"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ブナ林を探した夏 [探虫行]
8月13日・・もう遠い過去のようですが、この夏の記録として。
前記事のとおり、前々日に湯殿山に行ったばかりなのに、またそのエリアへ行きました。
クワガタやカブトムシなど、大型の甲虫類に逢いたくて、ブナ林をGoogleMapで調べてみたのです。
まあ、”ブナ林”ではヒットするはずもないと思ったのですが、観光ガイドのHPに二か所ありました。
そのひとつ、大鳥池も考えたのですが、かなり山深くて地図ではアプローチの仕方がよくわからず。
なので、もうひとつの選択肢にしたというのが場所選びの(単純な)理由でした。
月山湖から湯殿山スキー場を目指して駆け上がり、その先の中台池へ。
1時間足らずでこんなところに着けてしまうことに朝から感動してしまいます。
やや曇っていたのが残念ですが、山の空気はすがすがしい。
道路はここまでで、さっそくブナの林道へ突入します。
林道というよりもこれも月山八合目に向けての登山道だと思います。
その入口でヒョウモンチョウたちが出迎えてくれたのですが、撮ろうとしたら飛び散ってしまいました。
(実は扉の写真は帰り際に撮影したものなのです)
同じ花にいて、撮らせてくれた子もいました。
イチモンジチョウと思って撮っていましたが、プレビューしてみてわかりました。
突入して間もなく、足元でカサカサカサという足音。
カナヘビかなと思ったら、イモリたちでした。
カメラを出している間にみんな藪の中へ消え去りました。(池の方へ一目散)
クイズではありませんが証拠写真。
とにかく大勢いたのはアキアカネたち。
道中1メートルもおかずにいて、他の昆虫を探すのにはかなりのノイズとなりました。
でも中にはほんのり秋色になりつつある子がいて、ついついじっと観察。
小さな沢と交差するところの水たまりは、まさにアメンボやトンボの溜まり場でした。
30分ほど登ったでしょうか、足元の草陰に何やら虫の気配。
アキアカネほどではありませんが、ときどき地面を駆け回るマガタマハンミョウもノイズでした。
(チバでは見られない虫なのにもう雑魚扱い)
またかと思いましたが、ハンミョウではなくオサムシの形。
ハンミョウに負けない速さで走り去ろうとする後ろ姿は初見の虫だとピンときました。
が、立ち止まってくれたので生態写真をとカメラを取り出そうとして一瞬目を離したら消えました。
登山道の真ん中で逃げ込めるのは小さな切り株とその周りのコケや落ち葉の中しかない。
まだ遠くには行っていないはず、と逃走犯の行方を追いましたが、結局見つからず。
おそらく、木の根の穴の中に入ってしまったのだと思います。
まさに逃がした魚は大きいという気持ちでしたが、ふと前方の地面に別の昆虫を発見。
体長約12ミリ。この子も初見でした。
その後、観察する・・というよりも顔にぶつかりそうなのはアキアカネばかり。
やっと目の高さの葉の上に見覚えのある姿形の子。
前々日にオスを観察したので、ちょうどペアになりました。(採集はしていません)
お仕事をはじめてくれれば観察するところですが、こちらに気が付き飛んで行ってしまいました。
さらに1時間ほど登りました。
月山までの道のりはまだ半ばくらいですが戻ることを考えるとそろそろ限界。
折り返したところはこんな様子でした。(ずっとこんな様子でしたが)
谷側の藪の中に何かが飛んで入っていくのを認め、かきわけて覗いてみると・・
コウスバカゲロウかもしれませんが、顔のアップは撮らせてくれませんでした。
さあ、戻りましょう。
下りは探虫もそこそこに、すたこらと足を運びたいところですが、そうはいきませんでした。
まるで用水路のような小流が登山道に沿っている割合が高く、そうでなくてもぬかるんでいる場所も。
倒木を何本も地表に並べて、歩きやすいようにしている場所もいくつかありました。
かなり下ってきたところで、またもや初見の子。
胸の模様が弱い覆面レスラーのようなのが特徴です。(黒オバQとも・・いわない)
さらに10分ほど下ったとき。
背後から2頭のチョウチョが追い抜いていきました。
どうやらオスがメスを追いかけているようです。
ちょうど少し開けた場所だったこともあり、そのエリアでしばらく求愛飛翔は続いています。
ならばたまには採集をしようと思い立ち、捕虫網を組み立てていざ。
と、決してあわてたわけではありませんが、疲れで足の踏ん張りがきかなかったのだと思います。
みごとに足を滑らせ、岩にヒップドロップをくらわせてしまいました。
尾骨にヒビが入ったかと思いましたが、岩より固かったようです。
一網打尽にすることができました。(何度か空振りしたことは秘密です)
名前のとおり、黒っぽいのがメス、オレンジ色のがオスです。
もう間もなく登山口というところで、こんなキノコを見つけました。
間もなく登山口にたどり着きました。
扉の写真の木にはヒョウモンチョウたちとこの子が。
体色が茶色なのですが、翅が透けているのでオオスカシバでいいのかなと。
こちらははっきり分かります。
そしていよいよ出発というときまで、この子は近寄ってきてくれました。
ノイズという呼び方は取り消します。
山道を下りる途中に見えた、スキー場のゲレンデ。
というわけで、湯殿山から月山経由で中台池というルートは一日で踏破できるかもしれません。
でも、スタートかゴール地点での送迎が必要ですね。
この日はまだ夏風邪をひく前で、滑って転んでも元気いっぱいでした。
なので帰り道にもう一か所様子を見に行くことにしました。
そこもスキー場の奥のエリア。
その辺りにはブナ林ではなくてもクヌギなどのブナ科の雑木林があるのではと思ったのです。
睨んだとおり、中山間部に田んぼがあり、その近辺にブナ科の木々も少しだけですがありました。
樹液指標虫のこんなチョウチョもいました。
この子はやたらにいる。
しかし、甲虫類が何もいない。
面白い用水路はありました。
そう、実はカブ・クワを見つけたかったのです。
クヌギ林を探して延々と林道を辿っていきました。
目ぼしい林があるとオートバイを下りて、洞チェック、樹液チェック、あるいはキック。
見つけたのはこの子たちくらい。
とうとう一山ぐるりと一周してしまいました。
こんな開けた高原が現れてびっくり。
唐沢山の西麓です。
そして山を下りきったところは・・月山湖(湯殿山スキー場の登り口近く)でした。
まさかまた戻ってくることになるとは・・ならば月山湖も見学してしまえ。
なんとか自然公園があるというので、ダム湖に沿って5キロほど奥に行ってみましたが・・
何もありませんでした。
川の景色はなかなかでしたが・・
この後、国道に戻るまでの間に、ゲリラ通り雨にやられ、逃げ場がなくてずぶ濡れに。
まあ、それが夏風邪のスイッチを押すことになったのだと思います。
今日の湯加減
前記事のとおり、前々日に湯殿山に行ったばかりなのに、またそのエリアへ行きました。
クワガタやカブトムシなど、大型の甲虫類に逢いたくて、ブナ林をGoogleMapで調べてみたのです。
まあ、”ブナ林”ではヒットするはずもないと思ったのですが、観光ガイドのHPに二か所ありました。
そのひとつ、大鳥池も考えたのですが、かなり山深くて地図ではアプローチの仕方がよくわからず。
なので、もうひとつの選択肢にしたというのが場所選びの(単純な)理由でした。
月山湖から湯殿山スキー場を目指して駆け上がり、その先の中台池へ。
1時間足らずでこんなところに着けてしまうことに朝から感動してしまいます。
やや曇っていたのが残念ですが、山の空気はすがすがしい。
道路はここまでで、さっそくブナの林道へ突入します。
林道というよりもこれも月山八合目に向けての登山道だと思います。
その入口でヒョウモンチョウたちが出迎えてくれたのですが、撮ろうとしたら飛び散ってしまいました。
(実は扉の写真は帰り際に撮影したものなのです)
同じ花にいて、撮らせてくれた子もいました。
アサマイチモンジ (タテハチョウ科)
イチモンジチョウと思って撮っていましたが、プレビューしてみてわかりました。
突入して間もなく、足元でカサカサカサという足音。
カナヘビかなと思ったら、イモリたちでした。
カメラを出している間にみんな藪の中へ消え去りました。(池の方へ一目散)
クイズではありませんが証拠写真。
アカハライモリ
とにかく大勢いたのはアキアカネたち。
道中1メートルもおかずにいて、他の昆虫を探すのにはかなりのノイズとなりました。
でも中にはほんのり秋色になりつつある子がいて、ついついじっと観察。
アキアカネ (トンボ科)
小さな沢と交差するところの水たまりは、まさにアメンボやトンボの溜まり場でした。
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
ニホンカワトンボ ♀ (カワトンボ科)
30分ほど登ったでしょうか、足元の草陰に何やら虫の気配。
アキアカネほどではありませんが、ときどき地面を駆け回るマガタマハンミョウもノイズでした。
(チバでは見られない虫なのにもう雑魚扱い)
マガタマハンミョウ (オサムシ科)
またかと思いましたが、ハンミョウではなくオサムシの形。
ハンミョウに負けない速さで走り去ろうとする後ろ姿は初見の虫だとピンときました。
が、立ち止まってくれたので生態写真をとカメラを取り出そうとして一瞬目を離したら消えました。
登山道の真ん中で逃げ込めるのは小さな切り株とその周りのコケや落ち葉の中しかない。
まだ遠くには行っていないはず、と逃走犯の行方を追いましたが、結局見つからず。
おそらく、木の根の穴の中に入ってしまったのだと思います。
まさに逃がした魚は大きいという気持ちでしたが、ふと前方の地面に別の昆虫を発見。
ヒメヒゲナガカミキリ (カミキリムシ科)
体長約12ミリ。この子も初見でした。
同上
その後、観察する・・というよりも顔にぶつかりそうなのはアキアカネばかり。
やっと目の高さの葉の上に見覚えのある姿形の子。
オトシブミ ♀ (オトシブミ科)
前々日にオスを観察したので、ちょうどペアになりました。(採集はしていません)
お仕事をはじめてくれれば観察するところですが、こちらに気が付き飛んで行ってしまいました。
さらに1時間ほど登りました。
月山までの道のりはまだ半ばくらいですが戻ることを考えるとそろそろ限界。
折り返したところはこんな様子でした。(ずっとこんな様子でしたが)
谷側の藪の中に何かが飛んで入っていくのを認め、かきわけて覗いてみると・・
ウスバカゲロウ (ウスバカゲロウ科)
コウスバカゲロウかもしれませんが、顔のアップは撮らせてくれませんでした。
さあ、戻りましょう。
下りは探虫もそこそこに、すたこらと足を運びたいところですが、そうはいきませんでした。
まるで用水路のような小流が登山道に沿っている割合が高く、そうでなくてもぬかるんでいる場所も。
倒木を何本も地表に並べて、歩きやすいようにしている場所もいくつかありました。
かなり下ってきたところで、またもや初見の子。
ヒメクロサナエ ♂ (サナエトンボ科)
胸の模様が弱い覆面レスラーのようなのが特徴です。(黒オバQとも・・いわない)
同上
さらに10分ほど下ったとき。
背後から2頭のチョウチョが追い抜いていきました。
どうやらオスがメスを追いかけているようです。
ちょうど少し開けた場所だったこともあり、そのエリアでしばらく求愛飛翔は続いています。
ならばたまには採集をしようと思い立ち、捕虫網を組み立てていざ。
と、決してあわてたわけではありませんが、疲れで足の踏ん張りがきかなかったのだと思います。
みごとに足を滑らせ、岩にヒップドロップをくらわせてしまいました。
尾骨にヒビが入ったかと思いましたが、岩より固かったようです。
一網打尽にすることができました。(何度か空振りしたことは秘密です)
メスグロヒョウモン ペア (タテハチョウ科)
名前のとおり、黒っぽいのがメス、オレンジ色のがオスです。
もう間もなく登山口というところで、こんなキノコを見つけました。
タマゴタケ
間もなく登山口にたどり着きました。
扉の写真の木にはヒョウモンチョウたちとこの子が。
オオスカシバ (スズメガ科)
体色が茶色なのですが、翅が透けているのでオオスカシバでいいのかなと。
こちらははっきり分かります。
サカハチチョウ (タテハチョウ科)
そしていよいよ出発というときまで、この子は近寄ってきてくれました。
ノイズという呼び方は取り消します。
山道を下りる途中に見えた、スキー場のゲレンデ。
というわけで、湯殿山から月山経由で中台池というルートは一日で踏破できるかもしれません。
でも、スタートかゴール地点での送迎が必要ですね。
オマケ
この日はまだ夏風邪をひく前で、滑って転んでも元気いっぱいでした。
なので帰り道にもう一か所様子を見に行くことにしました。
そこもスキー場の奥のエリア。
その辺りにはブナ林ではなくてもクヌギなどのブナ科の雑木林があるのではと思ったのです。
睨んだとおり、中山間部に田んぼがあり、その近辺にブナ科の木々も少しだけですがありました。
樹液指標虫のこんなチョウチョもいました。
サトキマダラヒカゲ (タテハチョウ科)
この子はやたらにいる。
キンモンガ (アゲハモドキガ科)
しかし、甲虫類が何もいない。
面白い用水路はありました。
そう、実はカブ・クワを見つけたかったのです。
クヌギ林を探して延々と林道を辿っていきました。
目ぼしい林があるとオートバイを下りて、洞チェック、樹液チェック、あるいはキック。
見つけたのはこの子たちくらい。
未同定 (ゴミムシの仲間)
ウスバカミキリ (カミキリムシ科)
とうとう一山ぐるりと一周してしまいました。
こんな開けた高原が現れてびっくり。
唐沢山の西麓です。
そして山を下りきったところは・・月山湖(湯殿山スキー場の登り口近く)でした。
まさかまた戻ってくることになるとは・・ならば月山湖も見学してしまえ。
なんとか自然公園があるというので、ダム湖に沿って5キロほど奥に行ってみましたが・・
何もありませんでした。
川の景色はなかなかでしたが・・
この後、国道に戻るまでの間に、ゲリラ通り雨にやられ、逃げ場がなくてずぶ濡れに。
まあ、それが夏風邪のスイッチを押すことになったのだと思います。
今日の湯加減
夏風邪がやっと治ったと思ったら、別の災難に遭いました。
幸いそれももうよくなりました。
尾てい骨関係ではありません。(その後しばらくふとしたときに痛みましたが)
ショウナイも急に涼しくなり、風は秋色になりました。
夏が終わるというのは、虫屋にとって何ともさびしい気分になるのですが、
それを予告してくれるツクツクボウシがショウナイでは鳴かないのにはたと気が付きました。
突然秋になるのはショックが大きい。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんなに沢山の虫に出会えて楽しそう。
まぁ、お尻の痛みはドンマイでございまが。
by 響 (2017-09-04 07:31)
新しい土地でいろいろ開拓され未知の楽しさがあるようですね。
千葉と違って冬が早く訪れそして遅い春が、これから戸惑いも
出てくるでしょうが昆虫の奥深さをこれからも伝えて下さい。
by g_g (2017-09-04 08:16)
キノコ これぜったい
おなか壊すよね???ね???
by ねこじたん (2017-09-05 08:13)
>響さん
もっとたくさんいると思っていたのですが・・
実は2回転びました^^;
>g_gさん
すべてが未知といっていいですね。
ニイガタに住んでいたこともあるのでこれからは想定できます^^
>ねこじたんさん
おいしいらしいですよ♪
食べたことありませんが^^
これからしばらくオフラインになります。また来週~
by ぜふ (2017-09-05 08:40)
アキアカネを筆頭に、、とんぼがまい
ウスバカゲロウと、、
蝶も、、出会いがたくさん
新天地探索、わくわくと。。
尾骨、痛かったでしょうね、、経験ありです
by engrid (2017-09-06 01:05)
お尻、岩より硬くてなにより(笑)
タマゴタケ、昨年意を決して食しましたが意外にいけます!
バター焼にするとおいしかったです。
とてももろくて崩れやすいので持ち運び注意です。
by よしころん (2017-09-06 11:01)
弱い覆面レスラー、黒オバQ...なるほど、分かります^^;。
タマゴタケ、フルーツのようにキレイで美味しそうですね。
by sakamono (2017-09-07 22:35)
>engridさん
久しぶりに大群のアカネたちに会えました。
おしりは横に割れたかと思いました^^;
>よしころんさん
岩にひびが入っていたかもしれません^^
バター焼き、その場でできるといいですね♪
>sakamonoさん
サナエトンボのシルエットはカッコイイですね!
タマゴタケはいつか試食しようと思います。
by ぜふ (2017-09-09 08:13)