"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ボウソウのベンキョウ [オサムシ]
実は前記事の翌日も房総へオサホリに行きました。
今回のターゲットはお馴染みのこのオサムシ。
前回は南房総へと向かいましたが今回は中房総。
ところでこのブログの主たるフィールドは「房総」なのですが、以前からちょっと気になっていました。
「房総」とは正確にはどのエリアのことなのか。
Wikipediaなどによると、房総とは、房州と総州をあわせた呼び方だそうです。
房州とは安房国(あわのくに)、総州とは上総国(かずさのくに)と下総国(しもうさのくに)のこと。
安房国とは、現在の鴨川市、館山市、南房総市、安房郡鋸南町のこと。
南房総市は2006年に安房郡富浦町、富山町、三芳村、白浜町、千倉町、丸山町、和田町が合併し設立。
旧房州国の町が合併したのに、”総”の字が表記に入ったためにややこしくなりました。(個人的感想)
粗っぽくまとめると、千葉県北部が下総国、中部が上総国、南部が安房国ということになります。
ということで、当ブログで南房というときは安房国エリア(房総半島南部)のことを指すことにします。
ちなみに、なぜ中部(南)が”上”で、北部が”下”かというと、房総と都(畿内)は海路で行き来していたため南の方が”上”だったから。(豆知識)
さて、今回向かったのは「中房総」。(なかぼうそうと読む)
こういう呼び方も現在あるようで、またややこしい。
”中”なので上総エリアではあるようですが、全体を指すのではなく、観光振興のための構成とのこと。
市原市、茂原市、いすみ市、勝浦市、長柄町、長南町、睦沢町、一宮町、御宿町、大多喜町が加盟しているとのことですが、旧安房国にあたる地域はないのに今度は”房”の字が表記に入っています。
つまり現代は、”房総”とは房総半島全体としてとらえるのが通例となっているということかと。
(安房国および上総・下総国の一部が入っていなくても房総と付ける)
前置きがくどくなりましたが、ここまでが記事タイトルの主旨というか自習メモでした。
今回のターゲットはボウマイではなく、普通種のアオオサムシ。
中房総ラベルを採集したかったので、まず訪れたのは長柄町のとある森。
ここは何度か訪れていて、採集実績があるのですが、いつも一頭だけ。
なので未踏の道にも入ってみるも、掘れそうな崖は見つけられず。
やむなくいつものポイントへ突入したところ、藪が深くなり以前よりも荒れていました。
しかも土の乾燥も進んでいるよう。
それでも幸運なことに掘り始めてすぐ出ました。(目の付け所がよかったともいう)
扉の写真の子なのですが、この角度だと赤く見えて同じ個体とは思えません。
まるで南房総亜種のようですが、光の当たり方を変えてみると・・
アオオサムシはこんなに見え方が変わる個体がいます。
ところが採れたのはまたもやこの一頭だけ。(スジアオが一頭とれましたが)
それでなくてもフィールドが劣化しているため、あまり深掘りせずに次の場所へ。
とその前に早めにお昼にすることにしました。
茂原街道まで戻って八平の食堂へ。
どうしても食べたかったわけではなかったのですが、このエリアはラーメン屋が少ない。
商い中の看板がでていたのにまだ開店してなくて、何人か店の外で待っていました。
さらに開店してからもしばらく外で待たされ、店内に入ってからも待たされ・・。
見た目のとおりとても味の濃いラーメンです。(ニンニクもいっぱい)
かなりタイムロスしたので次の場所へ急ぐ。
そこも同じ町内にあるポイントでしたが初突入。
谷津田の一番奥には溜池がありました。(この池を目印に来ているのですが)
周囲を探索したところ、手前の水路沿いに土の小崖がありました。
しかし出てきたのはアオガエルだけでした。(写真割愛)
ちょっと悔しかったので、溜池の奥にアプローチしてみることに。
堤のすすきの藪をかいくぐって行くと林縁にたどり着くことができました。
掘れる崖もそこそこあるのですが、溜池の辺縁の割には乾燥している。
しかもゴミムシなどの指標虫すら出ない。たまにカマドウマの団体さんが顔を出すくらい。
溜池の縁に沿って探して行き、もうこれ以上奥には行けそうにないところまできました。
そこを掘ってみましたが、土が舞い上がるほど乾燥していて何もでない。
でもふと頭上の段差部分を見上げた瞬間にコンチューターの針が振れました。
目の高さにあった木の幹を左手でつかみ、右手を上に伸ばしてその土を掘ってみると・・ビンゴ。
感度は良好だったようです。
すぐに目を覚ましました。
同じ町内の個体ですが、この子は赤く見えることはありません。
これは地域変異というよりは個体変異ということだと思います。
一頭採れたのでここは打ち止めとしました。
次の候補地も同じ町内の近くの谷津田。
やはり溜池の周辺狙い。
この付近も乾燥していて、池の奥に入っていくことも難しそうでした。
この後さらにもう少し南下し、3か所目の溜池に移動。
ここは実績があり、ゴミムシ類に関しては何種類かでると想定していたのですが、まさかのボウズ。
とても乾燥していてがっくりでした。
収獲が先細りなので諦めきれず、スマホで他の場所を探し、茂原方面に行ってみました。
しかし崖すら見つけられない結果となり、今回は凍えたくないので早めに帰路につくことに。
走り慣れた裏ルートを順調に辿り、細い峠道を駆け上がり、もう少しで登り切るというとき。
突然ベニシジミ号のエンジンが止まりました。
急な坂道なので、まずは峠まで行こうと、オートバイを降りて押しました。
ぜいぜいと息を切らしながらやっとのことで平坦なところへ。
恐る恐るセルを回してみるとエンジンがかかりました。
ほっとして再出発。
しかし数百メートル進んだところでまたストップ。
完全ガス欠でした。
でも明らかに航続距離がいつもより大幅に短い。こんな距離でガス欠になるなんておかしい。
何か問題が発生していることは確かなようですが、とにかくガソリンを入れなければ。
ところが裏ルートの峠道の途中なので近くにスタンドはありません。
あと百メートルほど行くと今度は下りになるので、そこまで押して惰性で坂を下りました。
下りきった所で一人作戦会議、というかスマホでGoogle先生に「近くのガソリンスタンド」と聞く。
次の交差点を右に曲がって2.5キロ先にあるGSが最寄りとのこと。
でも右折すると上り坂であることが目視で分かりました。
次に近いのはまっすぐ進んで3.5キロ先。
5秒間考えた結果、直進していくことにしました。
5百メートルほど押していくと緩い右カーブになり、カーブの先が見えてくると・・
なが~い上り坂でした・・
ここまで来ると2つのスタンドはどちらもほぼ同じ距離。(3キロくらい)
こうなったら初志貫徹ということで前に進むことに。
坂を登りきった頃には汗びっしょり。
さらにえっちらと押していき、自動車整備工場の前を通りがかったとき、外にいた従業員の人から
「ガス欠?もう少しだよ」
と励ましてもらい、最後の力を振り絞ってスタンドにたどり着くことができました。
(すぐ手前の神社の名前が湯殿山神社だったというのは因縁を感じました)
ということで、陽はとっくに暮れ、かいた汗のせいで体温が奪われ、またもや凍えながら帰りました。
今回の記事とは関係ありませんが、前記事に載せそびれたものを一枚。
Gタイプの子。
この子たち、ダチョウのような長いまつ毛がチャーミングだといつも思います。
以前にも書きましたが、センチコガネはコガネムシ科ではなく、センチコガネ科とするようですが、
ダイコクコガネやマグソコガネなどは同じ糞虫なのにコガネムシ科のままなので、公平を期す?為
と個人的思い入れの為、糞虫はコガネムシ科としておきます。
今日の湯加減
今回のターゲットはお馴染みのこのオサムシ。
アオオサムシ (オサムシ科)
前回は南房総へと向かいましたが今回は中房総。
ところでこのブログの主たるフィールドは「房総」なのですが、以前からちょっと気になっていました。
「房総」とは正確にはどのエリアのことなのか。
Wikipediaなどによると、房総とは、房州と総州をあわせた呼び方だそうです。
房州とは安房国(あわのくに)、総州とは上総国(かずさのくに)と下総国(しもうさのくに)のこと。
安房国とは、現在の鴨川市、館山市、南房総市、安房郡鋸南町のこと。
南房総市は2006年に安房郡富浦町、富山町、三芳村、白浜町、千倉町、丸山町、和田町が合併し設立。
旧房州国の町が合併したのに、”総”の字が表記に入ったためにややこしくなりました。(個人的感想)
粗っぽくまとめると、千葉県北部が下総国、中部が上総国、南部が安房国ということになります。
ということで、当ブログで南房というときは安房国エリア(房総半島南部)のことを指すことにします。
ちなみに、なぜ中部(南)が”上”で、北部が”下”かというと、房総と都(畿内)は海路で行き来していたため南の方が”上”だったから。(豆知識)
さて、今回向かったのは「中房総」。(なかぼうそうと読む)
こういう呼び方も現在あるようで、またややこしい。
”中”なので上総エリアではあるようですが、全体を指すのではなく、観光振興のための構成とのこと。
市原市、茂原市、いすみ市、勝浦市、長柄町、長南町、睦沢町、一宮町、御宿町、大多喜町が加盟しているとのことですが、旧安房国にあたる地域はないのに今度は”房”の字が表記に入っています。
つまり現代は、”房総”とは房総半島全体としてとらえるのが通例となっているということかと。
(安房国および上総・下総国の一部が入っていなくても房総と付ける)
前置きがくどくなりましたが、ここまでが記事タイトルの主旨というか自習メモでした。
今回のターゲットはボウマイではなく、普通種のアオオサムシ。
中房総ラベルを採集したかったので、まず訪れたのは長柄町のとある森。
ここは何度か訪れていて、採集実績があるのですが、いつも一頭だけ。
なので未踏の道にも入ってみるも、掘れそうな崖は見つけられず。
やむなくいつものポイントへ突入したところ、藪が深くなり以前よりも荒れていました。
しかも土の乾燥も進んでいるよう。
それでも幸運なことに掘り始めてすぐ出ました。(目の付け所がよかったともいう)
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
扉の写真の子なのですが、この角度だと赤く見えて同じ個体とは思えません。
まるで南房総亜種のようですが、光の当たり方を変えてみると・・
同上
アオオサムシはこんなに見え方が変わる個体がいます。
ところが採れたのはまたもやこの一頭だけ。(スジアオが一頭とれましたが)
それでなくてもフィールドが劣化しているため、あまり深掘りせずに次の場所へ。
とその前に早めにお昼にすることにしました。
茂原街道まで戻って八平の食堂へ。
どうしても食べたかったわけではなかったのですが、このエリアはラーメン屋が少ない。
商い中の看板がでていたのにまだ開店してなくて、何人か店の外で待っていました。
さらに開店してからもしばらく外で待たされ、店内に入ってからも待たされ・・。
アリランラーメン
見た目のとおりとても味の濃いラーメンです。(ニンニクもいっぱい)
かなりタイムロスしたので次の場所へ急ぐ。
そこも同じ町内にあるポイントでしたが初突入。
谷津田の一番奥には溜池がありました。(この池を目印に来ているのですが)
周囲を探索したところ、手前の水路沿いに土の小崖がありました。
しかし出てきたのはアオガエルだけでした。(写真割愛)
ちょっと悔しかったので、溜池の奥にアプローチしてみることに。
堤のすすきの藪をかいくぐって行くと林縁にたどり着くことができました。
掘れる崖もそこそこあるのですが、溜池の辺縁の割には乾燥している。
しかもゴミムシなどの指標虫すら出ない。たまにカマドウマの団体さんが顔を出すくらい。
溜池の縁に沿って探して行き、もうこれ以上奥には行けそうにないところまできました。
そこを掘ってみましたが、土が舞い上がるほど乾燥していて何もでない。
でもふと頭上の段差部分を見上げた瞬間にコンチューターの針が振れました。
目の高さにあった木の幹を左手でつかみ、右手を上に伸ばしてその土を掘ってみると・・ビンゴ。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
感度は良好だったようです。
すぐに目を覚ましました。
同上
同じ町内の個体ですが、この子は赤く見えることはありません。
これは地域変異というよりは個体変異ということだと思います。
一頭採れたのでここは打ち止めとしました。
次の候補地も同じ町内の近くの谷津田。
やはり溜池の周辺狙い。
この付近も乾燥していて、池の奥に入っていくことも難しそうでした。
この後さらにもう少し南下し、3か所目の溜池に移動。
ここは実績があり、ゴミムシ類に関しては何種類かでると想定していたのですが、まさかのボウズ。
とても乾燥していてがっくりでした。
収獲が先細りなので諦めきれず、スマホで他の場所を探し、茂原方面に行ってみました。
しかし崖すら見つけられない結果となり、今回は凍えたくないので早めに帰路につくことに。
走り慣れた裏ルートを順調に辿り、細い峠道を駆け上がり、もう少しで登り切るというとき。
突然ベニシジミ号のエンジンが止まりました。
急な坂道なので、まずは峠まで行こうと、オートバイを降りて押しました。
ぜいぜいと息を切らしながらやっとのことで平坦なところへ。
恐る恐るセルを回してみるとエンジンがかかりました。
ほっとして再出発。
しかし数百メートル進んだところでまたストップ。
完全ガス欠でした。
でも明らかに航続距離がいつもより大幅に短い。こんな距離でガス欠になるなんておかしい。
何か問題が発生していることは確かなようですが、とにかくガソリンを入れなければ。
ところが裏ルートの峠道の途中なので近くにスタンドはありません。
あと百メートルほど行くと今度は下りになるので、そこまで押して惰性で坂を下りました。
下りきった所で一人作戦会議、というかスマホでGoogle先生に「近くのガソリンスタンド」と聞く。
次の交差点を右に曲がって2.5キロ先にあるGSが最寄りとのこと。
でも右折すると上り坂であることが目視で分かりました。
次に近いのはまっすぐ進んで3.5キロ先。
5秒間考えた結果、直進していくことにしました。
5百メートルほど押していくと緩い右カーブになり、カーブの先が見えてくると・・
なが~い上り坂でした・・
ここまで来ると2つのスタンドはどちらもほぼ同じ距離。(3キロくらい)
こうなったら初志貫徹ということで前に進むことに。
坂を登りきった頃には汗びっしょり。
さらにえっちらと押していき、自動車整備工場の前を通りがかったとき、外にいた従業員の人から
「ガス欠?もう少しだよ」
と励ましてもらい、最後の力を振り絞ってスタンドにたどり着くことができました。
(すぐ手前の神社の名前が湯殿山神社だったというのは因縁を感じました)
ということで、陽はとっくに暮れ、かいた汗のせいで体温が奪われ、またもや凍えながら帰りました。
オマケ
今回の記事とは関係ありませんが、前記事に載せそびれたものを一枚。
オオセンチコガネ (コガネムシ科)
Gタイプの子。
この子たち、ダチョウのような長いまつ毛がチャーミングだといつも思います。
以前にも書きましたが、センチコガネはコガネムシ科ではなく、センチコガネ科とするようですが、
ダイコクコガネやマグソコガネなどは同じ糞虫なのにコガネムシ科のままなので、公平を期す?為
と個人的思い入れの為、糞虫はコガネムシ科としておきます。
今日の湯加減
結局ベニシジミ号は入院しました。
前記事で「もう少しがんばってくれ、ベニシジミ号」と書いたのが予言のようになりました。
でもなんとか行きつけのバイク屋さんまで自走できただけラッキーだったと思います。
突然の燃費低下とアフターファイアの発生という症状はユーザー事例がありました。
清掃や調整で済む可能性もあるようですが、外科手術になるかもしれません。
とにかく元気になって帰ってきてくれ、ベニシジミ号。
ということで、まだチバにいるので今日はファーブル会のスタッフ会議に行ってきます。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
オサムシを探し出す感はは凄いですね。
バイク、大変でしたね、簡単に直ると事を祈ってます。
by g_g (2018-01-14 10:03)
こんにちは^^
新年に入ってあまり良い結果が出ないですね~
おまけにベニシジミ号が入院だなんて。大怪我でないと良いですね。
汗をかいてお風邪を引かれませんでしたか。
お大事になさって下さい。
by mimimomo (2018-01-14 14:34)
>g_gさん
感度は良好でしたが、フィールドの乾燥が心配です。
>mimimomoさん
数は望んでいないのですが少なすぎました。
汗が冷えて大変でしたがなんとか大丈夫でした^^;
by ぜふ (2018-01-16 22:38)
光の当たり方で色合いも変化してみえるのかしら
美しいですね
長いまつげ、確かに、、魅力的
by engrid (2018-01-17 18:02)
こんにちは^^
ベニシジミ号はどうですか。長期入院んだと困りますね。
by mimimomo (2018-01-18 13:59)
最後のアップの写真が、見事な美しさ!
色が変わって見える、というのも面白いです。
カマドウマの団体...ちょっとコワイ^^;。
by sakamono (2018-01-18 20:56)
>engridさん
そうです、構造色なのですがとても興味深い特徴です。
まつ毛もチャームポイントです^^
>mimimomoさん
それはまた次記事で^^
>sakamonoさん
どちらもメタリックな色合いがいいですね。
カマドウマはよく出くわしますが撮影が意外とむずかしいです^^;
by ぜふ (2018-01-18 22:56)