"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
切通の異変 [オサムシ]
去年の夏以来の風邪をひき、しかも10日以上治らないという強敵。
フィールドワークがままならずストレスがたまる一方でしたが、近場ならと行ってきました。
今年のお正月に訪れて以来の訪問となる、北総のゴミムシポイント。
郊外の里地というか谷津田。
その田んぼに沿った林縁に奇跡的な小崖があり、「インザントラの切通」と勝手に読んでいます。
そこでは色々な生き物が冬越しをしているはず・・
完全防備してベニシジミ号ででかけました。
ただ、せっかくなので周辺にもポイントがないかと、まずは地図で目星を付けた別の場所へ。
ある谷津田の最奥部、崖はないかと徒歩で探索しましたが畑があって行き止まり。
その手前にかなり急な林内崖があり、突入してみましたが、土が乾いていたのですぐ見切りました。
今回は短期戦のため、寄り道自体も切り上げて本命の場所へ。
切通の場所はナビに登録してあるので、迷うこともなくピンポイントで到着。
とその前に。
田んぼを挟んで切通の反対側の崖へ行きました。
前回、アオオサムシを発掘しましたが、荒らさないように深掘りはしなかったポイント。
行ってみると、すぐ近くにフェンスで囲われた土砂捨て場ができていて少し嫌な予感。
ところがその不安を打ち消すように、狙いを定めて試掘するといきなりポロリ。
ここでははじめてお目にかかりましたが、特別珍しい種類でもないのでリリースしようかなと・・
思いましたが、一旦確保することにしました。
次も難なく掘り当てました。
おしりで分かります。
大好きなゴミムシなので迷うことなく確保。
同居人はリリースしました。
少しカニ歩きして、木の根元をひと掘りしたら出てきたこのおしりも分かります。
木の根まわりに潜っていることがよくあります。
そっと掘り出そうと思いましたが、土がサラサラ過ぎてぽろっと地面に落ちてしまいました。
ハチは飼育も標本もしないのですがお土産として確保しました。
ところで掘削道具は愛用の陸奥守。
何か出ているのがわかりますか?
この日想定外に多く見られたのはこの虫です。
ハナアブは成虫で越冬するのですが、土の中でかつ集団になるようです。
実はこの日、お昼頃になると陽射しが強くなり、温かいを越して完全防備の服装では汗をかくほど。
そのせいか、体が温まったのでしょう、飛び立っていきました。
アオゴミムシがもっと出ないかなと思っていましたが、この子がぽつりと。
この場所では複数の越冬グループを掘り当てていいはずですが、結局この一頭だけでした。
しつこく写真を撮り続けている間、ヘッピリ10連発以上。
さて、そろそろ本命の場所へ行ってみます。
切通は南西向きなのでお昼からはとても陽当たり良好。
日向ぼっこしているチョウが数頭いました。
夏は見向きもしない種ですが、冬は観察できる貴重なチョウです。
この虫も成虫越冬するようですが、意外に集団にはならないようで、単独で出てきます。
こちらでもアブがたくさん出ました。
未同定ですが、前出のアブと同種のように見えました。
そして扉の子。
元々この切通にはこの子たちのものとも思われる横穴がいくつも開いています。
そのまま巣穴で越冬するのでしょうね。
じっとしてくれていたのですが、陽射しが強すぎてなかなかうまく撮れませんでした。
(こういう時は助手がほしいと思います)
ところで・・
掘れども掘れども本命のゴミムシたちが出てきません。
一匹もです。
越冬番長のスジアオゴミムシさえ出てこない。
指標虫のムームーやゲーゲーはコンスタントに出てくるのに。
あまり荒らしたくないのですが、いないことを確かめるためにもカニ歩きしました。
しかしやはり全く出ず、だんだん恐ろしくなってくる。
大きな理由として考えられることは、崖全体が乾燥化して固くなっていること。
それでも少し日陰になっているところなどは隈なく試掘しました。
前回の記事を振り返ると・・
”アオゴミムシの仲間は次々と掘り出せて、つばなれしそうになったので採掘終了。”
と書いています。
たった1年足らずでこんなに変わるとはおどろきですが諦めることにしました。
と言いつつ、未練たらたらで、さっきの崖へもうちょっとだけ。
すると、やっとこ出てくれました。
こんな普通種を掘るのにこれほど苦労するとは・・・
久しぶりに嗅ぐアオゴミムシの匂いは懐かしくも切ないものでした。
家で越冬している子たちも何種類かいるのですが、室内だと越冬とはいえ、起きて活動しています。
室温が高いと羽ばたく子もいます。
今日の湯加減
フィールドワークがままならずストレスがたまる一方でしたが、近場ならと行ってきました。
今年のお正月に訪れて以来の訪問となる、北総のゴミムシポイント。
郊外の里地というか谷津田。
その田んぼに沿った林縁に奇跡的な小崖があり、「インザントラの切通」と勝手に読んでいます。
そこでは色々な生き物が冬越しをしているはず・・
こんにちは、どちらさまですか?
完全防備してベニシジミ号ででかけました。
ただ、せっかくなので周辺にもポイントがないかと、まずは地図で目星を付けた別の場所へ。
ある谷津田の最奥部、崖はないかと徒歩で探索しましたが畑があって行き止まり。
その手前にかなり急な林内崖があり、突入してみましたが、土が乾いていたのですぐ見切りました。
今回は短期戦のため、寄り道自体も切り上げて本命の場所へ。
切通の場所はナビに登録してあるので、迷うこともなくピンポイントで到着。
とその前に。
田んぼを挟んで切通の反対側の崖へ行きました。
前回、アオオサムシを発掘しましたが、荒らさないように深掘りはしなかったポイント。
行ってみると、すぐ近くにフェンスで囲われた土砂捨て場ができていて少し嫌な予感。
ところがその不安を打ち消すように、狙いを定めて試掘するといきなりポロリ。
オオホソクビゴミムシ (オサムシ科)
ここでははじめてお目にかかりましたが、特別珍しい種類でもないのでリリースしようかなと・・
思いましたが、一旦確保することにしました。
次も難なく掘り当てました。
おしりで分かります。
コキベリアオゴミムシ (オサムシ科)
大好きなゴミムシなので迷うことなく確保。
同居人はリリースしました。
未同定
少しカニ歩きして、木の根元をひと掘りしたら出てきたこのおしりも分かります。
木の根まわりに潜っていることがよくあります。
そっと掘り出そうと思いましたが、土がサラサラ過ぎてぽろっと地面に落ちてしまいました。
ヒメスズメバチ (スズメバチ科)
ハチは飼育も標本もしないのですがお土産として確保しました。
ところで掘削道具は愛用の陸奥守。
何か出ているのがわかりますか?
この日想定外に多く見られたのはこの虫です。
ハナアブの仲間
ハナアブは成虫で越冬するのですが、土の中でかつ集団になるようです。
実はこの日、お昼頃になると陽射しが強くなり、温かいを越して完全防備の服装では汗をかくほど。
そのせいか、体が温まったのでしょう、飛び立っていきました。
同上
アオゴミムシがもっと出ないかなと思っていましたが、この子がぽつりと。
ミイデラゴミムシ (オサムシ科)
この場所では複数の越冬グループを掘り当てていいはずですが、結局この一頭だけでした。
同上
しつこく写真を撮り続けている間、ヘッピリ10連発以上。
さて、そろそろ本命の場所へ行ってみます。
切通は南西向きなのでお昼からはとても陽当たり良好。
日向ぼっこしているチョウが数頭いました。
キタテハ (タテハチョウ科)
夏は見向きもしない種ですが、冬は観察できる貴重なチョウです。
この虫も成虫越冬するようですが、意外に集団にはならないようで、単独で出てきます。
ウリハムシ (ハムシ科)
こちらでもアブがたくさん出ました。
ハナアブの仲間
未同定ですが、前出のアブと同種のように見えました。
そして扉の子。
元々この切通にはこの子たちのものとも思われる横穴がいくつも開いています。
そのまま巣穴で越冬するのでしょうね。
ツチスガリ? (フシダカバチ科)
じっとしてくれていたのですが、陽射しが強すぎてなかなかうまく撮れませんでした。
(こういう時は助手がほしいと思います)
ところで・・
掘れども掘れども本命のゴミムシたちが出てきません。
一匹もです。
越冬番長のスジアオゴミムシさえ出てこない。
指標虫のムームーやゲーゲーはコンスタントに出てくるのに。
あまり荒らしたくないのですが、いないことを確かめるためにもカニ歩きしました。
しかしやはり全く出ず、だんだん恐ろしくなってくる。
大きな理由として考えられることは、崖全体が乾燥化して固くなっていること。
それでも少し日陰になっているところなどは隈なく試掘しました。
前回の記事を振り返ると・・
”アオゴミムシの仲間は次々と掘り出せて、つばなれしそうになったので採掘終了。”
と書いています。
たった1年足らずでこんなに変わるとはおどろきですが諦めることにしました。
と言いつつ、未練たらたらで、さっきの崖へもうちょっとだけ。
すると、やっとこ出てくれました。
アオゴミムシ (オサムシ科)
こんな普通種を掘るのにこれほど苦労するとは・・・
久しぶりに嗅ぐアオゴミムシの匂いは懐かしくも切ないものでした。
家で越冬している子たちも何種類かいるのですが、室内だと越冬とはいえ、起きて活動しています。
室温が高いと羽ばたく子もいます。
オオセンチコガネ (コガネムシ科)
今日の湯加減
ショウナイ住まいの頃は冬のオサホリができなくてさびしい思いをしていました。
チバに帰ってきてオサホリのポイント探しをしているのですが、なかなか見つかりません。
それもストレスが溜まるので鉄板と思っていた今回の場所に出かけたのでした。
ところが思いがけない結果にいささかショックを受けました。
チバに限らず、どこもかしこも里地里山の乾燥化が進んでいるような気がして仕方がありません。
と悲観していても何なのでもっと遠くへ遠征しようと思います。
体調を整えて。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ハチやアブは、土の中で越冬するんですね。
前にも、そんな記事を読んだような気がするのですが、あらためて
驚いてしまいました^^;。
オオセンチコガネの、開いた翅がしわしわで、うまく飛べるのかなぁ、
と思ってしまいました。
by sakamono (2018-12-28 23:41)
>sakamonoさん
朽木の中などでも冬眠しますね。
オオセンチの翅は開く途中で、このあと真横にきれいに開きます。
なので大丈夫です^^
by ぜふ (2018-12-29 09:05)
↑
sakamonoさんと同じコメントを書きそうになってしまいました。
セーフ!
蜂は地蜂などがいるのでそんなものかと思いましたが、
虻さんには驚きました。あんな綺麗な透明な羽をしているのに地中に入ったりするんですね。
by アヨアン・イゴカー (2019-01-05 23:08)