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夏の夜の谷津田 [探虫行]
平成最後の夏、だからというわけではありませんが、突然涼しくなって焦燥感がこみ上げるチバです。
ただ夏のうちに夜間探虫をしたいと思っていました。
狙いは無論、夜行性の子たち。
房総まで行くのはきびしいですが、北総あたりの谷津田まで行くつもりでしたが・・。
最近夕立が多いので、雨雲レーダーをチェック。
すると、北総まで行くと帰りに間違いなく降られることが判明。
ということで目的地はHFにしました。
街灯もありません。着いたときは薄暮で肉眼で足元も見えたのですが、あれよあれよと暗くなり・・
街灯も民家の明りも見えない谷津田は真っ暗闇に。
懐中電灯で地面を照らしながら歩いているとまず目に付いたのは・・
国内最大のガガンボで開帳10センチくらいのもいて存在感ありですが、人を刺すことはありません。
HFにはたくさんいて、昼間は林縁の葉陰などで休んでいるのが其処此処で見られます。
それが夜になると地面に降りてくるようです。
踏んづけてしまいそうなほどたくさんいました。
これはカエルたちの晩御飯になりそうだなぁと思っていたら・・やっぱり。
さすがに大きくて一口ではムリのようでした。
音もなく地面すれすれを飛ぶ影。
ハエかと思いましたが、着地したのはこの子。
体も目も丸っこくて、ゆるきゃらのよう。
ビロウドコガネに似ていますが、マルガタビロウドコガネは翅表面がビロード状になっていません。
また、ビロウドコガネは昼行性でマルガタビロウドコガネは夜行性なので、後者と同定しました。
林縁の藪はトンボたちの寝床でもあります。
夜目は利かないのでしょう。いくら近づいても逃げません。
オオアオイトトンボも観察したかったのですが、寝床は藪の奥なのか、見つけられませんでした。
あちこちで見られたのはこの子。
昼間に見るよりもライトの光に浮かび上がった色の方が幽玄さが増すようです。
あらためて図鑑を見ると、出現時期は7月後半~11月頃となっていました。
でも6月末の夜間観察会のときに多数いたので、今年は発現が早かったということが今更ながら判明。
この個体は異常型なのか、二色のグラデーションでした。
この子は昼夜関係なく目立たない。
その桑の木にはまさに幽玄の白い花が咲いていました。
カラスウリは夜行性のスズメガをポリネーター(授粉者)として誘引するために夜咲くといわれていますが、ミスジミバエというミバエの仲間はこの雄花に産卵するのだそうです。
田んぼの周りではバッタやコオロギたちがか弱く鳴いているのですが姿は見つけられません。
たまたま足元に。
オスのようでしたが鳴いてはくれませんでした。
ところで実は、期待していたのは夜行性の徘徊性昆虫。
つまりゴミムシやオサムシ。
たくさんいたのはおなじみのこの子。
田んぼではあまりにも普通種なので他にいないかなぁと探しましたが、なかなか出てこない。
オオホソクビゴミムシとセアカヒラタゴミムシらしいのがいましたが撮影はできず。
しかし、夜の谷津田のメインイベントの出演者はミイデラくんたちでした。
まるでアリが群がるように、集団で何かをむさぼっています。
ディナーの食材はヒグラシのようでした。
個体数は多いと思いますが、他のゴミムシは来ていないし、こんなにあっという間に集まってくるということは、おそらく集合フェロモンを出しているのではないかと。
ちょっとイタズラしようかなと思いましたが、集団で高温ガス噴射をされると怖いので自粛。
この後さらに30分ほどゴミムシ探しをしてしまったため、帰路の途中から見事に降られました。
夜間探虫は計画的に。
夏の集中標本教室シリーズ、続いています。
標本題材のセミが足りないということで、とっても久しぶりにセミ採りをしました。
狙うはミンミンゼミ。
いつもは早朝から窓のすぐ外で鳴き声がするのに、殺気を感じたのか、この日に限って声がしない。
仕方ないので自転車で最寄りの公園まで。
鳴いていればどこにいるかは分かりますが、高所にとまることが多いので、実はなかなかの強敵。
なので生垣や街路樹など、低い木しかないところがねらい目。
口径の小さいセミ採り網がないので苦労しましたが、なんとか数匹確保。(ほぼ手づかみ)
運搬中、電車に乗っている間に鳴かれては困るので低温麻酔をしました。
4匹では足りないということで、このあと再度追加採集に行きました。
今日の湯加減
ただ夏のうちに夜間探虫をしたいと思っていました。
狙いは無論、夜行性の子たち。
房総まで行くのはきびしいですが、北総あたりの谷津田まで行くつもりでしたが・・。
最近夕立が多いので、雨雲レーダーをチェック。
すると、北総まで行くと帰りに間違いなく降られることが判明。
ということで目的地はHFにしました。
街灯もありません。着いたときは薄暮で肉眼で足元も見えたのですが、あれよあれよと暗くなり・・
街灯も民家の明りも見えない谷津田は真っ暗闇に。
懐中電灯で地面を照らしながら歩いているとまず目に付いたのは・・
ミカドカガンボ (カガンボ科)
国内最大のガガンボで開帳10センチくらいのもいて存在感ありですが、人を刺すことはありません。
HFにはたくさんいて、昼間は林縁の葉陰などで休んでいるのが其処此処で見られます。
それが夜になると地面に降りてくるようです。
踏んづけてしまいそうなほどたくさんいました。
これはカエルたちの晩御飯になりそうだなぁと思っていたら・・やっぱり。
シュレーゲルアオガエル
さすがに大きくて一口ではムリのようでした。
音もなく地面すれすれを飛ぶ影。
ハエかと思いましたが、着地したのはこの子。
体も目も丸っこくて、ゆるきゃらのよう。
マルガタビロウドコガネ (コガネムシ科)
ビロウドコガネに似ていますが、マルガタビロウドコガネは翅表面がビロード状になっていません。
また、ビロウドコガネは昼行性でマルガタビロウドコガネは夜行性なので、後者と同定しました。
林縁の藪はトンボたちの寝床でもあります。
シオカラトンボ (トンボ科)
夜目は利かないのでしょう。いくら近づいても逃げません。
オオアオイトトンボも観察したかったのですが、寝床は藪の奥なのか、見つけられませんでした。
あちこちで見られたのはこの子。
アオバハゴロモ (アオバハゴロモ科)
昼間に見るよりもライトの光に浮かび上がった色の方が幽玄さが増すようです。
あらためて図鑑を見ると、出現時期は7月後半~11月頃となっていました。
でも6月末の夜間観察会のときに多数いたので、今年は発現が早かったということが今更ながら判明。
この個体は異常型なのか、二色のグラデーションでした。
同上
この子は昼夜関係なく目立たない。
コメツキムシの仲間
その桑の木にはまさに幽玄の白い花が咲いていました。
カラスウリ
カラスウリは夜行性のスズメガをポリネーター(授粉者)として誘引するために夜咲くといわれていますが、ミスジミバエというミバエの仲間はこの雄花に産卵するのだそうです。
田んぼの周りではバッタやコオロギたちがか弱く鳴いているのですが姿は見つけられません。
たまたま足元に。
ヒメギス (キリギリス科)
オスのようでしたが鳴いてはくれませんでした。
ところで実は、期待していたのは夜行性の徘徊性昆虫。
つまりゴミムシやオサムシ。
たくさんいたのはおなじみのこの子。
ミイデラゴミムシ (オサムシ科)
田んぼではあまりにも普通種なので他にいないかなぁと探しましたが、なかなか出てこない。
オオホソクビゴミムシとセアカヒラタゴミムシらしいのがいましたが撮影はできず。
しかし、夜の谷津田のメインイベントの出演者はミイデラくんたちでした。
ミイデラダンゴ
まるでアリが群がるように、集団で何かをむさぼっています。
ディナーの食材はヒグラシのようでした。
個体数は多いと思いますが、他のゴミムシは来ていないし、こんなにあっという間に集まってくるということは、おそらく集合フェロモンを出しているのではないかと。
ちょっとイタズラしようかなと思いましたが、集団で高温ガス噴射をされると怖いので自粛。
この後さらに30分ほどゴミムシ探しをしてしまったため、帰路の途中から見事に降られました。
夜間探虫は計画的に。
オマケ
夏の集中標本教室シリーズ、続いています。
標本題材のセミが足りないということで、とっても久しぶりにセミ採りをしました。
狙うはミンミンゼミ。
いつもは早朝から窓のすぐ外で鳴き声がするのに、殺気を感じたのか、この日に限って声がしない。
仕方ないので自転車で最寄りの公園まで。
鳴いていればどこにいるかは分かりますが、高所にとまることが多いので、実はなかなかの強敵。
なので生垣や街路樹など、低い木しかないところがねらい目。
口径の小さいセミ採り網がないので苦労しましたが、なんとか数匹確保。(ほぼ手づかみ)
運搬中、電車に乗っている間に鳴かれては困るので低温麻酔をしました。
ミンミンゼミ (セミ科)
4匹では足りないということで、このあと再度追加採集に行きました。
今日の湯加減
あの酷暑がウソのように北風も吹いて突然気温が下がったチバ。
窓を開けたままにしている部屋の今朝6時の温度はなんと22℃でした。
風邪をひく人も多いのではと。
ところが来週はまた猛暑に逆戻りするんだそうです。
相変わらずゲリラ雷雨は各地で発生。今年はゲリラ台風やゲリラ雹もありました。
そういえば今週は観測史上はじめて、5日連続で台風が発生したそうです。
毎年何らかの観測史上初がおきるような環境は虫たちにとっては過酷。
”風邪ひいちゃったよ”では済みません。
8月20日にはまたカブちゃんの昆虫教室があります!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
カエルの晩ごはん、食べ放題かしら、
アオバハゴロモ 二色のグラデーションの個体、美しいですね
カラスウリの花は、暗闇にひっそり優美な花
そうです、こちらはクマゼミがやかましく、アブラゼミを圧倒しています、ミンミンゼミを見かけることなくなりました、、生息する環境の変化かな、、
by engrid (2018-08-19 01:08)
>高温ガス噴射をされると怖いので自粛。
これ、何ですか?
ゴミ虫が、スカンクのような臭いでも放つのでしょうか?
by アヨアン・イゴカー (2018-08-19 12:13)
ご無沙汰して居りました<m(_ _)m>
本格復帰出来るかどうか分かりませんが、取り敢えず帰って来ました。
夜間の採集活動、お疲れさまです。
家の庭には、アオバハゴロモは沢山います。
カラスウリの花は雄花ですね。僕は、最近はなかなか夜間に活動出来ないので、庭に咲く雌花のみが撮影対象です。
by albireo (2018-08-19 23:00)
>engridさん
ほんとに食べ放題だと思います。
でもガガンボは食いでがあるでしょうから食傷気味かも^^
ミンミンはクマゼミに駆逐されているのでしょうか・・・
>アヨアン・イゴカーさん
ミイデラゴミムシはタコが住みを吐くように、危険を感じると100℃にも達する高温ガスをおしりから噴出させるんです^^
>albireoさん
アオバハゴロモの発現はやはり早かったでしょうか?
カラスウリの訪問者を観察したかったです。
by ぜふ (2018-08-20 21:42)
こんにちは^^
夜間にも活動なさるのですね~わたくしはきっと夢の国。
そうそ、アオバハゴロモですか、それは我が家にも居ます。
でもセミなど声は聞けても姿を見られない(つまり探せない)わたくしです(-。-
同じ千葉でもぜふさんは雨にあわれたのですね。わたくしの所は一向に降りません。
傘はもう6月以降、使ってない気がします。
by mimimomo (2018-08-23 12:02)
アオガエルの口からガガンボがはみ出してるんですね。
それでも、なんとか食べてしまうのでしょうね^^;。
カラスウリの花、キレイですね。先日、昼間にこの花が
咲いているのを見ました。夜に見ると妖しげな感じがよいですね。
by sakamono (2018-08-23 21:25)
>mimimomoさん
夜間は撮影がむずかしいので滅多にいきませんが観察するのはいいですね。
ちなみにアオバハゴロモもセミの仲間です^^
>sakamonoさん
カエルはこのままかたまっていました^^
カラスウリは昼間でも咲くのですか。見てみたいです。
by ぜふ (2018-08-24 13:05)
カガンボが血を吸うと考えると恐怖です(笑)
by 響 (2018-08-25 00:23)
>響さん
恐竜のいる時代ならこの大きさの蚊がいられたかもしれませんね。
草食であんしんです^^
by ぜふ (2018-08-25 23:02)