"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
チョウを探す高原の夏休み 前編 [Wessay]
”ずっと前から会って写真に撮りたいと思っているチョウ” というと、たくさんあるのですが、
希少種ながら関東地方に分布するチョウの中で、この子にははやく会いたいなというチョウがいました。
とりあえず名前は伏せておきますが、蝶屋の方は時期から察することでお分かりになるかもしれません。
そうでなくても、蝶好きの方は記事を読み進めていただくうちに、分かるのではないかと思います。
前置きはこのくらいにして、本編にはいりますね。
実は予備情報として、そのチョウに出会える場所をファーブル昆虫塾の方から教えていただいていました。
ちょっと訳があって、出発日は8月25日。
チバからは遠いので山梨県の笛吹市内に前泊し、翌朝早くその山(入笠山)に意気揚々と向かいました。
ところが、現地に着いてみると・・
しかも係りの方にたずねると、復旧の見通しは立っていないとのことでした。
いきなりのハプニングでしたが、別の場所の情報も得ていたので、急遽目的地を変更することにしました。
でもその場所へ向かう前に、昨年訪れてお気に入りになったフィールドに寄り道することにしました。
道に迷うこともなくすんなりと着いた場所は、
天然記念物に指定されている霧ケ峰湿原地帯の一部です。 見渡す限り、人っ子ひとりいません。
フィールドの入口でまず出迎えてくれたのは、
花はクサフジでしょうか?(詳しい方ご指摘よろしくお願いします)
ヒョウモンチョウの仲間はたくさんいたので、ヒョウモン記事作成のために各種を撮ろうかなとも思いましたが、
今回は目的を絞っているのでやめておくことにしました。
と、この時点ではそう思ったのですが、このあと色んな昆虫に目移りしてしまって、そんな決意は木っ端微塵になります。
ただ今回、花のスナップはかなり撮ったので、花記事を別に書くかもしれません。
(昆虫といっしょに写っているのも多いので書かないかもしれませんが・・)
さっそく目移りしたのは、前回このフィールドではじめて会ったトンボ。
警戒心がなくて、ちっちゃくて、ついついじっと観察していると、こんなところにとまってくれました。
いっしょに写っている黒い物体はキツネの糞だと思います。
キツネはこうして石の上など、目立つ場所に排泄(マーキング)するのですね。
この日はペアにも会えました。
他にもアキアカネやナツアカネなどが集団でいましたが、キリがないのでずんずん歩いていきます。
お次の虫もあちこちで見かけました。
花は・・セリ科としかわかりませんが、セリ科の花が好きなこんな子もいました。
くさくないカメムシです。 (さわりませんでしたが)
脱線しますが、サッカーのセリエAにこういうデザインのユニフォームのチームがありますね。
次はイトトンボ。
クロイトトンボは眼後紋が認められない個体もいるのかな?
副性器が見えるのでオスですね。少し粉を吹いているようなので、やっぱりクロイトトンボかな。
イトトンボの仲間の同定はむずかしいですが、この子は大丈夫だと思います。
涼しい湿原が好きなので、標高約1600mのこのフィールドはまさにお気に入りでしょう。
お次はちょっと変わった虫。
顔はウマ、尻尾はサソリのような特異な姿の昆虫です。
もうひとつ特異な形の虫を。
セミの親戚です。アワフキといいますが、成虫は泡を吹きません。
アワフキムシと同じくらいの大きさの小さなセセリがいました。
チャバネセセリにしては小さい(15ミリくらい)し、コチャバネでもイチモンジでもない。
表翅の模様だけみると、ホシチャバネセセリのようですが・・・未同定ということにします。
次も難問でした。
ヒメシジミかアサマシジミか、はたまたミヤマシジミか・・
かなり翅が擦り切れてしまっていることもあって、これはむずかしいなと思いながらも、
少し先に進むと、またいました。
さっきの子よりはきれいですが、やっぱりわかりません。
ミヤマシジミなのかな・・・
チョウではありませんがわかりやすい子がいました。
花の蜜を吸う、ちょっと変わった蛾ですが、模様と色合いがきれいな種です。
さあ、それではそろそろ目的の場所へ移動することにしましょう。
(つづく)
キアゲハはもちろん今回のお目当てではありませんが、予定外の場所で出会うことになるのです・・
今日の湯加減
希少種ながら関東地方に分布するチョウの中で、この子にははやく会いたいなというチョウがいました。
とりあえず名前は伏せておきますが、蝶屋の方は時期から察することでお分かりになるかもしれません。
そうでなくても、蝶好きの方は記事を読み進めていただくうちに、分かるのではないかと思います。
前置きはこのくらいにして、本編にはいりますね。
*
実は予備情報として、そのチョウに出会える場所をファーブル昆虫塾の方から教えていただいていました。
ちょっと訳があって、出発日は8月25日。
チバからは遠いので山梨県の笛吹市内に前泊し、翌朝早くその山(入笠山)に意気揚々と向かいました。
ところが、現地に着いてみると・・
しかも係りの方にたずねると、復旧の見通しは立っていないとのことでした。
いきなりのハプニングでしたが、別の場所の情報も得ていたので、急遽目的地を変更することにしました。
でもその場所へ向かう前に、昨年訪れてお気に入りになったフィールドに寄り道することにしました。
道に迷うこともなくすんなりと着いた場所は、
霧ケ峰踊場湿原
天然記念物に指定されている霧ケ峰湿原地帯の一部です。 見渡す限り、人っ子ひとりいません。
フィールドの入口でまず出迎えてくれたのは、
ウラギンヒョウモン
花はクサフジでしょうか?(詳しい方ご指摘よろしくお願いします)
ヒョウモンチョウの仲間はたくさんいたので、ヒョウモン記事作成のために各種を撮ろうかなとも思いましたが、
今回は目的を絞っているのでやめておくことにしました。
と、この時点ではそう思ったのですが、このあと色んな昆虫に目移りしてしまって、そんな決意は木っ端微塵になります。
ただ今回、花のスナップはかなり撮ったので、花記事を別に書くかもしれません。
(昆虫といっしょに写っているのも多いので書かないかもしれませんが・・)
さっそく目移りしたのは、前回このフィールドではじめて会ったトンボ。
ムツアカネ ♂
警戒心がなくて、ちっちゃくて、ついついじっと観察していると、こんなところにとまってくれました。
いっしょに写っている黒い物体はキツネの糞だと思います。
キツネはこうして石の上など、目立つ場所に排泄(マーキング)するのですね。
この日はペアにも会えました。
ムツアカネ ペア
他にもアキアカネやナツアカネなどが集団でいましたが、キリがないのでずんずん歩いていきます。
お次の虫もあちこちで見かけました。
アカハナカミキリ
花は・・セリ科としかわかりませんが、セリ科の花が好きなこんな子もいました。
アカスジカメムシ
くさくないカメムシです。 (さわりませんでしたが)
脱線しますが、サッカーのセリエAにこういうデザインのユニフォームのチームがありますね。
次はイトトンボ。
クロイトトンボ?
クロイトトンボは眼後紋が認められない個体もいるのかな?
副性器が見えるのでオスですね。少し粉を吹いているようなので、やっぱりクロイトトンボかな。
イトトンボの仲間の同定はむずかしいですが、この子は大丈夫だと思います。
アオイトトンボ ♂
アオイトトンボ ♀
涼しい湿原が好きなので、標高約1600mのこのフィールドはまさにお気に入りでしょう。
お次はちょっと変わった虫。
シリアゲムシ(ヤマトシリアゲ) ♂
顔はウマ、尻尾はサソリのような特異な姿の昆虫です。
もうひとつ特異な形の虫を。
アワフキムシ(クロオビアワフキ?)
セミの親戚です。アワフキといいますが、成虫は泡を吹きません。
アワフキムシと同じくらいの大きさの小さなセセリがいました。
チャバネセセリにしては小さい(15ミリくらい)し、コチャバネでもイチモンジでもない。
表翅の模様だけみると、ホシチャバネセセリのようですが・・・未同定ということにします。
次も難問でした。
ヒメシジミかアサマシジミか、はたまたミヤマシジミか・・
かなり翅が擦り切れてしまっていることもあって、これはむずかしいなと思いながらも、
少し先に進むと、またいました。
さっきの子よりはきれいですが、やっぱりわかりません。
ミヤマシジミなのかな・・・
チョウではありませんがわかりやすい子がいました。
ヒョウモンエダシャク
花の蜜を吸う、ちょっと変わった蛾ですが、模様と色合いがきれいな種です。
さあ、それではそろそろ目的の場所へ移動することにしましょう。
(つづく)
オマケ
キアゲハの幼虫
キアゲハはもちろん今回のお目当てではありませんが、予定外の場所で出会うことになるのです・・
今日の湯加減
せっかく前泊までして、始発のゴンドラに間に合うように着いたのに故障というハプニング。
復旧の見込みはないと言われても諦めがつかず、係りの女の子に思わずこう聞いてしまいました。
「歩いて登るとするとどれくらいかかるんですかね?」
問いかけられた瞬間の彼女の表情で、マヌケな質問をしていることにすぐ気づき、答えを待たずに、
「相当かかりますよね、また明日問い合わせするかもしれないので電話番号を教えてください」
すまなそうにパンフレットを渡してくれた彼女のやさしい笑顔が印象的でした。。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
すごく面白かったです。
by さとし (2012-08-29 21:25)
以前は牧野植物園の行けに沢山トンボが見られたのですが、今は殆ど見かけません。わが家の近所も同じです。
by Silvermac (2012-08-30 06:26)
高原は、虫たちのフィールド
小さないのちの宝庫ですね、、、見ていて楽しいです
なんといっても解説つきですもの ♪
…キツネの糞の解説にビックリ、博学でいらっしゃいます
by engrid (2012-08-30 07:36)
おはようございます^^
入笠山がダメだとなると直ぐ近くに場所変更できるというそれが羨ましいですね~
マイカー? わたくしだったらキット歩いて登ったかも・・・
しかし霧が峰の湿原って色んなものがいるのですね~
by mimimomo (2012-08-30 08:19)
ハプニングがあった割に沢山の虫さんに出会いましたね
アイとアオのイトトンボはフィールドで見たら区別が付か
ないかも・・・
by g_g (2012-08-30 09:00)
お早うございます。
蝶やトンボという大きな見分け(?_?)はつきますが
種類となると全然見分けがつきません・・・
観察力がないんです(;゜ロ゜) それにしてもいろいろ会えましたね !
by yakko (2012-08-30 09:28)
ハプニングは付きものとはいえ、その柔軟な行動力は
さすがだと思います。
私だったら、途方にくれそう(笑)
でも他の候補っていうのは、考えておいたほうが良い
ですね。覚えとこっと。
by うえいぱうわ (2012-08-30 10:00)
>さとしさん
ありがとうございます。長編になりそうですが面白さが持続できるかはわかりません^^;
>Silvermacさん
この時期は平場にアカトンボ類が少なくなると思います。
もう少ししたら山から降りてくるかもしれませんよ^^
>engridさん
こんなに広いフィールドで極小さな世界を観察するのも楽しいです♪
調べながら記事書いていますが、解説をよろこんでいただけると報われます。
>mimimomoさん
ハイカーの方ならきっとそうですよね^^
どんどん予定変更できるのは気ままな単独行のよいところです^^;
一見しずかな湿原は生き物で溢れていますね。シカやキツネもいます。
あと花も♪
>g_gさん
これらがすべてではないです。撮りきれていないのや、ボツ写真も・・^^;
クロとアオは区別つくと思いますよ。 今度さがしてみてください。
>yakkoさん
まだまだ見分けがつかない子のほうが多いのが実情です^^;
現地で見分けがついたと思っても帰って調べると違うことも・・
観察力は興味深さに比例するのではないかと思います♪
>うえいぱうわさん
柔軟というよりも、諦めがはやい?^^;
単独行は0.5秒で意思決定できるのがいいですね^^
でもそう、何事も代替案や想定は大事ですね。。
by ぜふ (2012-08-30 21:41)
ゴンドラは残念でしたけど霧ケ峰踊場湿原はいい所ですよね。
今年は行けそうにないのでこちらで楽しませてもらいます。
目的の子は誰だろう?
更新楽しみにしています。
by masao。 (2012-08-31 05:51)
>masao。さん
止まっていることは現地に着くまでわからなかったのでびっくりしました^^;
おいでになったことがあるんですね。穴場と思ってましたがそうでもない?^^
目的は・・次記事で明らかになります。お楽しみに・・
by ぜふ (2012-08-31 06:56)
スタートからハプニングだったんですね。
でも、次のフィールドでは、虫たちがたくさん ^^
色んな変わった虫がいるのですね、中でもシリアゲムシにはびっくり。
ほんと、さそりみたいですね。姿をわざと似せているのでしょうか?
さて、次の記事がたのしみです。
by moz (2012-09-03 06:03)
カメムシは嫌いだけど、HDカラーのカメムシ、アカスジカメムシかわいい(笑)
by barbie (2012-09-07 14:43)