"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
A Tiny Grasshopper [Wessay]
ゴールデンウィーク・スペシャル(と勝手に銘打って)Wessayをお届けします。
ある公園に棲む、ヤブキリの子ども”ピン”のおはなしです。
小さなキュウリグサの下で寝ていたバッタの子が眼を覚ましました。
ピンはこの春生まれたばかり。まだまだ身体はちっちゃいけれど、とっても食いしん坊。
夏までにおとなになるとはりきっています。
今日もさっそく大好物の花粉の食べ歩きに出発するようです。
もうキュウリグサの花じゃお腹の足しにもならないな。
ボクの長い触角で違う花を探してみよう。
キュウリグサより少し大きいのを見つけたぞ。ワスレナグサだなこれは。
この花も茎が細いから結構ゆれるけど、なんとかてっぺんまで登れたよ。
どう? ボクの触角、カッコイイでしょ。今はこれだけが自慢さ。
さて、花粉の味はというと・・・うん、なかなかいける。
でもあっというまに食べちゃったよ。これじゃまだまだ足りない。
あっちの林のほうからいいにおいがするから行ってみよう。
どれどれ、これはニリンソウかな? これもおいしそうだ。
前菜むきのいい香りのする花粉だね。こっちを先に食べればよかったよ。
でもちょっと待てよ。変なにおいもしてきたぞ。
まわりにあるドクダミのにおいだ。これでは折角の香りが台無しだ。
まだ食べ終わってないけど失礼しよう。今度は向こうの池のほうに行ってみよう。
少し背の高いヤマブキはお花にたどり着くのが大変だ。茎が迷路みたいに入り組んでいるよ。
途中で迷子になったおかげでまたお腹がすいちゃった。
味はわるくないんだけど、なんだか食べにくいな。触角もうまくのばせない。
それに足を踏み外すと池に落ちそうだからあぶないぞ。ほかのを探そう。
あそこでベニシジミの姉妹が食べてるヒメジョオンがおいしそうだ。
ちょっとおじゃまします。
ボクは一番下の席にすわるからね。
人気があるわけだね。これはおいしい。
やっとお腹もふくらんできたな。
でもまだまだ食べるぞ。早くおとなになってハネをはやすんだ。
これはジシバリかなぁ。きれいな色をしているのにあんまり人気がないみたいだ。
それに身体がチクチクして食べにくいよ。いつものタンポポがいいな。
タンポポを探そう。
ああ、それにしても早くハネがはえないかなぁ。
飛べればいいけど、歩いているうちにまたお腹がすいちゃうよ。
カントウタンポポがよかったけど、これはセイヨウタンポポかな。
かなり食べごたえがあるね。でもすわり心地がいいからじっくりゆっくり食事を楽しもう。
と思っていたら、おっと、ツマキチョウのおねえさんがやってきたよ。
ちょっとどいてだって。
気取ってるけど、いいなぁ、ボクも早くそういうふうにぱたぱたと飛びたいね。
背中に乗せてなんて言ったらしかられそうだから退散だ。
まばらじゃなくて、いっぱい花が咲いているところにしよう。そうすればいいんだ。
あっちに赤白の花がたくさん見えるぞ。
やっと満開のツツジの木に着いた頃にはお昼になっちゃった。お日様も真上にある。
またお腹がすいてきたから、さっそく食べようと思ったらここにも先客がいたよ。
体格のいいクマバチコマルハナバチはおっかないけど、立派な毛並み、かっこいい羽。
こんなおにいさんに早くなりたいなぁ。
あのう・・・ちょっとおじゃましても・・・
よくないですね。。
やっぱりちょっぴりコワイし、ブンブンうるさいからもうひとつのところにしよう。
白い花はシャガだったんだ。いつも日陰に咲いているから目立たないけど、このあたりはにぎやかだ。
なぜだか誰もいないし、食べきれないほどいっぱい咲きひろがってるから文句なし。
しばらくここにいることにしよう。
日差しもまぶしくてあったかい。花びらのクッションもふかふかしてるから眠くなっちゃうな・・
よし、ちょっとお昼寝したらまたいっぱい食べるぞぉ。
そして、ヒマワリが咲く頃にはきっとカッコイイおとなになるんだ。
ある公園に棲む、ヤブキリの子ども”ピン”のおはなしです。
小さなキュウリグサの下で寝ていたバッタの子が眼を覚ましました。
ピンはこの春生まれたばかり。まだまだ身体はちっちゃいけれど、とっても食いしん坊。
夏までにおとなになるとはりきっています。
今日もさっそく大好物の花粉の食べ歩きに出発するようです。
もうキュウリグサの花じゃお腹の足しにもならないな。
ボクの長い触角で違う花を探してみよう。
キュウリグサより少し大きいのを見つけたぞ。ワスレナグサだなこれは。
この花も茎が細いから結構ゆれるけど、なんとかてっぺんまで登れたよ。
どう? ボクの触角、カッコイイでしょ。今はこれだけが自慢さ。
さて、花粉の味はというと・・・うん、なかなかいける。
でもあっというまに食べちゃったよ。これじゃまだまだ足りない。
あっちの林のほうからいいにおいがするから行ってみよう。
どれどれ、これはニリンソウかな? これもおいしそうだ。
前菜むきのいい香りのする花粉だね。こっちを先に食べればよかったよ。
でもちょっと待てよ。変なにおいもしてきたぞ。
まわりにあるドクダミのにおいだ。これでは折角の香りが台無しだ。
まだ食べ終わってないけど失礼しよう。今度は向こうの池のほうに行ってみよう。
少し背の高いヤマブキはお花にたどり着くのが大変だ。茎が迷路みたいに入り組んでいるよ。
途中で迷子になったおかげでまたお腹がすいちゃった。
味はわるくないんだけど、なんだか食べにくいな。触角もうまくのばせない。
それに足を踏み外すと池に落ちそうだからあぶないぞ。ほかのを探そう。
あそこでベニシジミの姉妹が食べてるヒメジョオンがおいしそうだ。
ちょっとおじゃまします。
ボクは一番下の席にすわるからね。
人気があるわけだね。これはおいしい。
やっとお腹もふくらんできたな。
でもまだまだ食べるぞ。早くおとなになってハネをはやすんだ。
これはジシバリかなぁ。きれいな色をしているのにあんまり人気がないみたいだ。
それに身体がチクチクして食べにくいよ。いつものタンポポがいいな。
タンポポを探そう。
ああ、それにしても早くハネがはえないかなぁ。
飛べればいいけど、歩いているうちにまたお腹がすいちゃうよ。
カントウタンポポがよかったけど、これはセイヨウタンポポかな。
かなり食べごたえがあるね。でもすわり心地がいいからじっくりゆっくり食事を楽しもう。
と思っていたら、おっと、ツマキチョウのおねえさんがやってきたよ。
ちょっとどいてだって。
気取ってるけど、いいなぁ、ボクも早くそういうふうにぱたぱたと飛びたいね。
背中に乗せてなんて言ったらしかられそうだから退散だ。
まばらじゃなくて、いっぱい花が咲いているところにしよう。そうすればいいんだ。
あっちに赤白の花がたくさん見えるぞ。
やっと満開のツツジの木に着いた頃にはお昼になっちゃった。お日様も真上にある。
またお腹がすいてきたから、さっそく食べようと思ったらここにも先客がいたよ。
体格のいい
こんなおにいさんに早くなりたいなぁ。
あのう・・・ちょっとおじゃましても・・・
あ゛?
よくないですね。。
やっぱりちょっぴりコワイし、ブンブンうるさいからもうひとつのところにしよう。
白い花はシャガだったんだ。いつも日陰に咲いているから目立たないけど、このあたりはにぎやかだ。
なぜだか誰もいないし、食べきれないほどいっぱい咲きひろがってるから文句なし。
しばらくここにいることにしよう。
日差しもまぶしくてあったかい。花びらのクッションもふかふかしてるから眠くなっちゃうな・・
よし、ちょっとお昼寝したらまたいっぱい食べるぞぉ。
そして、ヒマワリが咲く頃にはきっとカッコイイおとなになるんだ。
END
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
沢山食べて、立派な羽が生えますように(^_^)
by sasasa (2011-05-03 23:28)
緑のワンポイントをよく見るようになりましたね。
by masao。 (2011-05-04 04:12)
>さささん
こういう虫なら平気でしたか?^^
すぐに大きくなると思いますよ。
>masao。さん
そうなんです。あちこちにいたので・・
楽しませてもらいました^^
by ぜふ (2011-05-04 06:02)
ピンくんすげー
毎度お花の上に登場してくれるの?ww
全身真っ黒なクマバチは初めてみましたねー
いつも会う子は、黄色いチョッキ着てるんですけど~^^
by mitsu (2011-05-04 09:23)
おはようございます^^
あー楽しかった(^0^ わたくしまで
ピン君になったような気分です。
それにしても小さいですよね~ 丁度勿忘草と同じくらいの大きさですものね。
夏までに元気に成長してくれると良いですね。
by mimimomo (2011-05-04 09:37)
>mitsuさん
ネズミーランドの主人公と似てますね♪
ぜんぶ同じ日ですが、決して同時に2匹はいません!^^
クマバチのアニキのチョッキ、かなり短かっただけなのかも・・
>mimimomoさん
童心に戻っていただけてありがとう! ヤマブキに登るの大変でした?^^
そうなんですよ、ちょうど大きさが同じだ~とつぶやきながら撮ってました。
夏にはおとなになったピンがたくさん見られると思いますっ
by ぜふ (2011-05-04 21:55)
ちょっとウルッときてしまいました。。。ほのぼのして。
あったかい物語ですね。お写真に添えられた言葉がぴったりで
心がほっこりしました(▰╹◡╹▰)
by ちゃと。 (2011-05-05 00:34)
物語に写真があっていて、ちょっと感動しました♪
by Pin-BOKE (2011-05-05 01:25)
>ちゃと。さん
ぜんぶ読んでくれてありがとう。
おもてに出さなかったトーンも感じとってくださったようで・・・こっちもほっこり^^
>Pin-BOKEさん
ありがとうございます┌(_ _)┐
ちょっと苦しいかなと思ったのもありますが^^;
by ぜふ (2011-05-05 06:01)
こんにちは!
とっても心温まるストーリーでしたよ~♪
たくさんの素敵なはなに囲まれて、幸せそうなピンくんでしたね。
先日散策してたら、キンランにとまってたピンさまを見つけましたよ~(^o^)
by kazykaz (2011-05-05 16:06)
ピン君は花から花へと冒険好きですね。
ぜふさんのステキな感性に感服いたします。
by 響 (2011-05-05 16:30)
童心に還りわくわくしますね(^。^)
こう言う小さい昆虫見つけるといつまでも遊んでいたくなります(^。^)
by やまべぇ (2011-05-05 20:05)
>kazykazさん
ありがとうございます┌(_ _)┐
キンランとはまた希少な花をみつけたものですね。
(偶然、昨日キンランをみつけましたが、ピンくんはいなかったです)
キンランはきっと高級料亭というところでしょうか^^
>響さん
ヤブキリはおとなになっても花がすきですよね。
響さんの感性もステキだと思いますよ!
>やまべぇさん
はい、いつまでも遊んでました、いや、遊んでもらってました^^
昆虫=わくわくです。
by ぜふ (2011-05-05 21:30)
こんばんは。
楽しいお話でした〜(^。^) まるで絵本をみているようです。
ヤブキリっていうんですか、小さい虫ですね〜〜会ったことないかな。
ベニシジミ、ツマキチョウ にも会えて羨ましいです。
by yakko (2011-05-06 22:56)
>yakkoさん
楽しんでいただけてうれしいです。絵本ならぬ写真本ですかね・・
ヤブキリはたくさんいると思いますので、成虫は見覚えがあるはずです。
ツマキチョウはワタシも会えてよかったです^^
>みなさま
これから小旅行にでかけますので、数日間オフラインになります。
よろしくお願いします。
by ぜふ (2011-05-07 04:24)
こういうの大好きです~!
小さい世界に入り込んで、楽しんじゃいました。
私も、この子をこの間ちょっと撮ったのがあるので、今度
見に来てください~
小旅行ですか?楽しんでらしてね!!
by ☆marilyn (2011-05-09 23:27)
童心に返って読ましてもらいました、いいですね。
by g_g (2011-05-10 12:26)
>marilynさん
よかったです。
それにしてもピン君はあらゆる場所に出没しているようですね^^
ぜひアップしてください。
>g_gさん
ありがとうございます┌(_ _)┐
いつまでも童心を持ち続けたいものです・・
by ぜふ (2011-05-10 22:10)
今年は、いつもシャガが咲いてる場所にありませんでした。
by Silvermac (2011-05-11 22:55)