"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
オサホリ場所を探せ [探虫行]
11月に入ってから週末の天気がいいチバです。
前記事にも書いたとおり、オサホリシーズンに入っているのですが、まったく下見ができていません。
16日は一日予定なしだったので、数日前からどこへ行こうか考えるもなかなか決められず。
一人作戦会議の末、いっそのこと新規ポイントを開拓しようということに。
例によってGoogleMapとしばしにらめっこ。
新規というと、東総や外房方面に行きたいのですが、にらめっこで笑える結末がなかなかでない。
航空写真で見ても東総や外房は平地が多いので、なかなかピンとくる場所が見つからないのです。
結局、先日突入を断念して気になっている所とずっと前から気になっている所にしました。
シジミが日向ぼっこするぽかぽか陽気のボウソウへ。
昼間は暖かくても朝は起きづらい、というわけで遅れを取り戻すべく高速でバビューン。
と、いきなり渋滞で30~40km走行。まさに出鼻をくじかれました。
でも千葉東ICを過ぎるとウソのようにトラフィックが減りました。
1時間以上はかかりましたが、今回は間違えることなく、富津竹岡ICで降りて、いざ山の中へ。
川沿いにどんどん進み、集落を抜け、前回断念した舗装路の終点まで来ました。
あれ?この前と同じ景色だ。
前回は雨の後でぬかるんでいたと思ったのですが、どうやらここはいつもの事なのですな。
ともかく、今回はやる気満々なので、躊躇うこともなく突撃。
ぬかるんだエリアは短く、まもなく林道の分岐が現れました。
右はフェンスが設置されていましたが、施錠はされていませんでした。
しかし細い山道だったので左ルートを選択。
未舗装路と半舗装路が交互に現れ、折れた枝や落石が所々に散乱していました。
これは先行きが心配だなぁと思いながら、ゴトゴト、トコトコゆっくり進むと案の定。
ピンクリボンが結んであるので、自治体の方か何かが現地確認はしたようですが復旧は未着手。
今ボウソウに、こういう箇所はたくさんあるでしょう。
しかたなくベニシジミ号をとめて降りたときに迎えてくれたのが扉の写真の子でした。
裏ノコギリもそうでしたが、こんな山の中にもカタバミは生えていて群生していました。
倒木バリケードの様子を見に行くと、人の踏み跡もあり、向こう側へ越えることはできそうでした。
すんなり歩いて渡ると、谷側にあるガードレールにコンチューターが反応。
ケムシの行列でした。
よく見ると、この辺りのガードレール全体に伸びていました。
ガードレールの下にもあちこちに集団が。
マイマイガは卵で越冬し、5月頃孵化するはずですが、このところの温かさで間違ったのでしょうか。
よく見ると、周りのクサギなど、丸坊主になっている樹木もありました。
とそのとき、ガードレールの外側の茅の繁みの中にいる子と目が合ってしまいました。
もうちょっと接写しようと、手を伸ばしてカメラを近づけたら、ぽとりと落下逃亡されてしまった。
ガードレールの向こうは断崖ですが、ボウソウではじめて見たのでここはがんばろうと奮起。
またいだ外側に狭い足場があったので、そこに立つと、茅の根元がちょうど目の高さ。
落ちたと思しきところの茎を慎重にかきわけて逮捕しました。
谷に落ちたくないので一旦内側に戻り、手乗りの状態を撮ろうとしたら・・飛んだ。
しまったと思いつつ、またもや捜索開始。
着地場所が近くだったので運よく再発見できました。
もう一度手乗りになってもらい近くで見ると、どうやらお腹の大きいママであることがわかりました。
ということで家にお連れすることにしました。
ベニシジミ号へ戻ろうとバリケードに差し掛かったとき、またコンチューターが反応。
何かが飛んだ。
倒木の枝を一つ一つ具に見ていくと、小枝に化けた子がいました。
この子はこれから気温が下がると森の奥へ移動して越冬するでしょう。
さあ、このエリアでのポイント探しは終了。
次は東へ移動します。
でもボウソウを横断するルートはほとんどないので、一旦上総湊まで北上し、R465で北東方向へ。
途中、九十九谷でピットイン。
食堂といっても数種類のラーメンしかない。
ザ・しょうゆラーメン(700円)は昭和の味。
なぜかサービスでついてくるタクアンはおばちゃんの自家製でしょう。
お腹を満たして再出発し、向かうはボウソウスカイライン。略してボウスカ。
そこからある支線に入り、今年の春にも訪れたあるポイントへ。
ところがここも。
またもバリケードで封鎖中。
ここも歩いては越せるので、この先の目的地まで行ってみました。
するとミニドーザーや作業車が停めてあり、ちょうどポイントの入口で作業員たちが昼寝してました。
側を通過して起こすのも気が引けるので、やむなくポイント突入は断念して引き返しました。
帰りの駄賃とばかり、道端に転がっている木をバチツルで叩いてチェックしながら。
ベニシジミ号まで戻って再発進の準備をしていると、一台のオフロードバイクがやってきました。
当然、バリケード前で停止したので、「これはちょっとムリですね」と声をかけると・・
「この先の支線の奥の広場で野宿したいんですけどね」
「この向こうに作業車が入っているので、反対側からなら行けると思いますよ」
「あ、そうなんですか!いいこと教えていただいて助かりました」
「昼寝してましたけど」
「なんなら倒木を切っちゃおうかと思ってたんです」
「え?木を切る?」
なんと、この野営ライダー、チェーンソーを装備していたのです。
こんな人ははじめて見ましたが、とにかく野宿が趣味なのだそうでした。
世の中、いろいろな方面にツワモノがいるものです。
しばらくおしゃべりをしている内に、こちらの趣味に合うようなエリア情報を教えてもらいました。
一緒にここを離脱し、ボウスカの出口で挨拶して左右に分かれました。
次の目的地は小櫃川沿いの山道だったのですが、そこは国道からの分岐地点が通行止め。
ならばと野宿ライダーに教えてもらった、同じく小櫃川沿いの場所へ行ってみることにしました。
川縁の公園から山へ向かう散策路があるとのことでした。
そのアプローチはこんなところでした。
完全に寂れていていい感じ。
今年も夏の高温禍と台風の暴風の影響で冴えないボウソウの紅葉がちらりと見られました。
橋を渡ると綴れおりの散策路が続いており、最初のうち周りは広葉樹も含む雑木林だったのですが・・
しばらく登ると杉林になり、とうとう。
またしても通せんぼでした。
帰りも散策路の沿いの小崖を試掘して降りて行きましたが不発。
川原に降りて少し周辺の様子を確認することにしました。
川はボウソウ特有の岩盤上の流れ。
河岸段丘の壁も岩盤でオサホリ場所ではなかった。
小櫃川の川縁散策路の様子を眺めてから離脱しました。
せっかくなのでさらに上流を攻めてみようと、清澄養老ラインの手前、黄和田地区から山の中へ突入。
しかし・・もうどこも一緒という感じ。
さすがに心が折れました。
短い日が傾きはじめたこともあり、帰路につきました。
オサホリ場所がまったく見つけられなかったのはしょうがないとしても、どうせなら筒森のもみじ谷まで行けばよかったとちょっと後悔。
お連れしたヒメカマキリのママ。
見込み通り、数日後に産卵してくれました。
体がヒメなので、卵鞘もヒメサイズ。長さ約8ミリ。
せっかくなのでツーショットも。
無事孵りますように。
今日の湯加減
前記事にも書いたとおり、オサホリシーズンに入っているのですが、まったく下見ができていません。
16日は一日予定なしだったので、数日前からどこへ行こうか考えるもなかなか決められず。
一人作戦会議の末、いっそのこと新規ポイントを開拓しようということに。
例によってGoogleMapとしばしにらめっこ。
新規というと、東総や外房方面に行きたいのですが、にらめっこで笑える結末がなかなかでない。
航空写真で見ても東総や外房は平地が多いので、なかなかピンとくる場所が見つからないのです。
結局、先日突入を断念して気になっている所とずっと前から気になっている所にしました。
シジミが日向ぼっこするぽかぽか陽気のボウソウへ。
昼間は暖かくても朝は起きづらい、というわけで遅れを取り戻すべく高速でバビューン。
と、いきなり渋滞で30~40km走行。まさに出鼻をくじかれました。
でも千葉東ICを過ぎるとウソのようにトラフィックが減りました。
1時間以上はかかりましたが、今回は間違えることなく、富津竹岡ICで降りて、いざ山の中へ。
川沿いにどんどん進み、集落を抜け、前回断念した舗装路の終点まで来ました。
あれ?この前と同じ景色だ。
前回は雨の後でぬかるんでいたと思ったのですが、どうやらここはいつもの事なのですな。
ともかく、今回はやる気満々なので、躊躇うこともなく突撃。
ぬかるんだエリアは短く、まもなく林道の分岐が現れました。
右はフェンスが設置されていましたが、施錠はされていませんでした。
しかし細い山道だったので左ルートを選択。
未舗装路と半舗装路が交互に現れ、折れた枝や落石が所々に散乱していました。
これは先行きが心配だなぁと思いながら、ゴトゴト、トコトコゆっくり進むと案の定。
ピンクリボンが結んであるので、自治体の方か何かが現地確認はしたようですが復旧は未着手。
今ボウソウに、こういう箇所はたくさんあるでしょう。
しかたなくベニシジミ号をとめて降りたときに迎えてくれたのが扉の写真の子でした。
ヤマトシジミ (シジミチョウ科)
裏ノコギリもそうでしたが、こんな山の中にもカタバミは生えていて群生していました。
倒木バリケードの様子を見に行くと、人の踏み跡もあり、向こう側へ越えることはできそうでした。
すんなり歩いて渡ると、谷側にあるガードレールにコンチューターが反応。
ケムシの行列でした。
よく見ると、この辺りのガードレール全体に伸びていました。
ガードレールの下にもあちこちに集団が。
マイマイガの幼虫?
マイマイガは卵で越冬し、5月頃孵化するはずですが、このところの温かさで間違ったのでしょうか。
よく見ると、周りのクサギなど、丸坊主になっている樹木もありました。
とそのとき、ガードレールの外側の茅の繁みの中にいる子と目が合ってしまいました。
ヒメカマキリ (カマキリ科)
もうちょっと接写しようと、手を伸ばしてカメラを近づけたら、ぽとりと落下逃亡されてしまった。
ガードレールの向こうは断崖ですが、ボウソウではじめて見たのでここはがんばろうと奮起。
またいだ外側に狭い足場があったので、そこに立つと、茅の根元がちょうど目の高さ。
落ちたと思しきところの茎を慎重にかきわけて逮捕しました。
谷に落ちたくないので一旦内側に戻り、手乗りの状態を撮ろうとしたら・・飛んだ。
しまったと思いつつ、またもや捜索開始。
着地場所が近くだったので運よく再発見できました。
同上
もう一度手乗りになってもらい近くで見ると、どうやらお腹の大きいママであることがわかりました。
同上
ということで家にお連れすることにしました。
ベニシジミ号へ戻ろうとバリケードに差し掛かったとき、またコンチューターが反応。
何かが飛んだ。
倒木の枝を一つ一つ具に見ていくと、小枝に化けた子がいました。
ホソミオツネントンボ ♀ (アオイトトンボ科)
この子はこれから気温が下がると森の奥へ移動して越冬するでしょう。
さあ、このエリアでのポイント探しは終了。
次は東へ移動します。
でもボウソウを横断するルートはほとんどないので、一旦上総湊まで北上し、R465で北東方向へ。
途中、九十九谷でピットイン。
つくも食堂
食堂といっても数種類のラーメンしかない。
ザ・しょうゆラーメン(700円)は昭和の味。
なぜかサービスでついてくるタクアンはおばちゃんの自家製でしょう。
お腹を満たして再出発し、向かうはボウソウスカイライン。略してボウスカ。
そこからある支線に入り、今年の春にも訪れたあるポイントへ。
ところがここも。
またもバリケードで封鎖中。
ここも歩いては越せるので、この先の目的地まで行ってみました。
するとミニドーザーや作業車が停めてあり、ちょうどポイントの入口で作業員たちが昼寝してました。
側を通過して起こすのも気が引けるので、やむなくポイント突入は断念して引き返しました。
帰りの駄賃とばかり、道端に転がっている木をバチツルで叩いてチェックしながら。
ベニシジミ号まで戻って再発進の準備をしていると、一台のオフロードバイクがやってきました。
当然、バリケード前で停止したので、「これはちょっとムリですね」と声をかけると・・
「この先の支線の奥の広場で野宿したいんですけどね」
「この向こうに作業車が入っているので、反対側からなら行けると思いますよ」
「あ、そうなんですか!いいこと教えていただいて助かりました」
「昼寝してましたけど」
「なんなら倒木を切っちゃおうかと思ってたんです」
「え?木を切る?」
なんと、この野営ライダー、チェーンソーを装備していたのです。
こんな人ははじめて見ましたが、とにかく野宿が趣味なのだそうでした。
世の中、いろいろな方面にツワモノがいるものです。
しばらくおしゃべりをしている内に、こちらの趣味に合うようなエリア情報を教えてもらいました。
一緒にここを離脱し、ボウスカの出口で挨拶して左右に分かれました。
次の目的地は小櫃川沿いの山道だったのですが、そこは国道からの分岐地点が通行止め。
ならばと野宿ライダーに教えてもらった、同じく小櫃川沿いの場所へ行ってみることにしました。
川縁の公園から山へ向かう散策路があるとのことでした。
そのアプローチはこんなところでした。
完全に寂れていていい感じ。
今年も夏の高温禍と台風の暴風の影響で冴えないボウソウの紅葉がちらりと見られました。
橋を渡ると綴れおりの散策路が続いており、最初のうち周りは広葉樹も含む雑木林だったのですが・・
しばらく登ると杉林になり、とうとう。
またしても通せんぼでした。
帰りも散策路の沿いの小崖を試掘して降りて行きましたが不発。
川原に降りて少し周辺の様子を確認することにしました。
川はボウソウ特有の岩盤上の流れ。
河岸段丘の壁も岩盤でオサホリ場所ではなかった。
小櫃川の川縁散策路の様子を眺めてから離脱しました。
せっかくなのでさらに上流を攻めてみようと、清澄養老ラインの手前、黄和田地区から山の中へ突入。
しかし・・もうどこも一緒という感じ。
さすがに心が折れました。
短い日が傾きはじめたこともあり、帰路につきました。
オサホリ場所がまったく見つけられなかったのはしょうがないとしても、どうせなら筒森のもみじ谷まで行けばよかったとちょっと後悔。
オマケ
お連れしたヒメカマキリのママ。
見込み通り、数日後に産卵してくれました。
体がヒメなので、卵鞘もヒメサイズ。長さ約8ミリ。
せっかくなのでツーショットも。
無事孵りますように。
今日の湯加減
今日はあるテレビ番組が昆虫館を取材にくるというので見学がてら出勤しました。
ネタバレになるので番組名は書けませんが、虫とはまったく関係のない企画。
なので主たる取材先ではないため放送枠はほんの一瞬と思われますが2時間近くかかってました。
まあそういえば、ワイルドライフなど、野生動物に何年も密着してその生態を観察する番組だって、放送時間はわずか15分か30分、せいぜい1時間だったりするわけです。
ところで、突然冬になりました。
本編で紹介した攪乱孵化したマイマイガの幼虫たちは異常気象の被害者になってしまうでしょう。
台風の進路のことも書きましたが、温暖化対策をしないとニンゲンもひどい目に遭うのは明らか。
「小麦粉の加工」という曲は岸和田メロディー♪?
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
お宝の場所は無くとも冒険ツーリング楽しそう。
チェーンソーのライダーは金曜日の夜には会いたくないな(≧▽≦)
一枚目のシジミの枝がナナフシに見えてしまった(笑)
by 響 (2019-11-26 17:02)
日向ぼっこをする青いシジミチョウは実にきれいですね。楚々としたたずまいがいかにも大和なでしこです。
だいたい11月の23日ごろが「その年に眺める最後のチョウ(成虫越冬は別)」というのが武蔵野台地のチョウごよみです。暖かい安房の国はまた違うのでしょうね。
by 高和です。 (2019-11-27 14:09)
ケムシの行列、ユーモラスでやすね。
ケムンパスを思い出しやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2019-11-29 19:51)
チェーンソー持参の野宿ライダーとは、なるほど、なかなかに
ツワモノですね^^;。それにしても房総の山の中は台風での
倒木がまだまだたくさんあるんですね。被害の大きさがうかがえます。
毛虫の行列、かわいい^^;。
by sakamono (2019-11-29 21:49)
>響さん
ちょっとザンネンな冒険でした。
チェーンソーライダーのあだ名はジェイソンで確定です^^
>高和さん
そろそろチョウとお別れの時期ですが、ヤマトシジミは今日時点でもチバで見られますね。
ボウソウはさらに後まで見られるでしょう。
>ぼんぼちぼちぼちさん
ケムンパスはなつかしいですね。
あまりに大勢だったので迫力もありました^^;
>sakamonoさん
ほんとにどれだけ野宿したいの?と聞きたくなりました^^;
ボウソウの山中はたいへんです、というか入るところがない・・
このケムシは毒ありなのでちょっとコワイです ><
by ぜふ (2019-11-30 16:42)
ママさんカマキリ、無事に産卵、良かったですね
これから、楽しみ、、ツーショットもいい感じ、、ワラワラ小さな子が生まれるのかな
しかしツワモノさんに遭遇、出会いは面白いですね
by engrid (2019-11-30 18:00)
周年発生ということはないですか?
by 高和です。 (2019-12-03 16:41)