"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
オサホリのコツ [オサムシ]
もう春は来ているはずなのに、春の上にしつこく冬が覆いかぶさっているようなチバです。
暖冬だったことは確かなのに、今年もまた短い春になりそうですね・・
さて、12月の掘り納め記事を書きましたが、シーズン最後のオサホリに行ってきました。
(”シーズン”という意味では今回が掘り納め)
3月下旬ともなると冬眠から覚めて土の中にはもういないということもあり得ますが、気温が低いのはプラス要因。
3月21日、場所は房総半島のほぼど真ん中。
ファーブル会オサ部の部活として催行しましたので今回は単行ではありません。
総勢5名。 オサホリの人数としてはこれくらいが上限。
各自装備を整えて、小雨まじりの中、渓流沿いの散策路を目指します。
はじめての部員もいましたので散策路の入り口で掘り方のレクチャーをしました。
渓流に降りる小道の両側に適当な小崖があったので、こういう処をこういう風に掘ります・・と説明していると・・
小学生隊員がいきなり。
いちにのさん!で今回の本命のアオオサムシを発掘。
ボクシングでいうなら”秒殺”でした。
上の写真は連れて帰ってから撮影したものですが、アオオサムシの体長は22~32ミリ。
この子は28ミリのオスです。
さて、さらにジュニア隊員が掘り当てたものは・・
どこかで見た派手な柄です。
そう、この虫も成虫越冬するのですが、なかなか見つけることはできません。
河原が近くの崖だったのがよかったのだと思います。
集団越冬するのでもっと出るかと思いましたが一匹だけでした。
それでも、いきなりの収穫でメンバーのテンションは急上昇。
扉の写真のスジアオゴミムシもここで出ました。
その小崖をしばらくみんなで掘り探しましたが、あとはこんな子が出てきただけ。
眠そうでした。というかまだ寝ていたのでそっと穴の中に戻しておきました。
上流へ移動しながら掘っていきます。
その後なかなか掘り出せなかったのですが、若きエース隊員はアカオサではないかと思われるのを一匹ゲット。
そう、今回の本命としたのはアオオサムシでしたが、この子のほうがたくさん採れました。
アワカズサオサムシはクロオサムシの仲間で体長は18~23ミリ。
アオオサムシと体の形とバランスはそっくりですが、大きさで判別できます。
隊員たちは沢を渡って、山(林)の中にも入って行きました。
その間こちらは林の斜面にせり出した木の根っこの下などを探索していましたが本命は出ず。
登って行った隊員たちも戻ってきたので昼食休憩にしました。
渓流沿いの倒木に腰かけてサンドイッチとカラアゲと小湊鉄道の駅で買った草餅を食べていると、
下山してきた女性ハイカーのグループが通りかかりました。
昼食もそこそこに発掘を再開していたエース隊員に何をしているのか尋ねたらしく、こちらに近寄ってきて、
「上流の方の土を掘り起こしたのもあなた方ですか?」
「はい、そうです」
「てっきりイノシシかと思いましたよ」
「すみません、二本足のイノシシグループです(笑)」
あまりウケなかったようで、そそくさと下って行かれました。
我々も、全員で下りながら午後の部を開始。
しかしさっぱりでした。
誰も掘り出せない。
まだ収穫ゼロの隊員も2名。
結局、最初にぼろぼろと出た、渓谷入口付近の崖を集中的に攻めることにしました。
その結果、アワカズサオサムシが数頭採れました。
しかしまだ本命が採れない。
タイムリミットも迫り、さすがにやや焦りもでてきましたが、ジュニア隊員と並んで掘っていると・・
でました。
これは幼虫です。
おそらくアオオサの子供だと思いますが、正体を確かめるべくお連れして育ててみることにしました。
この頃になるとすっかりお天気が回復して、暖かい日差しが渓谷を明るく照らしていました。
ジュニア隊員はルーミスがでるかもしれないとワクワクホルモンが出ているようでしたが、あいにくタイムアップ。
でも、アオオサ、アワカズサ、スジアオ、そしてハンミョウとコンプリートできてよかったね。
集合写真を撮って電車で帰る隊員たちを駅まで送りました。
全体の収穫は
アオオサムシ×4+幼虫1
アワカズサオサムシ×14
スジアオゴミムシ×3
スナハラゴミムシ×1
ハンミョウ×1
でした。
ところがまだ1名、ボウズの隊員がいました。
アオオサを一匹掘り出してはいたのですが、ギロチン/クラッシュだったのです。
残業するかと聞くとやる気満々。
まだ陽も傾く前だったので、別のフィールドへ移動することにしました。
道のりは20キロほどだったのですが、途中ちょっとしたハプニングがあって到着したのは3時半でした。
もうレクチャーは不要なので、坂道をしばらく登ってポイントへ着いたら即発掘開始。
エース隊員は絶好調で、次々と本命を掘り出しました。
しかしゼロ隊員はいまだにゼロ。
場所を変えても出ない。
エース隊員と並んで掘ってみても、出るのはエース隊員だけ。
ここがよさそうとエース隊員が場所をゆずってあげてもやっぱり出ない。
逆にゼロ隊員があきらめた場所をエース隊員がちょこっと掘ってみると出ちゃう。
掘れば出ちゃうので、もうゼロ隊員だけ掘ることにして、他の二人はサポートに徹することにしました。
するとついに、
ザクッと崩れ落ちた空中の土の中に黒い影を両側でサポートしていた二人は見逃さず、
「あ!」
と同時に叫びました。
が、その瞬間、ゼロ隊員はその落ちていく黒い影に向かって手スキを振り下ろしました。
「あ!」
また二人は同時に絶望の声をもらしたのでした。
まさかの空中クラッシュ。
その後、それと同じアワカズサオサムシは掘り出すことに成功しました。
しかし今度はアワカズサのラッシュ。
空中クラッシュさせたたたりか、掘れども掘れども出るのはアワカズサ。
6連続したときは、もはやミラクルだねとエース隊員と笑い合いました。
それからさらに残業すること約1時間。
日没の直前。
ついに。
みんなでハイタッチしたのは言うまでもありません。
ちなみにエース隊員の収穫は。
種別に何匹かだけ連れて帰り、他はリリースしました。
(スナハラゴミムシは持って帰るつもりだったのに間違えてリリースしたらしい)
ゼロ隊員はめでたくゼロ隊員でなくなりましたが、残業する前にこんな生き物は掘り当てていました。
今日の湯加減
暖冬だったことは確かなのに、今年もまた短い春になりそうですね・・
さて、12月の掘り納め記事を書きましたが、シーズン最後のオサホリに行ってきました。
(”シーズン”という意味では今回が掘り納め)
3月下旬ともなると冬眠から覚めて土の中にはもういないということもあり得ますが、気温が低いのはプラス要因。
3月21日、場所は房総半島のほぼど真ん中。
ファーブル会オサ部の部活として催行しましたので今回は単行ではありません。
総勢5名。 オサホリの人数としてはこれくらいが上限。
各自装備を整えて、小雨まじりの中、渓流沿いの散策路を目指します。
はじめての部員もいましたので散策路の入り口で掘り方のレクチャーをしました。
渓流に降りる小道の両側に適当な小崖があったので、こういう処をこういう風に掘ります・・と説明していると・・
小学生隊員がいきなり。
いちにのさん!で今回の本命のアオオサムシを発掘。
ボクシングでいうなら”秒殺”でした。
上の写真は連れて帰ってから撮影したものですが、アオオサムシの体長は22~32ミリ。
この子は28ミリのオスです。
さて、さらにジュニア隊員が掘り当てたものは・・
どこかで見た派手な柄です。
そう、この虫も成虫越冬するのですが、なかなか見つけることはできません。
河原が近くの崖だったのがよかったのだと思います。
ハンミョウ (オサムシ科)
集団越冬するのでもっと出るかと思いましたが一匹だけでした。
それでも、いきなりの収穫でメンバーのテンションは急上昇。
扉の写真のスジアオゴミムシもここで出ました。
コガシラアオゴミムシ (オサムシ科)
その小崖をしばらくみんなで掘り探しましたが、あとはこんな子が出てきただけ。
シュレーゲルアオガエル
眠そうでした。というかまだ寝ていたのでそっと穴の中に戻しておきました。
上流へ移動しながら掘っていきます。
その後なかなか掘り出せなかったのですが、若きエース隊員はアカオサではないかと思われるのを一匹ゲット。
そう、今回の本命としたのはアオオサムシでしたが、この子のほうがたくさん採れました。
アワカズサオサムシ (オサムシ科)
アワカズサオサムシはクロオサムシの仲間で体長は18~23ミリ。
アオオサムシと体の形とバランスはそっくりですが、大きさで判別できます。
隊員たちは沢を渡って、山(林)の中にも入って行きました。
その間こちらは林の斜面にせり出した木の根っこの下などを探索していましたが本命は出ず。
登って行った隊員たちも戻ってきたので昼食休憩にしました。
渓流沿いの倒木に腰かけてサンドイッチとカラアゲと小湊鉄道の駅で買った草餅を食べていると、
下山してきた女性ハイカーのグループが通りかかりました。
昼食もそこそこに発掘を再開していたエース隊員に何をしているのか尋ねたらしく、こちらに近寄ってきて、
「上流の方の土を掘り起こしたのもあなた方ですか?」
「はい、そうです」
「てっきりイノシシかと思いましたよ」
「すみません、二本足のイノシシグループです(笑)」
あまりウケなかったようで、そそくさと下って行かれました。
我々も、全員で下りながら午後の部を開始。
しかしさっぱりでした。
誰も掘り出せない。
まだ収穫ゼロの隊員も2名。
結局、最初にぼろぼろと出た、渓谷入口付近の崖を集中的に攻めることにしました。
その結果、アワカズサオサムシが数頭採れました。
しかしまだ本命が採れない。
タイムリミットも迫り、さすがにやや焦りもでてきましたが、ジュニア隊員と並んで掘っていると・・
でました。
これは幼虫です。
おそらくアオオサの子供だと思いますが、正体を確かめるべくお連れして育ててみることにしました。
この頃になるとすっかりお天気が回復して、暖かい日差しが渓谷を明るく照らしていました。
ジュニア隊員はルーミスがでるかもしれないとワクワクホルモンが出ているようでしたが、あいにくタイムアップ。
でも、アオオサ、アワカズサ、スジアオ、そしてハンミョウとコンプリートできてよかったね。
集合写真を撮って電車で帰る隊員たちを駅まで送りました。
全体の収穫は
アオオサムシ×4+幼虫1
アワカズサオサムシ×14
スジアオゴミムシ×3
スナハラゴミムシ×1
ハンミョウ×1
でした。
ところがまだ1名、ボウズの隊員がいました。
アオオサを一匹掘り出してはいたのですが、ギロチン/クラッシュだったのです。
残業するかと聞くとやる気満々。
まだ陽も傾く前だったので、別のフィールドへ移動することにしました。
道のりは20キロほどだったのですが、途中ちょっとしたハプニングがあって到着したのは3時半でした。
もうレクチャーは不要なので、坂道をしばらく登ってポイントへ着いたら即発掘開始。
エース隊員は絶好調で、次々と本命を掘り出しました。
しかしゼロ隊員はいまだにゼロ。
場所を変えても出ない。
エース隊員と並んで掘ってみても、出るのはエース隊員だけ。
ここがよさそうとエース隊員が場所をゆずってあげてもやっぱり出ない。
逆にゼロ隊員があきらめた場所をエース隊員がちょこっと掘ってみると出ちゃう。
掘れば出ちゃうので、もうゼロ隊員だけ掘ることにして、他の二人はサポートに徹することにしました。
するとついに、
ザクッと崩れ落ちた空中の土の中に黒い影を両側でサポートしていた二人は見逃さず、
「あ!」
と同時に叫びました。
が、その瞬間、ゼロ隊員はその落ちていく黒い影に向かって手スキを振り下ろしました。
「あ!」
また二人は同時に絶望の声をもらしたのでした。
まさかの空中クラッシュ。
その後、それと同じアワカズサオサムシは掘り出すことに成功しました。
しかし今度はアワカズサのラッシュ。
空中クラッシュさせたたたりか、掘れども掘れども出るのはアワカズサ。
6連続したときは、もはやミラクルだねとエース隊員と笑い合いました。
それからさらに残業すること約1時間。
日没の直前。
ついに。
みんなでハイタッチしたのは言うまでもありません。
ちなみにエース隊員の収穫は。
種別に何匹かだけ連れて帰り、他はリリースしました。
(スナハラゴミムシは持って帰るつもりだったのに間違えてリリースしたらしい)
オマケ ハチュ
ゼロ隊員はめでたくゼロ隊員でなくなりましたが、残業する前にこんな生き物は掘り当てていました。
カナヘビ
今日の湯加減
初オサホリの部員たち全員掘り出すことができて企画者としてほっとしました。
初隊員が当日メールで送ってきてくれた感想 「明日もまた行きたい気持ちです」
はじめてオサホリしたときはまったく同じ気分だったことを思い出しました。
次は来シーズンになりますが、それまであの土の感覚を忘れないでいてほしいと思います。
(いる場所は土の柔らかさと湿度が違うのです)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんばんは^^
始めとっても好調で・・・続くと思ったけれどなかなかそうはいかないものですね。それにしてもこの寒さでは皆やはり眠っているのでしょうかしらね~ わたくしも冬眠したいくらい寒い(><;
エース隊員、凄い収穫!(@@
by mimimomo (2016-03-27 18:12)
やはり経験と集中力でしょうか~
それにしても寒い(><)
by よしころん (2016-03-27 20:18)
やはりせっかく出掛けるのですから、
こういして見つかると嬉しいですよね。
初めての人たち、見つける事ができてよかった(^_^)
by sasasa (2016-03-28 13:58)
こんばんは。
ゼロ隊員さん、虫をゲットできて良かったですね(^_^)
by yakko (2016-03-28 18:33)
>mimimomoさん
収穫は最初に採れた一匹のみ・・というのはよくありますね^^;
オサホリにはちょうどよい気温でした♪
>よしころんさん
あと、鼻も大事ですね^^
寒かったですが、汗かきました^^;
>sasasaさん
部活ですかね^^
新入部員は一番がんばらないと!
>yakkoさん
本人はもとよりサポートする側も歓喜でした^^
by ぜふ (2016-03-29 22:02)
熱中してみえる雰囲気が、強くこちらにも伝わってきます
時を忘れ、集中、
楽しんで、収穫!
幼虫くん、どんな子に育つのかしら、
アオガエルくんの、眠そうな目も、
可愛らしいやら、おかしいやらです
by engrid (2016-03-30 00:06)
大収穫ですね。
イノシシ掘り恐るべし(笑)
ハンミョウも掘れば今の時期でも見れるのですね。
by 響 (2016-03-31 21:20)
>engridさん
みなはじめてのときは夢中になるんです♪
アオガエルはずっと寝たままでした^^
>響さん
今回はちょっと荒らし過ぎかもしれませんでした^^;
ハンミョウは集団越冬しますが、なぜか一匹だけ。
かえってフシギでした。
by ぜふ (2016-03-31 23:46)
冬眠中のカエル、まるでマンガみたいに、ぐっすり寝ているように
見えます。シュレーゲルアオガエルという名称は初めて聞きました。
幼虫は、何かの怪獣みたいにカッコいい。成虫とはずい分と
形が違いますね。
同じ場所を同じように掘っていても、ダメな時があるんですねー。
by sakamono (2016-04-01 23:55)
小学生大活躍ですね。
子供の頃にこんなきれいな虫たちを見ることができたらすごい感動で一生忘れないでしょうね。^^
by Nyandam (2016-04-03 17:23)
>sakamonoさん
オサムシの幼虫は人気でした♪
成虫にはない体側の突起がカッコイイですよね。
何事も経験は大事なんですよねー^^
>Nyandamさん
ジュニア隊員は小学生ですが昆虫についてはベテランなんです。
でもオサホリははじめてで楽しんでくれてました♪
一生忘れないでいてくれたらうれしいです^^
by ぜふ (2016-04-03 17:59)