"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
目黒の蝿柱 [日記]
この時節のルーティーンになりつつありますと書いたのは2年前。
昨年は訪れなかったようですが、ちょうどお江戸に用事があったので2年ぶりにでかけました。
目黒の春告げ草を見に。
旧正月の頃に咲くため、新年を寿ぐということでこの名前が付けられたと言われています。
今年の冬は暖かいのでもっと早く咲きだしていたのかもしれませんが。
訪れた場所の正式名称は「国立科学博物館付属 自然教育園」。
園内に入ってすぐの路傍植物園にも目当ての花が咲いていましたが、群落が小さくなっていました。
目当ての草花は三種類あり、その中でもっとも小さくて可憐な花。
前回は散策路にはみ出すくらいに広がっていたのですが。
節分草の名前の由来はまさに節分の頃に咲くから。
ここでも今月初めには咲いていたようで、すでにピークは過ぎているように見えました。
園内のどこに咲いているかは頭の中に入っているので、別の場所へまっしぐら。
敷地面積は約6万坪とのことですが散策できるルートは限られています。
北へ向けてほぼまっすぐ、ゆっくり10分くらい歩くと水生植物園。
そこから遠回りして右手の湿地に沿って狭い散策路を巡り、一番奥の植物観察エリアに出ました。
ところで、ここに来るときはいつも一眼レフを持ってきます。
園内には大砲レンズをカメラに装着した野鳥撮影の方が何人もいますし、草花撮影の方もちらほら。
この群落には後者の先客が二人ほど取り付いていました。
観察エリアの園路はとても狭いので、単に観賞していく方たちも含めて順番待ちをして撮影します。
あとで水生植物園の群落も見に行きました。
しかしそちらは終盤のものが多く、やはり咲き始めが早かったのではないかと想像します。
ちょっと順番が前後しますが、奥の観察エリア入口に標識もなしにひっそりと咲いている花があります。
前回よりもさらに株が増えているように思いました。
雪割一華と書きますが、イチゲはイチリンソウの仲間なのだそうです。
そしてもう一種類が扉の写真の花です。
この花をこの花らしく撮影するなら時間帯というかお日様の向きが大事。
なので、いつも午後2時から3時を目指して訪れます。(入園は4時までなので注意が必要)
つまり、向日葵のようにお日様の方を向いているタイミングを狙うのです。
この日の天気は上々。陽射しを受信する小さなパラボラアンテナの様子が撮れました。
水生植物園にはかなりの人数の来園者が集まっていました。
ベンチに座って休憩する人が多くいるのですが、彼らの目線は一様に同じ方を向いていました。
何だろうなと、その方向の池の畔を見ると・・
大砲レンズは使っていません。100ミリのマクロレンズで撮っています。
まったくもって人馴れしているのでしょう、2メートルくらいまで近寄っても動じません。
餌付けされているわけでもないようで、一心不乱に水の中を睨みつけてエサを探していました。
ベンチから腰を上げ、池の中の散策路を引き返していると目の前に蚊柱のようなものが。
蚊柱はユスリカのオスの群れのことですが、ユスリカにしては明らかに大きいし時期的にも変です。
いくら暖冬とはいえ、さすがにまだ蚊が発生する時期ではない。
ところで、ユスリカはいわゆる蚊ではありません。
メスが血を吸う”蚊”はカ科、ユスリカはユスリカ科でメスも血を吸わないのです。
網を振って採集するわけにもいかないので同定はできませんでしたが、蝿柱ということにしておきます。
というか、本記事の唯一の昆虫ということになりました。
教育管理棟でカワセミなどのビデオ上映を見たあと、もうひとつの訪問場所である北青山へ。
歩けなくもないのですが楽をして白金台から電車に乗り、溜池山王を経由して外苑前で降りました。
目的地は小さなギャラリー。
都会の喧騒の中を歩くと息が苦しくなりますが、青山通りから少しはずれると人通りがぱたりと。
静かな裏通りで、危うく行きすぎてしまうところでしたが無事到着。
作者の桃山さんが装画コンペNo.19で受賞された作品「高野聖」(左端)はすでに売約済みでした。
(タイトルは”高野聖”ですが実は昆虫がモチーフなのです)
この後、ギャラリーで合流したTさんと青山通りを歩いていると、ふとコンチューターが反応しました。
とはいえ、虫がいたわけではなく、通りがかった路地の奥が何となく気になったのです。
どんな店があるのかも知らないまま、何かに誘われるようにふらふらと入っていくと・・
なんとそこには昆虫食の店が。
どうやらまだテストマーケティングの段階のようで、来店者にアンケートを募っていました。
店名のとおり、材料はカイコ。
蚕の蛹を原料にして、バーガーやスープやスナック菓子を提供していました。
カイコスナックを食べてみましたが、言われないと分からないし、当然クセなどまったくありません。
サクサクと美味しくいただきましたが、かえってサッパリしすぎていて、スパイスをかけたいくらい。
とにかく思いがけず楽しい都会散歩の一日となりました。
今日の湯加減
昨年は訪れなかったようですが、ちょうどお江戸に用事があったので2年ぶりにでかけました。
目黒の春告げ草を見に。
福寿草
旧正月の頃に咲くため、新年を寿ぐということでこの名前が付けられたと言われています。
今年の冬は暖かいのでもっと早く咲きだしていたのかもしれませんが。
訪れた場所の正式名称は「国立科学博物館付属 自然教育園」。
園内に入ってすぐの路傍植物園にも目当ての花が咲いていましたが、群落が小さくなっていました。
目当ての草花は三種類あり、その中でもっとも小さくて可憐な花。
セツブンソウ
前回は散策路にはみ出すくらいに広がっていたのですが。
同上
節分草の名前の由来はまさに節分の頃に咲くから。
ここでも今月初めには咲いていたようで、すでにピークは過ぎているように見えました。
園内のどこに咲いているかは頭の中に入っているので、別の場所へまっしぐら。
敷地面積は約6万坪とのことですが散策できるルートは限られています。
北へ向けてほぼまっすぐ、ゆっくり10分くらい歩くと水生植物園。
そこから遠回りして右手の湿地に沿って狭い散策路を巡り、一番奥の植物観察エリアに出ました。
ところで、ここに来るときはいつも一眼レフを持ってきます。
園内には大砲レンズをカメラに装着した野鳥撮影の方が何人もいますし、草花撮影の方もちらほら。
この群落には後者の先客が二人ほど取り付いていました。
観察エリアの園路はとても狭いので、単に観賞していく方たちも含めて順番待ちをして撮影します。
同上
あとで水生植物園の群落も見に行きました。
しかしそちらは終盤のものが多く、やはり咲き始めが早かったのではないかと想像します。
ちょっと順番が前後しますが、奥の観察エリア入口に標識もなしにひっそりと咲いている花があります。
ユキワリイチゲ
前回よりもさらに株が増えているように思いました。
同上
雪割一華と書きますが、イチゲはイチリンソウの仲間なのだそうです。
同上
そしてもう一種類が扉の写真の花です。
この花をこの花らしく撮影するなら時間帯というかお日様の向きが大事。
なので、いつも午後2時から3時を目指して訪れます。(入園は4時までなので注意が必要)
つまり、向日葵のようにお日様の方を向いているタイミングを狙うのです。
フクジュソウ
この日の天気は上々。陽射しを受信する小さなパラボラアンテナの様子が撮れました。
同上
水生植物園にはかなりの人数の来園者が集まっていました。
ベンチに座って休憩する人が多くいるのですが、彼らの目線は一様に同じ方を向いていました。
何だろうなと、その方向の池の畔を見ると・・
ダイサギ
大砲レンズは使っていません。100ミリのマクロレンズで撮っています。
まったくもって人馴れしているのでしょう、2メートルくらいまで近寄っても動じません。
同上
餌付けされているわけでもないようで、一心不乱に水の中を睨みつけてエサを探していました。
ベンチから腰を上げ、池の中の散策路を引き返していると目の前に蚊柱のようなものが。
蚊柱はユスリカのオスの群れのことですが、ユスリカにしては明らかに大きいし時期的にも変です。
いくら暖冬とはいえ、さすがにまだ蚊が発生する時期ではない。
ところで、ユスリカはいわゆる蚊ではありません。
メスが血を吸う”蚊”はカ科、ユスリカはユスリカ科でメスも血を吸わないのです。
網を振って採集するわけにもいかないので同定はできませんでしたが、蝿柱ということにしておきます。
というか、本記事の唯一の昆虫ということになりました。
オマケ
教育管理棟でカワセミなどのビデオ上映を見たあと、もうひとつの訪問場所である北青山へ。
歩けなくもないのですが楽をして白金台から電車に乗り、溜池山王を経由して外苑前で降りました。
目的地は小さなギャラリー。
都会の喧騒の中を歩くと息が苦しくなりますが、青山通りから少しはずれると人通りがぱたりと。
静かな裏通りで、危うく行きすぎてしまうところでしたが無事到着。
作者の桃山さんが装画コンペNo.19で受賞された作品「高野聖」(左端)はすでに売約済みでした。
(タイトルは”高野聖”ですが実は昆虫がモチーフなのです)
この後、ギャラリーで合流したTさんと青山通りを歩いていると、ふとコンチューターが反応しました。
とはいえ、虫がいたわけではなく、通りがかった路地の奥が何となく気になったのです。
どんな店があるのかも知らないまま、何かに誘われるようにふらふらと入っていくと・・
なんとそこには昆虫食の店が。
SILK FOOD
どうやらまだテストマーケティングの段階のようで、来店者にアンケートを募っていました。
店名のとおり、材料はカイコ。
蚕の蛹を原料にして、バーガーやスープやスナック菓子を提供していました。
カイコスナックを食べてみましたが、言われないと分からないし、当然クセなどまったくありません。
サクサクと美味しくいただきましたが、かえってサッパリしすぎていて、スパイスをかけたいくらい。
とにかく思いがけず楽しい都会散歩の一日となりました。
今日の湯加減
なんということでしょう。(我ながらおどろいたという意味です)
一昨年の記事の湯加減に”一々考えるために去年の記事で紹介したことを再掲します”とあります。
その内容はまたもや今の状況と気分に同調してるのです。
進歩がないことに呆れもしましたが、自戒の意味も込め、以下またもや再掲します。
”嫌悪や憤りといった激しい情念を憐憫や慈しみという穏やかな情念が凌ぐとき、それが「精神の強さ」なのだ” - デイヴィッド・ヒューム(哲学者)-
可憐な山野草を観察しにいくのは、まさに日ごろザラついた心持を鎮めるのが目的とも言えます。
そのとおり、穏やかな情念が優位にはなるのですが、それも束の間。
現実世界にかえった途端、半日も経たないうちに元に戻ってしまうのは「精神の強さ」が足りないのでしょうね。
相手の思いを推し測るという意味での想像力が大事だとつくづく考えます。何事に関しても。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
妖精ちゃんたち、目覚め始めましたね♪
わたしも先日県内で一番早く咲くという福寿草に逢ってきました。
センブンちゃんも訪ねてみましたが、さすがに早すぎたようでした^^;
再訪しないと~
by よしころん (2020-02-15 20:47)
桃子さんから「6月の個展は虫たちが主役、色々な技法を試します
」とありました。コメンテーターの皆さまも応援してくださいませ。
by 高和です。 (2020-02-16 12:57)
>よしころんさん
今年はお早いお目覚めだったでしょうね。
この子たちは差し詰め、ウィンターエフェメラルでしょうかね・・
そちらでも妖精ちゃんたちに無事逢えますように。
>高和です。さん
彼女の真骨頂はやはり虫の”ひらき”ですが、作品集をみるとモチーフは多岐にわたることがわかりましたので技法にも期待しています♪
by ぜふ (2020-02-17 23:11)
春らしい野草に癒されます。
地面からそのまま花が生えてるような咲き方が可愛いですよね。
by 響 (2020-02-22 08:56)
蠅柱というのは初めて聞きました^^;。
ハエだったのでしょうか。ナゾですね。
カイコの蛹ですか!?
蛹だと、さくさくとスナックぽく食べられそうな
気がします^^;。
by sakamono (2020-02-22 09:21)
>響さん
雪が積もっていたら埋もれてしまう高さですからね。
逆に雪が融けたら咲くのでしょうね。今年の春は近い^^
>sakamonoさん
カイコのサナギですが粉末にしてからなので蛹の形はしていません。
なので説明がないとわからない^^; でもおいしいです。
by ぜふ (2020-02-22 11:18)