"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
M:I&C 2 [探虫行]
甲州信州の後編の前に速報で前々記事のパート2をお送りします。
虫系月刊誌の最新号に気になる(あるめずらしい虫が房総で採れたという)記事が出ていて、
よく読むとそのポイントは前々記事で行ったポイントのすぐ近くだったのです。
むむむ。これはもう一度行きなさい、と虫のかみさまが言っているのだと確信し、またまたまたもや南房総へ。
前回は暑さでプチ熱中症になったので、今回は早起きして朝6時前には出発するぞと・・・・
起きたら6時半でした。。。
バタバタと支度して前回と同じルートで房総半島の最南端を目指しました。
扉の写真は、ハマゴウという花です。
ハマボウともいうそうですが、属名はハマゴウ属。日本では本州以南の砂浜に分布するそうです。
さて、今回はターゲットは、このハマゴウを食草とする昆虫。
その名も「ハマゴウハムシ」。
日本、中国、台湾、東南アジアに広く分布するらしいですが、国内の分布は九州南部以南としている図鑑もあるとか。
鳥取県と高知県でも採集記録がありますが、それぞれ1934年と1954年。
もう60年以上本州では発見されていない虫。
それが房総で採れたという記事が出ていたのです。
というわけで、ハマゴウの群落の前で立ちつくしていました。
相手は1センチに満たない子なのですが、自慢のコンチューターの出力をフルパワーにすればなんとかなる・・
しかし、前回、前々回にも増してすさまじい熱気が砂浜には充満していて、オーバーヒートすれすれ。
見下ろすハマゴウの葉の上に汗がポタポタと落ちるのもそのままに探虫しますが、いません。
砂地に出たので、転がっている流木を見つけるとどうしてもひっくり返してみたくなります。
お昼寝しているこの子には会えました。
20ミリオーバーの立派な子ですが、見慣れてきてしまいました・・
集団でみかけるこの子はなぜか一人ぽっちでした。(別の木の下で集団を観察しました)
ちょっとめずらしい色形のハチが足元に舞い降りて砂をかいていました。
この子は見慣れてます。
あとはバッタがいくつか・・
そんな倒木ころがしをしているうちにまたもや水筒の水もなくなり、カラータイマーがピコンピコンと鳴りはじめました。
一旦水道のある場所まで戻り、水分補給と首に巻いた手拭いを濡らしなおしました。
場所を移動してみようとオートバイにまたがり、最徐行で海側を見つつポイントをさぐりながら西進しました。
しかし、すぐに景色は砂浜から磯に変わり、ハマゴウの群落も見当たりませんでした。
しかたなく、Uターンしてまたさっきの群落のところまで来ると道路沿いに自動販売機があったので停車しました。
日陰に入って缶ジュースを一気に飲み干し、あきらめて帰ることにしました。
オートバイを止めた場所まで戻り、リアボックスを開けて道具を整理しようとしたとき。
足元の葉っぱが目にとまりました。
ん~?
これ、食痕じゃないか?!
すると・・
あ、これは幼虫では??
さらに・・
あ、これは前蛹では???
そして・・
いたー!
体長は7~8ミリくらいでしょうか、葉裏でじっとしていました。
前翅の模様がカメノコテントウに似ていますが、個体差がかなりあります。
それぞれが一点物の細工品みたいで、和装用の小物のよう。(小さすぎますが)
よく見ると、半透明の体はうっすらと緑色をしています。おそらく、食べたハマゴウの葉の色でしょうね。
若芽に頭を突っ込むようにしているのもいました。
ラブ虫も見っけ。
どうやらかなり局所的に発生しているようでしたが、集団といえるほど数はいました。
ということで、今回はミッション・コンプリート! (オオヒョウタンゴミムシの探索は続きますが・・)
よかったね、と磯の岩の上でアオサギが見送ってくれました。
さあ、とっとと帰ろうと、今度はほんとに身支度を整えていたら、またもやコンチューターが何かをキャッチ。
小さな小さな青いパトランプを点けたイトトンボでした。
アジアイトトンボにとてもよく似ていますが、ここは海岸なので、この子で間違いないでしょう。
今日の湯加減
虫系月刊誌の最新号に気になる(あるめずらしい虫が房総で採れたという)記事が出ていて、
よく読むとそのポイントは前々記事で行ったポイントのすぐ近くだったのです。
むむむ。これはもう一度行きなさい、と虫のかみさまが言っているのだと確信し、またまたまたもや南房総へ。
前回は暑さでプチ熱中症になったので、今回は早起きして朝6時前には出発するぞと・・・・
起きたら6時半でした。。。
バタバタと支度して前回と同じルートで房総半島の最南端を目指しました。
扉の写真は、ハマゴウという花です。
ハマボウともいうそうですが、属名はハマゴウ属。日本では本州以南の砂浜に分布するそうです。
ハマゴウ
さて、今回はターゲットは、このハマゴウを食草とする昆虫。
その名も「ハマゴウハムシ」。
日本、中国、台湾、東南アジアに広く分布するらしいですが、国内の分布は九州南部以南としている図鑑もあるとか。
鳥取県と高知県でも採集記録がありますが、それぞれ1934年と1954年。
もう60年以上本州では発見されていない虫。
それが房総で採れたという記事が出ていたのです。
というわけで、ハマゴウの群落の前で立ちつくしていました。
相手は1センチに満たない子なのですが、自慢のコンチューターの出力をフルパワーにすればなんとかなる・・
しかし、前回、前々回にも増してすさまじい熱気が砂浜には充満していて、オーバーヒートすれすれ。
見下ろすハマゴウの葉の上に汗がポタポタと落ちるのもそのままに探虫しますが、いません。
砂地に出たので、転がっている流木を見つけるとどうしてもひっくり返してみたくなります。
お昼寝しているこの子には会えました。
ヒョウタンゴミムシ (オサムシ科)
20ミリオーバーの立派な子ですが、見慣れてきてしまいました・・
集団でみかけるこの子はなぜか一人ぽっちでした。(別の木の下で集団を観察しました)
スジコガシラゴミムシダマシ* (ハムシダマシ科)
*違うかもしれないとまた悩んでいます
ちょっとめずらしい色形のハチが足元に舞い降りて砂をかいていました。
未同定
この子は見慣れてます。
セイヨウミチバチ (ミツバチ科)
あとはバッタがいくつか・・
ヤマトマダラバッタの幼虫? (バッタ科)
そんな倒木ころがしをしているうちにまたもや水筒の水もなくなり、カラータイマーがピコンピコンと鳴りはじめました。
一旦水道のある場所まで戻り、水分補給と首に巻いた手拭いを濡らしなおしました。
場所を移動してみようとオートバイにまたがり、最徐行で海側を見つつポイントをさぐりながら西進しました。
しかし、すぐに景色は砂浜から磯に変わり、ハマゴウの群落も見当たりませんでした。
しかたなく、Uターンしてまたさっきの群落のところまで来ると道路沿いに自動販売機があったので停車しました。
日陰に入って缶ジュースを一気に飲み干し、あきらめて帰ることにしました。
オートバイを止めた場所まで戻り、リアボックスを開けて道具を整理しようとしたとき。
足元の葉っぱが目にとまりました。
ん~?
これ、食痕じゃないか?!
すると・・
あ、これは幼虫では??
さらに・・
あ、これは前蛹では???
そして・・
いたー!
ハマゴウハムシ (ハムシ科)
体長は7~8ミリくらいでしょうか、葉裏でじっとしていました。
前翅の模様がカメノコテントウに似ていますが、個体差がかなりあります。
それぞれが一点物の細工品みたいで、和装用の小物のよう。(小さすぎますが)
よく見ると、半透明の体はうっすらと緑色をしています。おそらく、食べたハマゴウの葉の色でしょうね。
若芽に頭を突っ込むようにしているのもいました。
ラブ虫も見っけ。
どうやらかなり局所的に発生しているようでしたが、集団といえるほど数はいました。
ということで、今回はミッション・コンプリート! (オオヒョウタンゴミムシの探索は続きますが・・)
よかったね、と磯の岩の上でアオサギが見送ってくれました。
オマケ
さあ、とっとと帰ろうと、今度はほんとに身支度を整えていたら、またもやコンチューターが何かをキャッチ。
小さな小さな青いパトランプを点けたイトトンボでした。
アオモンイトトンボ (イトトンボ科)
アジアイトトンボにとてもよく似ていますが、ここは海岸なので、この子で間違いないでしょう。
今日の湯加減
今年のチバは暑いです。
とくに今日(8月1日)は、生まれてこの方体感したことのないような蒸し暑さだと思いました。
ハマゴウハムシが見つかってくれてよかったです。
あれ以上、砂浜にいたらキケンだったと思います。
(そんな中、浜でキャンプしている方が大勢いましたが・・)
ハマゴウハムシは本編にも書いたとおり南方系の昆虫で、沖縄や南西諸島では普通種のようです。
しかし、九州南部以南しかいなかった虫がどうやって南房総までやってきたのでしょう。
ハマゴウ自体は自生しているもののようですから、植物の移入によるものではないと思われます。
在来していたとしたら、よく60年以上も見つからずにいたなあということになります。
わざわざ放虫するような種でもないと思いますし・・・
真相はどうであれ、農作物の害虫ではないようなので、このまま南房総が産地になってくれればと思います。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ハマゴウ、こちらではハマボウです
鳥取の海岸にもありましたが花は咲いてなかったような(^^;)
てんぷらを食べた記憶があります(笑)
粘って戻った甲斐がありましたねʕ•̫͡•ʔ♬✧
初秋に着たい色合いのお召し物ですね。
by barbie (2015-08-02 07:23)
お早うございます。
ハマゴウは初めて知りました。可愛い花ですね。
ハマゴウハムシにも会えて良かったですね。
岩の上のアオサギ ! ナイスショット !!
by yakko (2015-08-02 09:05)
珍しいハマゴウムシの発見おめでとうございます。
発見前に倒れなくて良かったですね(^_-)-☆
自分も花を探して何回も戻る事があり、やはり
諦めない事ですね。
by g_g (2015-08-02 09:36)
ハマゴウハムシ、見つかって良かったですね~。
「あっ。いたっ♪」って瞬間って嬉しいですよね^^
by MIKUKO. (2015-08-02 14:39)
こんにちは^^
花の方へ目が行くわたくし、ハマゴウって初めて知りました。
木本類なんですね~お花のお色も良いわ。
ぜふさんのお求めのものがあって良かったですね。
この暑い時に、行った甲斐があったと言うものですね^^v
by mimimomo (2015-08-02 15:56)
ハマゴウはこちらでもたくさん咲いています。
探してみたいけど今の海岸は暑いですよね。
葉っぱを揉むとトイレの芳香剤の香りがするので
毎回揉んでいます(笑)
by 響 (2015-08-02 19:14)
>barbieさん
食べられるんですね!料理には出会ったことがないですが、どんな味なんだろ。
柄はちょっと京風?^^
>yakkoさん
暑い中、わざわざでかけたかいがありました♪
アオサギは叫んでいました^^
>g_gさん
諦めようとしていたのですが・・虫運がありました^^;
倒れなくてよかったです^^
>MIKUKO.さん
ほんとにその瞬間、口から声がでてしまいました^^;
あ、前記事へのコメントですが、基本的に採集はせず撮影するだけです。
たまに採集するのは飼育目的です^^
>mimimomoさん
暑くてあまり落ち着いて撮ることができませんでした、ハマゴウの花。
他の虫にも多少会えましたが、目的がかなってよかったです^^
>響さん
そう、香りがかなり強い植物ですね。揉まなくても群落は充満してました^^;
そちらにもいるかもしれないのでぜひ探してみてください・・熱中症のキケンが伴いますが。。^^
by ぜふ (2015-08-03 07:17)
齧りあとから、順を追って、見つかってよかったですね
熱気のなか、空振りは辛いです
酷暑は日本中ですね、、
涼風を夕方に感じたいのに
街なかは、温風です、、、浴衣姿より短パンの夏です
・・・楚々とした涼しげな方見かけると、なんて素敵と思うのですが
by engrid (2015-08-03 16:08)
今回は未同定のムシを始め、別の惑星に潜むムシの世界のよう。普段は全く気に欠けないようなムシにもすごーい個性があると知ることができました。
またイトトンボの仲間の同定に生息環境が必要・・勉強になりました。
by アサギいろ (2015-08-03 21:54)
>engridさん
食痕をさがすのは基本ですが、見つけられたのは偶然が大きかったですね。
空振りはつらいところでした^^;
短パンいいですね~ オートバイだとはけないですが・・
>アサギいろさん
房総にもいるのですから、そちらにもいるかもしれませんよ^^
海浜に行かれることがあればぜひ探虫してみてください。
イトトンボにかぎらず、写真で同定するのはむずかしいので、
同定に資するようなアングルを覚えるのも大切ですね。
by ぜふ (2015-08-04 07:23)
ハマゴウハムシ に会えてよかったですね^^
初めて見たかもー。
今年はセミの鳴き声は聞こえるんだけど
まだ実物を見てないのです。
もうちょっとしたら、地面に転がってるのを見るようになるのかな・・・
元気なのを見たいんだけどなー。
by リュカ (2015-08-04 09:44)
>リュカさん
60年以上、本州では見つかってないですからね。
元気なセミも暑さで鳴くのをやすんでいるように思うほど^^;
休憩している子を見つけてください^^
by ぜふ (2015-08-05 07:02)
ハマボウというと黄色いオクラのような花を先日撮りましたが、同じ名前で全然違う花ですね~
このハムシはこの草にだけつくのですね。
60年以上見つかっていなかった虫に会えるなんて素晴らしいです。
by Nyandam (2015-08-07 20:37)
>Nyandamさん
ハマゴウ自体はそれほどめずらしい植物ではないようですが、似たような名前のがいろいろあるようですね^^;
60年振りにコンニチハできてよかったです^^
by ぜふ (2015-08-08 11:30)