"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ナイト・フィールド・ミュージアム [ファーブル会]
6月30日は夜の観察・採集会でした。
遠征ではなく、東京近郊の丘陵の一角。里山とはもう言えないですが、小山の上の森でした。
ここも地元のボランティアの方たちが保全活動をされているおかげで散策できる公園になっています。
通常は採集できないのですが、今回は許可していただいて開催の運びとなりました。

夜間採集なのでスタートは暗くなってからですが、何人かのスタッフは前乗りして仕込み作業。
昼間のうちにいくつか虫寄せのバナナトラップを仕掛けました。
その場にはいなかったのですが、すぐにカナブンやカブトムシが集まってきたようです。
これは観察会がはじまってから見つけた、トラップではなく樹液にきていたカナブン。

黒っぽいのはクロカナブンかと思いましたが、ただ黒っぽいカナブンでした。
(クロカナブンはややレア)
保全グループでは落ち葉や堆肥集積場所も整備してあるのでこの子たちもたくさん。

クワガタも。
木の根ちかくの土の中から掘り出しました。

こちらは竹の杭の上にいた子。

これらの虫たちの他に目立ったのは。

以前はクチキムシ科と分類されていましたが、キマワリと同じゴミムシダマシの仲間となりました。
これは確か参加者の中学生か高校生が見つけた虫。

わかりますか?
実は2種類います。
夜目が効く若者は簡単に見つけられるでしょうけど・・教えられて気が付きました。

ハラビロカマキリの幼虫がアオバハゴロモを狙っているところです。
カマキリも夜目が効くということですね。

前記事のフィールドでも観察した子たちとの再会シリーズ。
ハートカメムシと呼ばれて人気でした。

この子も前記事で久しぶりに見たと書いたばかりなのに。

これは久しぶりでした。

誰かにあげようと手を伸ばしたらぽとりと暗闇へ落ちていきました。(ちゃんと網を使わないとね)

8時を過ぎるとトラップに来る虫相が変わります。

幅が7センチくらいある大柄な子。翅の裏はオレンジ色でした。
樹液酒場には常連さんもやってきました。
何度か書いたかもしれませんが、この虫は、もし3センチ以上あったら大人気になると思います。
クワガタに負けないオオアゴを持つし、クワガタにないカッコイイ赤いバットマン模様。

この子は誰かな~

集合時間が迫る頃、Tさんと散策路を歩いていると、ライトの光に誘われたのか、何かがこちらへ。
ひらひらとズボンの裾へ着地。

ただのウスバカゲロウだと思っていましたが、あとで写真を見たTさんが「触角が長い気がする」と。
そう言われてみれば翅にも模様があるしと、昆虫館の図鑑で調べてみたらホシウスバでした。
さすがTさん。

解散したあとに子供たちに戦利品を見せてもらいました。
皆それぞれカブトムシかクワガタは採れたようでほっとしましたが、この森も全体的に乾燥が進んでいると感じました。
ノコギリクワガタをたくさん捕まえた子も。

森の中にこだまする子供たちの歓声を背中に聞きながら、散策路を出口へと辿りました。
帰り道、地面はゴミムシタイムになっていましたが、最後にお見送りしてくれた子。

前記事のフィールドで観察した虫。
これなんだろう?テントウムシが何か変なものを食べてるなぁ、と思いながらもあまり興味が湧かず。
何枚か写真を撮っただけでほぼスルーしていたのですが、これもあとで判明し驚いた。

ヒメカメノコテントウが何かに乗っかっていますよね?
何かを食べているわけではないのです。
テントウムシの下にあるのは、テントウハラボソコマユバチという蜂の繭。
なんとテントウムシはこの繭を守っているのです。
なぜ守っているのか。
それはテントウムシがこのハチに操られているからなのです。
テントウハラボソコマユバチはテントウムシの成虫の体の中に卵を産みつけます。
ハチの幼虫はテントウムシの体の中で育つとおしりから出てテントウムシのお腹の下側に回り込み繭を作ります。
ハチの幼虫は体内にいる間にテントウムシを洗脳してしまうのです。
洗脳されてゾンビと化したテントウムシは生きたままハチの繭を抱きかかえて守り続けるのです。
おそらくハチが繭から羽化しても死ぬまでそのままの体勢を続けるのだと思います。
また、テントウハラボソコマユバチが寄生するのはヒメカメノコテントウだけではないようです。
前記事のエサキモンキツノカメムシの母虫の生態とは異次元の違いです。
Tさんのジュニアが知っていて帰宅後に教えてくれたのでした。
さすがUくん!
今日の湯加減
遠征ではなく、東京近郊の丘陵の一角。里山とはもう言えないですが、小山の上の森でした。
ここも地元のボランティアの方たちが保全活動をされているおかげで散策できる公園になっています。
通常は採集できないのですが、今回は許可していただいて開催の運びとなりました。

夜間採集なのでスタートは暗くなってからですが、何人かのスタッフは前乗りして仕込み作業。
昼間のうちにいくつか虫寄せのバナナトラップを仕掛けました。
その場にはいなかったのですが、すぐにカナブンやカブトムシが集まってきたようです。
これは観察会がはじまってから見つけた、トラップではなく樹液にきていたカナブン。

カナブン (コガネムシ科)
黒っぽいのはクロカナブンかと思いましたが、ただ黒っぽいカナブンでした。
(クロカナブンはややレア)
保全グループでは落ち葉や堆肥集積場所も整備してあるのでこの子たちもたくさん。

カブトムシ (コガネムシ科)
クワガタも。
木の根ちかくの土の中から掘り出しました。

コクワガタ (クワガタムシ科)
こちらは竹の杭の上にいた子。

同上
これらの虫たちの他に目立ったのは。

オオクチキムシ (ゴミムシダマシ科)
以前はクチキムシ科と分類されていましたが、キマワリと同じゴミムシダマシの仲間となりました。
これは確か参加者の中学生か高校生が見つけた虫。

わかりますか?
実は2種類います。
夜目が効く若者は簡単に見つけられるでしょうけど・・教えられて気が付きました。

ハラビロカマキリの幼虫がアオバハゴロモを狙っているところです。
カマキリも夜目が効くということですね。

前記事のフィールドでも観察した子たちとの再会シリーズ。
ハートカメムシと呼ばれて人気でした。

エサキモンキツノカメムシ (カメムシ科)
この子も前記事で久しぶりに見たと書いたばかりなのに。

アカガネサルハムシ (ハムシ科)
これは久しぶりでした。

リンゴカミキリ (カミキリムシ科)
誰かにあげようと手を伸ばしたらぽとりと暗闇へ落ちていきました。(ちゃんと網を使わないとね)

8時を過ぎるとトラップに来る虫相が変わります。

カギバトモエ(ヤガ科)
幅が7センチくらいある大柄な子。翅の裏はオレンジ色でした。
樹液酒場には常連さんもやってきました。
何度か書いたかもしれませんが、この虫は、もし3センチ以上あったら大人気になると思います。
クワガタに負けないオオアゴを持つし、クワガタにないカッコイイ赤いバットマン模様。

ヨツボシケシキスイ (ケシキスイ科)
この子は誰かな~

ヒメカンショコガネ(仮)(コガネムシ科)
集合時間が迫る頃、Tさんと散策路を歩いていると、ライトの光に誘われたのか、何かがこちらへ。
ひらひらとズボンの裾へ着地。

ホシウスバカゲロウ (ウスバカゲロウ科)
ただのウスバカゲロウだと思っていましたが、あとで写真を見たTさんが「触角が長い気がする」と。
そう言われてみれば翅にも模様があるしと、昆虫館の図鑑で調べてみたらホシウスバでした。
さすがTさん。

解散したあとに子供たちに戦利品を見せてもらいました。
皆それぞれカブトムシかクワガタは採れたようでほっとしましたが、この森も全体的に乾燥が進んでいると感じました。
ノコギリクワガタをたくさん捕まえた子も。

森の中にこだまする子供たちの歓声を背中に聞きながら、散策路を出口へと辿りました。
帰り道、地面はゴミムシタイムになっていましたが、最後にお見送りしてくれた子。

コイチャコガネ (コガネムシ科)
オマケ
前記事のフィールドで観察した虫。
これなんだろう?テントウムシが何か変なものを食べてるなぁ、と思いながらもあまり興味が湧かず。
何枚か写真を撮っただけでほぼスルーしていたのですが、これもあとで判明し驚いた。

ヒメカメノコテントウが何かに乗っかっていますよね?
何かを食べているわけではないのです。
テントウムシの下にあるのは、テントウハラボソコマユバチという蜂の繭。
なんとテントウムシはこの繭を守っているのです。
なぜ守っているのか。
それはテントウムシがこのハチに操られているからなのです。
テントウハラボソコマユバチはテントウムシの成虫の体の中に卵を産みつけます。
ハチの幼虫はテントウムシの体の中で育つとおしりから出てテントウムシのお腹の下側に回り込み繭を作ります。
ハチの幼虫は体内にいる間にテントウムシを洗脳してしまうのです。
洗脳されてゾンビと化したテントウムシは生きたままハチの繭を抱きかかえて守り続けるのです。
おそらくハチが繭から羽化しても死ぬまでそのままの体勢を続けるのだと思います。
また、テントウハラボソコマユバチが寄生するのはヒメカメノコテントウだけではないようです。
前記事のエサキモンキツノカメムシの母虫の生態とは異次元の違いです。
Tさんのジュニアが知っていて帰宅後に教えてくれたのでした。
さすがUくん!
今日の湯加減
今日はファーブル館の接客スタッフが足りないということで内職しながら館にいます。
夏休み前ですが開館と同時に何組もの家族がいらっしゃいました。
観測史上最速の梅雨明けしたと思えばいきなりの豪雨。
地元も含め、西日本は未曽有の大雨で浸水や河川の決壊や土砂災害が発生しています。
東北から北海道もかなりの雨が降ったようですが、幸い関東は今日は雨も上がりました。
しかしながらすさまじい湿度。
虫虫するのは望むところですが、蒸し蒸しするのはニガテです。
さて、大昆虫展の開催も来週に迫ってきました。
今年もファーブル会から工夫を凝らしたたくさんの標本が企画展示されます。
スカイツリー方面へお越しの際はぜひお立ち寄りください。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
カマキリの写真は直ぐに分かりましたがアオバハゴロモは分かりませんでした。ヒメカメノコテントウがテントウハラボソコマユバチの繭を守っているなんて通常考えられないですね、昆虫の世界も謎だらけです。
by g_g (2018-07-08 07:48)
ハチの洗脳~~~!
すごいというか、恐ろしいというか…
生命の世界は不思議に満ちていますね。
ヤマキマダラヒカゲちゃん、ありがとうございました^^
by よしころん (2018-07-08 08:06)
テントウムシとハチの関係は●HKのサイエンス●EROで見ました。でも実物の写真を目の当たりにすると昆虫スゴイぞって感じです。
by あさぎいろ (2018-07-08 22:14)
おはようございます^^
昆虫は夜行性が多いのでしょうね。沢山出会えましたね。
蜂がテントウムシを洗脳・・・あの教団を思い出しました。
by mimimomo (2018-07-09 06:48)
ノコギリクワガタをひさしぶりに見ました。
この色つやといい、形といい、子供の頃、一番好きな
虫だったように思います^^;。
テントウムシの洗脳の話、興味深く読みました。
by sakamono (2018-07-12 23:56)
殆どは夜行性なので夜のフィールドはワクワクが止まりませんね。
最後のハチの習性は凄すぎ。
by 響 (2018-07-13 06:06)
>g_gさん
昆虫に限らないですが、洗脳する生態は他にも色々ありますね。
>よしころんさん
ハチはやはり特殊技能を持つものが多いです。
キマダラちゃんは判定ポイントがあるのですが・・推定で^^
>あさぎいろさん
もしその番組見逃してなければもっとじっくり観察したのにー^^
>mimimomoさん
夜でないと観察しづらい虫はいますねー
>sakamonoさん
クワガタは好みが分かれますよね。
ノコだと小鰓型がすきです^^
>響さん
夜行性がどうかは種によって大きく違いますね。
(チョウ、トンボ、セミは昼行性)
コマユバチは仕事人ですね^^
by ぜふ (2018-07-13 20:55)
>ハチの幼虫は体内にいる間にテントウムシを洗脳
昆虫や植物には、このような恐ろしい仕組みを持っているものがあるようですね。KGBやモサドやCIAなどの一部の訓練は洗脳でしょうし、オウム真理教などのカルトも同じような仕組みで、この病原菌のようなものからどのようにしたら自由で有り得るか・・・虫も植物も、本当に奥が深い!
by アヨアン・イゴカー (2018-07-15 08:04)