けてきました。
下りきったところにあったのが目印の作業小屋。
小屋の前にベニシジミ号を止めさせていただき、さっそく装備を整えます。
といっても、捕虫網と一眼レフを出して、気温が上がってきたのでジャンパーを脱いだだけ。
植樹であるソテツの周りには、遠目に見てもチラチラと舞っているのがわかるほどたくさんいます。
果たしてそれが目的の昆虫かどうかが問題ですが・・間違いありません。
元々日本には分布しない南方系のチョウなのですが、近年は本州以南で突発的に発生しているらしい。
南西諸島などへ迷蝶が渡来し植樹につき、造園用の苗木と一緒に国内各地に拡散したと思われます。
チバでは2009年に館山で初めて観察され、今年またどこからかやってきたようです。
扉の写真はメスで、こちらはオス。
ソテツの周りを飛び回っているのは、メスを追うオス、テリトリー争いするオスたち。
メスは追いかけ回されるので、葉の上や下草の上にとまって日向ぼっこしているのはほとんどオス。
しつこく探して単独のメスを見つけて撮ったのが扉の写真です。
それと、ペアで日向ぼっこしている様子も見られました。
それにしても天気が良すぎて露出がなかなか合ってくれず、難ありの写真を増産するばかり。
むしろ、地面を歩いていた子の方が撮りやすかったのですが、この子は別の意味で難あり。
雌雄の判定もままなりません。
羽化不全でなくても、寿命を迎えて星になった個体が地面にたくさん落ちていました。
そして、それを食べに来たカエルたちも見られましたが、写真なし。
落ちていた個体も含めて何頭かサンプルとして採集しました。
さあ、もうお昼もとっくに過ぎたので、お昼を食べに向かいます。
お腹が空いてスピードが出ないのがもどかしいけれど、やっと着きました、まんぼうへ。
出てきたのはお初にお目にかかるスペシャル麺。
今年のボウソウの秋は丼の中にありました。
これからトラップの回収に行くのでとマスターに告げ、おしゃべりもそこそこに出発。
(トコトコ走行なので暗くなる前に帰りたいし)
果たして、収獲はどうだったかというと・・
全部で9頭も採れました。
メスが3頭と少なかったのがちょっと残念でしたが、多産地であることが分かったこと自体が大収穫。
さっさと回収して、いそいそと帰路につきました。
さすがに日没前に帰着することはムリでしたが、ベニシジミ号は無事に走ってくれました。
現地でカエルを撮り損ねたからというわけではありませんが。
その代わりにということでもないですが。
はとむぎは元気に暮らしています。
ちょっとだけ大きくなって、少しだけ蛙らしくなりましたが、やはりアマガエルらしくはありません。
そんな”むぎ”に癒される日々です。
今日の湯加減
ところが、最寄のICに向かう途中のオーバーパスを越えようとした時。
エンジンの回転が上がらず、坂の途中で失速。
あれ?ギアを間違えたか、それともカブッたかと思いましたが、なんとか登ることはできました。
しかしその後、高速道路に乗ると異常がはっきりしました。
フルスロットルでもなんと70キロしか出ないのです。
(このチョウの詳細は本編で)
これはまずいと判断し、すぐ次のICで降りました。
そのまま行きつけのバイク屋さんに行こうかと思いましたが開店時間までかなりある。
仕方なく、一旦帰還することに。
家に帰って冷静になって考えてみましたが、原因が思いつかない。
虫たちの世話をしていると開店時間が近づいたので、装備はそのままにバイク屋さんへ向かいました。
超安全運転で走り、お店に着いてみると入口に張り紙が。
「10月31日まで休業」
今日は土曜日なのに・・・想定外の展開。
ちょっと悩みましたが、ここまで走行できたし、スピードが出ないこと以外は問題ないので決行。
下道をトコトコと走る分には他の車両の走行に影響を与えることもありません。
(道が空いていると周りの車がスピードを上げますが左車線を法定速度で走ります)
たまに煽られ気味になることもありますが、それはしょうがない。
さて、今回どこを目指しているかというと、もちろん房総。ミッションは2つあります。
一つは前記事で訪れた原っぱでシカ糞にオオセンチが来ていたので、トラップをかけてみること。
もう一つは、先日、知り合いから、とあるチョウが沸いているという情報を得たので確認すること。
つまり、前週に続いて、トラップを設置するためにがんばって朝早く出たというのに・・。
ところで、ゆっくり走っていると流れていく景色が少し違って見えます。
道路沿いの空き地や中央分離帯に繁茂していたセイタカアワダチソウの花はすっかり色あせて。
まるでその色素と活力を吸い上げたように、街路のイチョウが鮮やかに黄葉しています。
道路の左右に生命の満ち欠けの対比のような景色が続くとバイクの調子が悪いことも気になりません。
出発が遅れたことで、かえって道路が混むこともなく、お昼前に房総半島の”胃”の辺りに到着。
さあ、急いで原っぱにトラップを仕掛けます。
ターゲットがターゲットなのでベイトはいつもの乗馬クラブでもらってきておいた新鮮なエサ。
少し平たく土を掘った穴に、深皿のようなプラスチック容器を埋め、その中にベイトを投入するだけ。
10メートルくらいの間隔で3か所設置して、道具を片付けていると・・ブーンという羽音。
もう来た。
オオセンチコガネ (センチコガネ科)
貴重な生態写真なので、慌てないようにはしたけれど、天気が良すぎてうまく撮れませんでした。
間もなく藪の方へ飛び去ってしまいましたが、おそらく後でまた戻って来てくれるでしょう。
シカ糞チェックでは本命は見当たらず。その代わりなぜかこの子が。
エンマコオロギ ♀ (コオロギ科)
齧りついているように見えるけど、まさかね。
ちょっと間を空けるために付近を散策しました。
以前も掲載しましたが、このフィールドにも素掘り隧道があるので紹介します。
これは川と散策路の二つ穴。
もう一つ、その先にあるのが房総らしい隧道。
斜めに掘削しているのではなくて、傾斜した地層が出現しているのです。
何か他の虫がいないかという期待は裏切られ、粘ることはせず、原っぱへ戻りました。
すると・・
やっぱり戻って来ていた。(同一個体かは断定できませんが)
同上
写真のとおり、また飛び立ってしまいましたが、旋回して着地してくれたので逮捕。
トラップにも。
同上
設置してから30分くらいで3頭回収できました。
うはうは気分で、もう一つのミッションを果たすべく一旦離脱。さらに南を目指します。
そのエリアは何度か訪れたことがあるのですが、ポイントへの最短アプローチルートは不明。
スマホでGoogleMapを表示して、国道からの侵入地点を調べ、ここかなという所を右折。
そしたらなんと、以前もはまった行き止まりの道だったのであえなくUターン。
侵入地点はもう少し先ということになりますが、それは農道ともいえないような細いあぜ道でした。
半信半疑で道なりに進み、二股になったので勘で左に曲がったら農家の庭。
またUターンして坂を下ると、目の前に圃場が開けてきました。
下りきったところにあったのが目印の作業小屋。
小屋の前にベニシジミ号を止めさせていただき、さっそく装備を整えます。
といっても、捕虫網と一眼レフを出して、気温が上がってきたのでジャンパーを脱いだだけ。
植樹であるソテツの周りには、遠目に見てもチラチラと舞っているのがわかるほどたくさんいます。
果たしてそれが目的の昆虫かどうかが問題ですが・・間違いありません。
クロマダラソテツシジミ (シジミチョウ科)
元々日本には分布しない南方系のチョウなのですが、近年は本州以南で突発的に発生しているらしい。
南西諸島などへ迷蝶が渡来し植樹につき、造園用の苗木と一緒に国内各地に拡散したと思われます。
チバでは2009年に館山で初めて観察され、今年またどこからかやってきたようです。
扉の写真はメスで、こちらはオス。
同上
ソテツの周りを飛び回っているのは、メスを追うオス、テリトリー争いするオスたち。
メスは追いかけ回されるので、葉の上や下草の上にとまって日向ぼっこしているのはほとんどオス。
しつこく探して単独のメスを見つけて撮ったのが扉の写真です。
それと、ペアで日向ぼっこしている様子も見られました。
同上 ペア
それにしても天気が良すぎて露出がなかなか合ってくれず、難ありの写真を増産するばかり。
むしろ、地面を歩いていた子の方が撮りやすかったのですが、この子は別の意味で難あり。
同上
雌雄の判定もままなりません。
羽化不全でなくても、寿命を迎えて星になった個体が地面にたくさん落ちていました。
そして、それを食べに来たカエルたちも見られましたが、写真なし。
同上
落ちていた個体も含めて何頭かサンプルとして採集しました。
さあ、もうお昼もとっくに過ぎたので、お昼を食べに向かいます。
お腹が空いてスピードが出ないのがもどかしいけれど、やっと着きました、まんぼうへ。
出てきたのはお初にお目にかかるスペシャル麺。
秋野菜とキノコの味噌ラーメン
今年のボウソウの秋は丼の中にありました。
これからトラップの回収に行くのでとマスターに告げ、おしゃべりもそこそこに出発。
(トコトコ走行なので暗くなる前に帰りたいし)
果たして、収獲はどうだったかというと・・
オオセンチコガネ (センチコガネ科)
全部で9頭も採れました。
メスが3頭と少なかったのがちょっと残念でしたが、多産地であることが分かったこと自体が大収穫。
さっさと回収して、いそいそと帰路につきました。
さすがに日没前に帰着することはムリでしたが、ベニシジミ号は無事に走ってくれました。
オマケ
現地でカエルを撮り損ねたからというわけではありませんが。
その代わりにということでもないですが。
はとむぎは元気に暮らしています。
ちょっとだけ大きくなって、少しだけ蛙らしくなりましたが、やはりアマガエルらしくはありません。
そんな”むぎ”に癒される日々です。
今日の湯加減
その後、バイク屋さんに電話で症状を伝え、原因と思われる部品(エアクリーナー)を注文。
先週、部品が届いたとのことでお店に行って、メンテナンスをしてもらいました。
ついでにプラグも交換した結果、かなり調子はよくなり、最高速も100キロ出るようになりました。
でもやっぱりトルクがうすい。同じスピードでもアクセル開度が大きいので燃費がちょっと悪い。
バイク屋さんも首を傾げ、色々チェックしてもらいましたが、結局は様子を見ることに。
どなたか詳しい方、ヒントやコメントがあれば是非お願いします。
さて、実は、3周連続で訪れることになりました。・・続きは次回。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
はとむぎちゃん、かわゆー♪
by よしころん (2020-11-15 08:53)
オオチャンの紅(くれない)の縁取りが粋ですね。高和はお初にお目にかかりました。クマソさんの分布拡大ももとはといえばヒトの仕業?つくづく罪深い存在かな 。
ベニシジミ号の不調、そろそろ越冬準備なのかも。
by 高和です。 (2020-11-15 09:12)
元々は南方系のチョウなのですか〜
綺麗な色。実際はもっと綺麗なんだろうな。
はとむぎちゃん、元気なのですね^^
ふふふ。可愛いお顔だ〜〜〜
明日記事にするのですが、カブトムシの幼虫1匹死んじゃいました。
けっこう大きくなっていたのに残念。
黒くなっていて気づくのが遅かったです;;
by リュカ (2020-11-15 09:45)
>よしころんさん
癒しビーム、威力万点です^^
>高和です。さん
造園業者にも罪はないと思いますし、結局、食害を受けて困っているのもニンゲンですからね。
でもこれから寒冷地に適応していくかもしれませんね^^;
>リュカさん
もっといい色なのですが、うまく撮れませんでした T T
むぎは可愛く撮れたと思います。
ところで、個別飼いでなければ、同じケースにいた子は引越しした方がいいです。(細菌が繁殖しているかもしれないので土も替える)
by ぜふ (2020-11-15 11:25)
甲虫が羽を広げた瞬間を撮れたなんてラッキーでやしたね!
つやつやした硬そうな羽でやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-11-15 13:50)
餌を乗馬クラブでもらうというのが面白い。
2つ並んだ隧道も素敵です。
しかしベニシジミ号心配ですね。
エンジンの工程を辿ると吸気は交換したし
ならばインジェクション?
プラグは交換してるので残るは排気系?
マフラーにカーボンが溜まってるとか。
by 響 (2020-11-18 20:07)
オオセンチコガネ、陽光に輝いて美しい。
翅を開くとこんな感じなんですね。付け根がどうなっているのか、
目を凝らして、じーっと見てしまいました。
なるほど、運ばれる木にくっついて虫が移動するコトもあるのですね。
う~ん、はとむぎかわいいです^^;。
by sakamono (2020-11-20 00:04)
>ぼんぼちぼちぼちさん
いつもなら飛び立つ前につかまえてしまうのでなかなか撮れません^^
この子たちは昼間よく飛びます。
>響さん
川側の隧道は手堀りじゃないかもですが^^;
吸気系だとするとFIが疑わしいですが・・だとすると最悪。
あとは排気系、なるほどマフラーですか、チェックしてみます。
>sakamonoさん
光の当たり方が違えばもっといい色に写せたと思います。
セミの幼虫も苗木と一緒に運ばれますし竹箒についてくるのもいます^^;
むぎは段々オトナになりつつあります。
by ぜふ (2020-11-20 21:40)