"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
虫神様の化身 [甲虫]
前記事でアゲハ神社へ向かう途中、梢上のゼフを1時間見上げた場所は山道の分岐点でした。
案内板などはなく、どこへ続くのか不明でしたが、急登の参道ではない別のルートを辿ってみました。
参道は灌木のトンネルでもあり、直接陽射しが降り注ぐ場所は限られていたのですが、
そのルートは南斜面で道幅もやや広いので明るく、参道よりも乾いていました。
コンチューターの感度を最大にし、左右の葉の上を確認しながら登っていきましたが何も見つかりません。
やっと地面に舞い降りたオオミドリシジミを見つけ、例によってにじり寄り撮影しようとしていると、
背後からクマ鈴をチリンチリンと鳴らしながら登ってくる人の気配がしました。
このままではチョウが人の気配に気付き、撮影は失敗するだろうと判断し、捕獲することに。
ちょうどネットインしたところにたどり着いた登山者は女性のお年寄りでした。
おばあさんは網を見るなり、
「虫採りかぁ」
「はい」
「ここはあんまり虫いねぇと思うよぉ」
「そうですか」
と応えつつも、内心では「十分多いと思うのにこれでも少ないとは・・」とつぶやいていました。
「ところでこの道はどこに続くのでしょうか?」
「本殿につくよ。これは作業用に作った道だ」
なるほど、だから参道ほど急ではなく幅も広いのかと納得。
お礼を言ったあと、ダブルストックをついてゆっくり登っていく背中を見送りましたが、ふと思案。
このまま後を付いていくと、おばあさんが露払いになり、虫がいたとしても散ってしまいます。
なので、少し時間差を作ることにしました。
捕まえたゼフを三角紙に入れ、水分補給をしつつ小休止。
そろそろいいかなと立ち上がり、数歩進んだところで左手のクリの若木がふと気になりました。
何かいないかと葉っぱを丹念に・・と思うそばから特徴的なシルエットを見つけました。
虫ブロにはもう何度も登場しているとおり、この子もゼフの季節の虫です。
その同じ木に何匹かいた何かの幼虫。
ハムシの仲間の幼虫ではないかと思いますが・・分かりにくいですが食痕が面白い。
彼らを撮影し終わり、さああらためて出発だと足を進めようとしたとき、足元から昆虫ビームが。
こちらをにらみつける視線のレーザービームでした。
それは思いもかけていなかった甲虫。
前半身を持ち上げて、彼女はこれでも威嚇しているのですが、こちらの顔はゆるむばかり。
手に取るまではノコギリクワガタだと早合点していましたが、ひっくり返してみてびっくりでした。
小休止していなければ出会わなかったと思います。つまり、おばあちゃんのおかげとも言えます。
ひょっとして虫神様の化身だったのか・・
とにかくミヤマのメスを拾えたのはとても幸運でした。
さて、ちょっと時間を巻き戻しますが、滝周辺や参道などでいくつもふわふわと浮かんでいた虫。
13~14ミリ。ゲンジボタルやヘイケボタルに似ていますがこちらは日中活発に飛びます。
この子は一匹だけ観察できました。オオオバボタルより一回り小さい。
これはホタルの仲間ではありませんが、ベニボタルの仲間の同定は写真だけではむずかしい。
それとまたこの子も観察。
何匹か観察できたので、この地域にはおそらく多数分布しているのでしょう。
この虫は数年前の八王子の長池公園を思い出させてくれます。
カメノコハムシの幼虫の同定の仕方は何かありそうですが勉強不足。
長池公園の記事でも書いたと思いますが、この子たちは自分の脱皮ガラを日傘のようにさしています。
横から見るとよく分かりますね。
ほんとに日除けなのか、カモフラージュなのかは不明。
カミキリムシは想定外にあまり見つからず。
リンゴカミキリを撮り逃がしたのは残念でしたが、この子たちはいくらでも撮れました。
5ミリに満たないゾウムシやオトシブミは何種類か観察しましたが、撮影不可能なちびっ子ばかり。
この子たちもちびっ子(3~4ミリ)ですが、2匹いたのでがんばって撮りました。
ペアなのかもしれませんが、だとすると夫婦げんかして冷戦中?
小さいけれどよく見ると美麗種なんですよね。
頂上も間近になると道が平坦になりました。
その道の真ん中に、おそらく舞い降りたばかりと思われる、黒くて丸いのがいました。
記念すべきショウナイではじめて見る糞虫です。
今にもまた翅を開きそうで、飛び立たれるかもしれませんが、近くまで寄って撮りました。
すると(やはり探虫は足を止めてするべきだとつくづく思いましたが)すく傍に別の甲虫が。
落ち葉に半ば隠れていたので、葉の上に移動してもらいましたが、死んだふりをされました。
初見の虫だったのでお連れしました。8ミリ。
このあとアゲハ神社を参拝し、アゲハたちのバトルをしばらく楽しみ、下りは参道を辿りました。
登山口まで下り切り、神殿の軒の下、登山口を真正面に見られる場所に腰を下ろして昼食休憩。
またゼフが登山口から飛び出してこないかなぁと甘い期待を持つほど神秘的な山だと思いながら、
地面を歩いてるアリを眺めていると、そのアリを狙っているハンターを発見しました。
この山にたくさんいるマガタマちゃんかなと思いましたが、少し大きい。
獲物を探索するため、こうして前脚を限界まで立てて、目線を高くするのです。
そんなハンミョウの姿に触発されたというわけではないのですが、休憩後もう一度作業路に突入。
ミヤマに出会った場所まで戻りつつ、未練たらしくクワガタのいそうな木を探しましたが不発でした。
・・出会った場所を覚えていたわけではありません。
でもどうしてさっき見つけた場所だということが確信できたかというと・・
実はゴマダラオトシブミがいたクリの木の枝には、なぜか鈴がぶら下がっていたのです。
・・やはり化身だったかもしれません。
久しぶりに写真クイズ。
参道を下る途中に見つけた子。
どこにいるか3秒以内でわかった方は生き物観察眼があると思います。
答えはタグの中に。
今日の湯加減
案内板などはなく、どこへ続くのか不明でしたが、急登の参道ではない別のルートを辿ってみました。
参道は灌木のトンネルでもあり、直接陽射しが降り注ぐ場所は限られていたのですが、
そのルートは南斜面で道幅もやや広いので明るく、参道よりも乾いていました。
コンチューターの感度を最大にし、左右の葉の上を確認しながら登っていきましたが何も見つかりません。
やっと地面に舞い降りたオオミドリシジミを見つけ、例によってにじり寄り撮影しようとしていると、
背後からクマ鈴をチリンチリンと鳴らしながら登ってくる人の気配がしました。
このままではチョウが人の気配に気付き、撮影は失敗するだろうと判断し、捕獲することに。
ちょうどネットインしたところにたどり着いた登山者は女性のお年寄りでした。
おばあさんは網を見るなり、
「虫採りかぁ」
「はい」
「ここはあんまり虫いねぇと思うよぉ」
「そうですか」
と応えつつも、内心では「十分多いと思うのにこれでも少ないとは・・」とつぶやいていました。
「ところでこの道はどこに続くのでしょうか?」
「本殿につくよ。これは作業用に作った道だ」
なるほど、だから参道ほど急ではなく幅も広いのかと納得。
お礼を言ったあと、ダブルストックをついてゆっくり登っていく背中を見送りましたが、ふと思案。
このまま後を付いていくと、おばあさんが露払いになり、虫がいたとしても散ってしまいます。
なので、少し時間差を作ることにしました。
捕まえたゼフを三角紙に入れ、水分補給をしつつ小休止。
そろそろいいかなと立ち上がり、数歩進んだところで左手のクリの若木がふと気になりました。
何かいないかと葉っぱを丹念に・・と思うそばから特徴的なシルエットを見つけました。
ゴマダラオトシブミ (オトシブミ科)
虫ブロにはもう何度も登場しているとおり、この子もゼフの季節の虫です。
その同じ木に何匹かいた何かの幼虫。
未同定
ハムシの仲間の幼虫ではないかと思いますが・・分かりにくいですが食痕が面白い。
彼らを撮影し終わり、さああらためて出発だと足を進めようとしたとき、足元から昆虫ビームが。
こちらをにらみつける視線のレーザービームでした。
それは思いもかけていなかった甲虫。
ミヤマクワガタ ♀ (クワガタムシ科)
前半身を持ち上げて、彼女はこれでも威嚇しているのですが、こちらの顔はゆるむばかり。
手に取るまではノコギリクワガタだと早合点していましたが、ひっくり返してみてびっくりでした。
小休止していなければ出会わなかったと思います。つまり、おばあちゃんのおかげとも言えます。
ひょっとして虫神様の化身だったのか・・
とにかくミヤマのメスを拾えたのはとても幸運でした。
さて、ちょっと時間を巻き戻しますが、滝周辺や参道などでいくつもふわふわと浮かんでいた虫。
オオオバボタル (ホタル科)
13~14ミリ。ゲンジボタルやヘイケボタルに似ていますがこちらは日中活発に飛びます。
同上
この子は一匹だけ観察できました。オオオバボタルより一回り小さい。
ベニボタルの仲間 (ベニボタル科)
これはホタルの仲間ではありませんが、ベニボタルの仲間の同定は写真だけではむずかしい。
それとまたこの子も観察。
セアカツノカメムシ ♂ (カメムシ科)
何匹か観察できたので、この地域にはおそらく多数分布しているのでしょう。
この虫は数年前の八王子の長池公園を思い出させてくれます。
カメノコハムシの仲間の幼虫 (ハムシ科)
カメノコハムシの幼虫の同定の仕方は何かありそうですが勉強不足。
長池公園の記事でも書いたと思いますが、この子たちは自分の脱皮ガラを日傘のようにさしています。
横から見るとよく分かりますね。
同上
ほんとに日除けなのか、カモフラージュなのかは不明。
カミキリムシは想定外にあまり見つからず。
リンゴカミキリを撮り逃がしたのは残念でしたが、この子たちはいくらでも撮れました。
ヨツスジハナカミキリ ペア (カミキリムシ科)
5ミリに満たないゾウムシやオトシブミは何種類か観察しましたが、撮影不可能なちびっ子ばかり。
この子たちもちびっ子(3~4ミリ)ですが、2匹いたのでがんばって撮りました。
ペアなのかもしれませんが、だとすると夫婦げんかして冷戦中?
カシルリオトシブミ ペア? (オトシブミ科)
小さいけれどよく見ると美麗種なんですよね。
同上
頂上も間近になると道が平坦になりました。
その道の真ん中に、おそらく舞い降りたばかりと思われる、黒くて丸いのがいました。
記念すべきショウナイではじめて見る糞虫です。
センチコガネ (コガネムシ科)
今にもまた翅を開きそうで、飛び立たれるかもしれませんが、近くまで寄って撮りました。
すると(やはり探虫は足を止めてするべきだとつくづく思いましたが)すく傍に別の甲虫が。
落ち葉に半ば隠れていたので、葉の上に移動してもらいましたが、死んだふりをされました。
ヒメアシナガコガネ (コガネムシ科)
初見の虫だったのでお連れしました。8ミリ。
このあとアゲハ神社を参拝し、アゲハたちのバトルをしばらく楽しみ、下りは参道を辿りました。
登山口まで下り切り、神殿の軒の下、登山口を真正面に見られる場所に腰を下ろして昼食休憩。
またゼフが登山口から飛び出してこないかなぁと甘い期待を持つほど神秘的な山だと思いながら、
地面を歩いてるアリを眺めていると、そのアリを狙っているハンターを発見しました。
この山にたくさんいるマガタマちゃんかなと思いましたが、少し大きい。
ニワハンミョウ (オサムシ科)
獲物を探索するため、こうして前脚を限界まで立てて、目線を高くするのです。
そんなハンミョウの姿に触発されたというわけではないのですが、休憩後もう一度作業路に突入。
ミヤマに出会った場所まで戻りつつ、未練たらしくクワガタのいそうな木を探しましたが不発でした。
・・出会った場所を覚えていたわけではありません。
でもどうしてさっき見つけた場所だということが確信できたかというと・・
実はゴマダラオトシブミがいたクリの木の枝には、なぜか鈴がぶら下がっていたのです。
・・やはり化身だったかもしれません。
オマケ
久しぶりに写真クイズ。
参道を下る途中に見つけた子。
どこにいるか3秒以内でわかった方は生き物観察眼があると思います。
答えはタグの中に。
今日の湯加減
帰る途中、スタンドに寄ってガソリンを入れて出発。
とても暑かったので頭の中は冷たいシャワーと麦ジュースのことでいっぱいでした。
ところが、2~3キロ走ったところで、突然エンジンがストール。
オーバーヒートかと思い、道路脇にしばらく停車してからエンジンかけてみるもかからず。
スマホで最寄りのバイク屋さんを検索すると2キロ西に自転車屋さんがあるのみ。
家までも2キロくらいだったので押していくことに。
熱中症になりかけましたが、家の近くでよかった。ツイていたと思います。
大昆虫展2017 開催中!
2017-07-22 23:00
nice!(29)
コメント(10)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
おはようございます^^
タゴガエル・・・言われても見つけられません(><;
by mimimomo (2017-07-23 06:41)
いた~!画面中央やや右 ^^v
もちろん3秒以上(笑)
カエルはいつも突然飛ばれて分かります ^^;
by よしころん (2017-07-23 07:12)
クイズ3秒以内に見つけられなかったぁ(>_<)
by POKO (2017-07-23 07:25)
3分以上睨んでいても、分かりません。降参でした。
よしころんさん↑の答えを見て、目を凝らしてみてやっと分かりました。
難しい。でも、おもしろい!
by アヨアン・イゴカー (2017-07-23 08:35)
あまり見つめすぎて分からず少し離れて
気が付きました、凄い擬態、枯葉にそっくり。
by g_g (2017-07-23 12:13)
↑おかげで見つけました~一日以上かかっちゃったよ(-。-
by mimimomo (2017-07-24 12:48)
にゃは^^
クワガタちゃんだー!
今年はクワガタかカブトムシ、またおうちに招きたいなあ~
見つけられないけど(笑)
2秒くらいでカエルちゃんの足がすぐ目に入ったのですが
左後ろ足、写ってますよね?
by リュカ (2017-07-24 16:09)
>mimimomoさん
1日かかりましたか・・^^;
でも脳はスッキリしましたかね?
>よしころんさん
そう、飛ばないと見つからないのに飛んじゃうんですよね^^;
>POKOさん
3秒はきびしすぎましたかね?^^
でも見つかると脳はよろこんでいると思います♪
>アヨアン・イゴカーさん
おもしろいですよね。 みごとというか。
ほぼ実物大なので、実は小さいカエルなんですよ。
>g_gさん
そうですね。引いて見るのがいいですね。
実際の距離感は写真よりも遠いですし。
>リュカさん
すばらしい!両足とも写ってますよ^^
コクワなら区内でも見つかるのではないかと~ ぜひまたお招きを~
by ぜふ (2017-07-24 21:16)
ベニボタルの仲間、紅色がグラデーションっぽく、渋い色です^^;。
カメノコハムシの仲間の幼虫は、横からの写真で、何がどうなっているのか
分かりました。面白いコトをしますねー。
カエルの足っぽいモノは分かりましたが、カエルの体全体が
認識できませんでした。しばらく見て、ようやく分かりました^^;。
by sakamono (2017-07-27 21:50)
>sakamonoさん
渋いところに気が付きますね~^^
カエルは色といい模様といい、ポジション取りが満点でした。
by ぜふ (2017-07-28 08:14)