"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
Iアラート [探虫行]
前記事と同じ山塊へ、しつこくフィールドワークに行ってきました。
ただし、また別ルートで臨みました。
というより、同じ山塊を逆側から登ってみようということででかけた8月26日のことです。
トンボクエストの続きではありません。
なぜしつこく訪れたかというと。
前回大勢のセンチコガネたちに逢えたことに味をしめ、糞虫やオサムシなどの地表性の昆虫を探しに行きたかったのです。
ルートはよく分からないので、例によってGoogleMapであたりをつけて、現地合わせで突入です。
地元の部落を抜け、小規模な畑地や果樹栽培地を過ぎると沢沿いの狭い半舗装の林道になりました。
暗くて湿気が多いので路面は半舗装というよりも半苔装という感じ。
滑りやすいのでいつも以上にゆっくりトコトコとオートバイを走らせました。
でもこういうモイスチャーな林道ではアゲハチョウたちに逢うことがよくあります。
写真は撮れませんが、オナガアゲハやミヤマカラスアゲハを散らしながら徐々に標高を上げて行きました。
とりあえずの目標地点は今回も池。
最接近したと思われる林道の分岐点に辿り着いたのでオートバイを降り、装備を整えて歩き始めました。
分岐から池へ向かうルートを見つけることができなくて、未舗装の林道を登っていくことにしました。
30分ほど進むと、左右の灌木がアーチのようにかぶさって林道が薄暗いトンネルのような場所が。
そこにはこの子たちが群れていました。
10頭近くいたと思います。
ただ、他に目立った昆虫は観察できませんでした。
さらにしばらく進んだところ、山道の上にやっと目立つ虫を観察できました。
この様子を見てあらためて気が付きました。
どちらも名前に”モンガ”と付きますが、同じ科ではないのです。
イカリモンガはイカリモンガ科、キンモンガはアゲハモドキガ科。
どちらも仲間が少ない科で、しかもこの土地はどちらも多産するというのがおもしろい。
この花の様子もチバとは少し違うような気がします。
蕊や花びらがかなり白っぽい。(違ってたらすみません)
花を撮影し終わったので、テレコンバーターを取り付け直そうとしていたらこの子が挨拶しに来た。
体長約1センチ。
アワフキムシはカメムシの仲間ですが、頭の形がサメに似ているのでサメムシと呼びたい。
いつもはオマケ写真にするところですが。
道中とにかくたくさんいました。
この日はまだ病み上がりだったので活動は午前中だけにする予定でした。
なのでそろそろ引き返そうかと思いつつ、山道の先が開けていそうでピークのような気がして・・
あの先の回り込みまで、もう少し行くと開けていそうなので、とついつい歩を進める。
そんな”山道歩きあるある”を何度か繰り返しているとまた分岐点に差し掛かりました。
その少し開けたエリアが、扉の写真のとおり、オニヤンマの溜まり場だったのです。複数いました。
それで気分が高まり、もう少しだけ進んでみることにしました。
林縁には所々にクヌギやコナラの木がありましたが、樹液が出ている昆虫酒場は見当たらず。
それでもどこかにはあるのでしょう、時折こんな子が現れました。
スマホで現在位置を確認すると、このまま進んでいっても池の方へ降りていけるように見えました。
リスクがあるなぁとは思い、逡巡はしましたが、しばらくそのまま前進してみることに。
と、向こうから赤く輝く物体が飛んできました。
色と形と大きさから、オオセンチに間違いありません。
網を広げていなかったので、帽子を脱いで待ちかまえ、最接近した瞬間振り下ろしました。
が、見事にかわされ、左後方の杉の梢にサヨウナラ。
悔しく思いましたが、お目当ての類の虫に出会えてまた気分が高揚。さらに歩を進めてしまう。
ところでこのエリアはアキアカネはなぜか見られず、このトンボが少数いるだけでした。
アキアカネやナツアカネと同じくアカネ類です。
赤く染まったアカネ類と同様に、この子が目立ち始めると秋だなぁと思います。
この子は逆にそろそろ閉店でしょう。
と思いますが自信なし。捕まえてじっくり観察しようとしたら、ぽとりと落ちてしまいました。
スマホで再確認しても池には近づいていないようでしたので、あきらめて引き返すことに決定。
少し時間をロスしているので下りは足早になりました。
上り道では見られなかったチョウ。
上り道で見られたガ。(同じ場所です)
ペアだと思います。(イカリモンガはいなくなっていました)
オートバイのところまで戻りましたが、池がやっぱり気になったので、分岐を下ってみることに。
ところが少し進んでみるも池に続く気配はなく、登り返すのが大変になるので早々に踵を返しました。
この子を観察できたのでよしとします。
ストローをしまい忘れている?
サカハチたちはそろそろシーズンオフなので今年の見納めかもしれません。
そして、再度オートバイまで戻り装備を解いていると・・・コンチューターのアラートがピピーッ!
Iアラート(Insect Alert)と呼ぼうかな・・
さてその足元を横切ろうとする小さな黒っぽい物体。それはまさに地表性昆虫。
ゴミムシ類だとするとかなり大きくて、チラチラと金属光沢がします。
直観的に今まで見たことがない虫だという気がしました。
砂利道なので草や土の中へ逃げ込まれる可能性は低いと判断し、生態写真を撮ることに。
すると、逃げ場に困ったのか、なんとオートバイのタイヤの下へ潜りこんでしまいました。
踏みつぶさないように、ゆっくりオートバイを少しだけ後退させました。
近くで観察すると、ルイスオオゴミムシ(拙ブログには何度も登場)に似ていることがわかりました。
前胸が見る角度によって赤紫色または青緑色に光るという特徴はそれのもの。
でも、ルイスにしては大きすぎるという違和感がある。
あと、写真では分かりづらいですが、もうひとつこの子は特徴がありました。
それは鞘翅の外縁がわずかに青く光ってみえるということ。(これが直観として感じたことでした)
家にお連れしてあらためて同定した結果。
だと判断しました。
初観察です。
ということで、今回はこの虫をターゲットとして探しにきたわけではありませんでしたが、
散々歩いてもお目当ての虫が見つからなかったのにスタート地点に戻ってきたら見つけられた
という”探虫あるある”のエピソードでした。
午前中で引き上げるつもりが、お昼もとっくに過ぎてしまいました。
お腹もすいたので、少し海岸線をツーリングしながらお店を探してみようと。
ここまで行って引き返しました。(ここが何というところか忘れました)
時々ハンドルをとられそうになるほど風が強くて気持ちいいツーリングとはいえませんでしたが、
小一時間ばかり何も考えずに、お店を探していたことも忘れて走っていました。
さらに、せっかくだからといつものクセで、もう一か所寄り道をしてしまいました。
はじめてこの地で探虫をした池へ。様子を見るだけと心に決めて。
しばしぼんやりと池を眺めていたら、またしてもIアラートが!
今度はまさに飛行物体です。しかも高速の。
水面にせり出すように咲いたヤブカラシの花にその飛行物体はとまりました。
池に落ちないように気を付けて藪の中へ歩を進め、まずは証拠写真。
しばらくつきまといましたが、これ以上は近寄れないし、近くの花へも来てくれませんでした。
そのうちとうとうどこかへ飛び去ってしまったのであきらめて帰ることに。
ところがオートバイにまたがろうとしたとき、なんと目の前の花に舞い戻ってきた。
今まで数回しか逢ったことはありませんが、こんなに近くで観察したのははじめてでした。
寄り道して正解。
今日の湯加減
ただし、また別ルートで臨みました。
というより、同じ山塊を逆側から登ってみようということででかけた8月26日のことです。
オニヤンマ ♂ (オニヤンマ科)
トンボクエストの続きではありません。
なぜしつこく訪れたかというと。
前回大勢のセンチコガネたちに逢えたことに味をしめ、糞虫やオサムシなどの地表性の昆虫を探しに行きたかったのです。
ルートはよく分からないので、例によってGoogleMapであたりをつけて、現地合わせで突入です。
地元の部落を抜け、小規模な畑地や果樹栽培地を過ぎると沢沿いの狭い半舗装の林道になりました。
暗くて湿気が多いので路面は半舗装というよりも半苔装という感じ。
滑りやすいのでいつも以上にゆっくりトコトコとオートバイを走らせました。
でもこういうモイスチャーな林道ではアゲハチョウたちに逢うことがよくあります。
写真は撮れませんが、オナガアゲハやミヤマカラスアゲハを散らしながら徐々に標高を上げて行きました。
とりあえずの目標地点は今回も池。
最接近したと思われる林道の分岐点に辿り着いたのでオートバイを降り、装備を整えて歩き始めました。
分岐から池へ向かうルートを見つけることができなくて、未舗装の林道を登っていくことにしました。
30分ほど進むと、左右の灌木がアーチのようにかぶさって林道が薄暗いトンネルのような場所が。
そこにはこの子たちが群れていました。
クロヒカゲ (タテハチョウ科)
10頭近くいたと思います。
ただ、他に目立った昆虫は観察できませんでした。
さらにしばらく進んだところ、山道の上にやっと目立つ虫を観察できました。
イカリモンガ(上)とキンモンガ(下)
この様子を見てあらためて気が付きました。
どちらも名前に”モンガ”と付きますが、同じ科ではないのです。
イカリモンガはイカリモンガ科、キンモンガはアゲハモドキガ科。
どちらも仲間が少ない科で、しかもこの土地はどちらも多産するというのがおもしろい。
この花の様子もチバとは少し違うような気がします。
ゲンノショウコ
蕊や花びらがかなり白っぽい。(違ってたらすみません)
花を撮影し終わったので、テレコンバーターを取り付け直そうとしていたらこの子が挨拶しに来た。
シロオビアワフキ (アワフキムシ科)
体長約1センチ。
アワフキムシはカメムシの仲間ですが、頭の形がサメに似ているのでサメムシと呼びたい。
いつもはオマケ写真にするところですが。
カナヘビ
道中とにかくたくさんいました。
この日はまだ病み上がりだったので活動は午前中だけにする予定でした。
なのでそろそろ引き返そうかと思いつつ、山道の先が開けていそうでピークのような気がして・・
あの先の回り込みまで、もう少し行くと開けていそうなので、とついつい歩を進める。
そんな”山道歩きあるある”を何度か繰り返しているとまた分岐点に差し掛かりました。
その少し開けたエリアが、扉の写真のとおり、オニヤンマの溜まり場だったのです。複数いました。
それで気分が高まり、もう少しだけ進んでみることにしました。
林縁には所々にクヌギやコナラの木がありましたが、樹液が出ている昆虫酒場は見当たらず。
それでもどこかにはあるのでしょう、時折こんな子が現れました。
ルリタテハ (タテハチョウ科)
スマホで現在位置を確認すると、このまま進んでいっても池の方へ降りていけるように見えました。
リスクがあるなぁとは思い、逡巡はしましたが、しばらくそのまま前進してみることに。
と、向こうから赤く輝く物体が飛んできました。
色と形と大きさから、オオセンチに間違いありません。
網を広げていなかったので、帽子を脱いで待ちかまえ、最接近した瞬間振り下ろしました。
が、見事にかわされ、左後方の杉の梢にサヨウナラ。
悔しく思いましたが、お目当ての類の虫に出会えてまた気分が高揚。さらに歩を進めてしまう。
ところでこのエリアはアキアカネはなぜか見られず、このトンボが少数いるだけでした。
ノシメトンボ (トンボ科)
アキアカネやナツアカネと同じくアカネ類です。
赤く染まったアカネ類と同様に、この子が目立ち始めると秋だなぁと思います。
イチモンジセセリ (セセリチョウ科)
この子は逆にそろそろ閉店でしょう。
エゴツルクビオトシブミ (オトシブミ科)
と思いますが自信なし。捕まえてじっくり観察しようとしたら、ぽとりと落ちてしまいました。
スマホで再確認しても池には近づいていないようでしたので、あきらめて引き返すことに決定。
少し時間をロスしているので下りは足早になりました。
上り道では見られなかったチョウ。
ミドリヒョウモン (タテハチョウ科)
上り道で見られたガ。(同じ場所です)
キンモンガ (アゲハモドキガ科)
ペアだと思います。(イカリモンガはいなくなっていました)
オートバイのところまで戻りましたが、池がやっぱり気になったので、分岐を下ってみることに。
ところが少し進んでみるも池に続く気配はなく、登り返すのが大変になるので早々に踵を返しました。
この子を観察できたのでよしとします。
サカハチチョウ (タテハチョウ科)
ストローをしまい忘れている?
同上
サカハチたちはそろそろシーズンオフなので今年の見納めかもしれません。
そして、再度オートバイまで戻り装備を解いていると・・・コンチューターのアラートがピピーッ!
Iアラート(Insect Alert)と呼ぼうかな・・
さてその足元を横切ろうとする小さな黒っぽい物体。それはまさに地表性昆虫。
ゴミムシ類だとするとかなり大きくて、チラチラと金属光沢がします。
直観的に今まで見たことがない虫だという気がしました。
砂利道なので草や土の中へ逃げ込まれる可能性は低いと判断し、生態写真を撮ることに。
すると、逃げ場に困ったのか、なんとオートバイのタイヤの下へ潜りこんでしまいました。
踏みつぶさないように、ゆっくりオートバイを少しだけ後退させました。
近くで観察すると、ルイスオオゴミムシ(拙ブログには何度も登場)に似ていることがわかりました。
前胸が見る角度によって赤紫色または青緑色に光るという特徴はそれのもの。
でも、ルイスにしては大きすぎるという違和感がある。
あと、写真では分かりづらいですが、もうひとつこの子は特徴がありました。
それは鞘翅の外縁がわずかに青く光ってみえるということ。(これが直観として感じたことでした)
家にお連れしてあらためて同定した結果。
アオヘリアオゴミムシ (オサムシ科)
だと判断しました。
初観察です。
ということで、今回はこの虫をターゲットとして探しにきたわけではありませんでしたが、
散々歩いてもお目当ての虫が見つからなかったのにスタート地点に戻ってきたら見つけられた
という”探虫あるある”のエピソードでした。
オマケ
午前中で引き上げるつもりが、お昼もとっくに過ぎてしまいました。
お腹もすいたので、少し海岸線をツーリングしながらお店を探してみようと。
ここまで行って引き返しました。(ここが何というところか忘れました)
時々ハンドルをとられそうになるほど風が強くて気持ちいいツーリングとはいえませんでしたが、
小一時間ばかり何も考えずに、お店を探していたことも忘れて走っていました。
さらに、せっかくだからといつものクセで、もう一か所寄り道をしてしまいました。
はじめてこの地で探虫をした池へ。様子を見るだけと心に決めて。
しばしぼんやりと池を眺めていたら、またしてもIアラートが!
今度はまさに飛行物体です。しかも高速の。
水面にせり出すように咲いたヤブカラシの花にその飛行物体はとまりました。
池に落ちないように気を付けて藪の中へ歩を進め、まずは証拠写真。
アオバセセリ (セセリチョウ科)
しばらくつきまといましたが、これ以上は近寄れないし、近くの花へも来てくれませんでした。
そのうちとうとうどこかへ飛び去ってしまったのであきらめて帰ることに。
ところがオートバイにまたがろうとしたとき、なんと目の前の花に舞い戻ってきた。
同上
今まで数回しか逢ったことはありませんが、こんなに近くで観察したのははじめてでした。
寄り道して正解。
今日の湯加減
今週も上京しています。下書きはしていましたが、久しぶりに自宅からの投稿です。
また、今日はこれから久しぶりに昆虫館へ行き、先生にも会う予定。
ショウナイのオサムシも持っていきます。(詳しくは次記事で)
地味なのでハンミョウと比べると人目は引かないかもしれませんが、生き虫展示用として。
明日は採集会があるので参加してスタッフのみんなとも再会したいのですが、あいにくの台風・・
来週、インセクトフェアがあるのでそのときに会えることを楽しみに。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
Iアラート、ピピピ!これはいいですね^^
Jは勘弁です…(><)
そうそうアサギマダラは乙女高原でもなく、とある林道沿い。
でもここは中継地点らしくてタイミング合えば飽きるほど飛び回っています。
大集団に会えたのは数年前に続いて2回目でした^^
いつでもメールくださいませ♪
by よしころん (2017-09-16 21:40)
>キンモンガ
歌舞伎の衣裳みたいで、恰好いいですね!
蛾なんて名前やめちゃえばいいのに、と思います。
by アヨアン・イゴカー (2017-09-16 23:03)
Iアラート、自分もほんの偶に働いてビンゴ!と言うこともありました、
同じ界隈を歩くのは良くありますが、最近藪漕ぎが面倒になりました。
by g_g (2017-09-17 10:21)
>よしころんさん
Iアラートは鳴りっぱなしでもいいです^^
別途メールします!
>アヨアン・イゴカーさん
たしかに和装のイメージですね♪
蛾と蝶を区別する国は少数派なんですよね^^
>g_gさん
お花のIは何でしょうね?^^
夏の藪漕ぎはほんと大変ですね・・
by ぜふ (2017-09-17 23:18)
こんにちは^^
相変わらずいろんな虫や蝶を発見されますね。
オトシブミだけは細かい所はもちろんわかりませんが、「あ、オトシブミ」と分かります^^
アオバセセリって色が良いですね~ちょっと変わった青色と言ったらいいのか、本物をこの目で見てみたいです。
by mimimomo (2017-09-18 10:23)
キンモンガとルリに会いたい。
探してると居なくてツーリングの寄り道で見つけたりするあるあるですね。
by 響 (2017-09-20 20:33)
オニヤンマ、すごく大きくて、重量感が感じられます。
その重みで、草がしなっているよう。オニヤンマが飛んでいるところを
見かけると、「でかっ!」と思います^^;。
サカハチチョウ、裏からみた翅が、キレイです。
アオバセセリはイチモンジセセリ同様、目がカワイイです^^;。
by sakamono (2017-09-21 22:39)
>mimimomoさん
オトシブミの仲間は特徴がありますね。
アオバセセリの色はまさに独特です。こんな色のセセリはこの子だけ。
体も大きいのですが、飛翔力もすごくて特別なチョウチョですね♪
>響さん
キンモンガはどちらかというと涼しい地域にいる気がします。
寄り道でみつかると得した気分になりますねー^^
>sakamonoさん
オニヤンマの存在感は不動ですね^^
サカハチチョウは表も裏も美しいですよねー、つい撮影です。
セセリたちはみんな目がくりくり。アオバは体が大きい分さらに。
by ぜふ (2017-09-21 23:33)