"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
嵐のあと あるいは 嵐のまえに [Wessay]
今日は午前中から用事があったので、少しだけ早起きしてホームフィールドへ朝練に行って来ました。
一昨日から昨日にかけては春の嵐・・いや、暴風でしたが今朝は曇ってはいるものの穏やかな天気でした。
しかし、林の陰に入るとぞくっとするような冷たさ。地面には風で折れた枝が大小いくつも落ちていました。
これは虫は出てこないなとあきらめ気分でスミレを撮っていたら・・
目の前で、ぷちっと飛び跳ねる子がいました。
こんなちっこいのに元気に冬を越したんですね。
昨日の荒天の中、いったいどこにいたのかとても不思議です。
それからもう少し歩きながら藪を観察しているとこんな子もとまってました。
これは他にも出てくるかもしれないと、一番日当たりのいい休耕田に行ってみると、
アカタテハが日向ぼっこしてたのですが、見つけた途端に舞い上がってどこかへ行ってしまいました。
そのあと、田んぼのまわりを巡回しましたが収穫なし。
時間がなくなったので帰ろうとしていると、顔見知りの観察指導員の方々に出くわしました。
ここで観察されたいろんな動物の足跡の写真を見せてもらいながら少し立ち話をして別れを告げました。
最後に、いい位置に咲いていたので目をつけていたタチツボスミレを撮って帰ることに。
そしたらなんと、ピントを合わせていたこの花に・・
「ボクも撮ってよ~」と言うかのように、こんな子が飛び込んできました。
毛もじゃのおしりしか写ってませんが、春にだけ出会えるかわいい昆虫です。
動きがせわしなくてなかなか撮るのはむずかしい子なので、向こうからフレームインとは運が良かったと思います。
なので最初はあきらめモードでローテンションでしたが、とっても満足してフィールドを後にしました。
アカタテハのいた休耕田の縁に咲いてました。だれかが植えたんでしょうかね・・?
今日の湯加減 (は長風呂です)
幸田露伴が大正13年に書いた『簡素治新ということ』という随筆があります。
少し補足すると、「簡」については、”早い話しが小面倒の煩い規則やなんぞは専門知識をもっている技術家や小役人に任せてよい”とも書かれているとおり、芋を洗うときの樽の大きさを決めるのが政治家の仕事であって、ましてや政治家が自ら芋をひとつひとつ洗っていてはなにも進まないということですね。
「素」については、芭蕉にケチをつけている箇所をあえて引きましたが、”一時代とか一世とかいうものは大層有難いものと思っている人が多い。しかし実は一時代も一世もその人の「き」の方がその人に取っては尊いものでなくてはならぬ。時代に適応するということは利口者のいうところであるが、時代に合わなくてもよいから、素を失ってはならぬ。”とも書かれているとおり、その時の流れに乗り、風潮に浮かれるものが目立ってしようがなかったのでしょうね。
残念なことに露伴の心配は杞憂ではなく、今の日本人を見ても同じことを思うのじゃないでしょうか。
少なくともこの随筆を、古い時代の文筆家の一瞬の嘆きにすぎないと言うことが果たしてできるでしょうか。
「政治は簡恕にある。簡には明白の意が伴い、恕には仁慈の情を含む。」
これからもっと大変な嵐を迎えそうな、どこかの国の”先生”方に伝えてあげたいです。
一昨日から昨日にかけては春の嵐・・いや、暴風でしたが今朝は曇ってはいるものの穏やかな天気でした。
しかし、林の陰に入るとぞくっとするような冷たさ。地面には風で折れた枝が大小いくつも落ちていました。
これは虫は出てこないなとあきらめ気分でスミレを撮っていたら・・
目の前で、ぷちっと飛び跳ねる子がいました。
ヒシバッタ
こんなちっこいのに元気に冬を越したんですね。
昨日の荒天の中、いったいどこにいたのかとても不思議です。
それからもう少し歩きながら藪を観察しているとこんな子もとまってました。
ヒメベッコウバチの仲間?
これは他にも出てくるかもしれないと、一番日当たりのいい休耕田に行ってみると、
アカタテハが日向ぼっこしてたのですが、見つけた途端に舞い上がってどこかへ行ってしまいました。
そのあと、田んぼのまわりを巡回しましたが収穫なし。
時間がなくなったので帰ろうとしていると、顔見知りの観察指導員の方々に出くわしました。
ここで観察されたいろんな動物の足跡の写真を見せてもらいながら少し立ち話をして別れを告げました。
最後に、いい位置に咲いていたので目をつけていたタチツボスミレを撮って帰ることに。
そしたらなんと、ピントを合わせていたこの花に・・
「ボクも撮ってよ~」と言うかのように、こんな子が飛び込んできました。
ビロードツリアブ
毛もじゃのおしりしか写ってませんが、春にだけ出会えるかわいい昆虫です。
動きがせわしなくてなかなか撮るのはむずかしい子なので、向こうからフレームインとは運が良かったと思います。
なので最初はあきらめモードでローテンションでしたが、とっても満足してフィールドを後にしました。
オマケ
ムスカリ
アカタテハのいた休耕田の縁に咲いてました。だれかが植えたんでしょうかね・・?
今日の湯加減 (は長風呂です)
幸田露伴が大正13年に書いた『簡素治新ということ』という随筆があります。
簡素治新ということ
簡手軽くてはこびのよいことを簡という。簡と並びて立つものは易である。易とはやさしくてわかりよいことである。何事も簡易であれば、すらすらと都合よく、もつれもまよいもなく、はこび行われてゆくのである。
(中略)
政治は特に簡易を尚ぶ。弊を去り民をすくうは必ず簡恕に存す、網(こまかき)を捨(おい)て綱(もとづな)をおさむれば、煩といえども理(おさ)め易しといわれている。
大綱を遺(わす)れて細網を論じているようでは、事が功を見るには至らない。鰯を獲る網の目は鰯の体が自由に出入りできるほど巨きいものである。(中略)鰯の大群を獲るのには目の巨きい網でよいのである。大綱がしっかりしていれば素敵に大きな網全体が大海を割合に早くひくことが出来るのである、そして鰯の大群が獲れるのである。(中略)猟師の大親方は網の目の一ツ一ツを論じなくても済むのである。網の目の一ツ一ツを論ずるようなケチな根性では億兆の数の鰯を獲ることは出来ぬのである。政治は簡恕にある。簡には明白の意が伴い、恕には仁慈の情を含む。 (後略)素物の自然なのを素というのである。練絹に対するときは練らない絹は素である。光彩陸離とした美しい文飾に対するときは、ただ白いばかりで何の染まるところもないのが素である。環境に動かされて他の浸潤を受け沽染を被ったものに対するときは、生れたままで、そっと長じたものが素である。
(中略)
この素というものは、いわば吾が自体の本然なのであるから、極めて大切なものであることはいうまでもない。「うぶ」または「き」という邦語が大抵この素に当るが、「うぶ」だの「き」だのというものは、愛すべく尚ぶべく、極々大切にすべきものである。ところが純素日にうすれ散ずることはあり勝ちで、あとは繁多を去り、情は素一に帰すなどということは、修行の意をいただいているものでもなかなか得難いことである。
地方の好青年が齢やや長じて意気天を衝くようになると、相如題柱の志をいだいて東京へ出てくる。境に順逆は種々あるが、いずれにしても或いは勉学し、或いは執務する。それはよいが、やや国なまりがぬけて、ちと東京ずれしてくると、自分では進歩したつもりでおり、また実際幾分かは真に進歩もしたのであろうが、「うぶ」なところが日々に減耗し、「き」の匂いが段々薄くなって、酒でいえば酒でないものがまじり、茶でいえば茶でない香りがするものとなってくる。
(中略)
あの一種の風骨、二百年後の今に至るまで凛として存している芭蕉でさえ、雲としてへだつ友かや雁の句を遺した時のうぶさは大いによろしかったが、京都や江戸や彼処此処(あちこち)で揉まれた中年のころは、大分に「うぶ」なところを失って、とぼけものの檀林の徒の感化を受け、世間と共に笛吹き太鼓たたく獅子舞の仲間になりかかっていた。幸いにして碁の工夫二日閉じたる眼をあいて、いわゆる俳諧の誠を見開いて、自分の「き」を出したからよかったものの、さなくば高政松意の末に名を列するに了ったろう。
(中略)
素は全生命の相(すがた)である。素でないのは生命が何かに腐食されている相である。豪傑に種々段階が有り、酒にも色々品位があるが、大小高下は別として、能く「うぶ」ならばその人は既に豪傑である、真物(ほんもの)である、能く「き」ならばその酒は真物である、まやものではない。日本は日本としての素を保たねばならぬ、個人は個人としての素を保たねばならぬ。既に大統領となってもなおその「うぶ」なところを失わないで、小児のようにはずかしがった所にワシントンの真物であったことを看取することが出来る。
少し補足すると、「簡」については、”早い話しが小面倒の煩い規則やなんぞは専門知識をもっている技術家や小役人に任せてよい”とも書かれているとおり、芋を洗うときの樽の大きさを決めるのが政治家の仕事であって、ましてや政治家が自ら芋をひとつひとつ洗っていてはなにも進まないということですね。
「素」については、芭蕉にケチをつけている箇所をあえて引きましたが、”一時代とか一世とかいうものは大層有難いものと思っている人が多い。しかし実は一時代も一世もその人の「き」の方がその人に取っては尊いものでなくてはならぬ。時代に適応するということは利口者のいうところであるが、時代に合わなくてもよいから、素を失ってはならぬ。”とも書かれているとおり、その時の流れに乗り、風潮に浮かれるものが目立ってしようがなかったのでしょうね。
残念なことに露伴の心配は杞憂ではなく、今の日本人を見ても同じことを思うのじゃないでしょうか。
少なくともこの随筆を、古い時代の文筆家の一瞬の嘆きにすぎないと言うことが果たしてできるでしょうか。
「政治は簡恕にある。簡には明白の意が伴い、恕には仁慈の情を含む。」
これからもっと大変な嵐を迎えそうな、どこかの国の”先生”方に伝えてあげたいです。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ビロードツリアブなんていう名前の昆虫がいたんですね・・・
by g_g (2012-04-02 08:36)
お早うございます。
ヒシバッタ ヒメバチの仲間 ビロードツリアブ・・・いずれも初めて知りました。ぜふさんの小さな虫に対する愛情が伝わってきます(^。^)
幸田露伴の『簡素治新ということ』は難しいですが少し分かりました。
by yakko (2012-04-02 08:45)
こんにちは、nice&ご訪問ありがとうございます。
よろしくね~。
by ryuyokaonhachioj (2012-04-02 13:59)
コロコロの毛もジャのおしりがかわいいですね。
うちのマンションでもムスカリが咲いてますよ。
by barbie (2012-04-02 14:36)
おしりが、けがもしゃもしゃとだから、ビロードツリアブて名前かしら
アブでも、この子なら少し可愛いかな
長風呂、なかなかに熟読、なるほど露伴先生は鋭いです
by engrid (2012-04-02 14:58)
こんにちは^^
ちょっとフィールドを回って色んな収穫ですね。
先日、庭で草むしりなどやっていたら、バッタが出てきました。
何バッタか分からないですが、こんなお色でした。
カメラがなかったので写真は写さなかったです。
この時期思わぬところに虫類が潜んでいますね。
by mimimomo (2012-04-02 16:44)
>g_gさん
とてもユニークな昆虫です。去年の春にも紹介してました^^↓
http://floralmoon.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16
>yakkoさん
虫たちはへたなニンゲンよりもたくましいですね^^
ヒメバチではなく、ヒメベッコウかなと思い直したので書き直しました。
ごめんなさい。ハチ目はむずかしいです。。
露伴先生のこの随筆は少し読みづらいですが大意は明快だと思います。
>ryuyokaonhachiojさん(←どういう意味ですかね^^;)
昆虫記事のプログは意外と少ないのでよろしくお願いします^^
>barbieさん
ほんとは顔もかわいいんですよ^^ あと飛び方も・・完全にゆるきゃらです。
ムスカリ咲いてますか。barbieさんちですか? いいですね、この時期^^
>engridさん
そうです。ビロードのようにもしゃもしゃだからです^^
昆虫界のゆるきゃらですよ。そちらでも見られるといいですね♪
長風呂でのぼせなかったですか?^^;
>mimimomoさん
ヒシバッタは小さくて1センチもないくらいです。
アカタテハを撮りそこなったのは残念でしたが早朝にしてはまあまあの収穫でした^^
そろそろシーズンインです♪
by ぜふ (2012-04-02 21:54)
ヒシバッタ、かわいいですね。私も探してみます。
by さとし (2012-04-02 22:09)
>さとしさん
春が遅かったのでこんなに早く観察できるとは思いませんでした。
さがしてみてください^^
by ぜふ (2012-04-03 06:11)
堀川はキレイになりましたよ。
南海地震の時は津波で堀川の底が見えました。
by Silvermac (2012-04-03 21:18)
あら~♪ 毛もじゃなおしり可愛いですね~♪
我が家のベランダにもムスカリちゃんが咲いております(^v^)
by mipoko (2012-04-03 22:06)
>Silvermacさん
引き潮現象ですか!?おそろしいですね。
それでなくても海抜0メートル地帯が多い土地ですから、大変ですよね。
>mipokoさん
ほんとは”ビロードのようなおしり”といわねばならないのかな?^^;
ムスカリは流行りですか?^^ 春らしい花でいいですよね♪
by ぜふ (2012-04-03 22:44)
毛のもさもさしたお尻がなかなかキュート(笑9
いよいよ春が全開になってきましたね。
虫たちも一気に活動的になってきそうです。
by うえいぱうわ (2012-04-04 21:54)
>うえいぱうわさん
毛が生えているからかわいく見えるのでしょうね。
遅れを取り戻すかのように、春はフルスロですね^^
by ぜふ (2012-04-04 22:00)
ビロードツリアブ。。。名前も可愛らしいですが、本当にもじゃもじゃの
おしりがとても愛らしいですね(^ω^)
恥ずかしがり屋さんなの・・・かな?( ´ 艸`)
by ちゃと。 (2012-04-06 21:30)
>ちゃと。さん
ビロツリくんは恥ずかしがりやです^^(きっぱり)
この写真を撮ってすぐ肉眼でも観察しようとしたら、もう姿はありませんでした。
ところで、また寒くなってきましたね・・どうなってるのでしょうね・・^^;
by ぜふ (2012-04-06 23:10)