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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

空色シジミ [蝶]

ミドリシジミの記事が続きましたが、今回は”ミドリ”ではなく、”ルリ(瑠璃)”の特集です。

前回の観察会の集合場所でスタート前にふと見つけた子がルリシジミでした。

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ルリシジミ ♂ (シジミチョウ科)


どこにでもいる普通の子ですが、よく観るとどうしてなかなかきれいなチョウです。

シジミチョウの名前の由来は翅の形がしじみ貝に似ているからだそうですが、
”蜆蝶”とは書かず、”小灰蝶”と書くことが多いようです。

さて、シジミチョウでどこでも普通に観察できるのは、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミたちがいますが、
この子も春から秋にかけてみることができると思います。

遠目で見るとヤマトシジミと区別がむずかしいですが、ヤマトシジミは地面すれすれに飛んでいることが多く、
ルリシジミはフジやウツギなどの樹木に集まるので、やや高いところを飛んでいることが多いのが特徴です。

でもこの子はなぜか腰の高さの葉の上にいたので、膝まずいて撮るとちょうどいい位置でした。

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ルリシジミ ♂ (シジミチョウ科)


構造色(詳しい説明は前記事参照)ではないのでキラキラと輝くというわけではありませんが、
やわらかな青みがすっきり晴れた空のようです。

翅を閉じるとこんな様子です。

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翅の付け根あたりに空色がぼぉっとにじんでいるのがまた小悪魔的なところです。

さて、先週、ゼフ観察の際のポイント周回の途中でこんな光景を見たのでした。

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田んぼの土手の上で何やらヒミツの打ち合わせをしているようです。

あまり近寄れる場所ではなかったので、一応証拠写真を何枚か撮って観察ポイント周回を続けました。

が、次にまたここに戻ってきてみると・・

参加者が増えていました。

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ルリシジミ ♂ (シジミチョウ科)


議論白熱かと思いきや、みんな例のつんつん顔ですから、なんだか長閑で平和そうな雰囲気です。

まあもちろん、そもそも会議ではなく、吸水しているわけですが・・ぜんぶオスなんですよね。

シジミチョウに限らず、ある種のオスの蝶は(まれにメスも)こうして吸水をします。

でも何故こんなに密集して吸水するのかははっきりわかっていないそうです。

ただ、こうしてだんだんと参加者が増えていくことから、だれか一匹が吸水しはじめると、真似をして
というか、そこが吸水に適切な場所であろうことがわかるので手っ取り早く同じところに舞い降りるようです。

でもね。

これは先日別のフィールド(月崎)での観察記録ですが、小川の飛び石を渡ろうとしたらそこにいたのです。

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上の写真は気がつかずに飛び散らせてしまったあと、じっと待ってたら舞い戻ってきたところの様子です。

やはり、一匹が舞い降りてきて、そのあとまた一匹、一匹と真似して降りてきました。

でもこのような石の上の水溜りは近くにいっぱいあるんですよ。
それなのに降りてくるところはさっきと同じ石の上。

一度降りた位置(見た目)を覚えているのでしょうか?
石によって匂いが違うとは思えないんですが、チョウには区別がつくのか・・こっちの水は甘いよって・・

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昆虫の生態に興味は尽きません・・




オマケ


他の種の給水写真もいくつか撮れたので証拠写真ですが記録として載せておきます。

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キチョウ ♂ (シロチョウ科)


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ウラギンシジミ ♂ (シジミチョウ科)


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アオスジアゲハ ♂ (アゲハチョウ科)


この子たちはみな単独でした。




今日の湯加減

もしゼフがいたら第二ホームフィールドにしたいと思えるような場所を見つけまして、
(家からの距離もほぼ同じ)
今日もゼフを探しにそこへ行ったのですが、とうとう見つけられませんでした。
でも昆虫の種類と数はかなり多くて、これからが楽しみなフィールドです。
そこであるトンボの集団を観察することができたのですが、それはまた次回(?)
そのまた次回になるかもしれませんが、これから先、梅雨本番になりそうなので、
ネタのストックはいくつかあった方がよさそうです。
記事を書くペースをあげればいいんじゃないの、というご指摘が聞こえてきそうですが・・・




nice!(37)  コメント(24) 
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コメント 24

aidesu

街中じゃめっきり蝶見なくなりましたね。
こんな鮮やかな蝶撮りたくなりました^^
by aidesu (2013-06-15 21:44) 

mimimomo

おはようございます^^
ルリシジミは見たことありますよ^^
しかしこれだけの数が一度に・・・これは見たことないです。
by mimimomo (2013-06-16 05:00) 

Silvermac

キチョウが止まっているのをあまり見たことがありません。
by Silvermac (2013-06-16 05:30) 

g_g

昆虫の生態に興味が尽きないですね
もう少し昆虫との出会いを多くしなければいけないかな・・・
どうしても無視してしまいます。
by g_g (2013-06-16 07:10) 

ぜふ

>aidesuさん
たしかに少なくなりましたが、注意してみると都会でも意外にいますよ♪
ぜひ撮ってみてください。

>mimimomoさん
この子たちが集まるのは吸水のときだけでしょうね。
花は会議場にならないようです^^;

>Silvermacさん
キチョウもせわしないチョウチョですよね^^;
吸蜜か吸水するときはじっとしてますけど。あとは交尾中くらいですね。

>g_gさん
自然観察はどういう場合もそうでしょうけど、昆虫撮影でも心かげることは、
虫を無視するのではなく、虫に無視されるくらいその場に溶け込むことです^^

by ぜふ (2013-06-16 07:54) 

sasasa

みんなで密集して水を飲んでいる姿は、
何か可愛らしいですね!
by sasasa (2013-06-16 21:23) 

ぐす

こんばんは。

人だかりがあると何か面白いことあるかと寄ってしまう、行列していると美味いラーメン屋さんかと思ってしまう、人間たちと同じということですか?(笑)

大賀ハス、開花に気づいたらお知らせします。

by ぐす (2013-06-16 21:50) 

ぜふ

>さささん
競争とか争奪戦の雰囲気はまったくないですね^^

>ぐすさん
ははは。ついつい釣られて・・そうかもしれませんね^^
ハスは7月くらいですかね。ぜひ教えてください♪ 見に行きます!
by ぜふ (2013-06-17 06:54) 

yakko

お早うございます。
羽を広げたときブルーのシジミはヤマトシジミの雄だとばかり思っていました。綺麗なブルーのシジミを見たことがありましたが、ルリシジミだったのかもしれません。でもこんなにたくさん ! σ(^◇^;)
吸水も見たことがありませんが、いろんな蝶が見られるんですね〜
by yakko (2013-06-17 10:26) 

albireo

ルリシジミは、なかなか翅を開いてくれないですが、綺麗な蝶ですね。

今回の記事は、最後の写真が僕の目を惹き付けてくれました(^^♪
僕も、先日久し振りに出会えましたので、写真の整理が出来次第、記事を
書くことにします。
by albireo (2013-06-18 00:23) 

ぜふ

>yakkoさん
ヤマトシジミのオスも同じような色をしているので、見分けはむずかしいですよね。
色んなチョウが吸水しますが、より不思議なのはなぜメスは吸水しないのか・・

>albireoさん
そちらの記事に触発されたわけではないですが、たまたま撮れたので^^
最後の写真はサービスカットです、単なる証拠写真ですが^^;
そちらの記事楽しみにしています♪
by ぜふ (2013-06-18 06:20) 

うえいぱうわ

場所を覚えているのか、はたまたリアルタイムで
条件が良い場所に降りてきてるだけで、そこが偶然
同じ場所なだけかも?
やっぱり場所を記憶してるのかなあ。水場って大事
ですもんね。
視覚としてとらえているのか、はたまた単純に場所を
覚えているのか、あるいはまだ人間が知らない知覚
なのか?身近にいる相手ですけど、謎は多いなあ。
by うえいぱうわ (2013-06-18 10:59) 

engrid

翅を広げた時、はっとする美しさ
蝶は、その瞬間がすばらしいです
by engrid (2013-06-18 16:32) 

ぜふ

>うえいぱうわさん
条件のひとつに”安全”があるとするとこの石は条件がいいとはいえないです。
なんせサルが一匹、すぐ近くに座っているんですから^^;
だから偶然とは考えにくいですね・・フシギです。

>engridさん
ほんとそうですね。オモテウラのある子ほど^^
ルリちゃんが飛んでる様子もみとれます。。
by ぜふ (2013-06-18 22:04) 

miya_gon

こんな吸水してる集団を見つけたら、悶絶死・・・の前に
連写してしまいそうです。
よくこんな場所に遭遇なさいますね?羨ましすぎる。。。。
やっぱり蝶も吸水のポイントがあるのですね?
みると泥土の畑のようでもあり、羨ましいポイントです
しかし、サルが近くに座ってるポイント・・・スゴイ場所ですね(^^;
どうか襲われませんように(^^;
by miya_gon (2013-06-19 09:22) 

響

シジミの水飲み場てあるんですね。
一斉に羽を開いたら綺麗だろうなー。
by (2013-06-19 20:40) 

ぜふ

>miya_gonさん
悶絶死しやすい体質ですか?^^ 大変ですね・・
虫運アップのお祈りを欠かさないことが遭遇の秘訣ですね♪
ここは畑ではなく水を中抜きした田んぼ(谷津田)です。
それとね。 ”サル”というのは、カメラ持ってる虫好きのサルですよ(笑)

>響さん
ほんとにお気に入りの水場というのがあるようですね。ふしぎです。
吸水中は翅広げることはまずないですね。一意専心というところでしょう^^
でももし開いたらと思うと・・miyaさんじゃないけど悶絶死するかも^^;

by ぜふ (2013-06-19 22:52) 

moz

緑の葉っぱにルリシジミの濃いブルーがとても似合っていますよね。
二枚目素敵なお写真ですね ^^
そうなんですね、集まって吸水しているんですね。そう言えばテレビで台湾かどこかでたくさんの蝶たちが川辺に集まっているのを見たことがあります。やはり甘いところをみんな、知っているんですね 笑
新しいフィールド、楽しみにしていますね。 ^^
by moz (2013-06-20 06:15) 

ぜふ

>mozさん
その色のコントラストに気が付くとはさすがです。
日陰なのになぜか開いてくれて、アンダー目で撮ることができました♪
チョウがたくさんいる台湾や東南アジアではめずらしい光景ではないようです。
新しいフィールド・・筆が追いつかなくて・・^^;
by ぜふ (2013-06-20 07:01) 

mimimomo

こんにちは^^
先ほど庭のハナミズキにナミアゲハと思われる蝶が一頭。
雨の中ベランダから写しました。まだパソコンに落としていないので
どんな具合か分かりませんが。
しかし庭に蝶が現れるのは嬉しいですね^^
by mimimomo (2013-06-21 12:41) 

ぜふ

>mimimomoさん
再訪ありがとうございます。
ナミアゲハは撮るの大変でしょうけど撮れたんですね^^
ぜひアップしてみせてください。 庭に訪れてくれるのはほんと幸せですね~
by ぜふ (2013-06-22 06:42) 

sakamono

ここのところの記事で、蝶の翅の裏表の模様の違いに驚いています。
蝶が寄り集まって吸水している様子は、やっぱり何事か話し合っている
ように見えますね^^。
by sakamono (2013-06-22 14:09) 

ぜふ

>sakamonoさん
こういうオモテウラのある子は歓迎ですね^^ (次記事にも登場します♪)
チョウたちの会議はなんとも平和そうで、観察しているとなごんできます。

by ぜふ (2013-06-22 21:20) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

教えてください!
シジミチョウは、花のつぼみに卵を産みますか?
わたしは朝顔の花を栽培していますが、朝、花の花芯に緑色の1cmくらいの虫が入っていて、花弁を食べています。昼間たくさん蝶が飛んでくるんですが、シジミチョウが一番多いのです。困っています。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2013-08-05 16:32) 

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