"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
metamorphosis [ファーブル会]
さて今回は”変態”についてのメモです。
昆虫は変態する生き物です。
”変態”とは、態様を変えるということです。
”態様”とは、体の形や様子を意味しますが、機能が形となったもののことです。(これについては後述)
ご存知のとおり、簡単にいうと、
タマゴ → 幼虫 → サナギ → 成虫
と変わっていくことを ”変態” といいます。
チョウチョを例にしてみましょう。
まずは
昆虫の越冬についての記事で書きましたが、タマゴはその小ささと形も外界から身を守るための機能となってます。
タマゴから幼虫になることを孵化(ふか)といいます。
孵化したばかりの幼虫はもちろん、タマゴと同じくらいの大きさしかありませんが、エサを食べて成長すると脱皮します。
孵化したばかりの幼虫を1齢といい、脱皮するたびに齢数を重ねて(2齢、3齢となって)いきます。
チョウチョの場合3~4回脱皮するものが多いですが、最後の脱皮を終えると”終齢幼虫”となります。
脱皮するたびに体が大きくなります。色や模様が変わっていく虫もいます。
終齢幼虫はやがて蛹(さなぎ)になります。 これを蛹化(ようか)といいます。
ただし、蛹にならない昆虫もいます。 これについてはまた後で。
キアゲハの蛹の写真がなかったので別の子ですがあしからず。
卵や幼虫で越冬するもの、蛹で越冬するもの、越冬しないで成虫になるもの、昆虫によってさまざまですが、やがて蛹から成虫が出てきます。
昆虫は基本的に”羽”を持っていますから、成虫になることを羽化(うか)といいます。
ちなみにルリタテハの成虫はこちら。
そして成虫は交尾をして卵を産みます。
蝶の一生を簡単な図に表すと次のようになりますね。
このように、孵化→蛹化→羽化 と一生の内に3回変態することを”完全変態”といいます。
ところが、蛹にならない昆虫がいると書いたとおり、脱皮はしつつも幼虫からいきなり成虫になるのがいます。
バッタやトンボやカメムシ、セミの仲間がその代表です。(カマキリもそうですよね)
たとえば、ツチイナゴの幼虫は次のように変化していきます。
おチビちゃんのうちは羽がほとんどなくて、なんとなくあどけないような感じですが、
これが脱皮すると・・
目の下の模様がとても特徴的なので、別人(別虫)でないことがよくわかると思います。
最後の脱皮をして成虫になると体色ががらりと変わり、羽も立派に。
カメムシの兄弟(親子)にも登場してもらいましょう。
この子はシマシマの触角と細長いカラダが特徴。
サナギにはならないけど、幼虫がサナギのように硬くなってから羽化するものの代表がセミです。
このように、蛹という態様を経ずに成虫になることを ”不完全変態” といいます。
セミは幼虫時期に土の中、トンボは水の中にいて、そこから這い出てきて羽化しますが、
幼虫と成虫の生活環境ががらりと変わる昆虫はこのような不完全変態となるのか・・追々勉強します。
さあ、昆虫には 完全変態タイプと不完全変態タイプがいるということがお分かりいただけたと思いますが、実はもうひとつ別のタイプがいるのです。
ツチハンミョウやゲンセイの仲間の幼虫は、脱皮を重ねていくうちに、一旦サナギのような態様になります。
ところがそのサナギ(擬蛹)の中でもう一度幼虫の態様に戻るのです。
これを ”過変態” といいます。
『それで、ファーブル先生はこの虫の変態のし方に、ふつうの変態以上の変態という意味で「過変態」という名前を提案しました。そうしていまでは、この過変態という名まえが、ひろく使われています。』
過酷な?フィールドワークのせいか、半年くらい前からコンデジくんの調子が悪くなってきてまして、
後釜としてずっと欲しかったカメラの値段がこなれてきたので、ついに昨日買い替えました。
GPS付きでEYE-Fiにも対応してますので、撮った写真を無線でスマホから読み込めます。
スマホで撮ってそのままネットにアップするのがお手軽ですが、スマホの画質はやはりイマイチなので・・
ということで、買ったその足で試し撮りに行きました。
チバはあいにく今にも降りだしそうな曇り空だったのですが、評判通り、補正なしでもかなり明るく撮れました。
アドバイスが通じたのか、さすがにおしりが地面に刺さらなかったのか、ほどなく飛び去りました・・
今日の湯加減
昆虫は変態する生き物です。
”変態”とは、態様を変えるということです。
”態様”とは、体の形や様子を意味しますが、機能が形となったもののことです。(これについては後述)
ご存知のとおり、簡単にいうと、
タマゴ → 幼虫 → サナギ → 成虫
と変わっていくことを ”変態” といいます。
チョウチョを例にしてみましょう。
まずは
アゲハのタマゴ
昆虫の越冬についての記事で書きましたが、タマゴはその小ささと形も外界から身を守るための機能となってます。
タマゴから幼虫になることを孵化(ふか)といいます。
孵化したばかりの幼虫はもちろん、タマゴと同じくらいの大きさしかありませんが、エサを食べて成長すると脱皮します。
孵化したばかりの幼虫を1齢といい、脱皮するたびに齢数を重ねて(2齢、3齢となって)いきます。
チョウチョの場合3~4回脱皮するものが多いですが、最後の脱皮を終えると”終齢幼虫”となります。
脱皮するたびに体が大きくなります。色や模様が変わっていく虫もいます。
キアゲハの幼虫
終齢幼虫はやがて蛹(さなぎ)になります。 これを蛹化(ようか)といいます。
ただし、蛹にならない昆虫もいます。 これについてはまた後で。
キアゲハの蛹の写真がなかったので別の子ですがあしからず。
ルリタテハのサナギ
卵や幼虫で越冬するもの、蛹で越冬するもの、越冬しないで成虫になるもの、昆虫によってさまざまですが、やがて蛹から成虫が出てきます。
昆虫は基本的に”羽”を持っていますから、成虫になることを羽化(うか)といいます。
キアゲハの成虫
ちなみにルリタテハの成虫はこちら。
ルリタテハの成虫
そして成虫は交尾をして卵を産みます。
蝶の一生を簡単な図に表すと次のようになりますね。
このように、孵化→蛹化→羽化 と一生の内に3回変態することを”完全変態”といいます。
ところが、蛹にならない昆虫がいると書いたとおり、脱皮はしつつも幼虫からいきなり成虫になるのがいます。
バッタやトンボやカメムシ、セミの仲間がその代表です。(カマキリもそうですよね)
たとえば、ツチイナゴの幼虫は次のように変化していきます。
ツチイナゴの幼虫(2齢かな?)
おチビちゃんのうちは羽がほとんどなくて、なんとなくあどけないような感じですが、
これが脱皮すると・・
ツチイナゴの幼虫(終齢)
目の下の模様がとても特徴的なので、別人(別虫)でないことがよくわかると思います。
最後の脱皮をして成虫になると体色ががらりと変わり、羽も立派に。
ツチイナゴの成虫
カメムシの兄弟(親子)にも登場してもらいましょう。
クモヘリカメムシ の幼虫(右)と成虫
この子はシマシマの触角と細長いカラダが特徴。
サナギにはならないけど、幼虫がサナギのように硬くなってから羽化するものの代表がセミです。
アブラゼミの羽化
このように、蛹という態様を経ずに成虫になることを ”不完全変態” といいます。
セミは幼虫時期に土の中、トンボは水の中にいて、そこから這い出てきて羽化しますが、
幼虫と成虫の生活環境ががらりと変わる昆虫はこのような不完全変態となるのか・・追々勉強します。
さあ、昆虫には 完全変態タイプと不完全変態タイプがいるということがお分かりいただけたと思いますが、実はもうひとつ別のタイプがいるのです。
ツチハンミョウやゲンセイの仲間の幼虫は、脱皮を重ねていくうちに、一旦サナギのような態様になります。
ところがそのサナギ(擬蛹)の中でもう一度幼虫の態様に戻るのです。
これを ”過変態” といいます。
『それで、ファーブル先生はこの虫の変態のし方に、ふつうの変態以上の変態という意味で「過変態」という名前を提案しました。そうしていまでは、この過変態という名まえが、ひろく使われています。』
奥本大三郎先生著 『ファーブル昆虫記6 ~ツチハンミョウのミステリー~』 より
オマケ
過酷な?フィールドワークのせいか、半年くらい前からコンデジくんの調子が悪くなってきてまして、
後釜としてずっと欲しかったカメラの値段がこなれてきたので、ついに昨日買い替えました。
GPS付きでEYE-Fiにも対応してますので、撮った写真を無線でスマホから読み込めます。
スマホで撮ってそのままネットにアップするのがお手軽ですが、スマホの画質はやはりイマイチなので・・
ということで、買ったその足で試し撮りに行きました。
チバはあいにく今にも降りだしそうな曇り空だったのですが、評判通り、補正なしでもかなり明るく撮れました。
奥さん、さすがにそこはおよしになった方がよろしいかと・・
トノサマバッタ ♀ (バッタ科)
アドバイスが通じたのか、さすがにおしりが地面に刺さらなかったのか、ほどなく飛び去りました・・
今日の湯加減
やっぱり予告などしない方がよかったと後悔しました。
昨日、試し撮りから帰ってから記事を書き始めたのですが、まったくフデが進まず・・
ウィキペディアからコピーしてしまえというアクマの囁きをなんとか振り切るも書ききれず。
やっぱり図は必要だろうと、パワポで朝からシコシコお絵かきし、やっとお茶を濁す程度になりました。
(タマゴがカラフルなのは見逃してください、さすがにチョウのタマゴのイラスト素材がなかったので・・)
過変態については意味不明でしょうから、どうか奥本先生のファーブル昆虫記か翻訳本をご覧ください。
今日のチバはうってかわって良いお天気、記事書き上げたので”スポーツの秋”を楽しみに行ってきます。
眠いんだけどね・・
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
「変身」の記事、とても面白く拝読しました。
完全変態と、不完全変態は、勿論知っていましたが、「過変態」という言葉は、初めて知りました。ファーブル先生の提案と聞いて、かなりの興味を感じています。
ところで、今日12時頃に外出した折、いつもの公園の外で、イモコレのシンジュサンの幼虫と思われるストラップを、胸ポケットのスマホから下げている人とすれ違いました。一瞬、「ぜふさん?」と思いましたが、多分違いますよね(^^♪
by albireo (2013-09-29 14:03)
生き残るための進化の結果、
こうして、色んな形で姿を変えるという術を見につけたのですね。
何か奥が深いなぁ・・・。
by sasasa (2013-09-29 18:31)
教科書に載せたい記事です。
お勉強の題材に綺麗な蝶で説明するのがいいですね。
わたくしならイラガなどで紹介しちゃいそうです。
ジグモが何気に可愛い!
by 響 (2013-09-29 19:18)
なるほど、変態と言っても一様ではないわけですね。
勉強になりました。
by うえいぱうわ (2013-09-29 21:04)
こんばんは^^
ほんと、勉強になりました。
でも直ぐ忘れそう。最近物覚えがとみに悪くなりました(__;
by mimimomo (2013-09-29 21:49)
>albireoさん
あー!たぶんそうです!でかけるついで、久しぶりにF公園に行きました^^
そういえば、カメラを首にかけた人を見かけました。ひょっとして?
しばらくは目印付けていると思うので、次は声かけてください♪
>さささん
昆虫の歴史はニンゲンとは比べ物にならないですからね。
変態したくなりませんか?^^
>響さん
ヒロヘリアオイラガの幼虫はキレイですから、注意喚起のためにいいのでは?^^
クモは超接写の試し撮りでした。かなりかわいく撮れてびっくりです^^
>うえいぱうわさん
色々ありますが、どの変態がお好きですか?(茶かしちゃだめですね^^;)
>mimimomoさん
得意不得意がありますから。 忘れたらまた見に来てください^^
by ぜふ (2013-09-30 07:06)
チョウの一生は短いですが、楽しませてくれますね。
by Silvermac (2013-09-30 08:25)
完全変態に不完全変態を知っただけでも勉強になりましたが
過変態、長い歴史の中で進化してきたんでしょうか?
でも忘れそうな言葉です・・・
by g_g (2013-09-30 12:46)
本当ですか?
赤いチェック柄のシャツを着ていましたか?
僕は、カメラは持っていませんでした。
確かに、カメラを首に掛けた人がいましたが、それは別人です。
今度お見掛けしたら、声を掛けさせて頂くことにします(^^♪
by albireo (2013-09-30 13:08)
なんていい加減な知識だったのかと、、いまさらに思ってます
繰り返し読みながら、なるほど
かなり勘違いも、見つけました
昆虫の生態系は、奥が深いですね
進化の過程で、そうなってきたのでしょうか
by engrid (2013-09-30 16:56)
力作だけあって蝶の一生はむっちゃわかりやすいですね。
理科の教科書みたいです(^_−)−☆
by barbie (2013-10-01 00:28)
>Silvermacさん
成虫の期間は短い昆虫が多いですね。チョウは越冬するのもいますが。
>g_gさん
過変態の理由はまだ完全には解明されていないようです。
特殊な生態ですし、その実態を目にすることはまずないと思います。
>albireoさん
ネルシャツを着ていましたが、それよりもシンジュサンが取り持つ出会い・・
何と言うか、虫屋冥利に尽きますね^^
>ehgridさん
お役に立てたようで良かった♪ 苦労したかいがありました^^
昆虫の歴史は長く、ナゾだらけです・・
>barbieさん
今回に限りませんが、なるべく小学生が見てもわかるようにしています^^
ということもあって、過変態は難しすぎるので割愛です^^;
by ぜふ (2013-10-01 06:56)
変態の解説ありがとうございます。むかーーし学校で習ったことを思い出しました。
でも、過変態というのは知りませんでした。昆虫といっても色々なのがいるんですね。それぞれ、一番良い進化だったのだろうと思いますが、すごいです。 ^^
by moz (2013-10-01 07:47)
昨晩に更新中にいきなりPCが落ちてしまいその後ブログが全く表示されませんでした。
トップを何とか修復したんですが肝心の記事が未表示に成ってしまい現在修復しております。
申し訳ございませんが元に戻るかどうか今のところ不明です。
by 馬爺 (2013-10-01 09:25)
>mozさん
過変態するツチハンミョウやゲンセイの仲間の生態はあまりに不可解です。
ほんとにこれが進化の結果なのかと思うほど。
でもそういう不思議さが昆虫の魅力です^^
>馬爺さん
無事修復できましたか?突然落ちるというのは困りますね^^;
by ぜふ (2013-10-02 06:34)
子供が小さかったら自由研究のテーマに取り上げたいです^^
by aidesu (2013-10-03 20:23)
>aidesuさん
海の向こうからご訪問ありがとう^^
子どもの自由研究の題材として、昆虫はよく取り上げられるのに、そのあと忘れられてしまうことが多いのがザンネンですね^^;
aidesuさんちのたお子さんはどうですか?
by ぜふ (2013-10-04 06:46)
思わず読み入ってしまいました。すごぉく勉強になりました。
ありがとうございます♪
最後の”眠いんだけどね”で爆笑ー!
このクモさんの目!(目で良いのか?は置いといて
たしか目は8個あったよね?)眠そうです(笑)
よくこんな瞬間押さえてますね。そう考えるときっと
ぜふさまのストックにはもっとすごい映像があるのかもしれない^^;
by miya_gon (2013-10-05 11:00)
私も、とても面白く読みました。「蝶の一生」の図もご自身で作られたとは
スゴイです。「完全変態」という言葉は聞いたコトがありましたが、それが
どういうものなのかを初めて知りました。「過変態」、また元の姿に戻るって、
不思議ですねー。
by sakamono (2013-10-05 11:16)
>miya_gonさん
そうですか、それは良かったです、書いたほうもうれしいです♪
このクモはスーパーマクロモードの試し撮りなんです。だから偶然^^;
でも面白くとれたのでオマケのオマケでつけてしまいました。
>sakamonoさん
ありがとうございます。
過変態はほんとに不可思議ですね。それを発見した先生はすごいです^^
by ぜふ (2013-10-06 11:01)
お早うございます。
大変勉強になりました(^_^)
by yakko (2013-10-08 09:11)