"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
夏の採集会の番外編 [ファーブル会]
昨年と同様、7月が終わろうというのに梅雨が明けない今年のチバ。
(ちなみに昨年の関東地方の梅雨明けは7月29日)
8月2日は年に一度のチバ開催の採集会。天気が心配でしたが、なんと前日に梅雨が明けました。
いきなりの真夏日。リハーサルなしの夏本番。

今回はその採集会の番外編というか舞台裏のお話です。
前記事にちょっと書きましたが、1週間前に下見の下見に行ったときの話から。
その日も午前中は天気がぐずついていましたが、午後は降らないという予報なのでお昼を食べて出発。
ところが現地の公園に着く直前に降ってきてしまいました。
目的地の近くを流れる川沿いの農道に入り、橋(というか高架の道路)の下で雨宿り。
ジャケットを脱いでコンクリートの土手で、しばらく座りスマホをしていたらやみました。
あらためて装備を整え、このまま歩いて田んぼを通って現地に行くことに。
農道を歩いていると、出迎えてくれたのは、草陰で雨宿りをしていたチョウ。

このフィールドでは定番の子ですが、最近あまり見なくなった気がします。
公園の外縁の舗装路に出ると足元をベッコウバチが行ったり来たりしているのを見つけました。
チョコチョコ動き回るのでなかなか撮りづらいのですが、運よく一瞬静止してくれました。

下を向いて歩いていたことが幸いし、こんなものを拾いました。

もうお亡くなりになっていたので、標本にしようと持って帰ったのですが・・現在行方不明。

公園内に入り、さっそく当日のメイン会場となるポイントへ行ってみました。
いつになく虫影が濃いと、コンチューターが反応しています。
木の幹に集まる虫たち。

樹液酒場の常連のカナブンたち、大型のチョウは先日紹介した移入種のアカボシゴマダラたち。
黒いカナブンは今年大発生といっていいほど、県内のあちこちで見かけます。

問題なのはこの子たち。

キイロスズメバチやモンスズメバチたちもいて、これは当日、注意喚起が必須と思われました。
其処此処で樹液が出ているというのに、なかなか見つからなかったのですが本命もいてくれた。

根元付近を丹念にほじくってやっと出た子。

今思えば、この時の中腰態勢が腰痛火山の導火線だった気がします。
様子がわかったので、こんなところで下見の下見は終了。次の目的地へ移動しました。

時は変わって本番前日。
もう一度下見をしに現地へ向かう前に、いつものようにちょっと寄り道。
採集会のおみやげを採集するために、別の場所の御神木のお参りに向かいました。
県民の森という公園なのですが、去年の台風の影響なのでしょう、園内には一部は入れないエリアが。
いつものルートを辿っていくと、ロープが張られていて進入禁止となっています。
御神木にたどり着けないかと思いましたが、外縁に沿うように迂回していくとアプローチできました。
しかし、御神木の霊験は絶えてしまったのか、去年よりさらに寂しい様子でした。
カナブンさえ来ていません。
仕方ないので林内の他の木をあたることに。
ところがいくら探しても樹液が出ている木がまったく見つかりません。
それでも、この二股の片方が折れたクヌギにコンチューターが反応。
何かが見えますね。

ピンセットで引っ張り出すと立派な大歯型でした。

その後もクヌギ巡りを続けましたが、何も見つけられず。
ぐるりと廻って入口付近まで戻ってきたときに、指標虫のチョウを見つけました。

この子がいるということは樹液が出ているということ。
つまりカブトムシがいる確率が高いということ。

ということで、おみやげは少ししか採れなかったのですが、ちょっとうれしい虫がいました。

実はとても好きな甲虫のひとつで、特にオスはクワガタのようなアゴをしているのです。

しかも、左右非対称というところがしびれます。
こちらはメス。アゴは少し小さいですが、やはりクワガタのメスのようでめんこい。

この二人の体長は12~13ミリですが、大きなクワガタに負けない魅力があります。

さて、前置きが長くなりましたが採集会当日。
スズメバチに十分注意しつつ、件の林でカブトムシ探しをしました。
こういうところを掘るといますよという傍から見つけてくれてよかった。

カブトはそれなりに数が見つかりましたが、クワガタはやはりなかなか見つかりませんでした。
1時間以上経ったとき、一人の男の子が目の前の木の幹にとまっているのを発見。

はじめて自分でつかまえたようです。よかったね。

実はこの子、この日のラッキーボーイで、この後一人でオニヤンマを2頭もつかまえました。

それと、この日のベストショットはこの光景。

仲良く樹液ジュースをアベック飲みする様子は貴重な光景でした。
それと、この日はタマムシがたくさん見られました。
一度、目の高さまで降りてきた個体を見つけた瞬間、反射的に追いかけようとしたのですが。
腰に力が入らなくて足が前に出ず、文字通りの”腰砕け”になり、あえなく逃げられてしまいました。
子供たちの何人かはみごとにネットインしていました。


終了時刻となり、みんなで集まってお弁当を食べて、おみやげを配って解散となりました。
そして解散後は例によってオプショナルツアーの田んぼ巡りにでかけました。
ハンノキの梢にはチョウトンボ、下見の下見のときに雨宿りをした辺りの川にはギンヤンマなど。
何種類かのトンボが観察できました。
実は前日の下見の際に、オサトラップをいくつか仕掛けていて、みんなでその回収も。

アオオサムシは大漁(メスばかり7頭)、ミイデラゴミムシも数頭、オオゴミムシ類も数頭。
そして、トラップの中ですでに死亡していましたが、ついに念願のゴミムシが得られました。

もう7年も前にこのフィールドで一度見つけたのですが、うかつにも逃走をゆるして以来再会叶わず。
(そのときの記事はこちら)
オプションツアーの仕込みをした甲斐があったというものです。
やっと遭えたことは固より、まだここに生息していることが確認できてうれしく思いました。
先日の記事で地元産のギンヤンマ観察を報告しましたが、採集もしてしまいました。
最寄のローソンへ買い物に行こうとしたとき、近所でクマゼミの声がしたので万が一のため。
お散歩ネットを持って出かけたのです。
店を出ると、駐車場に大きなトンボの影。
まさかと思いつつ目を凝らすと、それは紛れもないギンヤンマのオスでした。
しかも、もう一頭飛んできて、テリトリー争いをし始めたのです。
2頭がもつれ合うようにして上昇していきましたが、やがて追いやった方が舞い戻ってきました。
テリトリーを張るためのホバリングをはじめた瞬間にネットを一振り。

他のお客さんの視線を背に感じていたので、一撃で仕留められてほんとによかった。
(何回も網を振り回していると間違いなく目線の質が変わると思われるので)
今日の湯加減
(ちなみに昨年の関東地方の梅雨明けは7月29日)
8月2日は年に一度のチバ開催の採集会。天気が心配でしたが、なんと前日に梅雨が明けました。
いきなりの真夏日。リハーサルなしの夏本番。

今回はその採集会の番外編というか舞台裏のお話です。
前記事にちょっと書きましたが、1週間前に下見の下見に行ったときの話から。
その日も午前中は天気がぐずついていましたが、午後は降らないという予報なのでお昼を食べて出発。
ところが現地の公園に着く直前に降ってきてしまいました。
目的地の近くを流れる川沿いの農道に入り、橋(というか高架の道路)の下で雨宿り。
ジャケットを脱いでコンクリートの土手で、しばらく座りスマホをしていたらやみました。
あらためて装備を整え、このまま歩いて田んぼを通って現地に行くことに。
農道を歩いていると、出迎えてくれたのは、草陰で雨宿りをしていたチョウ。

イチモンジチョウ (タテハチョウ科)
このフィールドでは定番の子ですが、最近あまり見なくなった気がします。
公園の外縁の舗装路に出ると足元をベッコウバチが行ったり来たりしているのを見つけました。
チョコチョコ動き回るのでなかなか撮りづらいのですが、運よく一瞬静止してくれました。

オオモンクロクモバチ (クモバチ科)
下を向いて歩いていたことが幸いし、こんなものを拾いました。

アオオサムシ (オサムシ科)
もうお亡くなりになっていたので、標本にしようと持って帰ったのですが・・現在行方不明。

公園内に入り、さっそく当日のメイン会場となるポイントへ行ってみました。
いつになく虫影が濃いと、コンチューターが反応しています。
木の幹に集まる虫たち。

樹液酒場の常連のカナブンたち、大型のチョウは先日紹介した移入種のアカボシゴマダラたち。
黒いカナブンは今年大発生といっていいほど、県内のあちこちで見かけます。

クロカナブン (コガネムシ科)
問題なのはこの子たち。

オオスズメバチ (スズメバチ科)
キイロスズメバチやモンスズメバチたちもいて、これは当日、注意喚起が必須と思われました。
其処此処で樹液が出ているというのに、なかなか見つからなかったのですが本命もいてくれた。

カブトムシ (コガネムシ科)
根元付近を丹念にほじくってやっと出た子。

ノコギリクワガタ (クワガタムシ科)
今思えば、この時の中腰態勢が腰痛火山の導火線だった気がします。
様子がわかったので、こんなところで下見の下見は終了。次の目的地へ移動しました。

時は変わって本番前日。
もう一度下見をしに現地へ向かう前に、いつものようにちょっと寄り道。
採集会のおみやげを採集するために、別の場所の御神木のお参りに向かいました。
県民の森という公園なのですが、去年の台風の影響なのでしょう、園内には一部は入れないエリアが。
いつものルートを辿っていくと、ロープが張られていて進入禁止となっています。
御神木にたどり着けないかと思いましたが、外縁に沿うように迂回していくとアプローチできました。
しかし、御神木の霊験は絶えてしまったのか、去年よりさらに寂しい様子でした。
カナブンさえ来ていません。
仕方ないので林内の他の木をあたることに。
ところがいくら探しても樹液が出ている木がまったく見つかりません。
それでも、この二股の片方が折れたクヌギにコンチューターが反応。
何かが見えますね。

ピンセットで引っ張り出すと立派な大歯型でした。

ノコギリクワガタ (クワガタムシ科)
その後もクヌギ巡りを続けましたが、何も見つけられず。
ぐるりと廻って入口付近まで戻ってきたときに、指標虫のチョウを見つけました。

ルリタテハ (タテハチョウ科)
この子がいるということは樹液が出ているということ。
つまりカブトムシがいる確率が高いということ。

カブトムシ (コガネムシ科)
ということで、おみやげは少ししか採れなかったのですが、ちょっとうれしい虫がいました。

ヨツボシケシキスイ (ケシキスイ科)
実はとても好きな甲虫のひとつで、特にオスはクワガタのようなアゴをしているのです。

同上 ♂
しかも、左右非対称というところがしびれます。
こちらはメス。アゴは少し小さいですが、やはりクワガタのメスのようでめんこい。

同上 ♀
この二人の体長は12~13ミリですが、大きなクワガタに負けない魅力があります。

さて、前置きが長くなりましたが採集会当日。
スズメバチに十分注意しつつ、件の林でカブトムシ探しをしました。
こういうところを掘るといますよという傍から見つけてくれてよかった。

カブトムシ (コガネムシ科)
カブトはそれなりに数が見つかりましたが、クワガタはやはりなかなか見つかりませんでした。
1時間以上経ったとき、一人の男の子が目の前の木の幹にとまっているのを発見。

ノコギリクワガタ (クワガタムシ科)
はじめて自分でつかまえたようです。よかったね。

実はこの子、この日のラッキーボーイで、この後一人でオニヤンマを2頭もつかまえました。

それと、この日のベストショットはこの光景。

ゴマダラチョウ (タテハチョウ科)
仲良く樹液ジュースをアベック飲みする様子は貴重な光景でした。
それと、この日はタマムシがたくさん見られました。
一度、目の高さまで降りてきた個体を見つけた瞬間、反射的に追いかけようとしたのですが。
腰に力が入らなくて足が前に出ず、文字通りの”腰砕け”になり、あえなく逃げられてしまいました。
子供たちの何人かはみごとにネットインしていました。


終了時刻となり、みんなで集まってお弁当を食べて、おみやげを配って解散となりました。
そして解散後は例によってオプショナルツアーの田んぼ巡りにでかけました。
ハンノキの梢にはチョウトンボ、下見の下見のときに雨宿りをした辺りの川にはギンヤンマなど。
何種類かのトンボが観察できました。
実は前日の下見の際に、オサトラップをいくつか仕掛けていて、みんなでその回収も。

アオオサムシは大漁(メスばかり7頭)、ミイデラゴミムシも数頭、オオゴミムシ類も数頭。
そして、トラップの中ですでに死亡していましたが、ついに念願のゴミムシが得られました。

オオサカアオゴミムシ (オサムシ科)
もう7年も前にこのフィールドで一度見つけたのですが、うかつにも逃走をゆるして以来再会叶わず。
(そのときの記事はこちら)
オプションツアーの仕込みをした甲斐があったというものです。
やっと遭えたことは固より、まだここに生息していることが確認できてうれしく思いました。
オマケ
先日の記事で地元産のギンヤンマ観察を報告しましたが、採集もしてしまいました。
最寄のローソンへ買い物に行こうとしたとき、近所でクマゼミの声がしたので万が一のため。
お散歩ネットを持って出かけたのです。
店を出ると、駐車場に大きなトンボの影。
まさかと思いつつ目を凝らすと、それは紛れもないギンヤンマのオスでした。
しかも、もう一頭飛んできて、テリトリー争いをし始めたのです。
2頭がもつれ合うようにして上昇していきましたが、やがて追いやった方が舞い戻ってきました。
テリトリーを張るためのホバリングをはじめた瞬間にネットを一振り。

ギンヤンマ ♂ (ヤンマ科)8/9 撮影
他のお客さんの視線を背に感じていたので、一撃で仕留められてほんとによかった。
(何回も網を振り回していると間違いなく目線の質が変わると思われるので)
今日の湯加減
現在、標本教室の夏休み集中講座の真っただ中。
今日はセミ・トンボを題材とした教室をダブルヘッダーでやりました。
密集にならないよう、一回の人数を減らし、スタッフの数も最小限にしています。
それでも、毎回満員御礼。教室は熱気であふれています。(換気はしています)
小学校は夏休みが短くなってしまい、子供たちも遊びに行く回数が少なくなってかわいそうですが
虫キッズたちには教室で学んだことをおうちで復習・練習して、標本作りを存分に楽しんでほしい。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
お子様たちの笑顔、いいですね^^
こうやって昆虫たちと触れあっている姿は嬉しい!!!(笑)
うちの成虫ちゃんは、残り3匹になりました。
by リュカ (2020-08-16 11:17)
子供たち、みんないい笑顔^^
先日次女ファミリー来訪時、庭にいたトンボお父さんが捕まえて孫に見せたら大騒ぎしてました(><)
そのうち好きになってくれるかしら^^;
イタドリハムシの黒化型!ありがとうございます^^
絶対分からへんわ~(笑)
by よしころん (2020-08-16 12:43)
>リュカさん
もちろん虫好きの子たちですからね♪
でも彼らの笑顔が何よりのモチベーションです!
>よしころんさん
うれしくて大騒ぎしてたんですよね?^^
小さいころ触れ合っていれば大丈夫!
観察場所が同じで大きさが1センチ弱なら間違いないかと。
by ぜふ (2020-08-18 21:54)
ゴマダラチョウ、アベックショットは初めて見ました。
アオゴミムシ、見つかって良かったですね。
ヨツボシケシキスイは久しぶりに逢いました。
昆虫少年は絶滅危惧種だそうですが、なんとか復活してほしいです、このごろ都会でもよく見かけるギンヤンマのように。
by 高和です。 (2020-08-19 04:13)
よく見るヨツボシケシキスイ、アップで見るとオスかっこいいですね!今度、撮ってみよう!!
by hirokou (2020-08-19 20:35)
カブトムシやクワガタがいっぱいですごく良い環境ですね。
最近は田舎だらけのわたしの近くでも
見付けるの難しくなってきました。
腰痛はご自愛ください。
by 響 (2020-08-20 07:22)
梅雨が明けた、最初の8月の週末。ものすごく暑かったコトを
覚えています。いきなり、って感じでしたね^^;。
このところ、ぶんぶんと甲虫が飛び回って窓に当たる音が
よくするのです。カナブンの大量発生なのかなぁ。
ああ、やっぱりノコギリクワガタのフォルムは美しいです。
by sakamono (2020-08-20 22:34)
>高和です。さん
今や里地では単独でもめずらしいゴマダラですからラッキーでした。
ギンヤンマのようにたくましくあってくれれば必ずや。
>hirokouさん
ぜひじっくり撮影してみてください。
オスはやはり大型がいいです^^
>響さん
今年は少なかったのです・・・> <
そちらで見かけなくなるのは由々しきことです。クヌギ植えてください^^
>sakamonoさん
いきなりでしたね・・ボウソウは未だに暑さが続いていますが^^;
窓に当たる甲虫は気になりますね、ぜひ採集を!
ノコのフォルムは大きさに関係なくいいですね♪
by ぜふ (2020-08-20 23:15)