"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
春の哨戒活動 [探虫行]
4月23日、チバは好天に恵まれたので、比較的近場のポイントをまとめて巡回することにしました。
春恒例の、ネコのなわばりパトロールみたいなものです。
会っておきたい春の虫たちも何種類か・・急がねば。
トンボの解説は後程。
まず訪れたのはHF方面のとある小規模な公園。
M川沿いの沼地なのですが木道が傷みすぎてメインのエリアは立ち入り禁止になっていました。
それではと、葦の茂る沼へ川側から土手を下りてアプローチしてみました。
数年前に訪れたとき、ジャコウアゲハに遊んでもらった場所のウマノスズクサはなくなっていました。
周りの木々の梢を仰ぐと、小さなハチやアブがふわふわとたくさん浮いています。
と、目の高さに丸くて黒い子がぶんぶんと。
オスのクマバチが哨戒していたのです。
彼のテリトリーは梢に蔓延っている藤でした。
哨戒活動をしているのはオスなので、近寄っても(触っても)キケンはありません。
が、花の蜜を吸っているのはメスの場合がありますので触るときはカクニンしてください。
沼の様子を覗いていると葦の葉の上から顔を出してくれた子がいました。
彼らのほかには目ぼしい虫が見当たらなかったので、さっさと次のフィールドへ移動。
同じ川沿いなのですが、数キロ先に春の虫の観察ポイントがあるのです。
土手を歩きながら川側の斜面の草むらに目を凝らして探虫しました。
ちらちらと目につくのはバッタの赤ちゃんたち。
黒っぽい子も。
この子も黒いですが、バッタではありません。
このあと、本命のギンイチの姿を認めるも、一瞬目を離した隙に飛び立たれて見失いました。
それから1時間ほど土手を行ったり来たりしたものの再び見つけることはできず。
悔しいながらもミッション1はインコンプリートとしてネクストフィールドへ移動開始。
次の場所へは有料道路沿いの、農道ともいえない細い未舗装の道をたどります。
その途中、路上をもそもそと進む子を発見。
この毛虫は移動速度が速いのですぐにバイクをとめてカクニン。
ニガテな方もいると思いますので小さめに。
”クマケムシ”という別名があるとおり、大きくて(60ミリ以上)獣のような体毛が特徴です。
先を急ごうと出発してすぐ、こんどは路上を低空でふわふわと横切る影がありました。
すぐにバイクをとめて振り返ると今年初見のチョウでした。
そういえばこの蝶、チバ市内でも一時期とても目立っていたのですが、ここ数年は減っている気が・・
しばらくまた未舗装路を進み、次のポイントである小さな小さな湿地に到着。
背後に雑木林があり、湿地の周囲は越冬組のチョウたちの日向ぼっこ場所になっているのですが・・
このときはまったく見当たりませんでした。
その代わりに先ほどの土手にもいたけど撮らせてくれなかった子が日向ぼっこ。
この子もシーズン初見でしたが、もう今シーズンは撮影はしないかも。(極普通種のため)
林縁の笹の中を覗くとちょっと変わった蛾がいました。
蛾は同定が大変なので基本的に撮らないのですが、この子の翅の柄は目を引きました。
このトンボはミッション2というべき春に会っておきたい種。
湿地化が進んでいて長靴でないと水際まで行けそうになかったので周辺の探虫だけで終了。
次のミッションを果たすべく出発するも、またシオヤトンボの群れに遭遇したので撮影しなおし。
そこで撮ったのが扉の写真でした。
さあ先を急ごうとバイクに戻るとすぐ脇の笹の上に。(なかなか進めません)
この子と並んでとまっていたのですが、ツーショットがうまく撮れませんでした。
この時点ですでにとうにお昼を過ぎていました。
お昼ごはん抜きにして、九十九里方面のこの日メインのフィールドに到着。
先日オサホリにも来ましたが、今回は目当てが違うので湿生植物が植えられているエリアへ。
そこでミッション3の越冬トンボを見たかったのですが発見できず。
次のミッションのため、丘の上に向かう途中にいた子たち。
ちらりと顔が見えている子については後ほど。
カタクリ自生地エリアの湿地の散策路にもミッション2の子がいました。
ひとつ前のフィールドで会えなかったチョウにも会えました。
湿地の奥にある小さな貯水池には・・
この子はすぐに舞い上がってしまいましたが、後ほど別のエリアでいっぱい遊んでもらいました。
丘の上に向かう途中の杉林でアカハネのオスにも会えました。
広場でミッション4の虫を探しましたが発見できず。
代わりにスミレを撮っていると、芝の上に寝転んで昼寝をしたくなりました。
別のルートで丘を下るべく、サイクリングロード沿いを歩いていると、群生していたタンポポの中に・・
シロバナタンポポ?
外房には分布していると聞いたことがありますが・・お花の先生の所見を待ちます。
丘を下り湿生植物園を横切り、マツモムシを観察したことのある小さな池に行ってみました。
その池のほとりのヒメジョオンの花にさっきスジグロシロチョウと一緒にいた虫たちが。
個体差がある昆虫ですが、大きい子でも8ミリくらいしかありません。
名前の由来の”モモブト”なのはメスではなく・・
太いといっても1ミリないかもしれません。
あいにくマツモムシは観察できませんでしたが、この池はカワトンボたちのたまり場でもあったのです。
まずはこの子。
翅の縁紋が赤いのがオス。白いのがメスなのですが・・
未成熟のためまだ赤くなっていなくて、体の色も青いのです。
複眼もマットな灰色。
少し成熟して、縁紋が赤く、複眼は黒くなったのがこの個体だと思います。
さらに成熟すると体色が金属光沢を帯びてきます。
ところで、ニホンカワトンボのオスは翅の色が違うタイプがいます。
橙色の翅の子。
翅の色と同化してわかりにくいですが、縁紋の色は赤く、中間の縁の細長い紋が白い。(これも赤くなる)
成熟が進むと金属光沢の体色は白い粉が吹いたようになります。
同じオスでこんなに変異がみられるトンボはめずらしいと思います。
実はシオヤトンボのオスも成熟すると色が変わります。
シオカラトンボのオスに見えますが縁紋や腹部先端の色などで区別できます。
もう一種、今シーズン初見の子。
これは初見ではありませんでしたが、記念撮影。
ということで、ミッションコンプリート率は低い結果となりましたが、多数種観察できて満足。
でもお昼は抜きだったので腹ペコで帰りました。
先日の八王子から間違えてお連れした子。
帰り道に逃がそうと思っていて忘れてしまいました。
”キボシ”と名がついているのに、紋が赤いじゃないかと思うのですが、標本にすると黄色になるのです。
昆虫の種名あるあるです。
今日の湯加減
春恒例の、ネコのなわばりパトロールみたいなものです。
会っておきたい春の虫たちも何種類か・・急がねば。
ベニシジミ(春型)号とトンボ
トンボの解説は後程。
まず訪れたのはHF方面のとある小規模な公園。
M川沿いの沼地なのですが木道が傷みすぎてメインのエリアは立ち入り禁止になっていました。
それではと、葦の茂る沼へ川側から土手を下りてアプローチしてみました。
数年前に訪れたとき、ジャコウアゲハに遊んでもらった場所のウマノスズクサはなくなっていました。
周りの木々の梢を仰ぐと、小さなハチやアブがふわふわとたくさん浮いています。
と、目の高さに丸くて黒い子がぶんぶんと。
オスのクマバチが哨戒していたのです。
彼のテリトリーは梢に蔓延っている藤でした。
クマバチ(キムネクマバチ) (ミツバチ科)
哨戒活動をしているのはオスなので、近寄っても(触っても)キケンはありません。
が、花の蜜を吸っているのはメスの場合がありますので触るときはカクニンしてください。
同上
沼の様子を覗いていると葦の葉の上から顔を出してくれた子がいました。
ヒメシモフリコメツキ (コメツキムシ科)
彼らのほかには目ぼしい虫が見当たらなかったので、さっさと次のフィールドへ移動。
同じ川沿いなのですが、数キロ先に春の虫の観察ポイントがあるのです。
土手を歩きながら川側の斜面の草むらに目を凝らして探虫しました。
ちらちらと目につくのはバッタの赤ちゃんたち。
ヤブキリの幼虫 (キリギリス科)
黒っぽい子も。
ヒメギスの幼虫 (キリギリス科)
この子も黒いですが、バッタではありません。
ヒメビロウドコガネ (コガネムシ科)
このあと、本命のギンイチの姿を認めるも、一瞬目を離した隙に飛び立たれて見失いました。
ツルカノコソウ
それから1時間ほど土手を行ったり来たりしたものの再び見つけることはできず。
悔しいながらもミッション1はインコンプリートとしてネクストフィールドへ移動開始。
次の場所へは有料道路沿いの、農道ともいえない細い未舗装の道をたどります。
その途中、路上をもそもそと進む子を発見。
この毛虫は移動速度が速いのですぐにバイクをとめてカクニン。
ニガテな方もいると思いますので小さめに。
ヒトリガの仲間の幼虫 (ヒトリガ科)
”クマケムシ”という別名があるとおり、大きくて(60ミリ以上)獣のような体毛が特徴です。
先を急ごうと出発してすぐ、こんどは路上を低空でふわふわと横切る影がありました。
すぐにバイクをとめて振り返ると今年初見のチョウでした。
ツマグロヒョウモン ♀ (ヒョウモンチョウ科)
そういえばこの蝶、チバ市内でも一時期とても目立っていたのですが、ここ数年は減っている気が・・
しばらくまた未舗装路を進み、次のポイントである小さな小さな湿地に到着。
背後に雑木林があり、湿地の周囲は越冬組のチョウたちの日向ぼっこ場所になっているのですが・・
このときはまったく見当たりませんでした。
その代わりに先ほどの土手にもいたけど撮らせてくれなかった子が日向ぼっこ。
ヒメウラナミジャノメ (タテハチョウ科)
この子もシーズン初見でしたが、もう今シーズンは撮影はしないかも。(極普通種のため)
林縁の笹の中を覗くとちょっと変わった蛾がいました。
蛾は同定が大変なので基本的に撮らないのですが、この子の翅の柄は目を引きました。
ウンモンクチバ (ヤガ科)
このトンボはミッション2というべき春に会っておきたい種。
シオヤトンボ (トンボ科)
湿地化が進んでいて長靴でないと水際まで行けそうになかったので周辺の探虫だけで終了。
次のミッションを果たすべく出発するも、またシオヤトンボの群れに遭遇したので撮影しなおし。
そこで撮ったのが扉の写真でした。
さあ先を急ごうとバイクに戻るとすぐ脇の笹の上に。(なかなか進めません)
アカハネムシ ♀ (アカハネムシ科)
この子と並んでとまっていたのですが、ツーショットがうまく撮れませんでした。
シロヘリカメムシ (カメムシ科)
この時点ですでにとうにお昼を過ぎていました。
お昼ごはん抜きにして、九十九里方面のこの日メインのフィールドに到着。
先日オサホリにも来ましたが、今回は目当てが違うので湿生植物が植えられているエリアへ。
そこでミッション3の越冬トンボを見たかったのですが発見できず。
次のミッションのため、丘の上に向かう途中にいた子たち。
ヤブキリの幼虫 (キリギリス科)
スジグロシロチョウ (シロチョウ科)
ちらりと顔が見えている子については後ほど。
カタクリ自生地エリアの湿地の散策路にもミッション2の子がいました。
シオヤトンボ (トンボ科)
ひとつ前のフィールドで会えなかったチョウにも会えました。
ルリタテハ (タテハチョウ科)
湿地の奥にある小さな貯水池には・・
ニホンカワトンボ (カワトンボ科)
この子はすぐに舞い上がってしまいましたが、後ほど別のエリアでいっぱい遊んでもらいました。
丘の上に向かう途中の杉林でアカハネのオスにも会えました。
アカハネムシ ♂ (アカハネムシ科)
広場でミッション4の虫を探しましたが発見できず。
代わりにスミレを撮っていると、芝の上に寝転んで昼寝をしたくなりました。
別のルートで丘を下るべく、サイクリングロード沿いを歩いていると、群生していたタンポポの中に・・
シロバナタンポポ?
外房には分布していると聞いたことがありますが・・お花の先生の所見を待ちます。
丘を下り湿生植物園を横切り、マツモムシを観察したことのある小さな池に行ってみました。
その池のほとりのヒメジョオンの花にさっきスジグロシロチョウと一緒にいた虫たちが。
個体差がある昆虫ですが、大きい子でも8ミリくらいしかありません。
モモブトカミキリモドキ ♀ (カミキリモドキ科)
名前の由来の”モモブト”なのはメスではなく・・
モモブトカミキリモドキ ♂ (カミキリモドキ科)
太いといっても1ミリないかもしれません。
あいにくマツモムシは観察できませんでしたが、この池はカワトンボたちのたまり場でもあったのです。
まずはこの子。
翅の縁紋が赤いのがオス。白いのがメスなのですが・・
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
未成熟のためまだ赤くなっていなくて、体の色も青いのです。
複眼もマットな灰色。
同上
少し成熟して、縁紋が赤く、複眼は黒くなったのがこの個体だと思います。
同上
さらに成熟すると体色が金属光沢を帯びてきます。
同上
ところで、ニホンカワトンボのオスは翅の色が違うタイプがいます。
橙色の翅の子。
同上
翅の色と同化してわかりにくいですが、縁紋の色は赤く、中間の縁の細長い紋が白い。(これも赤くなる)
同上
成熟が進むと金属光沢の体色は白い粉が吹いたようになります。
同上
同じオスでこんなに変異がみられるトンボはめずらしいと思います。
実はシオヤトンボのオスも成熟すると色が変わります。
シオヤトンボ ♂ (トンボ科)
シオカラトンボのオスに見えますが縁紋や腹部先端の色などで区別できます。
もう一種、今シーズン初見の子。
ジョウカイボン (ジョウカイボン科)
これは初見ではありませんでしたが、記念撮影。
ツバメシジミ ♀ (シジミチョウ科)
ということで、ミッションコンプリート率は低い結果となりましたが、多数種観察できて満足。
でもお昼は抜きだったので腹ペコで帰りました。
オマケ
先日の八王子から間違えてお連れした子。
ヨツキボシハムシ (ハムシ科)
帰り道に逃がそうと思っていて忘れてしまいました。
”キボシ”と名がついているのに、紋が赤いじゃないかと思うのですが、標本にすると黄色になるのです。
昆虫の種名あるあるです。
今日の湯加減
昨日は三浦方面に遠征しての採集会でした。
午後の天気が心配されましたが、まったく問題なし。(風は強くなりましたが)
そこでもカワトンボに遊んでもらいました。
本編でも紹介したとおり、カワトンボは性別や成熟度で変化しますし、地域変異もある昆虫です。
だからでもないのですが、毎シーズン飽きもせずにたくさん撮影してしまうトンボです。
ところで、わけあって飼育中の虫たちをそろそろ整理しなくてはならなくなりました。
里親探しをしなければいけませんが、果たして見つかるかしら・・・。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
流石この時期になると沢山のムシさん達をとらえてますね。
一番目を引いたのはウンモンクチバ、最初頭が何処なのか
分からなかったです。
by g_g (2017-04-30 16:58)
たくさん出会えましたね!
こちら、トンボはまだ全然撮れてません。
トンボの同定は相変わらず苦手です(;´Д`A ```
あ、ぜふさんにしては珍しい間違い、ツマグロは♀ですね。
打ち間違いかな?(^^)
by kazz (2017-04-30 17:22)
おはようございます^^
さすが春たけなわ! 虫達もぞろぞろとお出ましだわ^^
by mimimomo (2017-05-01 06:21)
お早うございます。
たくさんの虫たちに出会われて 充実した時間でしたね。
虫たちも赤ちゃんの時期は可愛い〜 蝶にもいろいろ会えて良かったですね。以前 ルリタテハを一度だけ見ました。また会いたいです(^^)
by yakko (2017-05-01 08:39)
>g_gさん
ウンモンクチバはほんとに目を引きましたね~
>kazzさん
みつかっちゃいましたね、なぜ間違えたんでしょう・・^^;
ありがとうございました。
>mimimomoさん
お庭にも出てきましたか?^^
シロバナタンポポはいかがでしょうか?
>yakkoさん
もう一斉にですね^^
なんでも子供たちはかわいいです(^^♪
by ぜふ (2017-05-01 20:13)
ハチにもテリトリーがあって、しかも哨戒をするんですね。
この ”クマケムシ” という別名の毛虫。子供の頃に、よく道路を
急ぎ足で横断しているのを見たなぁ。多分、それだと思うのですが、
短く切った、タワシのようなヤツですよね^^;。
by sakamono (2017-05-04 17:04)
狙ったものを確実に見付けてさらにたくさんの種類まで。
新緑の中をバイクで走るのは楽しそう。
by 響 (2017-05-04 17:11)
>sakamonoさん
それです!たぶん^^
>響さん
確実ではないですけど・・^^; いっぱい会えました!
今は最高のツー・シーズンですね♪
by ぜふ (2017-05-04 21:14)
おはようございます^^
虫の活動は困ったちゃん! わが家のボケに一杯のアブラムシ(><;
by mimimomo (2017-05-05 06:40)