"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
デワのヤマナミ [自然]
ショウナイにきたからにはぜひ訪れたい山はいくつかありました。
月山、湯殿山、羽黒山の出羽三山。
それと何といってもこの山。
登山道の途中、いいところにとまっていてくれました。
その姿を認めた瞬間、そのまま、そのまま、と心の中で叫びながら四つん這いでにじり寄りました。
10月6日、行くなら今日だ、と思い立ち、鳥海山へ行ってきました。
もうすっかり秋のショウナイ。
日中の気温も下がり、山には紅葉前線も到達しているのではないかと。
ベニシジミ号で行くので、冬用のライダーパンツなど、油断せず厚着をしていきました。
南麓の里に着くと、鳥海山がとてもよく見える場所がありました。
圃場の周辺の林縁には、山から降りてきたたくさんのアカネたちがすいすいと浮いていました。
帰りも同じルートを通って気が付いたのですが、この辺りは”富士見台”という。 なるほど。
K368を登りだすと、突然空気が変わりました。
曇っていたせいもあるでしょうけど、風がひゅうと吹くたびに体温が奪われていく。
トンボたちのように気持ちよくすいすいと走ってはいけませんでした。
それでも途中、視界が開けてこのような眺望を写真に撮れて気分は上々。
出羽山地の南半分の山並。 いや、これこそ”山波”ですね。
鳥海高原ラインK368は、道幅は細いながらもスカイラインといっていいと思います。
さらに登ると、山頂を望めるポイントもありました。
赤・黄・緑と装う中腹辺りはまさに見頃。
雪渓も見えます。
せっかくなので山だけズームアップ。
スカイラインの終点、湯ノ台口の駐車場にバイクをとめて、あらためて装備チェック。
装備といってもあくまでトレッキングなので特別なものはありません。
リュックに入れてきたフリースを出してウインドブレーカーの下に着こむだけ。
登山口の案内板を一応確認して・・と足元にお出迎えの子がいました。
せっかくのこの山での初観察虫なので手乗りになってもらいました。
山の緑とは違う、はっとするほど鮮やかなショッキンググリーン。
ミヤマフキバッタは細かく分類が進んでいるようで、この子の現在の名前はミカドフキバッタかも。
ミカドフキバッタは北海道、本州(青森~滋賀)に分布し、東北南部では日本海側に生息。
登り口から続く、林の中の石畳のような道を抜けると、沢に出て見晴らしがよくなります。
登山口から20分で、滝の小屋に到着。
ここに宿泊して翌日登頂という方もいらっしゃるようです。
しばらく沢に沿って登っていきます。
途中、見かけた花たち。
振り返った出羽山地の山波ふたたび。
遠く月山も望めました。
しばらく進んだ分岐点でやっと2種類目の虫に出会えました。
(ミヤマフキバッタは途中何頭も観察)
比較的高山性とは思いますが、こんな森林限界にまで生息しているとは意外。
他にも何種類か観察できました。
1センチあまりの小さなハチ。 登山道の岩の上を歩いていました。
1時間以上登り、かなり汗ばんできたのでリュックを下ろしてウインドブレーカーを脱いでいると・・
ちょうど目の前にいてくれました。
ではないかと思います。
山地性のヒメギスで、前胸後端の白い線がないか不明瞭なことで区別できるそうです。
これは帰り道で見つけた別個体。
この子は白い模様がありますが、普通のヒメギスと比べるとやはり不明瞭だと思います。
グリーンのペアをもう一枚。
振り返った出羽山地の山波をもう一度。
南斜面を五合目あたりまで登ると山頂側が開けてきました。
頂もずいぶん近くに見え始めました。
その時です。扉の写真のトンボを見つけたのは。
山頂を背景にできる絶好の位置の岩の上にこの子はとまってくれていたのです。
結局、登山道で観察したトンボはこの子だけでした。
他のみんなはもう里へ降りているというのに、どうしたというのでしょう。
一緒に移動しそびれたのか、へそ曲がりなのか・・
いずれにしても、格好のモデルになってくれたことに感謝しつつ、舞い上がる姿を見送りました。
と、またすぐに別の虫を見つけました。
近くにエサになるものがあるのでしょう、でもキツネの糞もペリットも見当たりませんでした。
そしてまもなく、目的地点にたどり着きました。
六合目(1320m)とは信じられないくらい山頂が近くに見えます。
でもこの先は雪渓を渡るルート。なので今回はここまでと決めていました。
ひとりぼっち、休憩と昼食をとりましたが、ふとあまりに静かなことに気が付きました。
鳥のさえずりもなく、風の音もなく、人の姿もありません。
この世にたった一人取り残されたような感覚に後ろ髪をひかれながら下山を開始しました。
さっきのシデムシポイントまで引き返すと、まだいました。
しかも2匹。
やはり何かエサがあるのは間違いないのでしょう。
庄内平野を一望できるところもありました。
最後はこの子。
ハネカクシの仲間かなぁ。(コアリガタハネカクシ?)
滝の小屋まで一気に下り、鳥海山の裾汚しは終了。
ぜひまた夏に訪れたい。
今度は山頂汚しに・・・
高原ラインを湯ノ台まで下ったところで計画的な寄り道。
絶滅が危惧されているイヌワシの観察と保護をしているそうです。
これからの季節の生態観察は大変だろうなぁと思いました。
今日の湯加減
月山、湯殿山、羽黒山の出羽三山。
それと何といってもこの山。
登山道の途中、いいところにとまっていてくれました。
その姿を認めた瞬間、そのまま、そのまま、と心の中で叫びながら四つん這いでにじり寄りました。
10月6日、行くなら今日だ、と思い立ち、鳥海山へ行ってきました。
もうすっかり秋のショウナイ。
日中の気温も下がり、山には紅葉前線も到達しているのではないかと。
ベニシジミ号で行くので、冬用のライダーパンツなど、油断せず厚着をしていきました。
南麓の里に着くと、鳥海山がとてもよく見える場所がありました。
出羽富士
圃場の周辺の林縁には、山から降りてきたたくさんのアカネたちがすいすいと浮いていました。
帰りも同じルートを通って気が付いたのですが、この辺りは”富士見台”という。 なるほど。
K368を登りだすと、突然空気が変わりました。
曇っていたせいもあるでしょうけど、風がひゅうと吹くたびに体温が奪われていく。
トンボたちのように気持ちよくすいすいと走ってはいけませんでした。
それでも途中、視界が開けてこのような眺望を写真に撮れて気分は上々。
出羽山地の南半分の山並。 いや、これこそ”山波”ですね。
鳥海高原ラインK368は、道幅は細いながらもスカイラインといっていいと思います。
さらに登ると、山頂を望めるポイントもありました。
赤・黄・緑と装う中腹辺りはまさに見頃。
雪渓も見えます。
せっかくなので山だけズームアップ。
スカイラインの終点、湯ノ台口の駐車場にバイクをとめて、あらためて装備チェック。
装備といってもあくまでトレッキングなので特別なものはありません。
リュックに入れてきたフリースを出してウインドブレーカーの下に着こむだけ。
登山口の案内板を一応確認して・・と足元にお出迎えの子がいました。
せっかくのこの山での初観察虫なので手乗りになってもらいました。
山の緑とは違う、はっとするほど鮮やかなショッキンググリーン。
ミヤマフキバッタ ペア (バッタ科)
ミヤマフキバッタは細かく分類が進んでいるようで、この子の現在の名前はミカドフキバッタかも。
ミカドフキバッタは北海道、本州(青森~滋賀)に分布し、東北南部では日本海側に生息。
登り口から続く、林の中の石畳のような道を抜けると、沢に出て見晴らしがよくなります。
登山口から20分で、滝の小屋に到着。
ここに宿泊して翌日登頂という方もいらっしゃるようです。
しばらく沢に沿って登っていきます。
途中、見かけた花たち。
エゾリンドウ
ダイモンジソウ
シロバナトウウチソウ
シラネニンジン
キク科の何か
振り返った出羽山地の山波ふたたび。
遠く月山も望めました。
しばらく進んだ分岐点でやっと2種類目の虫に出会えました。
(ミヤマフキバッタは途中何頭も観察)
イカリモンガ ♂ (イカリモンガ科)
比較的高山性とは思いますが、こんな森林限界にまで生息しているとは意外。
他にも何種類か観察できました。
ハバチの仲間
1センチあまりの小さなハチ。 登山道の岩の上を歩いていました。
1時間以上登り、かなり汗ばんできたのでリュックを下ろしてウインドブレーカーを脱いでいると・・
ちょうど目の前にいてくれました。
イブキヒメギス ♀ (キリギリス科)
ではないかと思います。
山地性のヒメギスで、前胸後端の白い線がないか不明瞭なことで区別できるそうです。
これは帰り道で見つけた別個体。
イブキヒメギス ♂ (キリギリス科)
この子は白い模様がありますが、普通のヒメギスと比べるとやはり不明瞭だと思います。
グリーンのペアをもう一枚。
ミヤマフキバッタ ペア (バッタ科)
振り返った出羽山地の山波をもう一度。
南斜面を五合目あたりまで登ると山頂側が開けてきました。
副峰 文殊岳
頂もずいぶん近くに見え始めました。
その時です。扉の写真のトンボを見つけたのは。
山頂を背景にできる絶好の位置の岩の上にこの子はとまってくれていたのです。
アキアカネ (トンボ科)
結局、登山道で観察したトンボはこの子だけでした。
他のみんなはもう里へ降りているというのに、どうしたというのでしょう。
一緒に移動しそびれたのか、へそ曲がりなのか・・
いずれにしても、格好のモデルになってくれたことに感謝しつつ、舞い上がる姿を見送りました。
と、またすぐに別の虫を見つけました。
ヒラタシデムシ (シデムシ科)
近くにエサになるものがあるのでしょう、でもキツネの糞もペリットも見当たりませんでした。
そしてまもなく、目的地点にたどり着きました。
河原宿
六合目(1320m)とは信じられないくらい山頂が近くに見えます。
でもこの先は雪渓を渡るルート。なので今回はここまでと決めていました。
ひとりぼっち、休憩と昼食をとりましたが、ふとあまりに静かなことに気が付きました。
鳥のさえずりもなく、風の音もなく、人の姿もありません。
この世にたった一人取り残されたような感覚に後ろ髪をひかれながら下山を開始しました。
さっきのシデムシポイントまで引き返すと、まだいました。
しかも2匹。
やはり何かエサがあるのは間違いないのでしょう。
庄内平野を一望できるところもありました。
最後はこの子。
ハネカクシの仲間かなぁ。(コアリガタハネカクシ?)
滝の小屋まで一気に下り、鳥海山の裾汚しは終了。
ぜひまた夏に訪れたい。
今度は山頂汚しに・・・
オマケ
高原ラインを湯ノ台まで下ったところで計画的な寄り道。
猛禽類保護センター
絶滅が危惧されているイヌワシの観察と保護をしているそうです。
これからの季節の生態観察は大変だろうなぁと思いました。
今日の湯加減
昨日、第65回菊池寛賞が発表され、ファーブル会の理事長、奥本先生が受賞されました。
30年をかけたまさにライフワークというべき「完訳ファーブル昆虫記」が認められました。
12月に授賞式があるそうですが、同じ受賞者の浅田真央ちゃんと会える先生がうらやましい・・
あ、そういうことじゃないですね、いつもご厚誼いただいている身として、大変うれしいです。
おめでとうございます!先生!
ザ・クロマニヨンズのニューアルバムがリリースされました!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんばんは^^
鳥海山は登る口がわたくしとは違っていたのですね~
かなり模様が違うわ^^
それにしても良い紅葉だわね~
虫やさんにはあまり関係ないかもしれませんが^^ わたくしは紅葉に
見とれました。
by mimimomo (2017-10-14 20:27)
おはようございます♪
この夏、日本海東北道を秋田から山形へと走っていた際、眼前にドンドンと大きくなる鳥海山にわくわくしたことを思い出しました^^
ほとんど貸切の鳥海山でムシさんたちがぜふさんを迎えてくれたようですね。
先日お山でセンチコガネ?かなと思われる子とお会いしました^^
次回UPしますのでご教示お願いいたしますm(__)m
by よしころん (2017-10-15 07:22)
熊笹の合間の草木が紅葉しはじめてる風景は素晴らしいですね。
しかもいっぱいムシムシがいて楽しそう。
手軽に高山を楽しめるって羨ましい。
by 響 (2017-10-15 09:49)
お久しぶりです。また、宜しくお願い致します。
紅葉が美しいですね。初めて見る珍しい昆虫たちに感動しています !
by yakko (2017-10-15 17:31)
高山帯はかなり寒くなってきたのでムシさん達はもういなくなっているかと思っていましたがまだまだ健在なんですね。
セリ科の植物はシラネニンジンかな?検索して見て下さい。
鳥海山山頂まではまだ未踏です(-_-;) 矢島口の竜が原湿原は
歩いたのですが・・・
by g_g (2017-10-15 20:07)
>mimimomoさん
裾野の広い山は同じ日だったとしても様々でしょうね。
赤基調の紅葉もいいですが、こういう彩も好きです。
>よしころんさん
山容が雄大ですよね。ぜひ次回はお立ち寄りください。
次記事のアップも楽しみにしています。
>響さん
灌木の紅葉もいいですよね。
虫は期待していなかったのですが、いくつか観察できたので満足。
ツーリングを楽しむなら西側ブルーラインがいいようです。
>yakkoさん
そちらでは二千メートル級の山へアプローチするのは大変ですよね。
でも里山も紅葉もまたいいと思いますのでまたアップしてください。
>g_gさん
ご教示ありがとうございます。追記しておきます。
未踏とは意外ですが、高山植物が少ないのでしょうか?
虫の種類も多くはないと思いますがまだぎりぎりいてくれました。
by ぜふ (2017-10-15 22:07)
山が 秋色できれいね〜
by ねこじたん (2017-10-16 08:08)
>最後の写真はセンチコガネで間違いないと思います。
ぜふさん、ありがとうございました^^
メタリックパープルの綺麗な個体でした♪
by よしころん (2017-10-16 13:25)
>ねこじたんさん
風も秋色だったよ~♪
>よしころんさん
飛んできたんですよね、もっと色んな子がきますように^^
また見せてくださいね。
by ぜふ (2017-10-17 21:29)
山波という言葉の表すものが、よく分かりました^^;。
眺望も素晴らしいです。
そんな山の中に、ひとりぼっちだったのも、不思議な
感覚だったでしょう、と想像します。
by sakamono (2017-10-19 23:31)
>sakamonoさん
実際には何人かの登山客とすれ違いましたが、六合目ではたまたまずっとひとりでした。
波の濃淡がいい眺めでしたね。
by ぜふ (2017-10-21 15:57)