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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

図鑑大好き! [日記]

千葉県立中央博物館で開催中のイベント。

行きそびれるわけにはいかない、7月からはじまっていたこの企画展示もやっと行くことができました。

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昆虫に特化している企画ではないのですが、色々と興味が惹かれるものがありました。

行ったのは夏休み最後の日。


公園に着いて、まずは林の中の径を通ってみることにしました。

薄暗い旧東金街道は”宿題やったか”と聞こえてしまうツクツクボウシの声で充満していました。

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ツクツクボウシ (セミ科)


それと街道の出口近くで見つけたバッタ。

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ヒナバッタ? (バッタ科)


セミからバッタにバトンが渡される季節です。

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さて、入館料500円を支払って企画展示室に向かいます。

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イベントのサブタイトル 「~ダーウィンからはじまる100の図鑑の話~」 のとおり、入り口に展示してあるのは・・

ダーウィンの著作物です。

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ご存知、『種の起源』と、その8年前に著されていたのは、『フジツボ総説』という図鑑。

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なんと、ダーウィンはフジツボの研究をしていたのですね。 まったくもって意外でした。

それともうひとつ、この企画展示の目玉はこれでしょう。

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手塚治虫が中学生時代に書いた甲虫の標本画。 (原画)

これも信じられないクオリティでした。

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どうして中学生にこんな絵が描けるのでしょう。 神業というしかないと思います。

江戸時代に書かれた図鑑も。

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丹洲蟲譜


その他、鳥や魚や植物の図鑑や資料も展示されていました。

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それととても興味深かったのは、図鑑の制作過程を紹介したコーナー。

今年発売されてとても人気のあるポケットフィールド昆虫図鑑の著者槐氏の機材。

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すべて標本写真だと思っていましたが、違いました。

とてつもない工夫と根気で撮影されているのがわかりました。

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ルリタテハの撮影は、なんと5年もかかったそうです。

納得できるものが撮れるまでにそれくらいかかったということでしょうけど、それでも気が遠くなります。

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学研のポケット図鑑シリーズ


子供の頃、どれか持っていたと思うのですが、どれだったかはっきりしません。。




オマケ


企画展示とは別に子供向けの展示物もいくつかありましたが、その中に昆虫写真の拡大モニターがありました。

チョウやトンボや甲虫など、50種以上の昆虫がモニターにずらりと並んでいましたが、

色々見た末、最後はこの子を選びました。

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ハンミョウ (オサムシ科)


この大きさで見ても相当ですが、さらに拡大すると・・・ (モニターを撮影したものなのであしからず)

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ハンミョウの美しさは変わらないですね。




今日の湯加減

このあと、図書コーナーに行って、ハンミョウの体色について調べてみましたが結局はっきりしませんでした。
でもせっかくなので、博物館の研究員の方に聞いてみることにしました。
あいにく甲虫専門のS先生はこの日不在でしたが、昆虫(トビケラ)の研究をされているTさんがいらっしゃいました。
ストレートに「ハンミョウの体色は構造色でしょうか」と聞いてみました。
ご意見はやはり、ハイブリッドではないかということでした。
構造色の昆虫というと、タマムシがすぐあげられますが、
ひょっとしてタマムシのあの色も構造色ではないのではないでしょうかと尋ねてみたら、
関西弁のイントネーションで、「私もそう思います」とのことでした。
タマムシもハイブリッドではないかということです。

そもそも今までの昆虫の研究はファーブルに代表されるように、その生態や分類に主眼がおかれ、
近代になっては病害虫など、ニンゲンに与える影響という側面の研究中心になり、
最近になってバイオニクスやバイオミミクリーなどの機能・能力の応用という分野に発展してきていますが
意外に、その虫の色や形態など基本的なことについては研究が進んでいないとのことでした。
なぜ、カブトムシにはツノがあるのか、なぜ、トンボの目玉は青いのか、それはまだまだ分かっていないのです。



この週末は稲刈りに行ってますので、これは予約投稿です。



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コメント 16

アヨアン・イゴカー

>手塚治虫が中学生時代に書いた甲虫の標本画。 (原画)
これ凄い描写力ですね。何よりも根気が素晴らしいと思います。
by アヨアン・イゴカー (2014-09-07 01:29) 

Silvermac

牧野博士の花の図鑑も素晴らしいですね。
by Silvermac (2014-09-07 05:44) 

sasasa

手塚先生の標本画、本当にすごいですよね!
しかも中学生の頃に描いたとなると尚更ですよね。
by sasasa (2014-09-07 09:19) 

リュカ

すごい。手塚治虫さんってやっぱりすごいですね(@@
これで中学生の頃なんでしょー。
ビックリです。
観察眼も相当ですよね。そしてそれを再現できる画力。
by リュカ (2014-09-07 11:16) 

ligia

これは魅力的な企画展ですね!
ハンミョウの体色についての論文はあまりないようですね。
by ligia (2014-09-07 18:38) 

yakko

こんばんは。
友人に蝶や昆虫に詳しい人がいます。羨ましいです !
by yakko (2014-09-07 22:09) 

SaraTriennale

ダーウィン、すごく意外です!
ツクツクボウシの鳴き声って私は涼しくなる感じがなぜかします。
勝手に夕暮れのイメージだからかな。笑
昆虫は人間には無い色をたくさん持って生まれますね^^
by SaraTriennale (2014-09-08 00:38) 

mimimomo

こんにちは^^
図鑑と言うのはどんなものでも面白いですね。わたくしも大好きです。
手塚治虫さん、中学生時代に(@@  おー驚いた。
by mimimomo (2014-09-09 13:33) 

ぜふ

> アヨアン・イゴカーさん
根気と集中力ですね。

>Silvermacさん
植物図鑑の写真も撮ったのですが割愛しましたが、牧野博士の絵もいくつか展示されていました。

>さささん
ジーニアスです^^

>リュカさん
しかもおそらく独学ですよ^^

>ligiaさん
研究そのものが少ないと当然論文は少ないということですね^^;

>yakkoさん
そうですか、それはいいですね♪

>さらさん
そう、さびしいイメージあります。夏休みが終わるというイメージ^^;
色には意味、というか彼らにとっての必然があると思います。

>mimimomoさん
まさに、図鑑大好き! ですね^^
10月まで開催していますので、ぜひ。

by ぜふ (2014-09-09 20:43) 

engrid

ハンミョウの美しさに圧倒
自然の織り成す美の世界は、とても追いつけるものではありませんね
昆虫図鑑、楽しいです
図鑑は、たのしいです
by engrid (2014-09-10 08:24) 

ぜふ

>engridさん
昆虫に限らず、自然の生き物はうつくしいですね♪
図鑑もうつくしい♪ たのしい^^
by ぜふ (2014-09-10 22:16) 

g_g

ハンミョウの拡大画像綺麗なので引き込まれてしまいました
昆虫の図鑑欲しいけどこの年では多分キャパが一杯で
忘れていく方が多いと思うので諦めています。
そろそろ行動に移していこうかと思っています。
by g_g (2014-09-11 21:22) 

ぜふ

>g_gさん
忘れていく分だけでも、覚えるようにしています^^;
そろそろ行動に? 山歩ですね♪
by ぜふ (2014-09-12 06:38) 

sakamono

> セミからバッタにバトンが渡される季節です。
この言葉に、とても季節感が感じられました^^;。
手塚治虫の絵、スゴイですね!驚きました。
by sakamono (2014-09-12 23:00) 

ぜふ

>sakamonoさん
今年は夏の去り際が潔かったようです。
原画だそうですから正真正銘ですね。 目を瞠ってしまいました。
実物を見られてよかったです♪
by ぜふ (2014-09-13 08:02) 

barbie

肌がキレイに撮れるのでレフ板大好きです(笑)
昆虫の撮影にも使うのですね(^^
by barbie (2014-09-17 00:40) 

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