"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
天道の花道2 [探虫行]
年が明けて、1月15日に再探索に行ったチバ市内の公園。
残念ながらそのときは目当ての虫が一匹も観察できなかったという、まったく想定外の結果でした。
なので先週、再探索の再探索に。(正確には今シーズン4度目)
入口から林の中をくだり、観察ポイントである用水路沿いの散策路に向かいます。
もはやルーティーン化しているのですが、散策路の一番端(というか一番奥)から探虫開始。
今回も出迎えてくれたのはこの虫でした。
ナナホシテントウにそっくりですが、ナナホシテントウは個体変異が少ないので違うと思います。
色と紋の配置がそっくりですけどね。
ご存知のように”ナナホシテントウ”は黒い紋が七つありますがこの子は五つ。
では”イツツホシテントウ”なのかというとそうではない。
などということは虫屋にとっては解説不要ですが、要するにこの子は”ナミテントウ”。
この子の仲間ということです。
見た目は断然ナナホシテントウに近いのですが、そういうことになっています。
大事な点は、ナナホシテントウはナミテントウの一種なのではないということです。
なんてことをぼんやり考えながら探索を続けていると、なんと当の本人が現れてくれました。
実はこの3枚はトリミングの仕方を変えただけのイタズラ写真です。
まるで何かをアピールするかのように、最後にポーズまで決めてくれました。
さて、そろそろお目当ての子もでてきてくれないかと・・・いました。
この日の探虫では残念ながらフユシャクのオスは観察できなかったので、この子の同定は困難です。
ところでフユシャクのメスは翅が退化して飛べません。
が、彼女たちの場合は”退化”ではなく”進化”だと思います。
つまり、メスは翅を持つことと飛ぶことに使う体力を生殖・産卵のために効率よく活用するという”戦略”として
翅をなくした(=進化した)ともいえるのです。
むずかしいハナシはさておき、もうひとつイタズラ・・というかカメラの機能の紹介を。
1センチにも満たない小さな昆虫をマクロモードで普通に接写するとこのように写ります。
これをフォーカスブラケット(深度合成)で撮影すると・・
あたかもかなり絞って撮影したような被写界深度のある写真になり、おしりまでクッキリ。
小昆虫の生態写真を撮るにはとても有効な機能なのです。
おしりだけではなく、顔のアップも。
表情豊かとはいえませんが、生命力を感じる顔つきだと思います。
この散策路の手すりにはフヤシャク、テントウムシの他に定番としてカメムシもいます。
何種類かいましたが、この子を紹介。
スコットカメムシの仲間で体長は8~9ミリ。
テントウムシと同様、カメムシも多くが成虫越冬。
ときには夥しい集団を形成しますがこの子はひとりぼっちでした。
カメラを近づけると隙間に隠れようとするのですが、さすがにこの隙間には入れず、困った様子でした。
結局上記のクロテンフユシャクは都合4頭観察できました。
そして、散策路の終点まできて、最後に5頭目はいないかなと目を凝らしていると・・
今まで見たことのない姿(フォルム)をした子がいました。
この日最初に観察したのがこの子だったとしたら、たぶんクモと見間違ったと思います。
擬態じゃないでしょうけど、それにしてもまん丸い。
おしりの毛の束が抜け落ちてしまっているのかもしれませんが、コロコロしていてかわいらしい。
昆虫館の図鑑で調べてもなかなか同定には至りませんでしたが、シロオビとしておきます。
オスが観察できれば蓋然性が高くなるのですが、この日オスは一種も観察できませんでした。
というわけで、12月10日の記事と同じような内容になってしまいましたが、こうして1シーズンに何度かフユシャクを観察に行くのにはワケがあります。
フユシャクたちはすでに書いたとおり、季節をシフトすることで生き続けている(種を保っている)蛾ですが、
フユシャクの仲間は冬というシーズンの中をさらに細かくシフトして活動しているのです。
はじめに現れるのがクロスジフユエダシャク。
それがいなくなる(繁殖活動が終わる)と、次はチャバネフユエダシャク。
そして年が明けるとクロテンフユシャクと今回初見のシロオビフユシャク(未同定)。
まだ他の種類もいるかもしれません。
大きなタイムシフトと小さなタイムシフト。
まさに季節と節気に沿って、フユシャクたちは生きているようです。
ということで、今日は立春! (というオチでした)
前回空振りした日に撮影しました。
暖かかったので狂い咲きなのでしょうか。
シロオビフユシャクを見つけた場所にウグイスカグラが咲いていました。
今日の湯加減
残念ながらそのときは目当ての虫が一匹も観察できなかったという、まったく想定外の結果でした。
なので先週、再探索の再探索に。(正確には今シーズン4度目)
入口から林の中をくだり、観察ポイントである用水路沿いの散策路に向かいます。
もはやルーティーン化しているのですが、散策路の一番端(というか一番奥)から探虫開始。
今回も出迎えてくれたのはこの虫でした。
ナナホシテントウにそっくりですが、ナナホシテントウは個体変異が少ないので違うと思います。
色と紋の配置がそっくりですけどね。
ご存知のように”ナナホシテントウ”は黒い紋が七つありますがこの子は五つ。
では”イツツホシテントウ”なのかというとそうではない。
などということは虫屋にとっては解説不要ですが、要するにこの子は”ナミテントウ”。
この子の仲間ということです。
ナミテントウ (テントウムシ科)
見た目は断然ナナホシテントウに近いのですが、そういうことになっています。
大事な点は、ナナホシテントウはナミテントウの一種なのではないということです。
なんてことをぼんやり考えながら探索を続けていると、なんと当の本人が現れてくれました。
実はこの3枚はトリミングの仕方を変えただけのイタズラ写真です。
まるで何かをアピールするかのように、最後にポーズまで決めてくれました。
ナナホシテントウ (テントウムシ科)
さて、そろそろお目当ての子もでてきてくれないかと・・・いました。
クロテンフユシャク ? ♀ (シャクガ科)
この日の探虫では残念ながらフユシャクのオスは観察できなかったので、この子の同定は困難です。
ところでフユシャクのメスは翅が退化して飛べません。
が、彼女たちの場合は”退化”ではなく”進化”だと思います。
つまり、メスは翅を持つことと飛ぶことに使う体力を生殖・産卵のために効率よく活用するという”戦略”として
翅をなくした(=進化した)ともいえるのです。
むずかしいハナシはさておき、もうひとつイタズラ・・というかカメラの機能の紹介を。
1センチにも満たない小さな昆虫をマクロモードで普通に接写するとこのように写ります。
これをフォーカスブラケット(深度合成)で撮影すると・・
あたかもかなり絞って撮影したような被写界深度のある写真になり、おしりまでクッキリ。
小昆虫の生態写真を撮るにはとても有効な機能なのです。
おしりだけではなく、顔のアップも。
表情豊かとはいえませんが、生命力を感じる顔つきだと思います。
この散策路の手すりにはフヤシャク、テントウムシの他に定番としてカメムシもいます。
何種類かいましたが、この子を紹介。
ナカボシカメムシ (カメムシ科)
スコットカメムシの仲間で体長は8~9ミリ。
テントウムシと同様、カメムシも多くが成虫越冬。
ときには夥しい集団を形成しますがこの子はひとりぼっちでした。
カメラを近づけると隙間に隠れようとするのですが、さすがにこの隙間には入れず、困った様子でした。
結局上記のクロテンフユシャクは都合4頭観察できました。
そして、散策路の終点まできて、最後に5頭目はいないかなと目を凝らしていると・・
今まで見たことのない姿(フォルム)をした子がいました。
この日最初に観察したのがこの子だったとしたら、たぶんクモと見間違ったと思います。
擬態じゃないでしょうけど、それにしてもまん丸い。
おしりの毛の束が抜け落ちてしまっているのかもしれませんが、コロコロしていてかわいらしい。
シロオビフユシャク ? ♀ (シャクガ科)
昆虫館の図鑑で調べてもなかなか同定には至りませんでしたが、シロオビとしておきます。
オスが観察できれば蓋然性が高くなるのですが、この日オスは一種も観察できませんでした。
というわけで、12月10日の記事と同じような内容になってしまいましたが、こうして1シーズンに何度かフユシャクを観察に行くのにはワケがあります。
フユシャクたちはすでに書いたとおり、季節をシフトすることで生き続けている(種を保っている)蛾ですが、
フユシャクの仲間は冬というシーズンの中をさらに細かくシフトして活動しているのです。
はじめに現れるのがクロスジフユエダシャク。
それがいなくなる(繁殖活動が終わる)と、次はチャバネフユエダシャク。
そして年が明けるとクロテンフユシャクと今回初見のシロオビフユシャク(未同定)。
まだ他の種類もいるかもしれません。
大きなタイムシフトと小さなタイムシフト。
まさに季節と節気に沿って、フユシャクたちは生きているようです。
ということで、今日は立春! (というオチでした)
オマケ
前回空振りした日に撮影しました。
暖かかったので狂い咲きなのでしょうか。
シロオビフユシャクを見つけた場所にウグイスカグラが咲いていました。
今日の湯加減
このブログでは予告・宣伝しませんでしたが、明日、昆虫館でちょっと特別なイベントを企画しています。
題して「~カブトムシの詩人の館~ カブちゃんの一日館長デー!」
ご存知、虫ドルのカブトムシゆかりさんに一日館長として来館していただきます。
カブちゃん先生の昆虫教室、奥本先生とのトークショウもあります。
そしてサイン会&撮影会も。
虫シーズンオフなのに忙しいカブちゃんですが、つかの間の息抜きになればいいなとも思っています。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんばんは^^
うん?これは蜘蛛じゃないの?って思いましたよ^^
知らないわたくしなどが見つけたら、蜘蛛と思いますね。
by mimimomo (2017-02-04 18:28)
ナミテントウ>ナナホシテントウと思っていましたが違うのですね。
まっこと64の世界も奥が深い~~~^^;
この時期のウグイスカグラにもビックリ( ゚Д゚)
by よしころん (2017-02-04 20:14)
テントウムシ いろんな種類があるのね〜
冬の寒い時 みかけないけど
いるんだね〜
by ねこじたん (2017-02-05 08:05)
今日も千葉に行きます。千葉市は結構遠いです。浦安は近いけど・・
by アサギいろ (2017-02-05 08:31)
ナナホシテントウムシとナミテントウ、学習して覚えました
退化でなく進化のお話、、なるほど、生き抜く、繁殖する
そのための備えなのですね、、
生命のなりたちは、一筋縄ではないですね
by engrid (2017-02-05 10:09)
>mimimomoさん
クモガニという蟹に形がそっくりです。
クモもカニも脚の数が違いますけどね^^;
>よしころんさん
ナナホシテントウはとてもシンボリックな虫ですね♪
ウグイスカグラは都内でもそろそろ咲き始めますね。
>ねこじたんさん
テントウムシはときどき大集団で固まっていますよ。
ちょっとニガテです・・^^;
>アサギいろさん
連日お疲れさまでした。 チバ市は広いですからね~
>engridさん
とくに冬の虫は体力を上手に使う必要があるでしょうからね。
思いっきりもいいのです。
by ぜふ (2017-02-08 20:39)
お早うございます。
ぜふさんは昆虫博士ですね !
クロテンフユシャク 、シロオビフユシャク 共に苦手です(-。-;)
by yakko (2017-02-10 08:37)
フォーカスブラケットはやはりとても有効ですね!
同じような写真を撮るには、オリンパス以外ではかなりの労力を費やすことになり難しいです・・・。
by hirokou (2017-02-10 19:38)
>yakkoさん
蛾はニガテですか?^^
>hirokouさん
海野さんも大絶賛!便利すぎて手放せません。
まさに虫屋御用達ですね^^
by ぜふ (2017-02-10 23:16)
フユシャク、不思議な形をしていますね。
何枚も写真を見ていたら、アザラシの胴体のように
見えてきてしまいました^^;。
by sakamono (2017-02-11 00:44)
>sakamonoさん
たしかに・・でもこのポーズするアザラシはオスですね^^
by ぜふ (2017-02-11 08:02)
フォーカスブラケット!
知りませんでした・・・便利ですね〜
小さい虫は一眼よりコンデジの方が上手く撮れたりします・・・
テントウムシって小さいのに動きが速いのでピント難しいですよね(^^;
by kazz (2017-02-15 00:45)