SSブログ

"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

下町の森 [ファーブル会]

文京区の路地奥に”千駄木ふれあいの杜”という、小さな森があります。

江戸時代の武家屋敷の庭だったところだそうで、通称”屋敷森”とも呼ばれています。

その森は地元町内の方や元住民の方などがボランティアで整備し、公園として開放しています。

こうした都会の中に点在している緑地を保全して、昆虫や鳥からみたときに、点が線になるように、
都会に緑の回廊を作るという夢をかなえるために、ファーブル会は整備・調査のお手伝いをしています。

昨日も土壌・環境調査が実施され、その一環として昆虫の観察もしました。

P9120108.jpg



前記事に蚊柱の写真を載せたことが伏線だったかのように、大量のヤブ蚊(メス)が出迎えてくれました。

一瞬、いや、さすがにひるむほどの数でした。

さて、それはともかく、都会の中の小さな森にもさまざまな昆虫がいますというのが今回の記事の主旨です。

扉の写真の子は、スゲハムシかと思いましたが、この森には池や川がない(元々は池があって水脈もある)。

ハムシ図鑑で調べてみたら、

P9120110.jpg

キバラルリクビボソハムシ (ハムシ科)


でした。(一枚目の写真に黄色いお腹がちらりと写っています)

それでは調査の結果の一部を列挙します。(掲載しにくい虫もいるので一部です)

下町とはいえ都会の昆虫なのでめずらしい虫はいませんが、HFではみかけない子もたくさん観察できました。

P9120091.jpg

トホシテントウ (テントウムシ科)


ナナホシテントウに似ていますが、名前のとおり星の数が違います。

これは星はありませんが、やはり名前のとおりの模様。

P9120136.jpg

ベニヘリテントウ (テントウムシ科)


次はカメムシ類。

P9120094.jpg

ウシカメムシ (幼虫) (カメムシ科)


まだ幼虫ですが、猛牛のような角状突起。

これも幼虫。

P9120100.jpg

クサギカメムシ (幼虫) (カメムシ科)


もうひとつ。

P9120104.jpg

ハリカメムシ (ヘリカメムシ科)


ヘリカメムシ科のハリカメムシです。

これも大きくはカメムシの仲間で、どこでも見られます。

P9120106.jpg

ツマグロオオヨコバイ (ヨコバイ科)


scarabe.gif


この子のおでましは期待していました。(ちょうど1年前にも観察したので)

曇っていたのですが、それでも林床をきらきらと低空飛行してきたので、着地するまでじっと追いかけました。

P9120116.jpg

センチコガネ (コガネムシ科)


2匹目も登場。

P9120127.jpg

同上


同じ場所でもセンチコガネの体色はこれくらい個体差があるということです。

scarabe.gif


クロアゲハやジャノメチョウの仲間もいましたが、逃げられてしまいました。

この子もなかなか撮らせてくれなくて、しかも逃げられたのですが、しばらくすると戻ってきてくれたのでした。

P9120123.jpg

アオスジアゲハ (アゲハチョウ科)


何しに戻ってきたかというと・・

P9120125.jpg


シロダモの若芽に。




オマケ


前記事の探虫で見つけた子たちのうち、まだ紹介していない子たち。

P9070072.jpg

ツヤエンマコガネ (コガネムシ科)


エンマコガネは種類が多く、かつどれも似ているので、端から同定をしないという方もいます。

P9070084.jpg

同上


この子は手元の図鑑ではマエカドエンマコガネが一番似ていたのですが、前胸部の形がどうも違う。

昆虫館の大きな図鑑で同定しました。

が、また見つけても、もう当分同定しないかもしれません。

だって、この子たち、こんなにチビッコなんです。

P9070086.jpg





今日の湯加減

今日も観察会に登戸の河川敷に行ってきました。
先日来の大雨の影響が心配されましたが、開催ポイントはまったく問題ありませんでした。
ただし、川縁に並立しているヤナギの木の幹には、頭の高さより上のところに枯れた葦が絡みついていました。
増水の痕ということですが、真っ先に気になったことは、もしこのヤナギにクワガタがいたとしたら、
その子たちはどうなってしまったか。
樹皮の割れ目の隙間や樹冠付近まで登っていたとしても、とても耐えられなかったでしょう。
増水する前にどこか安全なところへ飛んで避難していてくれていればと願うばかりです。


↓これもお願いします

百一.jpg





nice!(36)  コメント(12) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 36

コメント 12

shino*

探せば近くにも沢山の虫たちがいるんですね
日曜日は近くの神社で黒アゲハに好かれました(笑
by shino* (2015-09-14 01:36) 

mimimomo

おはようございます^^
武家屋敷の庭だったところ・・・興味あります^^
テントウムシは特にナナホシなど可愛いですが、このベニヘリテントウも素敵ですね~会ってみたいです。
by mimimomo (2015-09-14 06:31) 

馬爺

おはようございます。
我が家にもあかたもの木が有りますが大きな毛虫が良くいますね、この青筋揚羽の幼虫でしたか。
by 馬爺 (2015-09-14 11:40) 

よしころん

大雨被害、虫さんたち逃れてくれていますように・・・
by よしころん (2015-09-15 14:55) 

ぜふ

>shino*さん
少しでも住める環境が残っていれば虫たちはたくましく生存しますね。
黒いアゲハにはこの日嫌われましたが^^;

>mimimomoさん
緑地として残っているくらいですから更地にしにくいところなんです。
ただ、虫たちにはもちろん関係ない^^

>馬爺さん
アカダモですか? それはシロダモとはまったく別種ですので、アオスジアゲハではないと思います。そもそもアオスジアゲハの幼虫は毛虫じゃないです。

>よしころんさん
多摩川の河川敷にはクワガタがいるんです。 どうか逃れていてほしい。。

by ぜふ (2015-09-15 22:40) 

engrid

屋敷森、もうそのネーミングに惹かれます
都会の中の贅沢、オアシス
虫たちでけでなく、人にも、、、蚊はちょっとですが
by engrid (2015-09-16 01:01) 

アサギいろ

金ピカのコガネムシと黒塗りのエンマさまやダイコクさま。
私もお会いしたいものです。
by アサギいろ (2015-09-16 22:48) 

ぜふ

>engridさん
希少な森ですが、オアシスというには蚊が多すぎました^^;

>アサギいろさん
エンマコガネもよく観察するととても愛敬がありますね♪
ダイコクさまはなんとなく神々しくもあります^^
by ぜふ (2015-09-17 07:11) 

響

ウシカメムシは小さくても角みたいな
出っ張りがちゃんとあるのですね。
すごく小さいはずの卵をよく見つけれますね。
by (2015-09-18 03:24) 

ねこじたん

都会にある森 気になりますね〜
こんなにたくさん 虫 いるんですね
みつけたら ビビりますけどね(笑
by ねこじたん (2015-09-18 08:27) 

sakamono

ツマグロオオヨコバイは知っていましたが、カメムシの仲間だったとは!
ビックリしました^^;。指先との比較写真にも驚きました。こんなに
小さかったんですねー。
by sakamono (2015-09-18 22:21) 

ぜふ

>ねこじたんさん
アゲハの仲間もいろいろ飛んでくるんですよ♪
一番たくさんいたのは、蚊でしたが^^;

>sakamonoさん
ヨコバイもそうですが、セミもアメンボもカメムシ目なんですよ^^
エンマコガネたちは小さいながらも特徴は同じでおもしろいです。
by ぜふ (2015-09-19 07:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

そろそろ帰ろう ~ぜふのムシブロ~ - にほんブログ村