"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
半夏生の森 [探虫行]
”半夏生”は二十四節気ではなく雑節の一つだそうで、夏至の十日後くらいの時節とのこと。
そういう意味ではまだ半夏生ではありませんでしたが、ボウソウのとある山の中へ行ってきました。
ちょうど1年前に開拓した場所で、ハラグロオオテントウがいたので”瓢虫沢”と名付けたのでした。
(その時の記事は こちら)
今年もでているか確認しようと思いつつ、時節柄なかなか行けず、この日になりました。

ちなみに”節分”、”彼岸”、”土用”なども雑節なのだそうです。
6月27日、天気は上々だし、ベニシジミ号のメンテをしてから高速道路をまだ走ってないので。
高速運転のテストのために館山道でバビューンとノコギリ山方面を目指します。
前に書いたかもしれませんが、館山道は竹岡の手前まで2車線化がされて快適になりました。
”瓢虫沢”の入口はナビに記憶させているのですが、アプローチの仕方はちょっとむずかしい。
部落の中の細い道を通っていくのですが、方向を優先して進むと見事に民家の庭に入ってしまう。
引き返して、一旦反対と思われる方向へ道なりに進むと見覚えのある特徴的な分岐に着きました。

はて、ここをどっちに行くんだっけ?
左の塀の上にいたサワガニくんに聞いてみました。

知らないとのことだったのですが、右の道から軽トラが現れて運転手の方が声をかけてくれました。
「行き止まりだよ」
「こっちですか?」
「そう」
「わかりました」
行き止まりであることは知っているのですが、どう返事していいのか分からなくて変な受け答えに。
軽トラをやり過ごしてから右に歩いて行ってみると、そこは谷で、底には田んぼがありました。

こっちじゃないことが分かったのでベニシジミ号へ戻り、いざサワガニの方へ突入です。

軽トラがやっと一台通れるような細い道をしばらく進むと、これまた見覚えのある広場にでます。
その先は道が荒れていてさらに狭くなるので、前回もバイクはここにとめたのでした。
さあ、カメラと護身用の網をキャリアから出して装備し、ここからは徒歩で突撃。

前回と同様、この子たちはポツポツといたのでログとして載せておきます。

彼らはもうそろそろ姿を消し、次世代が現れるのはお盆過ぎ頃。
この子がいたのはちょっと意外でした。里山だけどかなり深いので食草がないように思いますが。

あまり他の虫に気をとられてはいけない、まずは目的の虫たちがいる渓流沿いの平坦地の小さな林へ。
これは山側から撮った写真ですが、中央にゴルフコースのグリーンのように見えるのがそうです。

2~30本ほど数種類の灌木があり、そこに前回は成虫も幼虫もいたのですが・・いません。
成虫は大きくて目立つし、幼虫も白い蝋状の糸を出して巣を作るので見つけやすいのに。
林の中を隅から隅まで一本一本確認しましたが、とうとう一匹も確認できませんでした。

あきらめて、前回よりも少し奥へ行ってみました。
が、まさに行き止まり。

行けなくもないですが、ヒル対策が万全じゃないのでやめました。
引き返しつつ、他の虫たちを探します。

ついつい地面のシカの足跡をたどってしまいますが、下を向いているとこんな虫が見つかります。
ちょこちょこ走り回るので一旦ネットで確保して撮影。

淵があったので降りていってみました。

途中にイノシシの糞があり(写真は割愛)そこにやって来た子。

クロマルエンマコガネかフトカドエンマコガネのどちらかと思いますが、同定ポイントは背中の点刻。
糞まみれだと分かりません。(シワ状の模様だとクロマルエンマで微細な点々だとフトカドエンマ)

次に見つけたのが半夏生の群落でした。

渓流沿いですが、こんなに奥まった森の中の大きな群落は一種異様でした。(しかも二か所あった)
オカトラノオのような花の形をしていますがドクダミの仲間。
ドクダミの花にはほとんど虫は来ませんが、ハンゲショウには意外と虫たちが集まっていました。
前記事ではうまく撮れなかったやつ。(間違ってもつぶしてはいけません)

これはハエが集っているように見えますが違います。

それを狙っているのでしょう。(まだ大きな獲物は捕らえられないでしょうから)

こんな子もいました。

そして扉の子。

以前はどこにでもたくさんいて、極普通種のはずなのに、近年あまり見ないのは何故かしら。

ベニシジミ号まで戻り、出発の支度をしていると、ガードレールにトカゲのプリントが。

このままTシャツのデザインにしたい。
さて、アプローチの集落までたどり着いたとき、なんとなく左手の谷の方が気になりました。
そこはちょうど館山道の真下。

半夏生の森の川の下流で、川沿いの茂みに何かいないかなと探索を開始するといきなり。

川はあるけど、周りにハラビロトンボが好きそうな原っぱが見当たらないので不思議でした。
と、館山道に向かって登っていく道があることに気が付いた。
舗装はされているものの、かなり急だったので徒歩で行ってみると、そこに広がっていたのは。

台地のようになっていて下からは見えないのですが、元は畑だったのでしょう、広大な原っぱでした。
これはハラビロがいるわと思いながらちょっと探虫してみるとすぐに見つけました。

と、ここでふと感じました。
ハラビロトンボのメスはかなり色と模様の変異があるということに。
上の写真の子はかなり黄色いのですが、この子はかなり黒っぽい。

そしてその中間の子。

ところで、どういうわけかオスが一頭も見当たりませんでした。

もうお昼はとうに過ぎていましたが、ラーメンが無性に食べたくなり。
この前どうしても見つけられなかった金谷のお店に行こうと。
今回は難なく店にたどり着けたのですが、なんと休業していました。
もうお腹はラーメンモードなのでカモガワへ向けてバビューン。
まんぼうに着いたのは、もう午後の遅い時間でしたが・・やっててよかった。
オーダーすることもなく「なんかもうアイデア尽きちゃって」と言いながらマスターが作ってくれた。

一見、味噌ラーメンかと思いましたが、野菜がたっぷりで大好きな仕様。
メニュー化してほしい。
ちょっとだけマスターとお喋りして、もう一か所どこか行こうかととりあえず出発しましたが。
途中、通ったことのない林道を走っただけで、ベニシジミ号を降りることもなく家路につきました。
このところ(コロナ禍もあり)運動不足にならないように、朝夕の散歩を励行しています。
以前からたまには行くのですが、気が向くと大きな公園まで自転車で行き園内を歩きます。
臨海地域の緩衝緑地ですが、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、アカスジキンカメムシなど目を引く虫も。
以下はスマホで撮影。

カナブンは行くとほぼ観察できるほどなので増えていると思います。
この子は夏色のナンシー。

前記事の場所もそうですが、人工林でも60年も適度に放置されると動物相が豊かになるのでしょう。
今日の湯加減
そういう意味ではまだ半夏生ではありませんでしたが、ボウソウのとある山の中へ行ってきました。
ちょうど1年前に開拓した場所で、ハラグロオオテントウがいたので”瓢虫沢”と名付けたのでした。
(その時の記事は こちら)
今年もでているか確認しようと思いつつ、時節柄なかなか行けず、この日になりました。

ちなみに”節分”、”彼岸”、”土用”なども雑節なのだそうです。
6月27日、天気は上々だし、ベニシジミ号のメンテをしてから高速道路をまだ走ってないので。
高速運転のテストのために館山道でバビューンとノコギリ山方面を目指します。
前に書いたかもしれませんが、館山道は竹岡の手前まで2車線化がされて快適になりました。
”瓢虫沢”の入口はナビに記憶させているのですが、アプローチの仕方はちょっとむずかしい。
部落の中の細い道を通っていくのですが、方向を優先して進むと見事に民家の庭に入ってしまう。
引き返して、一旦反対と思われる方向へ道なりに進むと見覚えのある特徴的な分岐に着きました。

はて、ここをどっちに行くんだっけ?
左の塀の上にいたサワガニくんに聞いてみました。

知らないとのことだったのですが、右の道から軽トラが現れて運転手の方が声をかけてくれました。
「行き止まりだよ」
「こっちですか?」
「そう」
「わかりました」
行き止まりであることは知っているのですが、どう返事していいのか分からなくて変な受け答えに。
軽トラをやり過ごしてから右に歩いて行ってみると、そこは谷で、底には田んぼがありました。

アキアカネ (トンボ科)
こっちじゃないことが分かったのでベニシジミ号へ戻り、いざサワガニの方へ突入です。

軽トラがやっと一台通れるような細い道をしばらく進むと、これまた見覚えのある広場にでます。
その先は道が荒れていてさらに狭くなるので、前回もバイクはここにとめたのでした。
さあ、カメラと護身用の網をキャリアから出して装備し、ここからは徒歩で突撃。

前回と同様、この子たちはポツポツといたのでログとして載せておきます。

ハンミョウ (オサムシ科)
彼らはもうそろそろ姿を消し、次世代が現れるのはお盆過ぎ頃。
この子がいたのはちょっと意外でした。里山だけどかなり深いので食草がないように思いますが。

ツマグロヒョウモン ♀(タテハチョウ科)
あまり他の虫に気をとられてはいけない、まずは目的の虫たちがいる渓流沿いの平坦地の小さな林へ。
これは山側から撮った写真ですが、中央にゴルフコースのグリーンのように見えるのがそうです。

2~30本ほど数種類の灌木があり、そこに前回は成虫も幼虫もいたのですが・・いません。
成虫は大きくて目立つし、幼虫も白い蝋状の糸を出して巣を作るので見つけやすいのに。
林の中を隅から隅まで一本一本確認しましたが、とうとう一匹も確認できませんでした。

あきらめて、前回よりも少し奥へ行ってみました。
が、まさに行き止まり。

行けなくもないですが、ヒル対策が万全じゃないのでやめました。
引き返しつつ、他の虫たちを探します。

ついつい地面のシカの足跡をたどってしまいますが、下を向いているとこんな虫が見つかります。
ちょこちょこ走り回るので一旦ネットで確保して撮影。

コガシラアオゴミムシ (オサムシ科)
淵があったので降りていってみました。

途中にイノシシの糞があり(写真は割愛)そこにやって来た子。

クロマルエンマコガネかフトカドエンマコガネのどちらかと思いますが、同定ポイントは背中の点刻。
糞まみれだと分かりません。(シワ状の模様だとクロマルエンマで微細な点々だとフトカドエンマ)

次に見つけたのが半夏生の群落でした。

ハンゲショウ
渓流沿いですが、こんなに奥まった森の中の大きな群落は一種異様でした。(しかも二か所あった)
オカトラノオのような花の形をしていますがドクダミの仲間。
ドクダミの花にはほとんど虫は来ませんが、ハンゲショウには意外と虫たちが集まっていました。
前記事ではうまく撮れなかったやつ。(間違ってもつぶしてはいけません)

アオカミキリモドキ (カミキリモドキ科)
これはハエが集っているように見えますが違います。

ハナノミの仲間 (ハナノミ科)
それを狙っているのでしょう。(まだ大きな獲物は捕らえられないでしょうから)

ハラビロカマキリ 幼虫 (カマキリ科)
こんな子もいました。

ムーアシロホシテントウ(テントウムシ科)
そして扉の子。

ヨツスジハナカミキリ (カミキリムシ科)
以前はどこにでもたくさんいて、極普通種のはずなのに、近年あまり見ないのは何故かしら。

ベニシジミ号まで戻り、出発の支度をしていると、ガードレールにトカゲのプリントが。

このままTシャツのデザインにしたい。
さて、アプローチの集落までたどり着いたとき、なんとなく左手の谷の方が気になりました。
そこはちょうど館山道の真下。

半夏生の森の川の下流で、川沿いの茂みに何かいないかなと探索を開始するといきなり。

ハラビロトンボ ♀(トンボ科)
川はあるけど、周りにハラビロトンボが好きそうな原っぱが見当たらないので不思議でした。
と、館山道に向かって登っていく道があることに気が付いた。
舗装はされているものの、かなり急だったので徒歩で行ってみると、そこに広がっていたのは。

台地のようになっていて下からは見えないのですが、元は畑だったのでしょう、広大な原っぱでした。
これはハラビロがいるわと思いながらちょっと探虫してみるとすぐに見つけました。

同上
と、ここでふと感じました。
ハラビロトンボのメスはかなり色と模様の変異があるということに。
上の写真の子はかなり黄色いのですが、この子はかなり黒っぽい。

同上
そしてその中間の子。

同上
ところで、どういうわけかオスが一頭も見当たりませんでした。

もうお昼はとうに過ぎていましたが、ラーメンが無性に食べたくなり。
この前どうしても見つけられなかった金谷のお店に行こうと。
今回は難なく店にたどり着けたのですが、なんと休業していました。
もうお腹はラーメンモードなのでカモガワへ向けてバビューン。
まんぼうに着いたのは、もう午後の遅い時間でしたが・・やっててよかった。
オーダーすることもなく「なんかもうアイデア尽きちゃって」と言いながらマスターが作ってくれた。

とんこつ野菜チャーシューメン
一見、味噌ラーメンかと思いましたが、野菜がたっぷりで大好きな仕様。
メニュー化してほしい。
ちょっとだけマスターとお喋りして、もう一か所どこか行こうかととりあえず出発しましたが。
途中、通ったことのない林道を走っただけで、ベニシジミ号を降りることもなく家路につきました。
オマケ
このところ(コロナ禍もあり)運動不足にならないように、朝夕の散歩を励行しています。
以前からたまには行くのですが、気が向くと大きな公園まで自転車で行き園内を歩きます。
臨海地域の緩衝緑地ですが、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、アカスジキンカメムシなど目を引く虫も。
以下はスマホで撮影。

カナブン (コガネムシ科)6/26 撮影
カナブンは行くとほぼ観察できるほどなので増えていると思います。
この子は夏色のナンシー。

ルリタテハ (タテハチョウ科) 7/2 撮影
前記事の場所もそうですが、人工林でも60年も適度に放置されると動物相が豊かになるのでしょう。
今日の湯加減
再開した昆虫館、先の日曜日は来場者数の記録更新。今日も盛況でした。
入場前の手指消毒、ドアなどはフルオープンして最大限の対策はしていますが2m確保はムリ。
昨日、東京都医師会会長も密接と密閉は避けるとしても密集はある程度仕方ないと言ってました。
(だから7月10日から5000人規模のイベントは解禁になった)
経済どうのこうのというより、社会的生活をする上で、密集を回避しきることは不可能でしょう。
電車だって、もう席を空けずに座っています。
(これは政治的プロパガンダではなく現実の一コマとしての報告です)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
日本の自然の回復力は素晴らしいものです。明治時代の笠取山は禿げ山でした。それを時の東京市長だった尾崎行雄さんが水源涵養のために山ごと水道局で買収し、しかも広葉樹主体に育成、山の保水力も併せて保全してきたんだそうです。小河内ダムが土砂の流入量が他のダムより格段に少ない(らしい)のはそのためです。山梨県に東京都の標識がある理由ですね。団地の人工池も20年でギンヤンマ、コシアキトンボなどがどこからか「ワイ」てきましたよ。
by 高和です。 (2020-07-13 11:28)
小さなカマキリ、びっくりするほどお尻が反り返ってますね。
攻撃的に見えます。それとシロホシテントウ。淡い色の感じ
がキレイです。
半夏生でしたね。花を見ておきたいところです。
by sakamono (2020-07-16 23:11)
>高和です。さん
箱根もはげ山だったんですよね。
昔は先見性というか、長い目でみることができる方がいたんですね。
トンボは移動能力が高いですから、何十年もはかからないということですね。
>sakamonoさん
ハラビロカマキリの幼虫の特徴です♪
ムーアは小さくて目立たなくて見逃しがちですが美しいですね。
by ぜふ (2020-07-17 22:59)
どっち?の道はわたしはたぶん隧道の方に行っちゃうかな?(笑)
しかしまたずいぶんとたくさんの出会いがありましたね。
ヨスジハナカミキリはわたしも久しぶりに見つけましたよ。
by 響 (2020-07-18 17:00)
>響さん
隧道・・・正解です!^^
不採用の虫もいますのでもっとたくさん会っています♪
ヨツスジハナカミキリはどうしちゃったのでしょうね・・
by ぜふ (2020-07-18 19:15)