"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
オサシーズン開幕 [オサムシ]
9月になるとショウナイは季節のページが一枚めくれるようです。
チョウやクワガタなど、華やかな部類の昆虫たちのシーズンは過ぎようとしています。
と書きながら、チョウの写真を。
タイトルともまったく脈絡がないのですが、夏の名残として載せておくことにしました。
この子の解説は本編に書きます。
前日の天気予報どおり、9月2日は朝からいい天気。
リュックに道具と仕掛けを詰め込み、オサ屋(オサムシ屋)シーズン開幕とばかりいそいそと出発。
フィールドはもちろん、虫神様の化身に教えていただいた、例のオサムシ山。
前回は山頂から山道を下って行きましたが、オサたちが採集できたのはどちらかというと低い場所。
山道の道程は1時間半ほどあるので、今回は山道の登り口からアプローチすることにしました。
直接登り口に向かったことはありませんが、朝7時に出発して30分足らずで到着できました。
山道に入って間もなく、道のど真ん中に五百円玉大の黒い物体が落ちていました。
落ちていたのはカナブン。
チバでも観察したことはありますが、それはもう5年以上も昔のことなので久しぶりでした。
せっかくなので、それらしい撮影場所へ移動していただいて記念撮影。
何枚か撮っているうちにブーンと飛び去ってしまいました。(捕まえるつもりはなかったので問題なし)
ところが、しばらく進むとまたいたのです。しかも、また道のど真ん中。
この状態で撮ってほしいということなの?と解釈して希望通りに撮影しました。
また、連れて帰ってほしいと勝手に解釈してお連れすることにしました。
前回は気が付かなった脇道というか林の中へ続く登りの獣道がありました。
山道はずっとほぼ砂利道なので、トラップを設置しやすいと思われる林の中へ入ってみることに。
蜘蛛の網だらけでしたが、地面はやわらかい赤土で覆われ、伐採した材の運搬路のようでした。
赤松の多い雑木林の中でこの子とお別れ撮影。
掘りやすい土だったので、結局持ってきたトラップの半分くらいをこの林の中に設置しました。
山道に戻り、再び登っていきました。
トラップを仕掛けることが目的ですが、どうしても周囲を探虫してしまいます。
頭上にかぶさるコナラやクリの枝葉。谷側の明るい葉っぱの上。
すると、背の低い雑草の茂みの中によく目立つ模様がありました。
翅に巴型の紋があるトモエガの仲間。幼虫の食草(食樹)はネムノキ。
昼間は林や藪の中に隠れているはずですので、朝とはいえこんな明るい場所にいるのは稀でしょう。
前記事でも紹介しましたが、ここでも観察できたヒョウモンチョウの仲間。
このトンボはこの土地では多産するのかなと思いましたが、全国的に今年は多いという話も聞きます。
いずれにしてもショウナイではあちこちでよく見かけます。
ただの探虫記事のような写真が続きますが、山道沿いになかなかいい仕掛け場所がありません。
ずっと未舗装の砂利道が続くのですが、とにかく地面が固くて掘れないのです。
一見やわらかそうに見えるところに根掘りスコップを突き刺すと、ガチンと石にぶつかってしまう。
少し掘れても木の根に邪魔される。
そんなことをしながら30分ほど進んだところにクリの倒木があり、その周りがやっと掘れました。
(ついでに倒木自体も少し崩してみたらコクワガタもでましたがスルー)
その後、林縁側が赤土の斜面になっているところを見つけ、残り半分の設置を終えました。
翌朝、期待を胸にほぼ同じ時刻、回収にいきました。
逸る気持ちを抑えながら、蜘蛛の網にひっかからないように、まずは脇道の林の中へ。
仕掛けた順にチェックしていきましたが、オサムシ打率は約1割という、かなりの期待はずれ。
ゴミムシとオサムシが一匹ずつ採れただけでした。(写真は割愛)
林の中は回収し終わり、もうひとつのステージへ。
山道はこんな様子。
房総の山でも見かける花がありました。
さて、久しぶりなので、トラップがどんなものかあらためて紹介します。
プラスチックのカップを使った落とし穴(ピットフォール)なのですが、中にベイトを入れています。
ベイト(今回はサナギ粉)の匂いに誘われて・・
これが山道に仕掛けた最初のではなく、一番大漁だったトラップでした。
以前採集したホソアカガネオサとゴミムシの仲間の他に、想定外のオサムシが入ってました。
ブロマイドはこちら。
ホソアカガネ以外何が採れるかはまったく分からなかったとはいえ、とてもうれしい獲物でした。
それはうれしい想定外でしたが、この惨状も想定外でした。
何者かにトラップがひっこ抜かれています。
一晩放置する場合は、獣にやられないように、ベイトと共に唐辛子の粉も入れておくのですが、
なんとベイトもろとも唐辛子も全部なめとられて見事に空っぽになっていました。
一番きれいになり、かつボコボコにされていたトラップはこれ。
犯人ははっきりしませんが、歯で開いた穴の大きさからすると大型の動物ではなさそう。
イタチ、タヌキ、サル・・・唐辛子好きなのは誰なのか。
とにかく山道トラップの打率は5割を超えていたのに半分やられていたので残念でした。
唐辛子が効かないとなるとピットフォールトラップにせざるを得ないですが打率が落ちる。
まあ、それも生き物との駆け引きなので、次回はまた工夫してみることにします。
すべて回収し終わり、収穫はホソアカガネ×6頭、オキタクロナガ×1頭、ゴミムシ類×多数。
シデムシが一頭も入っていなかったのが意外でした。
時間に余裕があったので、山道を下りながらゆっくり探虫するも、どういうわけか何も見つからず。
ときおりアカネ類を見かけるのみというさびしさ。
前日観察できたクロカナブンもオニヤンマさえも姿を見せない。
登山口にとめたオートバイが見えてきて、残念感に足取りが重くなってきたとき、
現れてくれたのがこのチョウだったのでした。
なかなかとまってくれないのが普通なのですが、シーズン最後のサービスなのか。
撮らせてくれてありがとうと気分良くしてオートバイに向かっているともう一頭現れたのが扉の子。
ペアで観察できたのです。
オサムシ採りとしても色々な想定外があり、おもしろいフィールドワークとなりました。
前記事でフィーチャーすると書きましたが、写真のレパートリーやネタが足りませんでした。
なのでとりあえずブロマイドだけ。
一日見ていなさいと言われても何も問題ありません。
今日の湯加減
チョウやクワガタなど、華やかな部類の昆虫たちのシーズンは過ぎようとしています。
と書きながら、チョウの写真を。
タイトルともまったく脈絡がないのですが、夏の名残として載せておくことにしました。
この子の解説は本編に書きます。
前日の天気予報どおり、9月2日は朝からいい天気。
リュックに道具と仕掛けを詰め込み、オサ屋(オサムシ屋)シーズン開幕とばかりいそいそと出発。
フィールドはもちろん、虫神様の化身に教えていただいた、例のオサムシ山。
前回は山頂から山道を下って行きましたが、オサたちが採集できたのはどちらかというと低い場所。
山道の道程は1時間半ほどあるので、今回は山道の登り口からアプローチすることにしました。
直接登り口に向かったことはありませんが、朝7時に出発して30分足らずで到着できました。
山道に入って間もなく、道のど真ん中に五百円玉大の黒い物体が落ちていました。
落ちていたのはカナブン。
チバでも観察したことはありますが、それはもう5年以上も昔のことなので久しぶりでした。
せっかくなので、それらしい撮影場所へ移動していただいて記念撮影。
クロカナブン (コガネムシ科)
何枚か撮っているうちにブーンと飛び去ってしまいました。(捕まえるつもりはなかったので問題なし)
ところが、しばらく進むとまたいたのです。しかも、また道のど真ん中。
この状態で撮ってほしいということなの?と解釈して希望通りに撮影しました。
同上
また、連れて帰ってほしいと勝手に解釈してお連れすることにしました。
前回は気が付かなった脇道というか林の中へ続く登りの獣道がありました。
山道はずっとほぼ砂利道なので、トラップを設置しやすいと思われる林の中へ入ってみることに。
蜘蛛の網だらけでしたが、地面はやわらかい赤土で覆われ、伐採した材の運搬路のようでした。
赤松の多い雑木林の中でこの子とお別れ撮影。
ミヤマカミキリ (カミキリムシ科)
掘りやすい土だったので、結局持ってきたトラップの半分くらいをこの林の中に設置しました。
山道に戻り、再び登っていきました。
トラップを仕掛けることが目的ですが、どうしても周囲を探虫してしまいます。
頭上にかぶさるコナラやクリの枝葉。谷側の明るい葉っぱの上。
すると、背の低い雑草の茂みの中によく目立つ模様がありました。
ハグルマトモエ (ヤガ科)
翅に巴型の紋があるトモエガの仲間。幼虫の食草(食樹)はネムノキ。
昼間は林や藪の中に隠れているはずですので、朝とはいえこんな明るい場所にいるのは稀でしょう。
前記事でも紹介しましたが、ここでも観察できたヒョウモンチョウの仲間。
ミドリヒョウモン (タテハチョウ科)
このトンボはこの土地では多産するのかなと思いましたが、全国的に今年は多いという話も聞きます。
オニヤンマ (オニヤンマ科)
いずれにしてもショウナイではあちこちでよく見かけます。
同上
ただの探虫記事のような写真が続きますが、山道沿いになかなかいい仕掛け場所がありません。
ずっと未舗装の砂利道が続くのですが、とにかく地面が固くて掘れないのです。
一見やわらかそうに見えるところに根掘りスコップを突き刺すと、ガチンと石にぶつかってしまう。
少し掘れても木の根に邪魔される。
そんなことをしながら30分ほど進んだところにクリの倒木があり、その周りがやっと掘れました。
(ついでに倒木自体も少し崩してみたらコクワガタもでましたがスルー)
その後、林縁側が赤土の斜面になっているところを見つけ、残り半分の設置を終えました。
翌朝、期待を胸にほぼ同じ時刻、回収にいきました。
逸る気持ちを抑えながら、蜘蛛の網にひっかからないように、まずは脇道の林の中へ。
仕掛けた順にチェックしていきましたが、オサムシ打率は約1割という、かなりの期待はずれ。
ゴミムシとオサムシが一匹ずつ採れただけでした。(写真は割愛)
林の中は回収し終わり、もうひとつのステージへ。
山道はこんな様子。
房総の山でも見かける花がありました。
センニンソウ
さて、久しぶりなので、トラップがどんなものかあらためて紹介します。
ベイトトラップ
プラスチックのカップを使った落とし穴(ピットフォール)なのですが、中にベイトを入れています。
ベイト(今回はサナギ粉)の匂いに誘われて・・
これが山道に仕掛けた最初のではなく、一番大漁だったトラップでした。
以前採集したホソアカガネオサとゴミムシの仲間の他に、想定外のオサムシが入ってました。
ブロマイドはこちら。
アキタクロナガオサムシ (オサムシ科)
ホソアカガネ以外何が採れるかはまったく分からなかったとはいえ、とてもうれしい獲物でした。
それはうれしい想定外でしたが、この惨状も想定外でした。
何者かにトラップがひっこ抜かれています。
一晩放置する場合は、獣にやられないように、ベイトと共に唐辛子の粉も入れておくのですが、
なんとベイトもろとも唐辛子も全部なめとられて見事に空っぽになっていました。
一番きれいになり、かつボコボコにされていたトラップはこれ。
犯人ははっきりしませんが、歯で開いた穴の大きさからすると大型の動物ではなさそう。
イタチ、タヌキ、サル・・・唐辛子好きなのは誰なのか。
とにかく山道トラップの打率は5割を超えていたのに半分やられていたので残念でした。
唐辛子が効かないとなるとピットフォールトラップにせざるを得ないですが打率が落ちる。
まあ、それも生き物との駆け引きなので、次回はまた工夫してみることにします。
すべて回収し終わり、収穫はホソアカガネ×6頭、オキタクロナガ×1頭、ゴミムシ類×多数。
シデムシが一頭も入っていなかったのが意外でした。
時間に余裕があったので、山道を下りながらゆっくり探虫するも、どういうわけか何も見つからず。
ときおりアカネ類を見かけるのみというさびしさ。
前日観察できたクロカナブンもオニヤンマさえも姿を見せない。
登山口にとめたオートバイが見えてきて、残念感に足取りが重くなってきたとき、
現れてくれたのがこのチョウだったのでした。
なかなかとまってくれないのが普通なのですが、シーズン最後のサービスなのか。
カラスアゲハ ♂ (アゲハチョウ科)
撮らせてくれてありがとうと気分良くしてオートバイに向かっているともう一頭現れたのが扉の子。
ペアで観察できたのです。
オサムシ採りとしても色々な想定外があり、おもしろいフィールドワークとなりました。
オマケ
前記事でフィーチャーすると書きましたが、写真のレパートリーやネタが足りませんでした。
なのでとりあえずブロマイドだけ。
オオセンチコガネ (コガネムシ科)
一日見ていなさいと言われても何も問題ありません。
同上
今日の湯加減
今週はチバにいます。
たまたまですが、とある希少なチョウが、となる施設で観賞(観察)できることを知りました。
幸運なことに、ちょうど今週に限り。
しかももう二度と公開はしないとのこと。
どうしようかと迷うことはありえません。行ってきました。
そのことについては別途記事化します。
ところで、この記事が公開される日は虫屋のお祭りの日でもあります。
そのことについてもまた書きます。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ハグルマトモエ、、子供の頃、目玉の蝶って読んでたのを思い出しました、、夏休み遊びに行く田舎で見かけていましたから、、
とうがらしも平気な子は、誰かしらね、、辛味の味覚がないのかな?
by engrid (2017-09-24 01:17)
山はいろいろな生き物の住処ですものね。
以前ザックをデポしてお花を観察に行き30分程度で戻ったら、ザックが引きずられ、行動食の入ったサブの小さなポッケのファスナーがフルオープン!?
銀紙や復路が散らばりチョコやらナッツやらを食されていました。
おそらくサルだと思います。
一瞬何が起きたのか真っ白になりましたー( ゚Д゚)
ショウナイはすっかり秋の気配でしょうか^^
by よしころん (2017-09-24 06:57)
オオセンチコガネ、すごい綺麗な色ですね。
こういう色、なんか大人っぽくていいですね(笑)
by リュカ (2017-09-24 11:22)
初見、の虫たちの写真、いざ見た時全く名前が出てこないのだろうなと思いながら頭に入れていますが、まず何分もしない内忘れるのだろうな・・・やはり綺麗な昆虫を見ると目に止まりますね。
by g_g (2017-09-24 11:52)
>engridさん
そんなお話があるんですね、読みたいです^^
辛いもの好きは・・ハクビシンかもしれないと思っています。
>よしころんさん
ファスナー開けられる子は限られますね。
トラップと同様頭の中が、一瞬からっぽになりました^^;
>リュカさん
実際、子供よりも大人に評判がいいですね。
そう、実はカラバリもあるのです^^
>g_gさん
ピンときたらまず撮影しています。
花と違って逃げますから^^;
by ぜふ (2017-09-24 23:15)
おはようございます^^
唐辛子を物ともせず食べて壊していく・・・何でしょうね。
by mimimomo (2017-09-26 07:36)
野生動物で唐辛子も食べちゃうやつがいるのですね。
なるほどー、サナギ粉だと釣具屋でも手にはいるのでいいですね。
by 響 (2017-09-27 09:57)
黒光りする、クロカナブンもキレイですが、やはりブロマイドの
オオセンチコガネが美しいですね。1日見ていられそうな気もします^^;。
へぇー、小動物がトラップをひっこ抜いちゃうんですね。
by sakamono (2017-09-28 21:54)
>mimimomoさん
ハクビシンではないかと思いますが証拠はありません^^;
>響さん
まさかでしたがいるようです^^;
ベイトは他にも色々ありますが、手に入りやすいのがいいですね。
>sakamonoさん
オオセンチは鳴くので、そういう意味でも一緒に遊べます^^
獣対策は必要ですが、唐辛子がまったく効かないとは・・><
by ぜふ (2017-09-28 22:55)