"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
越冬シジミを探せ [探虫行]
昨年のことになりますがクリスマスの日。
絵本製作のための取材にお付き合いすることになり、未踏の地を訪れました。
実はソネブロ仲間(虫ブロ仲間)のKさんにフィールドを案内していただけることになったのです。
狭山丘陵の広大な都立公園。
東京ドーム50個分あるそうです。(狭山湖側は埼玉県立公園になるので合わせるとさらに倍かも)
電車に乗ってトウキョウ経由でタチカワへ。
駅前のターミナルで絵本作家のMさんと編集者のYさんと待ち合わせてバスに乗って約50分。
公園最寄りのバス停でガイド役のKさんが待っていてくれました。
車に乗せてもらい現地へ。
狭山丘陵は多摩丘陵とはつながっていないことが地図を見て分かりました。
ここの職員さんであるKさんのガイド付きのぜいたくな散策。
杉の木が見えない、これぞ里山の雑木林という景色が見渡す限り広がっています。
クヌギやコナラなどブナ科の木々に囲まれるだけで気分がいい。
クヌギカメムシの卵を観察していると、期待していた虫がいてくれました。
これも同種かな?
しばらく探索したのですが、ターゲットを見つけることはできず。
別の昆虫の観察に連れて行ってもらいました。
広場の真ん中に堂々と立つ一本のエノキで宝探し。
根元周りの落ち葉を慎重に探ると、まもなく宝が出てきました。
根際の落ち葉の下で冬をしのぎ、春になって新芽が出てくると、幹を登って若葉を食べるのです。
もう一種いるはずだということなので、粘った結果、やっと見つけられました。
それほど深く潜っているわけではありません。
強風だと落ち葉ごと吹き飛ばされると思うのですが、そのときはまた根元まで這い戻ってくるのかな。
さて、探索目標のウラギンシジミは成虫で越冬するチョウ。
シジミチョウの仲間ですが、その中では飛びぬけて大型で最大で40ミリほどあります。
その名前のとおり、翅の裏側が銀色というか真っ白ということも他の種とは違う特徴。
これは7年以上前に撮影したものですが越冬中の個体。
アラカシ、シラカシ、マテバシイ、ツバキなどの常緑樹やツタ類の葉の下にぶら下がって越冬します。
お昼を過ぎたところでまた車で移動。
同じ園内ですが、こんな建物がありました。
古い農家に見えますが、これは10年ほど前に新築したのだそうです。
道理で梁や柱がきれいでしたし、囲炉裏が飾りではなくてちゃんと稼働していました。
Kさんと管理人さんのはからいで、炉端でお弁当を広げさせていただきました。(薪もくべてくれた)
会話もはずみ、温かくて寛いでしまいましたが、ずっとのんびりしているわけにはいきません。
表に出ると、予報に反して陽射しも出てきました。
すぐ近くの散策路へ導かれエクスプロール再開。
いきなり変なものを観察させてもらいました。
いわゆるミノムシなのですが、ミノムシにもオスとメスがあるのです。
(考えてみれば当たり前なのですが目からウロコでした)
これはオスのミノムシ(の抜け殻)。
なぜオスと分かるのか。
それは蓑の先にサナギの殻が飛び出しているからです。
なぜ飛び出しているとオスなのか。
それは、ミノガのメスは成虫になっても脱出せずに蓑の中にとどまるからです。
つまり、一生蓑の中にいるのです。
これも冬の風物詩ですが。
これを見た編集者さんの第一声は「カワイイ!」。
感じ方というものは人それぞれですが・・
このあとコオロギのハヤニエも見つけましたが、やはり「カワイイ」とのことでした。
時間が許す限り園内の目ぼしいところを探索しましたが、とうとう目標物は見つけられませんでした。
でも、現地ガイドというのはやはり最強です。
紹介した以外にも色々とネイチャーアイテムを観察することができました。
それと、こんな広大な雑木林というのは貴重ですし、底知れないコンテンツが潜んでいるはず。
なのでまた、季節を変えて探索しに来たいと思います。
バス停まで送ってもらうのに車に乗ろうとしたとき、未練がましく駐車場わきの林縁をチェック。
するとこれまた大きな繭がいくつもあるのを見つけました。
長さが5センチくらいある、とてもビッグなやつ。
あとでKさんが教えてくれましたが、これはカレハガの仲間の繭だとのこと。
チバではなかなか見られません。
観察できるものが違って楽しい一日でした。
この数日後、暮れに自転車で買い物にでかけた帰り道。
国道を渡る交差点で信号待ちをしていたら、ふと高架の下の木の枝にコンチューターが反応しました。
ミノムシが付いていたのですが、なんと鈴生りのようでした。
写真では分かりづらいと思いますが、木全体で10個くらいあったと思います。
自転車でしか通りかからない場所なので、今まで気が付かなかったのかなと。
今日の湯加減
絵本製作のための取材にお付き合いすることになり、未踏の地を訪れました。
実はソネブロ仲間(虫ブロ仲間)のKさんにフィールドを案内していただけることになったのです。
狭山丘陵の広大な都立公園。
東京ドーム50個分あるそうです。(狭山湖側は埼玉県立公園になるので合わせるとさらに倍かも)
電車に乗ってトウキョウ経由でタチカワへ。
駅前のターミナルで絵本作家のMさんと編集者のYさんと待ち合わせてバスに乗って約50分。
公園最寄りのバス停でガイド役のKさんが待っていてくれました。
車に乗せてもらい現地へ。
狭山丘陵は多摩丘陵とはつながっていないことが地図を見て分かりました。
ここの職員さんであるKさんのガイド付きのぜいたくな散策。
杉の木が見えない、これぞ里山の雑木林という景色が見渡す限り広がっています。
クヌギやコナラなどブナ科の木々に囲まれるだけで気分がいい。
クヌギカメムシの卵を観察していると、期待していた虫がいてくれました。
ヒメクロオビフユナミシャク (シャクガ科)
これも同種かな?
同上
しばらく探索したのですが、ターゲットを見つけることはできず。
別の昆虫の観察に連れて行ってもらいました。
広場の真ん中に堂々と立つ一本のエノキで宝探し。
根元周りの落ち葉を慎重に探ると、まもなく宝が出てきました。
オオムラサキの幼虫 (タテハチョウ科)
根際の落ち葉の下で冬をしのぎ、春になって新芽が出てくると、幹を登って若葉を食べるのです。
もう一種いるはずだということなので、粘った結果、やっと見つけられました。
ゴマダラチョウの幼虫 (タテハチョウ科)
それほど深く潜っているわけではありません。
強風だと落ち葉ごと吹き飛ばされると思うのですが、そのときはまた根元まで這い戻ってくるのかな。
さて、探索目標のウラギンシジミは成虫で越冬するチョウ。
シジミチョウの仲間ですが、その中では飛びぬけて大型で最大で40ミリほどあります。
その名前のとおり、翅の裏側が銀色というか真っ白ということも他の種とは違う特徴。
これは7年以上前に撮影したものですが越冬中の個体。
ウラギンシジミ (シジミチョウ科)
アラカシ、シラカシ、マテバシイ、ツバキなどの常緑樹やツタ類の葉の下にぶら下がって越冬します。
お昼を過ぎたところでまた車で移動。
同じ園内ですが、こんな建物がありました。
古い農家に見えますが、これは10年ほど前に新築したのだそうです。
道理で梁や柱がきれいでしたし、囲炉裏が飾りではなくてちゃんと稼働していました。
Kさんと管理人さんのはからいで、炉端でお弁当を広げさせていただきました。(薪もくべてくれた)
会話もはずみ、温かくて寛いでしまいましたが、ずっとのんびりしているわけにはいきません。
表に出ると、予報に反して陽射しも出てきました。
すぐ近くの散策路へ導かれエクスプロール再開。
いきなり変なものを観察させてもらいました。
チャミノガの繭 (ミノガ科)
いわゆるミノムシなのですが、ミノムシにもオスとメスがあるのです。
(考えてみれば当たり前なのですが目からウロコでした)
これはオスのミノムシ(の抜け殻)。
なぜオスと分かるのか。
それは蓑の先にサナギの殻が飛び出しているからです。
なぜ飛び出しているとオスなのか。
それは、ミノガのメスは成虫になっても脱出せずに蓑の中にとどまるからです。
つまり、一生蓑の中にいるのです。
これも冬の風物詩ですが。
これを見た編集者さんの第一声は「カワイイ!」。
モズのハヤニエ (カナヘビ)
感じ方というものは人それぞれですが・・
このあとコオロギのハヤニエも見つけましたが、やはり「カワイイ」とのことでした。
時間が許す限り園内の目ぼしいところを探索しましたが、とうとう目標物は見つけられませんでした。
でも、現地ガイドというのはやはり最強です。
紹介した以外にも色々とネイチャーアイテムを観察することができました。
それと、こんな広大な雑木林というのは貴重ですし、底知れないコンテンツが潜んでいるはず。
なのでまた、季節を変えて探索しに来たいと思います。
バス停まで送ってもらうのに車に乗ろうとしたとき、未練がましく駐車場わきの林縁をチェック。
するとこれまた大きな繭がいくつもあるのを見つけました。
長さが5センチくらいある、とてもビッグなやつ。
あとでKさんが教えてくれましたが、これはカレハガの仲間の繭だとのこと。
チバではなかなか見られません。
観察できるものが違って楽しい一日でした。
オマケ
この数日後、暮れに自転車で買い物にでかけた帰り道。
国道を渡る交差点で信号待ちをしていたら、ふと高架の下の木の枝にコンチューターが反応しました。
ミノムシが付いていたのですが、なんと鈴生りのようでした。
写真では分かりづらいと思いますが、木全体で10個くらいあったと思います。
自転車でしか通りかからない場所なので、今まで気が付かなかったのかなと。
今日の湯加減
賀詞交歓会ならぬ、虫交歓会で、今日は新年の挨拶に昆虫館へ。
それともうひとつ。
オサ部(オサムシ倶楽部)の座学を開催しました。
元旦に放送された「昆虫すごいぜ!」のテーマがオサムシだったのはまったくの偶然です。
部員の子供たちももちろんテレビを見てきたようですが、ちょっと内容には満足しなかったよう。
それを補足すべくオサホリのコツなどをお話しました。
オサ部は体育系だということも。
みんな自主トレがんばってくださいね!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
あけましておめでとうございます^^
楽しいフィールド散策だったようですね♪
昆虫すごいぜ!は、もちろん録画して観ました。
オサムシのときは、だんなに、ぜふさんのオサムシ愛のはなしをしてました(笑)
by リュカ (2020-01-05 12:32)
遅れ馳せながら明けましておめでとう御座います。
本年も昨年同様よろしくお願いいたします。
by yam (2020-01-05 21:24)
>リュカさん
いつも応援ありがとうございます! オサムシ愛は永遠です^^
今年もよろしくお願いします。
>yamさん
新年おめでとうございます。
今年もマイペースですがよろしくお願いします。
by ぜふ (2020-01-06 21:42)
昆虫すごいぜ、お正月もみてました、、
私も、オサムシのとき主人に、話してましたよ、、おさぼりのことも
スギの見えない雑木林、すばらしいですね
by engrid (2020-01-09 00:35)
そっか、確かに杉の木がなく、雑木林ばかりというのが、里山の
イメージですね。ウチの周りの山は、ほとんど杉しか見えません^^;。
私は初めてハヤニエを見た時、蛾だったと思うのですが、ドキッと
しましたよ。これは何だろうと思って^^;。
by sakamono (2020-01-09 21:44)
>engridさん
カマキリ先生も不完全燃焼だったでしょうけど視聴者もね^^;
春の里山の雑木林を見たいですね。
>sakamonoさん
スギ・ヒノキだらけで多様性がないのは寂しいですね。
蛾のハヤニエは見たことない・・めずらしいのではないでしょうか。
by ぜふ (2020-01-09 22:44)
虫にオフシーズンは無いですね。
いろんな発見にびっくり。
ミノムシの生態にもびっくりでした。
by 響 (2020-01-11 07:59)
出遅れました。
皆様、本年もよろしくお願いいたします。
おそらくこの緑地のすぐ裏、狭山湖の隣で、むかし、採集会をやっていました。オオミドリ、ウスイロオナガはじめ平地性のゼフィルス、オオヤマトンボ、おびただしい数のアオオサ、クロカタビロオサなど、ずいぶん種類を増やさせてもらいました、トウキョウサンショウウオも掬いました。狭山湖の堤体強化で水抜きして以来環境が激変、あれだけいたアオオサムシはほとんど姿を消してしまいました。30年も経つと変わるものですね。
by 高和です。 (2020-01-11 15:23)
>響さん
冬に絶滅したら翌春は何もいなくなりますからね^^
ミノムシはメスのことばかり考えていてオスのことを忘れてました・・
>高和さん
平地性のゼフは今もいるとのことでした。
カタビロもクロの方が多いとか。
アオオサはいなくなってしまったのですか・・・ざんねん。
by ぜふ (2020-01-11 18:36)