"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
HF一人観察会 再び [自然]
昨年の秋、台風被害で一時閉鎖となっていましたが、11月中ごろには観察会が再開されていました。
しかしまた、各種イベントの自粛要請のためでしょう、3月の観察会は中止になってしまいました。
という予測はしていたのですが、3月1日は第一日曜日なのでとりあえず行ってみたのでした。
案の定、谷津田の 入口広場にのぼりは立っていませんでした。
独りで倒木などの整備作業をしている方がいるだけでした。
扉の写真の林の中を歩いているとき、視界の片隅を横切る影にコンチューターが反応しました。
反射的に立ち止まり、影を目線で追いましたが、あっという間に遠ざかってしまいました。
飛び方と赤っぽい色が見えたことからチョウのようでしたが、何かは分からず。
深追いはせず谷津田へ向かいました。
ここはいつもの林の出口。ここから谷津田が広がります。
貸し切り状態のフィールドに足を踏み入れてすぐ。またコンチューターが反応しました。
ターゲットにロックオンして目線で追い続けると、休耕田の中へ着陸しました。
これはテレコンが必要だなと、着地点を見失わないようにしながらウエストバッグをまさぐる。
手元と着地点を交互に見ながらカメラにテレコンを装着して静かににじり寄っていきました。
陽射しを翅に受けるようにとまっているので、頭側から撮ると逆光でしかも特徴が分かりません。
でも、虫屋の方ならこの一枚で分かるでしょう。
そのままそのままと念じながら、散策路から斜面を降りて反対側へ回り込んでみました。
いい子でした。
成虫で越冬するチョウチョで、街中にはなかなかいませんが山や平地などに広く分布します。
さっき林で見た個体かどうかは分かりません。
このあとルリタテハも現れたのですが着陸してくれず、アカタテハらしいのも見ましたが未確認。
ハンノキ林の定点撮影をした後、用水路の中継地点のほとりにう●こ座りして水の中を眺めてました。
ヌマエビたちがたくさんいたのです。
そして水面にこんなのが。これも虫屋なら一目で判定できますが、何か分かりますか?
とその時、途中の林で作業していた方が通りがかり、歩きながら怪しいうん●座りに声をかけました。
「何かいるのー?」
「ヌマエビがたくさんいますね、それとマツモムシが」
「むしー?水の中に虫がいるの?」
”マツモ”の部分が聞き取れなかったのかもしれませんが、長くなるので説明するのはやめました。
そう、いたのはマツモムシなのですがさっきのチョウより小さいし、相手は水の中なので近づけない。
ど真ん中に浮いているので、水路の反対側へ回っても距離は同じ。
そんな右往左往しているニンゲンを家政婦のザリガニが見ていました。
土手に這いつくばってみたのが幸い、目の前の水際に別の個体を発見しました。
しかし何か様子が変。
ギリギリまで手を伸ばして別の角度から撮ってみました。
どうやらペアのようです。
ペアは撮影したことがないので粘ることにしました。
が、ずっとそのままの体勢で動かないので、離れてしまうかもしれないけど刺激を与えてみることに。
細い枝を拾ってきて、そっとつんつんしてみると、驚いて水中に潜っていきました。
しまった、一巻の終わりかとも思いましたが待つこと数分。
つながったまま浮いて来てくれました。
体長は12ミリくらい。いつもお腹を上にして水面を泳いでいます。
なので、昆虫の交尾は普通、オスが上になりますが、マツモムシの場合はオスが下になってしまう。
それはいいとして、ずいぶん長い間つながったままなのに、水面下にいるオスは息が苦しくないのかな?
それは以前、ゲンゴロウの呼吸の仕方について説明しましたが、マツモムシも物理エラを使うのです。
お腹の表面に貯めた空気が酸素ボンベのような働きをしていて、水中からも酸素を取り込める。
それでもその内に苦しくなる気もしますが・・
オタマたちの様子を見に場所を移動していると、家族連れがやってきてベンチでお昼にしていました。
ニホンアカガエルの子たちは少し成長して、黒い体色が少し茶色っぽくなっていました。
そんな様子を観察していると田んぼの水底にちっちゃい子を見つけました。
体長6ミリ前後。水虫と書きますが、あの菌の仲間ではありません。
体の形はマツモムシに似ていますが、写真で分かるとおり、コミズムシは水面ではなく水底にいます。
なので背中を上にしているのです。
陽当たりのいい休耕田でもう少し粘っていると、またテングちゃんが降りてきました。
翅の一部が欠けていたので先の子とは別個体だと思います。
またもう一組家族連れがやってきました。
イベントが中止になったり、博物館や図書館などの施設が閉館になったり、果ては小中学校の校庭が開放されなくなったりしているからか、こういう場所や公園などはいつもより人が多いように思います。
小さい子たちに自然に触れあわせる機会が増えることはせめてもの救いかなと思います。
うっかり長居をしてしまいましたが、一旦家に帰る途中、数年ぶりにとある中華屋さんに寄りました。
かなり高齢とおぼしきじいちゃんが作る、まさにお手本 ”ザ・ちゃんぽん” というべき味。
面白いのは、出されたときすでにコショウが振ってあること。
値上がりしてとうとう千円超えになっちゃったけど美味いんだな。
午後は昆虫館に行き、スタッフで打ち合わせた結果、今後2週間は臨時休館することになりました。
会員の子たちが楽しみにしている3月恒例の昆虫塾懇親会も中止としました。
いつまで自粛要請が続くのでしょうかね。
ところで、2月に開催したオオクワガタ飼育教室。
そのとき産卵床から掘り出した幼虫たちの中に何匹かワケアリの子がいました。
少し弱っていそうな子と、3齢になったばかりで軟弱なため菌糸瓶に移せない子。
その子たちを救済するために家に引き取ってきていたのです。
一旦、やわらかい昆虫マットのベッドに寝かせて体力が回復するよう見守っていたのですが・・
どうやら2頭とも元気になったようなので、菌糸瓶へ引越をさせてみました。
すると。
見る見るうちに無事部屋に潜っていきました。(落っこちていったわけではありません)
今日の湯加減
しかしまた、各種イベントの自粛要請のためでしょう、3月の観察会は中止になってしまいました。
という予測はしていたのですが、3月1日は第一日曜日なのでとりあえず行ってみたのでした。
案の定、谷津田の 入口広場にのぼりは立っていませんでした。
独りで倒木などの整備作業をしている方がいるだけでした。
扉の写真の林の中を歩いているとき、視界の片隅を横切る影にコンチューターが反応しました。
反射的に立ち止まり、影を目線で追いましたが、あっという間に遠ざかってしまいました。
飛び方と赤っぽい色が見えたことからチョウのようでしたが、何かは分からず。
深追いはせず谷津田へ向かいました。
ここはいつもの林の出口。ここから谷津田が広がります。
貸し切り状態のフィールドに足を踏み入れてすぐ。またコンチューターが反応しました。
ターゲットにロックオンして目線で追い続けると、休耕田の中へ着陸しました。
これはテレコンが必要だなと、着地点を見失わないようにしながらウエストバッグをまさぐる。
手元と着地点を交互に見ながらカメラにテレコンを装着して静かににじり寄っていきました。
陽射しを翅に受けるようにとまっているので、頭側から撮ると逆光でしかも特徴が分かりません。
でも、虫屋の方ならこの一枚で分かるでしょう。
そのままそのままと念じながら、散策路から斜面を降りて反対側へ回り込んでみました。
いい子でした。
テングチョウ (テングチョウ科)
成虫で越冬するチョウチョで、街中にはなかなかいませんが山や平地などに広く分布します。
さっき林で見た個体かどうかは分かりません。
このあとルリタテハも現れたのですが着陸してくれず、アカタテハらしいのも見ましたが未確認。
ハンノキ林の定点撮影をした後、用水路の中継地点のほとりにう●こ座りして水の中を眺めてました。
ヌマエビたちがたくさんいたのです。
そして水面にこんなのが。これも虫屋なら一目で判定できますが、何か分かりますか?
とその時、途中の林で作業していた方が通りがかり、歩きながら怪しいうん●座りに声をかけました。
「何かいるのー?」
「ヌマエビがたくさんいますね、それとマツモムシが」
「むしー?水の中に虫がいるの?」
”マツモ”の部分が聞き取れなかったのかもしれませんが、長くなるので説明するのはやめました。
そう、いたのはマツモムシなのですがさっきのチョウより小さいし、相手は水の中なので近づけない。
ど真ん中に浮いているので、水路の反対側へ回っても距離は同じ。
そんな右往左往しているニンゲンを家政婦のザリガニが見ていました。
土手に這いつくばってみたのが幸い、目の前の水際に別の個体を発見しました。
しかし何か様子が変。
ギリギリまで手を伸ばして別の角度から撮ってみました。
どうやらペアのようです。
ペアは撮影したことがないので粘ることにしました。
が、ずっとそのままの体勢で動かないので、離れてしまうかもしれないけど刺激を与えてみることに。
細い枝を拾ってきて、そっとつんつんしてみると、驚いて水中に潜っていきました。
しまった、一巻の終わりかとも思いましたが待つこと数分。
つながったまま浮いて来てくれました。
マツモムシ ペア (マツモムシ科)
体長は12ミリくらい。いつもお腹を上にして水面を泳いでいます。
なので、昆虫の交尾は普通、オスが上になりますが、マツモムシの場合はオスが下になってしまう。
それはいいとして、ずいぶん長い間つながったままなのに、水面下にいるオスは息が苦しくないのかな?
それは以前、ゲンゴロウの呼吸の仕方について説明しましたが、マツモムシも物理エラを使うのです。
お腹の表面に貯めた空気が酸素ボンベのような働きをしていて、水中からも酸素を取り込める。
同上
それでもその内に苦しくなる気もしますが・・
オタマたちの様子を見に場所を移動していると、家族連れがやってきてベンチでお昼にしていました。
ニホンアカガエルの子たちは少し成長して、黒い体色が少し茶色っぽくなっていました。
そんな様子を観察していると田んぼの水底にちっちゃい子を見つけました。
コミズムシ (ミズムシ科)
体長6ミリ前後。水虫と書きますが、あの菌の仲間ではありません。
体の形はマツモムシに似ていますが、写真で分かるとおり、コミズムシは水面ではなく水底にいます。
なので背中を上にしているのです。
陽当たりのいい休耕田でもう少し粘っていると、またテングちゃんが降りてきました。
翅の一部が欠けていたので先の子とは別個体だと思います。
テングチョウ (テングチョウ科)
またもう一組家族連れがやってきました。
イベントが中止になったり、博物館や図書館などの施設が閉館になったり、果ては小中学校の校庭が開放されなくなったりしているからか、こういう場所や公園などはいつもより人が多いように思います。
小さい子たちに自然に触れあわせる機会が増えることはせめてもの救いかなと思います。
うっかり長居をしてしまいましたが、一旦家に帰る途中、数年ぶりにとある中華屋さんに寄りました。
かなり高齢とおぼしきじいちゃんが作る、まさにお手本 ”ザ・ちゃんぽん” というべき味。
長崎ちゃんぽん
面白いのは、出されたときすでにコショウが振ってあること。
値上がりしてとうとう千円超えになっちゃったけど美味いんだな。
オマケ
午後は昆虫館に行き、スタッフで打ち合わせた結果、今後2週間は臨時休館することになりました。
会員の子たちが楽しみにしている3月恒例の昆虫塾懇親会も中止としました。
いつまで自粛要請が続くのでしょうかね。
ところで、2月に開催したオオクワガタ飼育教室。
そのとき産卵床から掘り出した幼虫たちの中に何匹かワケアリの子がいました。
少し弱っていそうな子と、3齢になったばかりで軟弱なため菌糸瓶に移せない子。
その子たちを救済するために家に引き取ってきていたのです。
一旦、やわらかい昆虫マットのベッドに寝かせて体力が回復するよう見守っていたのですが・・
どうやら2頭とも元気になったようなので、菌糸瓶へ引越をさせてみました。
すると。
見る見るうちに無事部屋に潜っていきました。(落っこちていったわけではありません)
今日の湯加減
関東は今年はじめての20℃超えの日もあり(チバは大晦日に超えたけど)すっかり春。
あちこちから春の(虫の)便りが届きます。
啓蟄も過ぎたそんなある日の朝。
枕元に並べてある飼育ケースのから聞こえてくるカサコソカサコソという音で目が覚めました。
さっそくケースを開けてみると、お目覚めでした。センちゃんたち。
ほぼ一斉だったようで、他のケースも開けてみるとみんな元気に動いている。
というわけで、今朝、またいつもの乗馬クラブへエサをもらいに行ってきました。
もう顔なじみの従業員さんたちに「最近来ないなぁと話していたんですよ」と言われて事情を説明。
半数ほどですがお陰様で無事越冬できた子たちが起きてきたのでエサをもらいに来ましたと。
何匹か連れて行ったのでお披露目もでき、撮影大会もして皆さんに喜んでもらえました。
写真はまた次回でも。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
昨日は春の雪でした。寒い中での例会でしたが、大勢のスタッフが出席。相次ぐ自粛要請に辟易した様子でした。その中で東京は開花宣言。武蔵野の桜も冬芽から花芽に変わっていました。今日はテングさん、ルリさん、アカタテハにキチョウさん、お目覚めも早そうですね。
by 高和です。 (2020-03-15 11:10)
64たちもどんどん目覚め始めているのですね^^
こちらは今朝も春の重い雪で白の世界です。
暖冬だった今年、冬の最後の抵抗というかんじ。
それにしても「家政婦のザリガニ」に1人大受け!((^0^))☆
by よしころん (2020-03-16 07:48)
>高和です。さん
東京は史上最早の開花となりましたね。
予報にはなかったボタ雪にはおどろきましたが。これも三寒四温?
>よしころんさん
チバも突然の冬の逆襲に遭いました。おまけに猛烈な風も。
ザリ子さんと目が合ったときは変な気分でした^^;
by ぜふ (2020-03-16 23:18)
最初のチョウの写真、テングチョウかな、と思ったら
そうだったので、嬉しくなって1人でにやにやしてました。
日頃、このブログを拝見させていただいてる成果かと^^;。
幼虫って、この状態でじっとしているだけでなく、
潜ったりするんですね!
by sakamono (2020-03-19 20:34)
sakamonoさま、はじめまして。
新参者の高和と申します。主催のオサコン様とはファーブル会で知己を得て、親しくさせていただいております。
テングチョウは昨今都会に進出している代表種ですね。成虫の寿命が長く、6月ごろにはピカピカの新成虫と飛び古した親世代が混飛しているのを目にします。別種かと思います。
小生も2018年初夏に自宅の近くで本種に出会いました。驚きうれしく、何人かに触れて回りました。最近都会に進出している種(チョウ)では、コミスジに極似したホシミスジがあり、今シーズンの小生のテーマになることと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
by 高和です。 (2020-03-19 22:15)
>sakamonoさん
一枚目で同定できるとはすばらしい。ブログ冥利に尽きます^^
幼虫は繊細ですが動き方は意外に活発なんです。元気なら^^;
>高和です。さん
テングチョウは時々大発生しますが分布も拡大しているようですね。
by ぜふ (2020-03-20 08:37)
右往左往してる人間、、むしたちはわれ関せず、というか構わないでほしいのよね、、
幼虫が、潜り込んでいく様子、、どうやって潜るのかな?
無事安心の、心地よい地点に到達なのかな?
by engrid (2020-03-21 00:54)
>engridさん
マツモムシたちにとってはいい迷惑だったでしょうね。
幼虫は意外に力強いですね、安心に地に向かってあっという間でした。
by ぜふ (2020-03-21 21:11)