"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
天道の花道 [探虫行]
11月27日、そろそろフユシャクたちのお出ましの季節かなと、とある公園へ探虫に行きました。
フユシャクとは、冬に活動する蛾のことです。
水路に沿った遊歩道の手すりの上が観察ポイントなのですが、結果から書くと、まだ出現していませんでした。
(去年の観察記事はこちら)
が、今日また行ってみたらいました。
体長は10ミリくらい。 手すりの花道の上でじっとオスが来るのを待っているのです。
フユシャクの仲間はその名の通り、冬になると活動を始めます。
メスは翅が退化して飛べません。
だから、開けた場所に這い出てじっとしています。
ここの手すりは絶好のオスとの待ち合わせ場所なのです。
園内を探してみたらオスもいました。
オスはメスを探すために翅があり、触角も発達しています。
花道には蛾の幼虫もいました。
体長20ミリほど。 見ての通りのド派手な色合いはいわゆる警戒色(警告色)なのでしょう。
体毛には毒があります。
ただ向こうから襲ってくることはありませんから、そっと近づいてみました。
すると、目線をくれました。
キドクガの幼虫にとてもよく似ていますが、背中の黄色い模様が少し違います。
もう一種、この手すりの花道で目立ったのがこの子たち。
何度か書いていますが、ナミテントウは以前、テントウムシ(天道虫)と呼ばれていました。
つまり、テントウムシといえば、ナミテントウのことだったのです。
ところで、この”ナミ”という呼び方がどうしても、いつまでたってもしっくりこないです。
ナミとは、上天丼、並天丼の”並”のこと。
ナミアゲハ、ナミハンミョウ、ナミハナアブなどもいますが、これらは単に、アゲハ、ハンミョウ、ハナアブとも。
でも、ナミテントウから”ナミ”をとるとテントウなので、もう”テントウムシ”とは呼ばれなくなりました。
それと、ナミテントウは並ではない特徴があります。
紋の色と形がまったく違いますが同種なのです。
これもナミテントウ。
このフィールドは二紋型の個体ばかりでしたが、個体ごとに微妙に異なります。
変わった紋の子も一匹だけいました。
それぞれ模様は違いますが、彼らもこれから集合して越冬すると思います。
その他、花道で観察したのは。
クヌギ林の定番虫のはずですが、なかなか観察できません。
もう一種、見た目がまったく違うカメムシ。
後ろ脚が太くて、トゲもあり、”ホソ”なのに強そう。 まさに、ホソマッチョ。
最後はこの子。
触覚の白い部分が特徴ですが、トガリヒメバチの仲間はこの特徴を持ったのが多くて同定困難。
この日も午後昆虫館へ行ったのですが、なんと先生もトガリヒメバチを近所で採集していて、これなんだろう?って。
都内にもいたわけですから、特にめずらしい種ではなく、”並”なのでしょう。
裏道を辿って昆虫館へ行く途中、公園の脇の急坂を登っていると、目の前を白い綿毛が通り過ぎました。
が、その瞬間、コンチューターの針が振り切れました。
あわててカバンから折りたたみ傘を出して、捕虫網の代わりにしました。
それはふわふわと空中に浮いていましたが、少しの風で高く吹き上がってしまいます。
数ミリしかないので、すぐ見失います。
でも幸運にもまた風でこちらに吹き寄せられて、再度とらえることができました。
そして傘の裏面に着地させることができました。
体長は4ミリくらい。白いロウ状の物質を身にまとい、空中を浮遊するところから、”雪虫”といわれます。
主に北海道や東北地方に分布する、トドノネオオワタムシもこれにとてもよく似ていて雪虫と呼ばれます。
と、ここまで書いて過去の記事のことを思い出しました。
房総でこの虫を観察したときにトドノネオオワタムシとしましたが、本種の可能性の方が高いですね。
記事を修正しておきます。
今日の湯加減
フユシャクとは、冬に活動する蛾のことです。
水路に沿った遊歩道の手すりの上が観察ポイントなのですが、結果から書くと、まだ出現していませんでした。
(去年の観察記事はこちら)
が、今日また行ってみたらいました。
クロスジフユエダシャク ♀ (シャクガ科)
体長は10ミリくらい。 手すりの花道の上でじっとオスが来るのを待っているのです。
フユシャクの仲間はその名の通り、冬になると活動を始めます。
メスは翅が退化して飛べません。
だから、開けた場所に這い出てじっとしています。
ここの手すりは絶好のオスとの待ち合わせ場所なのです。
園内を探してみたらオスもいました。
クロスジフユエダシャク ♂ (シャクガ科)
オスはメスを探すために翅があり、触角も発達しています。
花道には蛾の幼虫もいました。
体長20ミリほど。 見ての通りのド派手な色合いはいわゆる警戒色(警告色)なのでしょう。
体毛には毒があります。
ただ向こうから襲ってくることはありませんから、そっと近づいてみました。
すると、目線をくれました。
ゴマフリドクガ 幼虫 (ドクガ科)
キドクガの幼虫にとてもよく似ていますが、背中の黄色い模様が少し違います。
もう一種、この手すりの花道で目立ったのがこの子たち。
ナミテントウ (テントウムシ科)
何度か書いていますが、ナミテントウは以前、テントウムシ(天道虫)と呼ばれていました。
つまり、テントウムシといえば、ナミテントウのことだったのです。
ところで、この”ナミ”という呼び方がどうしても、いつまでたってもしっくりこないです。
ナミとは、上天丼、並天丼の”並”のこと。
ナミアゲハ、ナミハンミョウ、ナミハナアブなどもいますが、これらは単に、アゲハ、ハンミョウ、ハナアブとも。
でも、ナミテントウから”ナミ”をとるとテントウなので、もう”テントウムシ”とは呼ばれなくなりました。
それと、ナミテントウは並ではない特徴があります。
ナミテントウ (テントウムシ科)
紋の色と形がまったく違いますが同種なのです。
これもナミテントウ。
ナミテントウ (テントウムシ科)
このフィールドは二紋型の個体ばかりでしたが、個体ごとに微妙に異なります。
ナミテントウ (テントウムシ科)
変わった紋の子も一匹だけいました。
ナミテントウ (テントウムシ科)
それぞれ模様は違いますが、彼らもこれから集合して越冬すると思います。
その他、花道で観察したのは。
クヌギカメムシ (カメムシ科)
クヌギ林の定番虫のはずですが、なかなか観察できません。
もう一種、見た目がまったく違うカメムシ。
ホソヘリカメムシ (カメムシ科)
後ろ脚が太くて、トゲもあり、”ホソ”なのに強そう。 まさに、ホソマッチョ。
最後はこの子。
トガリヒメバチの仲間
触覚の白い部分が特徴ですが、トガリヒメバチの仲間はこの特徴を持ったのが多くて同定困難。
この日も午後昆虫館へ行ったのですが、なんと先生もトガリヒメバチを近所で採集していて、これなんだろう?って。
都内にもいたわけですから、特にめずらしい種ではなく、”並”なのでしょう。
オマケ
裏道を辿って昆虫館へ行く途中、公園の脇の急坂を登っていると、目の前を白い綿毛が通り過ぎました。
が、その瞬間、コンチューターの針が振り切れました。
あわててカバンから折りたたみ傘を出して、捕虫網の代わりにしました。
それはふわふわと空中に浮いていましたが、少しの風で高く吹き上がってしまいます。
数ミリしかないので、すぐ見失います。
でも幸運にもまた風でこちらに吹き寄せられて、再度とらえることができました。
そして傘の裏面に着地させることができました。
ヒイラギハマキワタムシ (アブラムシ科)
体長は4ミリくらい。白いロウ状の物質を身にまとい、空中を浮遊するところから、”雪虫”といわれます。
主に北海道や東北地方に分布する、トドノネオオワタムシもこれにとてもよく似ていて雪虫と呼ばれます。
と、ここまで書いて過去の記事のことを思い出しました。
房総でこの虫を観察したときにトドノネオオワタムシとしましたが、本種の可能性の方が高いですね。
記事を修正しておきます。
今日の湯加減
あいかわらず朝からドタバタでしたが、今日も会議で昆虫館にきています。
生き虫として展示していたハンミョウたち、一旦冬眠していたのですが、今日は走り回っていました。
今日は都内も平年並みの寒さでしたが、50数年ぶりの積雪があった一時期よりも少し暖かくなったからかな。
今朝のフクシャクポイントの林も陽射しがあると暖かくてオスのフユシャクの活性も高かった気がします。
ちっょうど観察会もやっていてHFでお世話になっている観察指導員の先生にも会えました。
たまたま出会った親子連れの男の子はカマキリが一番のお気に入りとのこと。
昆虫館に遊びにきてくださいとお誘いしておきました。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
おはようございます^^
この寒い中にも虫が結構いるのですね。先日わたくしはヒラタアブらしいものを庭で撮影しました。
by mimimomo (2016-12-11 06:46)
お早うございます。
蛾さんの目線には笑えました(_ _) 雪虫を見てみたいです。
by yakko (2016-12-11 08:23)
ヒイラギハマキワタムシ綺麗ですね(^_^)
確かにこちらで見る、いわゆる雪虫(トドノオオワタムシ)に似てますが、ちょっと違う感じもしますね。
by sasasa (2016-12-11 19:00)
寒いけど探せばいるものですね。
こんどは手刷りもよく見てみます。
by 響 (2016-12-11 19:29)
>mimimomoさん
越冬している虫はたくさんいますね。
ヒラタアブは冬でも活発ですね^^
>yakkoさん
かわいいですが、きれいな幼虫には毒があります^^;
>sasasaさん
そちらで見られるのはトドノネオオワタムシだけですか?
>響さん
小さいし、このように手すりの色と似ていると見過ごしてしまいがち。
ガードレールもお見逃しなく^^
by ぜふ (2016-12-12 23:56)
>メスは翅が退化して飛べません。
こういうこともあるのですね。面白い。
ナミテントウ、こんなに模様が異なっているのに同じナミテントウなのですね。
別の種類に見えますが。柿の葉が紅葉してゆく時にできる柄の差の程度の個体差なのでしょうか。
>目の前を白い綿毛が通り過ぎました
こんなのに気付くなんて、感度良好ですね。素晴らしい。
写真をじっくり見てみると、きれいですね。
by アヨアン・イゴカー (2016-12-13 14:15)
ドクガの幼虫さんおカメラ目線、、きまってますね
ナミのお話、、そうですねと、一人頷いています
ワタムシの、青の美しさ、、素敵です
by engrid (2016-12-14 17:43)
雪虫、今年はまだ2回しか見ていません
それだけ山に行ってないようです・・・
by g_g (2016-12-14 18:43)
>アヨアン・イゴカーさん
ナミテントウの柄にも一定の法則があるようで、その研究もされています。
雪虫は初見だったら見過ごしたと思います。 気が付いてよかった^^
>engridさん
あいさつされたように思いました^^
ワタムシの青さに気が付くとは・・よい観察眼をお持ちですね♪
>g_gさん
そちらの雪虫はどちらのワタムシでしょうか? トドノネでしょうか?
ぜひ写真を見せてください。 小さくて撮影は大変でしょうけど^^;
by ぜふ (2016-12-14 21:39)
詳しくは分からないですが、雪虫とよばれるものの中にも、
トドノオオワタムシ以外にもいるらしいですよ。
by sasasa (2016-12-17 18:09)
>sasasaさん
返信ありがとうございました。
ただ、それは存じ上げています。大きさの違いもあると思います。
by ぜふ (2016-12-17 19:45)