"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
高原の虫探し 2011秋 前編 [Wessay]
いくつかの小さな偶然が重なった結果、信州の高原が呼んでいるとしか思えなくなってしまいまして・・
小旅行の行き先は八ケ岳中信高原にしたのでした。
初日は上諏訪に泊まり、久しぶりに温泉に入って気分もリフレッシュ。
翌朝、ビーナスラインを登って訪れたのは・・
一夜明けると前日の曇り空と気温の低さがうそだったかのような好天になったのです。
(空は少しもやがかかったような感じでしたが)
逸る気持ちを抑えて、まずは自然保護センターで情報収集。
現在開花中の花の写真が掲示板に張り出されていました。
ところが職員さんに聞いてみると、このロケーションはもうあまり花は残っていないということ。
マップをもらってルートを確認し、まあとにかく行ってみましょう。
看板のすぐ脇にマツムシソウが咲いていましたが、かなり終盤でしたので割愛します。
フィールドに入ってすぐ出迎えてくれたのは・・
観察路沿いにまとわりついてくるほどたくさんいました。
もちろん茜色に染め上がったオスもいます。
それから小さな声で鳴いているのは・・
写真ではわかりませんが、太ももを震わせてシリシリシリシリというような音を出していました。
バッタはもう一種類いました。
比較的ゆるやかな斜面に広がる草原のあちこちに、こういう俵大の岩がまるでアート作品のように散らばってます。
(ひいた写真を撮るのをうっかり忘れるほど呆けて眺めていました・・)
そんな草原の中をルートに沿って散策してやっとみつけた花は・・
しぼんだ株もありましたが、まだ花期中のようで、蕾も少し見られました。
1時間くらいかけて下のほうだけをぐるっと一周しましたが、あとはノコンギクがちらほらと咲いているだけ・・
(車山のほうには行きませんでした)
というわけで蝶は一頭も観察できずザンネンでした。
(これだけ花が少ないといないのも仕方ないですね)
ここはもう収穫が見込めないなと、入り口に戻ってきたときに草むらの中に青いものがちらりと見えました。
これはこれからが本番でしょうね。 見ることができてよかった。
青い縞模様がきれいなハナアブの仲間がきてました。(ヤマラッキョウにもきてましたね)
もう一度センターに立ち寄って、さっき応対してくれた方に簡単に観察報告をしました。
バッタのことなどを聞いてみましたが、この方は察するに動物専門のようで、昆虫情報はお持ちでないようでした。
さて、これではまだまだお腹一杯にならないので、ロケーションを変えることにしました。(予定通りです)
霧ケ峰高原から散策しながら歩いていくこともできるのですが、
次に向かったのは・・
霧ケ峰高原より少し標高が低いですが、1630mの高山帯に広がる大きな湿原(天然記念物)です。
ここにもビジターセンターがありますが、後で立ち寄ることにしてさっそく散策開始しました。
草原ではなく湿原なので木道が設えてありますが、その木道の先からいきなりひらひらと何かが飛んできました。
そして、なんと自分のすぐ足元に舞い降りてきたではないですか。
散策開始したばかりで心の準備ができていなかったこちらは逆に舞い上がってしまいました。
あわててカメラを真下に向けて撮ったのがこれ。(しかもズームレンズ着けてたし・・)
シャッターを切った瞬間離陸して、現れた方へと飛び去ってしまいましたが、オレンジ色の表翅がちらちらと見えました。
カメラで再生してもこのショットだけではまったく同定はできませんでしたが、帰ってきてからPCで暗部を明るくするなどして模様を確認したところ、ヒオドシチョウなのではないかと思います。
ちなみに前日の八島ビジターセンター便りには載っていませんでしたので、ちょっと怪しいです。
でも、いきなりお出迎えしてくれるとは幸先がいいし、いやが上にも気持ちが高ぶってくるのでした。
花はノハラアザミらしきものが木道沿いにちらほら咲いていましたが、しばらく進むとひときわ目立つものが。
ヤマトリカブトしか知らないのでそう思いましたが、センター便りに載っているのはツクバトリカブト・・
少し先にも咲いていました。
ま、いずれにしても猛毒植物とは思えない、清楚なうつくしい花です。
それにしても広い湿原です。ディズニーランドくらいあるような気がします。
まだ午前中ですが、気温もあがってきて空の靄もまったくなくなってきました。
絶好のハイキング日和なので、景色を眺めるだけでも贅沢な気分になってくるのですが、
観察対象が少ないのはさびしい。。
半周ほどすると、木道が途切れて砂利道になりますが、こんなものがありました。
鹿に湿原を荒らされないようにするためのフェンスです。(去年設置と書いてありました)
このゲートをくぐったらノコンギクにやっとふたり目が・・
ヒョウモンチョウの仲間には間違いありませんが、裏翅を見なかったので微妙です。
このすぐあと、鎌ケ池に向かう途中、キベリタテハが頭上を飛んでいってくれましたが、それで蝶は終了。
残り半周する間に見かけた昆虫はアキアカネと、
のみ。(ヒョウモンチョウは何頭か観察できました)
ビジターセンターに寄って観察報告がてらお話をきいてみると、2、3日前にここいらは氷点下になったそうで。
霜も降り、それを境に様子ががらりと変わってしまったとおっしゃっていました。
季節が一気にシフトチェンジしてしまったのです。
さて困りました。 (といっても何か不利益があるわけではありませんが)
午後1時からガイドウォークがあるとのことでしたので、作戦タイムをとることに。
汗で湿ったシャツを着替えて、客のいない食堂でゆっくりカレーうどんを食べながらしばし思案。
そして、ガイドウォークも楽しいだろうけど虫がいなくては満腹にはならないぞ と決断。
八島ケ島湿原を後にしたのでした・・・
つづく
小旅行の行き先は八ケ岳中信高原にしたのでした。
初日は上諏訪に泊まり、久しぶりに温泉に入って気分もリフレッシュ。
翌朝、ビーナスラインを登って訪れたのは・・
霧ケ峰高原(は背後に広がっています)
一夜明けると前日の曇り空と気温の低さがうそだったかのような好天になったのです。
(空は少しもやがかかったような感じでしたが)
逸る気持ちを抑えて、まずは自然保護センターで情報収集。
現在開花中の花の写真が掲示板に張り出されていました。
結構いっぱい載っている
ところが職員さんに聞いてみると、このロケーションはもうあまり花は残っていないということ。
マップをもらってルートを確認し、まあとにかく行ってみましょう。
入り口
看板のすぐ脇にマツムシソウが咲いていましたが、かなり終盤でしたので割愛します。
フィールドに入ってすぐ出迎えてくれたのは・・
アキアカネ
観察路沿いにまとわりついてくるほどたくさんいました。
もちろん茜色に染め上がったオスもいます。
それから小さな声で鳴いているのは・・
ヒロバネヒナバッタ
写真ではわかりませんが、太ももを震わせてシリシリシリシリというような音を出していました。
バッタはもう一種類いました。
タカネヒナバッタ
比較的ゆるやかな斜面に広がる草原のあちこちに、こういう俵大の岩がまるでアート作品のように散らばってます。
(ひいた写真を撮るのをうっかり忘れるほど呆けて眺めていました・・)
そんな草原の中をルートに沿って散策してやっとみつけた花は・・
ヤマラッキョウ
しぼんだ株もありましたが、まだ花期中のようで、蕾も少し見られました。
1時間くらいかけて下のほうだけをぐるっと一周しましたが、あとはノコンギクがちらほらと咲いているだけ・・
(車山のほうには行きませんでした)
というわけで蝶は一頭も観察できずザンネンでした。
(これだけ花が少ないといないのも仕方ないですね)
ここはもう収穫が見込めないなと、入り口に戻ってきたときに草むらの中に青いものがちらりと見えました。
リンドウ
これはこれからが本番でしょうね。 見ることができてよかった。
青い縞模様がきれいなハナアブの仲間がきてました。(ヤマラッキョウにもきてましたね)
もう一度センターに立ち寄って、さっき応対してくれた方に簡単に観察報告をしました。
バッタのことなどを聞いてみましたが、この方は察するに動物専門のようで、昆虫情報はお持ちでないようでした。
*
さて、これではまだまだお腹一杯にならないので、ロケーションを変えることにしました。(予定通りです)
霧ケ峰高原から散策しながら歩いていくこともできるのですが、
次に向かったのは・・
八島ケ原湿原
霧ケ峰高原より少し標高が低いですが、1630mの高山帯に広がる大きな湿原(天然記念物)です。
ここにもビジターセンターがありますが、後で立ち寄ることにしてさっそく散策開始しました。
草原ではなく湿原なので木道が設えてありますが、その木道の先からいきなりひらひらと何かが飛んできました。
そして、なんと自分のすぐ足元に舞い降りてきたではないですか。
散策開始したばかりで心の準備ができていなかったこちらは逆に舞い上がってしまいました。
あわててカメラを真下に向けて撮ったのがこれ。(しかもズームレンズ着けてたし・・)
単なる状況証拠写真
シャッターを切った瞬間離陸して、現れた方へと飛び去ってしまいましたが、オレンジ色の表翅がちらちらと見えました。
カメラで再生してもこのショットだけではまったく同定はできませんでしたが、帰ってきてからPCで暗部を明るくするなどして模様を確認したところ、ヒオドシチョウなのではないかと思います。
ちなみに前日の八島ビジターセンター便りには載っていませんでしたので、ちょっと怪しいです。
でも、いきなりお出迎えしてくれるとは幸先がいいし、いやが上にも気持ちが高ぶってくるのでした。
花はノハラアザミらしきものが木道沿いにちらほら咲いていましたが、しばらく進むとひときわ目立つものが。
ツクバトリカブト?
ヤマトリカブトしか知らないのでそう思いましたが、センター便りに載っているのはツクバトリカブト・・
少し先にも咲いていました。
こちらは少し色が薄い
ま、いずれにしても猛毒植物とは思えない、清楚なうつくしい花です。
それにしても広い湿原です。ディズニーランドくらいあるような気がします。
まだ午前中ですが、気温もあがってきて空の靄もまったくなくなってきました。
絶好のハイキング日和なので、景色を眺めるだけでも贅沢な気分になってくるのですが、
観察対象が少ないのはさびしい。。
半周ほどすると、木道が途切れて砂利道になりますが、こんなものがありました。
鹿に湿原を荒らされないようにするためのフェンスです。(去年設置と書いてありました)
このゲートをくぐったらノコンギクにやっとふたり目が・・
ウラギンヒョウモン?
ヒョウモンチョウの仲間には間違いありませんが、裏翅を見なかったので微妙です。
このすぐあと、鎌ケ池に向かう途中、キベリタテハが頭上を飛んでいってくれましたが、それで蝶は終了。
残り半周する間に見かけた昆虫はアキアカネと、
ヒメギスとフキバッタ
のみ。(ヒョウモンチョウは何頭か観察できました)
ビジターセンターに寄って観察報告がてらお話をきいてみると、2、3日前にここいらは氷点下になったそうで。
霜も降り、それを境に様子ががらりと変わってしまったとおっしゃっていました。
季節が一気にシフトチェンジしてしまったのです。
さて困りました。 (といっても何か不利益があるわけではありませんが)
午後1時からガイドウォークがあるとのことでしたので、作戦タイムをとることに。
汗で湿ったシャツを着替えて、客のいない食堂でゆっくりカレーうどんを食べながらしばし思案。
そして、ガイドウォークも楽しいだろうけど虫がいなくては満腹にはならないぞ と決断。
八島ケ島湿原を後にしたのでした・・・
つづく
オマケ
靄が晴れた八島ケ原湿原から北アルプスを望む
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんばんは^^
この時期はもう昆虫は少ないのでしょうか。
初夏にはお花を求めてこの霧が峰や八島湿原には行ったことがありますが、
初秋には行ったことないです。
空気が澄んで気持ち良さそうですね。
by mimimomo (2011-10-01 19:54)
トンボが群れをなして飛んでいますが、止まりませんね。
by Silvermac (2011-10-02 06:48)
>mimimomoさん
一足遅かったようでした^^;
mimimomoさんはきっと訪れたことがあるだろうなと思ってました。
初夏から夏がいいでしょうね。
前日は曇ってて少し冷え込みましたが、この日は最高の観察日和でした^^
>Silvermacさん
ここのアキアカネはとまってばかりでした。
逆に群れ飛ぶのを撮影したかったんですが・・・^^;
by ぜふ (2011-10-02 07:41)
遠征お疲れさま
私は日帰り強行軍でしたがお泊りして温泉にゆっくりつかって
散策したいところですよね。
八ケ原湿原も入り口しか見れませんでしたが素晴らしいところで
もう少し早い時期に行けばここだけで1日楽しめそうでした。
by masao。 (2011-10-02 17:51)
リンドウが咲き出していたんですね、こちらではまだ見ていません
今日山歩きをしてきましたが、全くチョウやトンボは飛んでいませんでした、朝は良い天気、そして昼近くになると霧が・・・間もなく雨が・・・落ち込む1日でした。
by g_g (2011-10-02 19:28)
いろんな昆虫がいるんですね。
ここの風景を見ていると、なんだか日本じゃないみたいです。
こういう所もあるんですね。
by うえいぱうわ (2011-10-02 21:57)
>masao。さん
中信高原は丸一日あっても廻りきれないかもしれませんね。
とくに虫のシーズンだと^^
キベリを撮り損ねたのがザンネンでした・・
>g_gさん
リンドウを見れたのは一足遅れたのが功を奏した形になりました^^
ここのアキアカネもヒラバに降りていくのでしょうか。
そうするとほんとにバッタしかいなくなりますね。
>うえいぱうわさん
ん~、もっとたくさんの昆虫に会える皮算用だったんですが^^;
写真よりも実際見たほうが日本らしくない景色ですよ^^
ちなみにビーナスラインも最高です。
by ぜふ (2011-10-02 22:42)
お早うございます。
信州の高原 憧れます〜〜 ! 爽やかな風が感じられますヨ。
秋の野の花々、昆虫たちに会えましたね〜(^ニ^)
by yakko (2011-10-03 08:38)
季節が駆け足で進んじゃいましたね(><)。
急に寒くなって、人間だけじゃなく、虫や花も戸惑っているんじゃないでしょうか。
けど、これくらいの気温になると、空がホントにキレイですね♪♪
by ふじのり (2011-10-03 09:00)
>yakkoさん
この日は爽やかでしたが、今日はまた氷点下になったようです。
昆虫たちはどうしてるかなぁ・・
>ふじのりさん
ほんとに激変にもほどがありますよね。
これから子孫を残そうとしていた昆虫が心配です。
空や山はキレイでしたよ^^
by ぜふ (2011-10-03 22:28)
昆虫たちは、気温に敏感ですからね。
寒くなると、ぱったり見かけなくなりますよね(>_<)
by sasasa (2011-10-04 21:30)
>さささん
気温もそうですが、花がないところにはいなくなりますね。
観察員の方もおっしゃってましたが、まったくいないわけではないそうですが・・
でも少しは観察できてよかったです^^
by ぜふ (2011-10-05 06:36)
秋の湿原散策は空気も澄んで
気持ち良さそうですね。
貴重な野草も多くで自然が豊だなぁ。
またバイクで行きたくなりました。
by 響 (2011-10-05 10:40)
>ぜふ様
初めて、訪れて見たのですが、
花にも、昆虫にも造詣が深く驚きました。
色々勉強させていただきたいと思います。
by みほ (2011-10-05 17:47)
ハーレーに乗るまでは山歩きが好きでした。私の知らないビーナスラインですね。いつも通過ですが、たまにはバイクを降りてゆっくり散策するべし!デスね(笑)
by barbie (2011-10-05 22:22)
>響さん
長袖一枚でもちょうどいいくらいの陽気で、気持ちよかったですね^^
でも野草を見るには一足遅かったようです。
また、ということは訪問暦があるんですね。 はるばる来る価値はありますね!
>みほさん
ご訪問ありがとうございます。造詣などというものとはほど遠いと思います。
まだまだ勉強中ですが、ゆるゆるとやっておりますので、
よかったらまた気軽にコメントください。
>barbieさん
なんと波乗りだけでなく山歩きもお好きだったとは!?^^
barbieさんが知らないビーナスラインなんてあるんですか・・
とにかく、八ケ岳中信は走るのと歩くのと二度おいしいですよ~
by ぜふ (2011-10-05 23:35)
高原ハイキングを楽しませて頂きありがとうございます。
by U3 (2011-10-09 19:00)
>U3さん
いいハイキング日和でした。
虫は少なかったですが・・^^
by ぜふ (2011-10-09 21:30)