"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
マキバを巡る冒険 [探虫行]
上信越道を走りながら浅間山方面の斜面に牧場があることに気付いたことを海野さんに話すと、
「あそこはいいんじゃないかな」とのことだったので、ちょっと様子を見に行こうと思ったのですが。
小諸高原美術館を出発したのは午後一時半。
本来の目的地をまわる時間がなくなってしまうかもしれないので止む無く断念しました。
そう、今回の信州行の目的は牧場の探索なのでした。
ボクジョウではなくマキバです。
小諸から国道18号~141号で南下し、佐久北ICから中部横断自動車道に乗りました。
(中部横断道は全線開通すると韮崎まで延びて中央自動車につながる)
中部横断道を降りてから、自分の方向感覚を信じてしばらく走っていたのですが。
ここは安全にとナビをセットすると、そのまま直進とのことだったので安心してリスタートしました。
まもなく左折して脇道に入ったので、すぐ到着するだろうと思いましたが、ナビは目的地まで20キロという表示。
山の中のくねくね道だからしょうがないのかなとひたすら進む。
すると想定外の場所に着いてしまいました。
高原の湖は森林の中にぽっかりと空いた水の穴のようでした。
下界から離れて避暑中のアカネたちも、里へ降りるかどうか思案中でしょうか。
オスはもう成熟して色づいているので、降りるかどうかはメス次第なのかな。
湖畔にはほんのわずかながら花も見られました。
でいいのかな?
現在位置は確認できましたが、もうナビを信じてこのまま進むしかない。
ところが、間もなくナビが突入を指示した山道は険しい修行道でした。
ベニシジミ号はオンロードとオフロードの中間のようなバイクです。
平坦な砂利道や山道はいけますが、ダートや岩場はムリです。
そこは砂利道でしたが、デコボコした下り道。轍はありましたがそれが逆に雨水で掘れたり崩れたり。
写真の場所はまだマシな場所でしたが、スタンドを出す場所に気を付けないと倒れること必至。
両足出しながらセカンドでギリギリの低速走行。
ヘタにフロントブレーキをかけるとズルッといくし、かけないと脇の藪へ突っ込みそうになるし。
房総の山中のガレ場廃道を泣きながら走ったときのことを思い出しながらも気持ちは前へ前へ。
そんな修行道にもいいことがありました。
ときどき路上に、ナワバリをはっている子たちが。
実は先の写真はそれを見つけてバイクを降りたときに撮ったもの。
驚かせると舞い上がってしまうので、例によってそろそろとにじり寄ります。
ヒョウモンチョウの仲間にしては色が暗いし、ヒカゲチョウの仲間にしては逆に明るい。
誰かなぁ、わかるまでそのままじっとしていてねと、息を殺して前へ前へ。
そういえば海野さんがさっき、「今年は暑すぎてアサギマダラがもう帰っちゃったよ」「クジャクチョウは高い所に集まっているみたいだし」と言っていたのを思い出していました。
(ここは標高1400メートルくらいかと)
高原のクジャクはこの一頭だけでしたが、この子はたくさん見かけました。
この子は遠目でもそれと分かりましたが、近くで撮りたいので、また息を殺す。
それとヒョウモンチョウの仲間もいくつか見かけたのですが、撮影できたのはこの子だけでした。
もっと撮りたかったけど、チョウを見かける都度バイクを止める余裕はとてもありませんでした。
目的地までの距離表示が1キロをきった頃、路面が半舗装路になり、思わず肩の力が抜けました。
そしてまもなく、右手の視界がどーんと広がり。
逢いたかった子たちと目線が合いました。
みんな「変な方からやって来たね~」と不思議そうな眼をしています。
そう、辿ったアプローチは、牧場の方も通常は使わないと思われる、いわゆる裏口ルート。やれやれ。
さて、その牧場の管理小屋を訪れ、従業員の方に挨拶をし、中へ入らせていただきました。
想像していたよりも広い。
写真の範囲は全体のほんの一部。四分の一以下だと思います。
しかも、こちらは南側で、北側にも広がっているのです。
許可を得てマキバの中を少し探索。
新しい糞をひっくり返すと。
何十匹という糞虫たちがいるのですが、カメラを構えている間に潜ってしまい一人では写せません。
ぽつぽつ開いている穴の数だけいると思っていただければと。
もう一か所まわりたいので、後ろ髪を引かれながら、もう一度挨拶をして出発しました。
今度は最初からナビに従って走りましたが、舗装路ではあるものの、細い林道や山道をひたすら。
どこをどう通ったのかトレースしてはいませんが、感覚的にはとても遠回りをした気がします。
途中何度か停車して、スマホのグーグルマップと見比べて、現在地点を確認しました。
目的地は海ノ口牧場。
ところが今度は牧場へのアプローチがまったく見つかりません。
そもそも営業しているかも不明だったので、それも含めて確認をするのが目的ではあったのですが。
やっと見つけた、犬の牧場は移転していました。
牛の牧場はそれより前に廃業されているのではないかと思います。
ということで、後ろ髪を引かれることなく撤収することに。
一路チバを目指します。
といいつつ、間もなく視界が開けたので停車しました。
八ヶ岳を背にして東の山を望んでいます。
とんがり帽子は男山でしょうか。
国道141号線に出るとそこは野辺山でした。
とても目立つ高原野菜のお店があったのでまたまた緊急停止して物色。
停車したついでに記念写真。
この後はひたすら141号を韮崎まで。
須玉ICから中央道に乗り、談合坂でコカマキリつかまえて帰りました。
マキバの探索は一勝一敗という感じでしたが、久しぶりに一日で約500キロ走行してお腹一杯。
141号線を下りきったときに見えた富士山。
赤富士というわけではありませんが、富士山も陽に焼けてヒリヒリしているようでした。
ところで、マキバで試掘した糞虫の内、大中小をひとつずつお連れしました。
小(5~6mm)
中(約8mm)
大(約10mm)
すべて別種ですが未同定。
(大きい子はツノコガネのメスかな)
今日の湯加減
「あそこはいいんじゃないかな」とのことだったので、ちょっと様子を見に行こうと思ったのですが。
小諸高原美術館を出発したのは午後一時半。
本来の目的地をまわる時間がなくなってしまうかもしれないので止む無く断念しました。
そう、今回の信州行の目的は牧場の探索なのでした。
ボクジョウではなくマキバです。
小諸から国道18号~141号で南下し、佐久北ICから中部横断自動車道に乗りました。
(中部横断道は全線開通すると韮崎まで延びて中央自動車につながる)
中部横断道を降りてから、自分の方向感覚を信じてしばらく走っていたのですが。
ここは安全にとナビをセットすると、そのまま直進とのことだったので安心してリスタートしました。
まもなく左折して脇道に入ったので、すぐ到着するだろうと思いましたが、ナビは目的地まで20キロという表示。
山の中のくねくね道だからしょうがないのかなとひたすら進む。
すると想定外の場所に着いてしまいました。
高原の湖は森林の中にぽっかりと空いた水の穴のようでした。
下界から離れて避暑中のアカネたちも、里へ降りるかどうか思案中でしょうか。
アキアカネ ♂ (トンボ科)
オスはもう成熟して色づいているので、降りるかどうかはメス次第なのかな。
同上 ♀
湖畔にはほんのわずかながら花も見られました。
クサフジ
でいいのかな?
現在位置は確認できましたが、もうナビを信じてこのまま進むしかない。
ところが、間もなくナビが突入を指示した山道は険しい修行道でした。
ベニシジミ号はオンロードとオフロードの中間のようなバイクです。
平坦な砂利道や山道はいけますが、ダートや岩場はムリです。
そこは砂利道でしたが、デコボコした下り道。轍はありましたがそれが逆に雨水で掘れたり崩れたり。
写真の場所はまだマシな場所でしたが、スタンドを出す場所に気を付けないと倒れること必至。
両足出しながらセカンドでギリギリの低速走行。
ヘタにフロントブレーキをかけるとズルッといくし、かけないと脇の藪へ突っ込みそうになるし。
房総の山中のガレ場廃道を泣きながら走ったときのことを思い出しながらも気持ちは前へ前へ。
そんな修行道にもいいことがありました。
ときどき路上に、ナワバリをはっている子たちが。
実は先の写真はそれを見つけてバイクを降りたときに撮ったもの。
驚かせると舞い上がってしまうので、例によってそろそろとにじり寄ります。
ヒョウモンチョウの仲間にしては色が暗いし、ヒカゲチョウの仲間にしては逆に明るい。
誰かなぁ、わかるまでそのままじっとしていてねと、息を殺して前へ前へ。
クジャクチョウ (タテハチョウ科)
そういえば海野さんがさっき、「今年は暑すぎてアサギマダラがもう帰っちゃったよ」「クジャクチョウは高い所に集まっているみたいだし」と言っていたのを思い出していました。
(ここは標高1400メートルくらいかと)
高原のクジャクはこの一頭だけでしたが、この子はたくさん見かけました。
この子は遠目でもそれと分かりましたが、近くで撮りたいので、また息を殺す。
ルリタテハ (タテハチョウ科)
それとヒョウモンチョウの仲間もいくつか見かけたのですが、撮影できたのはこの子だけでした。
ミドリヒョウモン ♂ (タテハチョウ科)
もっと撮りたかったけど、チョウを見かける都度バイクを止める余裕はとてもありませんでした。
目的地までの距離表示が1キロをきった頃、路面が半舗装路になり、思わず肩の力が抜けました。
そしてまもなく、右手の視界がどーんと広がり。
逢いたかった子たちと目線が合いました。
みんな「変な方からやって来たね~」と不思議そうな眼をしています。
そう、辿ったアプローチは、牧場の方も通常は使わないと思われる、いわゆる裏口ルート。やれやれ。
さて、その牧場の管理小屋を訪れ、従業員の方に挨拶をし、中へ入らせていただきました。
想像していたよりも広い。
これぞ ” マキバ ”(名前は伏せます)
写真の範囲は全体のほんの一部。四分の一以下だと思います。
しかも、こちらは南側で、北側にも広がっているのです。
許可を得てマキバの中を少し探索。
新しい糞をひっくり返すと。
何十匹という糞虫たちがいるのですが、カメラを構えている間に潜ってしまい一人では写せません。
ぽつぽつ開いている穴の数だけいると思っていただければと。
もう一か所まわりたいので、後ろ髪を引かれながら、もう一度挨拶をして出発しました。
今度は最初からナビに従って走りましたが、舗装路ではあるものの、細い林道や山道をひたすら。
どこをどう通ったのかトレースしてはいませんが、感覚的にはとても遠回りをした気がします。
途中何度か停車して、スマホのグーグルマップと見比べて、現在地点を確認しました。
目的地は海ノ口牧場。
ところが今度は牧場へのアプローチがまったく見つかりません。
そもそも営業しているかも不明だったので、それも含めて確認をするのが目的ではあったのですが。
やっと見つけた、犬の牧場は移転していました。
牛の牧場はそれより前に廃業されているのではないかと思います。
ということで、後ろ髪を引かれることなく撤収することに。
一路チバを目指します。
といいつつ、間もなく視界が開けたので停車しました。
八ヶ岳を背にして東の山を望んでいます。
とんがり帽子は男山でしょうか。
国道141号線に出るとそこは野辺山でした。
とても目立つ高原野菜のお店があったのでまたまた緊急停止して物色。
停車したついでに記念写真。
この後はひたすら141号を韮崎まで。
須玉ICから中央道に乗り、談合坂でコカマキリつかまえて帰りました。
マキバの探索は一勝一敗という感じでしたが、久しぶりに一日で約500キロ走行してお腹一杯。
オマケ
141号線を下りきったときに見えた富士山。
赤富士というわけではありませんが、富士山も陽に焼けてヒリヒリしているようでした。
ところで、マキバで試掘した糞虫の内、大中小をひとつずつお連れしました。
小(5~6mm)
中(約8mm)
大(約10mm)
すべて別種ですが未同定。
(大きい子はツノコガネのメスかな)
今日の湯加減
9月になりました。
今月は予定の数が観測史上初ではないかと思うくらい多い。
休みの日はほぼすべて何か予定が入ってしまいました。
唯一入っていなかった、いや入れなかったのが今日。
ということで、昆虫館で展示するものを探しに行ってきました。
くわしくはまた次回。
いよいよ明日が最終日
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
川崎市北部の元田舎ですが、クジャクチョウ、ルリタテハ、見かけなくなりました。
by アヨアン・イゴカー (2018-09-01 22:39)
おはようございます。
気持ちのようさそうなマキバですねぇ^^
>自信喪失ちう
イヤイヤ、わたしなんてしゅっちゅうですばい!
ウラギンちゃん、ありがとうございます。
>サイドバーの日本山岳協会写真展のリンク先が・・・
すみません。どちらも同じリンクに飛ばしてまして^^;
記事の下のほう日本山岳の詳細が…
分かりづらくて申し訳ありませんm(_ _)m
私もどちらの写真もまだ見てなくてバクバクです。
ものすごく展示数が多いので探すの大変だと思います。すみません^^;
全倍のコーナにあるはずです。展示NO122
by よしころん (2018-09-02 06:59)
>アヨアン・イゴカーさん
川崎は今も里山がありますよね。
クジャクチョウもいたんですね!
>よしころんさん
ブースに入った瞬間、ラベルを見る前に分かりましたよ^^
見覚えのある構図♪ いい色合いに染まっていましたね。
by ぜふ (2018-09-03 23:38)
突如として出てきた湖は隠れた名所ですね。
走ってるだけでタテハコレクションが作れそう。
by 響 (2018-09-04 11:10)
ぜふさん、日本山岳写真協会展ご足労いただきありがとうございましたm(_ _)m
私たちも台風が酷くならないうちにと朝イチで池袋・全日本~上野・日本とハシゴして先ほど帰宅しました。
ほぼイメージ通りにプリントされており安心しました。
私もたくさんの刺激をいただいて帰宅。
まだまだがんばらないと!!
本当にありがとうございました^^
by よしころん (2018-09-04 16:20)
>響さん
タテハコレクション、作りたかったですねぇ^^
でも気持ちの余裕がありませんでした・・
>よしころんさん
まさに同じことを感じていました。
プリントの質がいいなぁと。
いつか虫と山のコラボ写真をぜひ^^
by ぜふ (2018-09-04 23:17)
マキバと言うと、その語感で、とてものどかに感じられます。
清々しくて気持ちよいですが、男山(?)の写真も気持ちよいです。
クジャクチョウ、その名の通り、艶やかですね。
by sakamono (2018-09-06 22:03)
あぁ〜〜マキバ なんていい語感、マキバ、すばらしいな
青空を写しこんが、水面にうっとり
クジャクチョウ、黒く大きな瞳でこちらを見つめられているような
不思議な感覚を持ちました
by engrid (2018-09-08 00:53)
>sakamonoさん
たどり着くまで苦労しましたが、開けたマキバは爽快でした♪
男山は実物は写真と比較にならないほどいい眺めでした。
>engridさん
語感がまったく違いますよね^^
クジャクチョウの視線に励まされたと思います。
by ぜふ (2018-09-08 06:15)