"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
トンボクエスト Ⅱ [探虫行]
「勇者はトンボを探しに」のリベンジ編です。
8月20日、せっかく手に入れた大カマを手放し、再度丸腰で挑む果敢な(無謀な)勇者。
今度はモンスターだらけの裏ルートではなく、攻略本に載っている表ルートを目指します。
苦労はしませんでした。
表ルートは看板がちゃんと出ていて、すぐ分かるのです。
前回はもっと手前から山に向けてアプローチしてしまったのでした。
お目当てのトンボには会えなかったのですが、今度は「カメラ」という強力なアイテムがあります。
看板から15分ほど砂利道を登っていくと、大谷池という貯水池に着きます。
このときは1台先着の車がとまっていました。
池の様子。
これはまさにトンボ池だと思いながら歩を進めると、すぐ見つけたのが扉の写真の子。
いつ見てもカッコイイなと思う風情のトンボです。
さて、案内板をよく見て、前回訪れた湿地へのルートを再確認して、いざ出発。
前回、2週間前は数メートルおきに足元の下草の中から飛び出してきたのに、もう全く出てこない。
ともかく、表ルートはとても歩きやすい道でした。(もちろんカマはいらない)
それより何より、ルートの途中にはクヌギやコナラなどがあることがとてもいい感じでした。
と、コンチューターの針がいきなり振り切れました。
久しぶりに嗅ぐあの独特の樹液の芳香。
虫にとってもたまらないでしょうけど、虫屋にとってもたまらない香りです。
指標虫のこの子もいました。
のれんをくぐってみます。
大型の子はいませんでしたが、コクワガタやスジクワガタ、ハネカクシの仲間が多数来店中。
あ、大型の子もいました。
ブロマイドはこちら。
ほどなくラスボスのいるはずのダンジョン(湿地)にたどり着いたのですが・・
今回も丹念に探しましたが、ちっちゃいボスは見つかりません。
また来年のようでした。
でもダンジョン迷路(木道)には面白い虫たちがたくさんいました。
おしりがはまって抜けないの?
助けてあげようと手を伸ばしたら、ぴょーんと勢いよく飛び上がりました。
なんだったのでしょう。
この子は日焼けサロンに通いすぎたのか・・仮面ライダーブラックの元の姿か・・
あるいは訳アリのフキバッタなのかもしれません。(オマケコーナーで補足します)
この子も黒いですが生まれつき。
もうひとつの湿地にも行きましたが、会えたトンボはこの子だけでした。
前回とは反対廻りで辿って、このあと展望台へ。
ベンチで休憩していたら、パトロールしにきたトンボがいました。
飛んでいるところは簡単には撮れないのですが、この方は長時間ホバリング。
さて、ボスがいないならもう用はありません。 さっさと撤退するのみです。
が、来た道を戻るのも芸がないので、別ルートを辿ることにしました。(裏ルートではありません)
暗い林の中のルートだったので、これは失敗だったかなと思っていると・・
大きなバッタが飛ぶのを見つけました。
そして、思いがけない虫に出会いました。
数メートル手前からそれと分かり、心の中で「ああ」と嘆息しました。
この姿、この色、こんな暗い森の中でどうしてこんなに目立つ必要があるのか。
インタビューしたいことはたくさんありますが、とりあえず記念撮影。
チバから連れてこられなかった子の代わりにお連れしました。
またこのあとさらに。 コンチューターがセンチコガネモードに切り替わっていたのでしょう。
ここ掘れわんわんアラートが鳴ったので、掘ってみると・・
センチコガネの小判がざっくざくでした。
途中、散策路の案内表示板がゆがんでいて、間違ったルートを辿ってしまいましたが、おかげで見晴らしのいいところに出ました。
曇っていて不鮮明ですが、中央のくぼんで見えるところは漁港でその向こう側は日本海です。
これは方向が違うと判断して来た道を戻り、表示板のところから正しい道へ。
スタート地点の池までたどり着きました。
池の畔を少し探虫していると、岸辺に何かが舞い降りてきました。
水際まで前進していたので水を飲みに来たのかもしれませんが、カメラに気付いて舞い上がりました。
そこから池を半周する間はトンボの群れの中をかき分けて進みました。
アキアカネなどと似ていますが、顔に特徴があります。 いわゆる”麿眉”。
この子はすっかり秋色に染まっていますが、同じトンボだと思います。
マユタテアカネのもうひとつの特徴、尾端の突起が反りあがっています。
ということで、お目当てのハッチョウトンボはやはり時期を過ぎてしまったのでしょう。
それでも美しいオオセンチに出会えて満足して帰途につきました。
本編にはあえて掲載しませんでしたが、湿原のあちこちでこんな虫が観察できました。
本編にも登場したフキバッタですが、褐色になって死んでいます。
これは糸状菌という菌に侵されてしまった個体です。
これに侵されると、菌糸(胞子)を拡散させるように、みな高いところへ誘導されるのです。
カタツムリに寄生するロイコクロリディウムと似た戦略ですが、よじ登ったバッタが鳥に捕食されやすくなるのか、もし仮にそうだとしてその後のライフサイクルがどうなるのかは不明です。
今日の湯加減
8月20日、せっかく手に入れた大カマを手放し、再度丸腰で挑む果敢な(無謀な)勇者。
今度はモンスターだらけの裏ルートではなく、攻略本に載っている表ルートを目指します。
苦労はしませんでした。
表ルートは看板がちゃんと出ていて、すぐ分かるのです。
前回はもっと手前から山に向けてアプローチしてしまったのでした。
アオイトトンボ ♂ (アオイトトンボ科)
お目当てのトンボには会えなかったのですが、今度は「カメラ」という強力なアイテムがあります。
看板から15分ほど砂利道を登っていくと、大谷池という貯水池に着きます。
このときは1台先着の車がとまっていました。
池の様子。
これはまさにトンボ池だと思いながら歩を進めると、すぐ見つけたのが扉の写真の子。
いつ見てもカッコイイなと思う風情のトンボです。
アオイトトンボ (アオイトトンボ科)
さて、案内板をよく見て、前回訪れた湿地へのルートを再確認して、いざ出発。
前回、2週間前は数メートルおきに足元の下草の中から飛び出してきたのに、もう全く出てこない。
ヒグラシ (セミ科)
ともかく、表ルートはとても歩きやすい道でした。(もちろんカマはいらない)
それより何より、ルートの途中にはクヌギやコナラなどがあることがとてもいい感じでした。
と、コンチューターの針がいきなり振り切れました。
久しぶりに嗅ぐあの独特の樹液の芳香。
虫にとってもたまらないでしょうけど、虫屋にとってもたまらない香りです。
指標虫のこの子もいました。
ヤマキマダラヒカゲ (タテハチョウ科)
のれんをくぐってみます。
昆虫酒場 クヌギ亭
大型の子はいませんでしたが、コクワガタやスジクワガタ、ハネカクシの仲間が多数来店中。
あ、大型の子もいました。
オオゾウムシ ペア (ゾウムシ科)
ブロマイドはこちら。
同上
ほどなくラスボスのいるはずのダンジョン(湿地)にたどり着いたのですが・・
今回も丹念に探しましたが、ちっちゃいボスは見つかりません。
また来年のようでした。
でもダンジョン迷路(木道)には面白い虫たちがたくさんいました。
おしりがはまって抜けないの?
フキバッタ (バッタ科)
助けてあげようと手を伸ばしたら、ぴょーんと勢いよく飛び上がりました。
なんだったのでしょう。
この子は日焼けサロンに通いすぎたのか・・仮面ライダーブラックの元の姿か・・
ヒナバッタの仲間 (バッタ科)
あるいは訳アリのフキバッタなのかもしれません。(オマケコーナーで補足します)
この子も黒いですが生まれつき。
ヒメギス ♂ (キリギリス科)
もうひとつの湿地にも行きましたが、会えたトンボはこの子だけでした。
ノシメトンボ (トンボ科)
前回とは反対廻りで辿って、このあと展望台へ。
ベンチで休憩していたら、パトロールしにきたトンボがいました。
飛んでいるところは簡単には撮れないのですが、この方は長時間ホバリング。
オニヤンマ (オニヤンマ科)
さて、ボスがいないならもう用はありません。 さっさと撤退するのみです。
が、来た道を戻るのも芸がないので、別ルートを辿ることにしました。(裏ルートではありません)
暗い林の中のルートだったので、これは失敗だったかなと思っていると・・
大きなバッタが飛ぶのを見つけました。
クダマキモドキの仲間 (ツユムシ科)
そして、思いがけない虫に出会いました。
数メートル手前からそれと分かり、心の中で「ああ」と嘆息しました。
この姿、この色、こんな暗い森の中でどうしてこんなに目立つ必要があるのか。
インタビューしたいことはたくさんありますが、とりあえず記念撮影。
オオセンチコガネ (コガネムシ科)
チバから連れてこられなかった子の代わりにお連れしました。
またこのあとさらに。 コンチューターがセンチコガネモードに切り替わっていたのでしょう。
ここ掘れわんわんアラートが鳴ったので、掘ってみると・・
センチコガネの小判がざっくざくでした。
途中、散策路の案内表示板がゆがんでいて、間違ったルートを辿ってしまいましたが、おかげで見晴らしのいいところに出ました。
曇っていて不鮮明ですが、中央のくぼんで見えるところは漁港でその向こう側は日本海です。
これは方向が違うと判断して来た道を戻り、表示板のところから正しい道へ。
スタート地点の池までたどり着きました。
カナヘビ
池の畔を少し探虫していると、岸辺に何かが舞い降りてきました。
ハンミョウ (オサムシ科)
水際まで前進していたので水を飲みに来たのかもしれませんが、カメラに気付いて舞い上がりました。
そこから池を半周する間はトンボの群れの中をかき分けて進みました。
マユタテアカネ (トンボ科)
アキアカネなどと似ていますが、顔に特徴があります。 いわゆる”麿眉”。
同上
この子はすっかり秋色に染まっていますが、同じトンボだと思います。
同上
マユタテアカネのもうひとつの特徴、尾端の突起が反りあがっています。
ということで、お目当てのハッチョウトンボはやはり時期を過ぎてしまったのでしょう。
それでも美しいオオセンチに出会えて満足して帰途につきました。
オマケ
本編にはあえて掲載しませんでしたが、湿原のあちこちでこんな虫が観察できました。
本編にも登場したフキバッタですが、褐色になって死んでいます。
これは糸状菌という菌に侵されてしまった個体です。
これに侵されると、菌糸(胞子)を拡散させるように、みな高いところへ誘導されるのです。
カタツムリに寄生するロイコクロリディウムと似た戦略ですが、よじ登ったバッタが鳥に捕食されやすくなるのか、もし仮にそうだとしてその後のライフサイクルがどうなるのかは不明です。
今日の湯加減
今週は久しぶりに上京し、週明けに戻ってくるので、予約投稿の記事を書いています。
ところで上京するとなると困ることがあります。
こちらで飼育中の昆虫も増えてきたので(チバから連れてきた子も含めて)思案が必要なのです。
幸いもう涼しくなったので室温は大丈夫だと思いますが、問題は湿度とエサです。
1週間くらいほったらかしでも何とか耐えられる子ばかりですが(そもそもそういう子しか飼わない)
この記事で紹介したセンちゃんが心配。携帯して行こうかと一瞬考えましたが前回失敗したので却下。
4、5日間なんとか耐えてくれるよう、出発前にできる限り世話をしておくことにします。
では行ってきます。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
アオイトトンボ、メタリックで綺麗♪
昆虫酒場の賑わい!ソウムシは恐竜のよう。
そして高いところに誘導され化石のような姿で息絶えたフキバッタ…
糸状菌か…ちょっと侵されてみたい…かも。
by よしころん (2017-09-10 06:52)
アオイトトンボとハンミョウはいい色してますね。
糸状菌、ムシさんもいろいろあるんですね・・・
by g_g (2017-09-10 07:50)
ムシムシいっぱいでクエストクリアですね。
発酵した樹液の香りはたしかに期待します。
こんなにいっぱいいる樹はなかなか無いです。
by 響 (2017-09-10 17:24)
コンチューター、ビッビー!
秋色に染まったトンボ、いいな、
真正面からのトンボのお顔、貫録
オオセンチコガネに、聴きたいこともいっぱいあるから、
一緒に帰宅ですね、、、お仲間が増えていきますね
by engrid (2017-09-10 22:31)
>よしころんさん
アオイトトンボ類はチバでもお馴染みでお気に入りでした♪
なんと糸状菌に侵されてみたい??・・もう侵されていませんか?^^
>g_gさん
ハンミョウは端境期のはずなので遭えるとは思っていませんでした。
バッタだけが侵されるというのもふしぎです。
>響さん
昆虫酒場はもっと混雑していると思いました。
意外とすいていてがっくり^^;
>engridさん
今頃はもうみんなお化粧おわっているでしょうね。
(お化粧するのはオスですが^^)
センちゃんたちは元気です。
インタビューはなかなかままなりませんが^^;
by ぜふ (2017-09-11 20:24)
アサギマダラ、残念ながら月山じゃなくてヤマナシでした^^;
by よしころん (2017-09-13 09:30)
>よしころんさん
ひょっとして、乙女高原?
どちらにしても来年会いに行きたいです!^^
by ぜふ (2017-09-13 23:48)
昆虫酒場って、いいですね。食堂でもカフェでもなく、酒場なんですね^^;。
オオセンチコガネは、美しいなぁ。
by sakamono (2017-09-14 21:55)
>sakamonoさん
匂いに誘われますからね^^
オオセンチは近々フィーチャーしようと思っています♪
by ぜふ (2017-09-15 00:21)
こんにちは^^
沢山の昆虫に出会えますね~ 人間と同じように病原菌で死ぬ子もいるのですね。
今日珍しくうちの庭でアオスジアゲハを見ました。
by mimimomo (2017-09-15 14:54)
>mimimomoさん
アオスジアゲハはむしろ都会に多くみられるようになりましたね^^
by ぜふ (2017-09-16 10:05)
>オオゾウムシ
形が、半端なくダイナミック。
by アヨアン・イゴカー (2017-09-16 23:05)