"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
池めぐり ~前編~ [探虫行]
8月22日もチバは熱中症警戒アラートが絶賛発令中。
ボウソウするにしても午前中勝負だと考えていましたが。
前夜、暑苦しくてなかなか寝付けず、絶賛朝寝坊。
早めに帰ってくることを心に決めて出発。
向かったのは、昨年新規開拓を試みたエリア。
前回はキサラヅ市某所の田んぼを訪れ、ゴミ掘りをして少し収獲がありました。
今回はその少し南に位置する2本の谷津田。
GoogleMapでは、その一方に溜池らしきものがあったので、水生昆虫がいないか確認することに。
それほど山奥でもないのに、里山らしい自然林(?)が残っていて、良い景観のフィールドでした。
寝坊したので高速を使いましたが、県道から農道に入ってからガタゴトと10分ほどかかりました。
そこはまさに灌漑用の堰でした。
畔に近寄ると、カルガモが一斉に飛び立ち、反対岸にはシラサギが佇み、聞こえるのは水路の音だけ。
ウシガエルの声はしなかったのですが、池の中を覗いてみると大きなオタマが泳いでいました。
ぐるっと回って池に注ぐ水路がまたチバではなかなかお目にかかれない良い雰囲気でした。
倒れた葦を踏みしめて縁まで進み、う◯こ座りして水の中をのぞき込むと、水中に何かの群れが。
小さな水網でひとすくいしただけでこんなに採れました。
何百匹もいたと思います。
するとギンヤンマがタンデムで飛んできて、正面の葦の茎にとまりました。
今回はバットを持ってこなかったので試合はせず、かなり遠かったので証拠写真のみ。
水中に沈んでいる葦のあたりを掬うとヌマエビも大量に採れましたが、すべてリリース。
上流の水源の方に入ることはできなさそうだったので、池を半周したところで引き返しました。
ベニシジミ号に戻る途中、林縁の木陰で見つけたのは前々記事でも紹介したトンボ。
少し周囲を探索しましたが、メスは見つけられませんでした。
様子は確認できたし、もう一本谷津田に行きたいので長居はしません。
とはいえ、バイクを止めたところの近くの用水路の周りだけ確認。
やや流れが早くて水生昆虫は期待薄でしたが、水路沿いのクズの葉にこんなのがいました。
まさにハチそっくりという名、”蜂紛い透かし羽”じゃないかと思います。
出発しようと身支度を整えていたら目の前の葉の上にトリコロールの小さなハエが。
これを撮っていたらすぐ近くに小さいテントウ虫が。
体長は3ミリ弱しかないので、この黒紋ですら肉眼では分からないほどです。
この一枚を撮って、トリコロールを撮りなおそうとしたら、もういませんでした。そんなもの。
谷津田沿いの細い農道を下流に引き返していると、分岐のところの用水が少しいい感じでした。
バイクを降りて、少し周囲を探索していると、なぜか電柱にとまっている子が。
5センチくらいあるのに、見つかっていないつもりでしょうか。近づいても微動だにしませんでした。
写真では分かりづらいですが、顔の前面に口ひげのような形の緑色の紋があります。
今度は幅30センチほどの用水路にしゃがんで、藻の中をひと掬いしてみると。
久しぶりに会ったのでお連れしたのですが、腹ペコだったのか、水槽のヌマエビが大量に食べられた。
もう一本の谷津田はすぐとなり。
さらに細くてさらに深い。
農道もさらに細くて、きっと軽トラがやっと通れるくらいですが、わだちが深くて路肩がやわい。
つまり、バイクでも走るのがかなり大変な道でした。
池や堰もなかったのですが、休耕田のところどころは湿地になっているようでした。
湿地に向かって林から流れ込む水にアゲハたちが吸水に訪れていました。
カラスアゲハも2頭いたのですが、散らしてしまい、このモンキだけは舞い戻ってきてくれた。
とにかく行けるところまで突っ込んでみた地点はこんな様子。
この先は藪に包まれた獣道でした。
周辺を探索するにも林と藪に囲まれ、田んぼは電気柵で囲われて、ほとんど身動きがとれない。
と、足元に以外な虫が。街中にいる印象ですが、こんな里山の奥地まで分布拡大しているのですね。
一か所だけ水生昆虫がいそうな水嵩のあるところがあったので水網でガサガサしてみました。
すると何か魚が採れてしまいました。
体長は5センチほど。カジカでもチチブでもなさそうで・・不明でしたがお連れしました。
さらにガサるとやっと水生昆虫が網に入りました。
体長は5ミリほど。2頭お連れしましたが、翌日姿が見えなくなりました。(タイコウチの仕業か)
近くの空に黒い雨雲が見え始め、通り雨が来そうだったので、ベニシジミ号を木陰に移動しました。
休憩しながら足元観察。
水分補給をしながらしばらく休んでいましたが、その内またギラギラと陽が差し始めたので撤収開始。
田んぼに落ちないようにゆっくり進んでいるとさっきの水場に。
またアゲハたちが集まっていたのですが、また散らしてしまいました。
が、すぐに一頭、向こうから戻ってきたのでしばらく粘ることに。
地面にとまってから距離をつめていくのですが、射程内に入る直前に舞い上がりました。
しかし、また舞い戻ってくる。距離をつめる。舞い上がる。戻ってくる。
を何回繰り返したでしょうか、馬鹿にされている気がしてきたので、あきらめてバイクに跨りました。
が、また舞い戻ってきたので、最後のトライというつもりで近寄ると、やっと撮らせてくれました。
まっすぐ帰るつもりでしたが、帰り道の途中に冒頭に書いた田んぼがあるので様子を確認することに。
田んぼ沿いの小崖は健在でしたが、田んぼ自体は大規模なイノシカ柵ですっかり囲われていました。
田んぼに入ることすらできませんでしたが、小崖に沿って歩いていると赤いトンボが。
数年前まではたくさん見られましたが、少なくなってしまった気がします。
一応正面顔も。
実は先の谷津田には2週連続で訪れることになったのですが、それはまた次回。
この翌日は以前ちょっとだけ紹介した緑地公園での採集会でした。
主たる狙いはトンボで、運よくまたギンヤンマも採ることができました。
(参加者の子へのおみやげにしましたが)
その公園は池や湿地や流れがあり、ビオトープにはホタルが自生している良い環境。
しかし、それでも水生昆虫がいる気配がないのが残念でした。
トンボでも水生昆虫でもありませんが、記念の一枚を。
今日の湯加減
ボウソウするにしても午前中勝負だと考えていましたが。
前夜、暑苦しくてなかなか寝付けず、絶賛朝寝坊。
早めに帰ってくることを心に決めて出発。
向かったのは、昨年新規開拓を試みたエリア。
前回はキサラヅ市某所の田んぼを訪れ、ゴミ掘りをして少し収獲がありました。
今回はその少し南に位置する2本の谷津田。
GoogleMapでは、その一方に溜池らしきものがあったので、水生昆虫がいないか確認することに。
それほど山奥でもないのに、里山らしい自然林(?)が残っていて、良い景観のフィールドでした。
寝坊したので高速を使いましたが、県道から農道に入ってからガタゴトと10分ほどかかりました。
そこはまさに灌漑用の堰でした。
畔に近寄ると、カルガモが一斉に飛び立ち、反対岸にはシラサギが佇み、聞こえるのは水路の音だけ。
ウシガエルの声はしなかったのですが、池の中を覗いてみると大きなオタマが泳いでいました。
ぐるっと回って池に注ぐ水路がまたチバではなかなかお目にかかれない良い雰囲気でした。
倒れた葦を踏みしめて縁まで進み、う◯こ座りして水の中をのぞき込むと、水中に何かの群れが。
小さな水網でひとすくいしただけでこんなに採れました。
マツモムシ (マツモムシ科)
何百匹もいたと思います。
するとギンヤンマがタンデムで飛んできて、正面の葦の茎にとまりました。
今回はバットを持ってこなかったので試合はせず、かなり遠かったので証拠写真のみ。
ギンヤンマ ペア (ヤンマ科)
水中に沈んでいる葦のあたりを掬うとヌマエビも大量に採れましたが、すべてリリース。
上流の水源の方に入ることはできなさそうだったので、池を半周したところで引き返しました。
ベニシジミ号に戻る途中、林縁の木陰で見つけたのは前々記事でも紹介したトンボ。
アオモンイトトンボ ♂(イトトンボ科)
少し周囲を探索しましたが、メスは見つけられませんでした。
様子は確認できたし、もう一本谷津田に行きたいので長居はしません。
とはいえ、バイクを止めたところの近くの用水路の周りだけ確認。
やや流れが早くて水生昆虫は期待薄でしたが、水路沿いのクズの葉にこんなのがいました。
ハチマガイスカシバ ペア(スカシバガ科)
まさにハチそっくりという名、”蜂紛い透かし羽”じゃないかと思います。
出発しようと身支度を整えていたら目の前の葉の上にトリコロールの小さなハエが。
未同定
これを撮っていたらすぐ近くに小さいテントウ虫が。
モンクチビルテントウ (テントウムシ科)
体長は3ミリ弱しかないので、この黒紋ですら肉眼では分からないほどです。
この一枚を撮って、トリコロールを撮りなおそうとしたら、もういませんでした。そんなもの。
谷津田沿いの細い農道を下流に引き返していると、分岐のところの用水が少しいい感じでした。
バイクを降りて、少し周囲を探索していると、なぜか電柱にとまっている子が。
5センチくらいあるのに、見つかっていないつもりでしょうか。近づいても微動だにしませんでした。
ヒサゴクサキリ (キリギリス科)
写真では分かりづらいですが、顔の前面に口ひげのような形の緑色の紋があります。
今度は幅30センチほどの用水路にしゃがんで、藻の中をひと掬いしてみると。
タイコウチ (タイコウチ科)
久しぶりに会ったのでお連れしたのですが、腹ペコだったのか、水槽のヌマエビが大量に食べられた。
もう一本の谷津田はすぐとなり。
さらに細くてさらに深い。
農道もさらに細くて、きっと軽トラがやっと通れるくらいですが、わだちが深くて路肩がやわい。
つまり、バイクでも走るのがかなり大変な道でした。
池や堰もなかったのですが、休耕田のところどころは湿地になっているようでした。
湿地に向かって林から流れ込む水にアゲハたちが吸水に訪れていました。
モンキアゲハ (アゲハチョウ科)
カラスアゲハも2頭いたのですが、散らしてしまい、このモンキだけは舞い戻ってきてくれた。
同上
とにかく行けるところまで突っ込んでみた地点はこんな様子。
この先は藪に包まれた獣道でした。
周辺を探索するにも林と藪に囲まれ、田んぼは電気柵で囲われて、ほとんど身動きがとれない。
と、足元に以外な虫が。街中にいる印象ですが、こんな里山の奥地まで分布拡大しているのですね。
アオマツムシ (マツムシ科)
一か所だけ水生昆虫がいそうな水嵩のあるところがあったので水網でガサガサしてみました。
すると何か魚が採れてしまいました。
体長は5センチほど。カジカでもチチブでもなさそうで・・不明でしたがお連れしました。
さらにガサるとやっと水生昆虫が網に入りました。
セマルガムシ (ガムシ科)
体長は5ミリほど。2頭お連れしましたが、翌日姿が見えなくなりました。(タイコウチの仕業か)
近くの空に黒い雨雲が見え始め、通り雨が来そうだったので、ベニシジミ号を木陰に移動しました。
休憩しながら足元観察。
ハネナガヒシバッタ (ヒシバッタ科)
水分補給をしながらしばらく休んでいましたが、その内またギラギラと陽が差し始めたので撤収開始。
田んぼに落ちないようにゆっくり進んでいるとさっきの水場に。
またアゲハたちが集まっていたのですが、また散らしてしまいました。
が、すぐに一頭、向こうから戻ってきたのでしばらく粘ることに。
地面にとまってから距離をつめていくのですが、射程内に入る直前に舞い上がりました。
しかし、また舞い戻ってくる。距離をつめる。舞い上がる。戻ってくる。
を何回繰り返したでしょうか、馬鹿にされている気がしてきたので、あきらめてバイクに跨りました。
が、また舞い戻ってきたので、最後のトライというつもりで近寄ると、やっと撮らせてくれました。
カラスアゲハ (アゲハチョウ科)
まっすぐ帰るつもりでしたが、帰り道の途中に冒頭に書いた田んぼがあるので様子を確認することに。
田んぼ沿いの小崖は健在でしたが、田んぼ自体は大規模なイノシカ柵ですっかり囲われていました。
田んぼに入ることすらできませんでしたが、小崖に沿って歩いていると赤いトンボが。
マユタテアカネ (トンボ科)
数年前まではたくさん見られましたが、少なくなってしまった気がします。
一応正面顔も。
同上
実は先の谷津田には2週連続で訪れることになったのですが、それはまた次回。
オマケ
この翌日は以前ちょっとだけ紹介した緑地公園での採集会でした。
主たる狙いはトンボで、運よくまたギンヤンマも採ることができました。
(参加者の子へのおみやげにしましたが)
その公園は池や湿地や流れがあり、ビオトープにはホタルが自生している良い環境。
しかし、それでも水生昆虫がいる気配がないのが残念でした。
トンボでも水生昆虫でもありませんが、記念の一枚を。
コスズメ (スズメガ科)
今日の湯加減
今日は何年かぶりに朝帰りしました。
とはいえ、昨夜どこかで梯子酒をしていたわけではありません。
とはいえ、夜遊びをしていたことには変わりありません。
虫友のHくんに誘われて、夜を徹して里山の探索をしていました。
里山といっても、郊外の住宅地の一画をなす丘にある、クヌギやコナラが茂る小さな森。
それでもその生物相はチバとはかなり異なり、ボウソウでは見られない虫にもいくつか会えました。
夜間撮影のための機材がないので、あまり写真は撮れませんでしたが・・
2020年という、きっと忘れられない年の、過ぎ行く夏を見送る、良い思い出となりました。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ゼフさま、朝湯の湯加減は如何でしたか?毎号、武蔵野台地とは全く異なる環境と虫相を見せていただきありがとうございます。擬態の妙には何時も感心を通り越して呆れてしまいますが、今回のハチマガイスカシバさまも相当なものですね。少しの手抜きもない徹底さからは生き抜く厳しさを教わります。モンキアゲハさんは、左右うまい具合に尾状突起が欠けていました。「オナシモンキアゲハ(笑)」でも通りそう。コスズメさま、どこかのお見送りシーンでお会いしたような、、
by 高和です。 (2020-09-06 09:00)
おはようございます^^
庭にたくさん飛んでいたトンボたち、いつの間にか麓に移動したようでスーパーの駐車場でたくさん見かけました。
秋近しかな…。
芍薬甘草湯、痛み止めの漢方で今はこれがないと怖くて歩けないくらい^^;
先日の山行にはガバッと一束持参しました^^;(小さなプラスチックに入れたメタックスローションも持参)
で完食ならず完薬~w
by よしころん (2020-09-09 09:29)
8月に暑くて寝苦しかった夜が、幾日か続いたのを思い出しました。
小さなテントウムシ、おもしろいですね。産毛のような白いけが
生えていて。3mm弱って小さいですねぇ。「クチビル」という名前も
おもしろいですが^^;。
それに比べて、コスズメの迫力!
by sakamono (2020-09-10 22:15)
水生昆虫の宝庫ですね。
ドジョウ?も可愛い。
未同定のハエっぽいのは頭がやたらと大きいですね。
by 響 (2020-09-11 07:27)
>高和です。さん
ハチマガイは、まさに”ハチマチガイ”ですが、似た種類がたくさんいる
ということは、これもミューラー型擬態なのでしょうね。
オナシモンキは観察する順番が逆だったらナガサキと間違ったと思います^^;
>よしころんさん
トンボたちの情報、とても参考になるというかうれしいです♪
たまった乳酸の解消にはクエン酸(レモン果汁でも可)が効果ありますよ。(20gほど摂るといいかと)
>sakamonoさん
2~3ミリのテントウムシはめずらしくないのですが、見つけるのは運によると思います。観察できてラッキーでした。
クチビルのゆえんは分かりませんが、毛は関係ないでしょうね^^;
>響さん
水生昆虫はあまりいませんでした。(詳細は次回^^)
ドジョウっぽいのはナマズというウワサでした^^;
トリコロールくんはアブかもしれませんが頭でかいですよね~
by ぜふ (2020-09-11 22:19)