"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ショウナイの西風 [ゼフィルス]
前記事で訪れたのは某山の中腹にある神社の境内でした。
オナガたちに別れを告げたあと、敷石に腰かけ、ほっと一息ついていると・・
神社奥の登山口(本殿への参道入口ということがあとで判明)から、何かが飛び出してきました。
木漏れ日を浴びてチラチラと明滅するように、ふたつの白い影がもつれあって舞っていました。
反射的に立ち上がり、近づこうと歩を進めたら、それは二手に分かれてしまいました。
その一方を追いかけていくと、神社軒下の敷石の上に舞い降りてくれました。
そおっとそおっとにじり寄り、それがシジミチョウだと分かった瞬間、胸の中でうわっと叫びました。
まぎれもなく、それはゼフ(ミドリシジミの仲間)でした。
しかも、石の表面に口吻を伸ばして何かを探っているということはおそらくオス。
しかし、懸命に心を鎮めながらカメラの準備をしているうちに気配を察知されたようです。
ぱっと飛び立ち、林の方へ・・あわてず騒がずされど見失わないように後を追う。
すると運よく林縁の下草(オナガたちをのせたのと同じ草)の上にとまってくれた・・
と思った瞬間、直射日光を浴びたその子が翅を開きました。

シャッターを切った瞬間、彼は再び飛び立ち、林の中へ消え去りました。
これはきっと虫神様のお導きと思い、登山口に足を踏み入れてみることにしました。
入口の案内板には本殿のある山頂まで40分と書いてありましたが、これがなかなかの急登。
部分的に石段もあるのですが、暗くて狭い溝のような道が続きました。(一部鎖場も)
虫を探す余裕もないし、いるような様子もなし。
失敗だったかなと気落ちしそうになったとき、突然視界が開けました。

気分も新たにでき、モチベーションももちなおしたのでまた登りはじめる。
15分ほどでやっと本殿が見えてきました。

そのご本殿で待っていたのは・・なんと、まさか、目を疑いましたが、またしてもゼフ。

本殿の目の前の石段の上を歩いていたのでこれもオスだと思います。
まるで誰かが仕込んでいたようですが、そうだとしたらそれができるのは・・・
神社の精はまもなく本殿裏へと消え去りました。

気持ちを落ち着けて本殿にお参りをして神殿を見上げると、そこにもチョウがいました。

庇の下にとまっていてフルズームでも誰かは不明。でも、そのあと地面に降りてきてくれました。

横位置では撮れませんでしたが同定のポイントは裏翅です。

この子は本殿の屋根の向こうへ消えたのですが、その姿を目で追っていると、上空に別のチョウが。
逆光で白っぽく見えましたが、ゼフよりもずっと大きい。飛び方はシロチョウではなくアゲハのよう。

観察していると、朴の木の樹冠に何頭もいるようでした。
しかも彼らはナワバリ争いをしているようで、時折り追いかけっこをしています。
それこそゼフのように巴卍飛行をしたり、最大では7~8頭でトルネード。
双眼鏡を持ってこなかったのを悔やみましたが、後日再訪し、彼らはキアゲハだと確認しました。
キアゲハは”お山の大将”で頂上占有志向がありますが、こんな団体さんははじめて見ました。
(ちゃんとカウントはできていませんが少なくとも10頭以上いたかと)


はじめて見るキアゲハの団体戦を楽しく観察しましたが、だんだん首が痛くなってきたので下山開始。
下りながら観察した虫たちは・・この子は誰かなぁ?

避暑中のアカネもいました。

下りきり、登山口付近で見つけた子。

南魚沼でも観察した飛べないハンミョウです。

翌日も天気がもちそうだったので再訪しました。

今回まずは前日案内板で見て気になっていた場所へ向かいました。

手水舎にも寄りましたが、ここであらためて身を清め、また登山道(参道)へ突入。
するといきなり(数歩進んだところで)下草の上に一頭のゼフを発見。
生態写真は撮りませんでしたが紹介はのちほど。

途中の分岐点まできたところで、梢の上をチラチラ飛ぶ影に気が付きました。
陽当たりのいい場所でテリトリーを張っているオスのゼフだということは分かりますが・・

遠くて双眼鏡で見ても判然とはしませんでした。
別のゼフやハチなどが通りかがったりするとスクランブルし、蹴散らすとまたどこかに舞い降ります。
もっと下の方へ降り立ってくれないかと1時間ほど粘りましたが、とまるのはほぼ同じ場所でした。
とうとう根負けして、参道とは違うルートへ入ってみることにしようと歩を進めると・・
足元から何か飛び立ちました。
運よくすぐまた近くの地面に舞い降りてくれましたので、この子は近づかせてくれると判断。
カメラを持つ手を伸ばしながらじわじわと近づき、何枚か証拠写真が撮れたので、ちょっとご挨拶。

手乗りにはなってくれませんでしたが、とてもフレンドリーな子でした。

気温が高く、前日の疲れもあったので、この日は本殿までは登らずにここで引き返すことにしました。

どうしてもチラリショットだけでは納得がいかないので、次の週末に三度目の正直狙い。
経過は省略しますが、本殿に登る途中の開けた所でナワバリを張っていた子を撮ることができました。

チラリショットだけではなく、全開ショットも。

アゲハの恩返しか虫神様のお導きか、はじめて訪れた山には美しい西風が吹いていました。
あえて写真を撮らなかった子。 実は採集したのです。
暗くて開帳も期待できないし、写真を撮っても同定不能ではないかと思ったこともありました。
そしたらお初の子でしたので標本にしました。(ヘタです)

なんとこの山には少なくとも4種のゼフがいることが分かりました。
今日の湯加減
オナガたちに別れを告げたあと、敷石に腰かけ、ほっと一息ついていると・・
神社奥の登山口(本殿への参道入口ということがあとで判明)から、何かが飛び出してきました。
木漏れ日を浴びてチラチラと明滅するように、ふたつの白い影がもつれあって舞っていました。
反射的に立ち上がり、近づこうと歩を進めたら、それは二手に分かれてしまいました。
その一方を追いかけていくと、神社軒下の敷石の上に舞い降りてくれました。
そおっとそおっとにじり寄り、それがシジミチョウだと分かった瞬間、胸の中でうわっと叫びました。
まぎれもなく、それはゼフ(ミドリシジミの仲間)でした。
しかも、石の表面に口吻を伸ばして何かを探っているということはおそらくオス。
しかし、懸命に心を鎮めながらカメラの準備をしているうちに気配を察知されたようです。
ぱっと飛び立ち、林の方へ・・あわてず騒がずされど見失わないように後を追う。
すると運よく林縁の下草(オナガたちをのせたのと同じ草)の上にとまってくれた・・
と思った瞬間、直射日光を浴びたその子が翅を開きました。

オオミドリシジミ ♂ (シジミチョウ科)
シャッターを切った瞬間、彼は再び飛び立ち、林の中へ消え去りました。
これはきっと虫神様のお導きと思い、登山口に足を踏み入れてみることにしました。
入口の案内板には本殿のある山頂まで40分と書いてありましたが、これがなかなかの急登。
部分的に石段もあるのですが、暗くて狭い溝のような道が続きました。(一部鎖場も)
虫を探す余裕もないし、いるような様子もなし。
失敗だったかなと気落ちしそうになったとき、突然視界が開けました。

気分も新たにでき、モチベーションももちなおしたのでまた登りはじめる。
15分ほどでやっと本殿が見えてきました。

そのご本殿で待っていたのは・・なんと、まさか、目を疑いましたが、またしてもゼフ。

アイノミドリシジミ ♂ (シジミチョウ科)
本殿の目の前の石段の上を歩いていたのでこれもオスだと思います。
まるで誰かが仕込んでいたようですが、そうだとしたらそれができるのは・・・
神社の精はまもなく本殿裏へと消え去りました。

気持ちを落ち着けて本殿にお参りをして神殿を見上げると、そこにもチョウがいました。

庇の下にとまっていてフルズームでも誰かは不明。でも、そのあと地面に降りてきてくれました。

ミドリヒョウモン ♂ (ヒョウモンチョウ科)
横位置では撮れませんでしたが同定のポイントは裏翅です。

同上
この子は本殿の屋根の向こうへ消えたのですが、その姿を目で追っていると、上空に別のチョウが。
逆光で白っぽく見えましたが、ゼフよりもずっと大きい。飛び方はシロチョウではなくアゲハのよう。

観察していると、朴の木の樹冠に何頭もいるようでした。
しかも彼らはナワバリ争いをしているようで、時折り追いかけっこをしています。
それこそゼフのように巴卍飛行をしたり、最大では7~8頭でトルネード。
双眼鏡を持ってこなかったのを悔やみましたが、後日再訪し、彼らはキアゲハだと確認しました。
キアゲハは”お山の大将”で頂上占有志向がありますが、こんな団体さんははじめて見ました。
(ちゃんとカウントはできていませんが少なくとも10頭以上いたかと)

キアゲハ (アゲハチョウ科)

はじめて見るキアゲハの団体戦を楽しく観察しましたが、だんだん首が痛くなってきたので下山開始。
下りながら観察した虫たちは・・この子は誰かなぁ?

コロギス (コロギス科)
避暑中のアカネもいました。

アキアカネ (トンボ科)
下りきり、登山口付近で見つけた子。

マガタマハンミョウ (オサムシ科)
南魚沼でも観察した飛べないハンミョウです。

翌日も天気がもちそうだったので再訪しました。

今回まずは前日案内板で見て気になっていた場所へ向かいました。

手水舎にも寄りましたが、ここであらためて身を清め、また登山道(参道)へ突入。
するといきなり(数歩進んだところで)下草の上に一頭のゼフを発見。
生態写真は撮りませんでしたが紹介はのちほど。

途中の分岐点まできたところで、梢の上をチラチラ飛ぶ影に気が付きました。
陽当たりのいい場所でテリトリーを張っているオスのゼフだということは分かりますが・・

遠くて双眼鏡で見ても判然とはしませんでした。
別のゼフやハチなどが通りかがったりするとスクランブルし、蹴散らすとまたどこかに舞い降ります。
もっと下の方へ降り立ってくれないかと1時間ほど粘りましたが、とまるのはほぼ同じ場所でした。
とうとう根負けして、参道とは違うルートへ入ってみることにしようと歩を進めると・・
足元から何か飛び立ちました。
運よくすぐまた近くの地面に舞い降りてくれましたので、この子は近づかせてくれると判断。
カメラを持つ手を伸ばしながらじわじわと近づき、何枚か証拠写真が撮れたので、ちょっとご挨拶。

手乗りにはなってくれませんでしたが、とてもフレンドリーな子でした。

フジミドリシジミ ♀ (シジミチョウ科)
気温が高く、前日の疲れもあったので、この日は本殿までは登らずにここで引き返すことにしました。

どうしてもチラリショットだけでは納得がいかないので、次の週末に三度目の正直狙い。
経過は省略しますが、本殿に登る途中の開けた所でナワバリを張っていた子を撮ることができました。

オオミドリシジミ ♂ (シジミチョウ科)
チラリショットだけではなく、全開ショットも。

同上
アゲハの恩返しか虫神様のお導きか、はじめて訪れた山には美しい西風が吹いていました。
オマケ
あえて写真を撮らなかった子。 実は採集したのです。
暗くて開帳も期待できないし、写真を撮っても同定不能ではないかと思ったこともありました。
そしたらお初の子でしたので標本にしました。(ヘタです)

メスアカミドリシジミ ♀ (シジミチョウ科)
なんとこの山には少なくとも4種のゼフがいることが分かりました。
今日の湯加減
一眼レフはチバに置いたままです。
次回帰ったときに持って来ようと思っていたのです。
今までアゲハちゃんたちなど、携帯するものが多かったので持ってこれなかったのです。
それでも証拠写真が残せただけでも良しとしなければと思うほど幸運の連続でした。
実は他にもたくさんの昆虫たちに逢えたのですが、長くなるので何回かに分けて記事にします。
大昆虫展2017 開催中!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
森の中に佇む本殿の雰囲気がいいですね。
ひっそりとしてて虫たちの楽園みたい。
by 響 (2017-07-16 19:40)
おはようございます^^
お引越し先はぜふさんにとって素晴らしい所でしたね♪
ミドリシジミって本当に綺麗だわ。
by mimimomo (2017-07-17 06:43)
虫神様もぜふさんを歓迎してくださったのですね~^^
この連休はこちらに戻られていたのかしら。
それにしてもどの写真もとっても素敵です。
差し支えなければコンデジ、何を使われているのか教えていただけますか。
by よしころん (2017-07-17 07:49)
ゼフさんの撮ったゼフちゃん綺麗♪ さすがゼフさん!
あと、キリギリスのシルエット凄くいい一枚!(^-^)
by POKO (2017-07-17 08:03)
>響さん
虫パワーを感じるご本殿です♪
アゲハ神社と呼ぶことにしました^^
>mimimomoさん
たまたまいい山を見つけただけかもしれませんが、いいところです♪
ミドリシジミがこんなに多種いるとはおどろきでした。
>よしころんさん
こちらがいいシーズンなのでチバには戻りませんでした^^;
カメラについては、よろしければ右サイドのBlogMailでメアドをご連絡いただければメールで詳しくお教えします。
>POKOさん
ゼフ好きは変わりません♪ こんなに逢えるとは想定外でしたが・・
シルエットは反対側からも撮りましたが、あえてこの一枚に^^
by ぜふ (2017-07-17 08:56)
引っ越し先のフィールドでは歓迎されているようですね。
綺麗なシジミばかりですね、私などは何頭も出会っても
なかなか写真を撮らせてくれません。
by g_g (2017-07-17 09:04)
全開ショット、きらきらと光ってキレイですねー。
フジミドリシジミの横顔、なんだかカワイイです^^。
街を一望する景色も爽快です!
by sakamono (2017-07-21 00:18)
>g_gさん
お導きがあったようです^^
撮影の確立を上げるためには彼らの生態を知る必要がありますね。
>sakamonoさん
陽射しが強すぎて適正露出とはいえませんが、撮れただけでも^^
ゼフたちはみな、まん丸の目をしていてキュートです♪
by ぜふ (2017-07-22 16:14)
フジミドリシジミ、シックな色合いが良いですね〜!
オオミドリも一度しか会ったことないんですよねぇ(^^;
by kazz (2017-08-15 16:39)